「さあどうぞ
こちらが冥土 ほら 舟にお乗りなさい」
「覚悟も 見届けました どうぞお気になさらずに」
「ああそうだ 彼女のことも ご心配には及びません」
「まあいいや そんなことは どうぞ振り返らずに」
有限に光は走る
僕の前で消えていく
視界に暗闇覆う
ココは何処
足跡を見返しても、奇跡なんてありはしない
星空に瞬いた輝きに、僕は溶けていく
朝焼けに照らされた 誓いの花束を添えて
絶望と希望の狭間(まんなか)で、一人佇む
僕の声 僕の呼吸(いき) 僕の心音(おと) 消えてって
僕の夢 僕の道 僕の愛 霞んでく
これはだめ?
それはいい?
あれはなに?
どれでしょう?
僕はただ、海に揺れ
朽ち果てて、沈んでく?
空間の支配は遠く、意識はもう遙か底
世界に一つだけ
残すとしたら何がいいかな
エリナ
僕はいくんだ
宿命(かれ)と連れ立って
エリナ
こんなにも
伝えきれない
言葉が浮かぶのに
エリナ
君と誓った永遠の愛は
今 目の前から 溢れだしていく
僕は行くんだ あの空の果てに
ああ悲しまないで、君の笑顔を、願っているから
「どうか、忘れないで。貴方と私も一つ。」
「いつも想っています。どうかお許し下さい。」
「長い旅路になります。もう覚悟も出来ています。」
「勇気もいたみも抱いて、さあ、未来(きぼう)に歩みましょう」
最終更新:2013年03月20日 13:54