他人が紡ぎ上げた欠片たちを
窓の外から眺め続けた。
ドアを作ることも出来なかった。
それは幼い僕のプライド。
彼は子供の時から思っていました。
町に住んでいると
それはたくさんの人と出会う。
しかし 普通の人たちは
一生で真に気持ちが
かよい合う人が
いったい何人いるのだろうか…?
隠し事をしてました。
かよい合えないのが嫌でした。
ずっとひとりだった僕の部屋は、
あまりに空虚で満ちていました。
ある日現れた《
DIO》(アイツ)は
僕の《法王の緑》(スタンド)が見えていた。
僕が積み上げたレンガを、
容易く 乗り越え 崩して 蹴散らす
「安心しろよ花京院…
怖がらなくてもいいだろ」
怯えて 離れて 測って 焦って
乱れて 埋められ 繰られて 飛び出した
人が紡ぎ上げた欠片たちが、
かよい合うのを羨んでいた。
孤独に作り上げた僕の城。
ドアを閉ざした 僕の諦め。
小学校の
クラスの◯◯くんの
アドレス帳は友人の名前と
電話番号でいっぱいだ。
100人ぐらいだろうか?
母には父がいる。父には母がいる。
自分は違う。
TVに出ている人とか
きっと何万人もいるんだろうな。
自分は違う。
彼はそう思っていた。
隠し事をしてました。
傷つくのが嫌でした。
やっと叩かれた扉の音と、
初めての仲間に戸惑いました。
「命の危険を冒して、
どうして僕のことを助けた。」
追い詰め 傷つけ 壊して 暴れて
それでも 拾って 掴んで 引き抜いた
行き交う群衆の絆を見つめ、
「自分は違う」と諦め続けた。
孤独に慣れ親しんだこの身が、
陽だまりでゆっくりと溶けていく。
「自分にはきっと一生
誰ひとりとしてあらわれないだろう。」
「なぜなら この『法王の緑』が
見える友だちはだれも
いないのだから…。」
ジョースターさん
承太郎
ポルナレフ
アヴドゥルに出会うまで
ずっとそう思っていた。
……数十日のことでした。
僕は仲間を知りました。
そっと消えていった絆たちに、
不思議な感情が込み上げました
隠すことに決めました。
この気配を昔のように。
残された《時間》(トキ)は数秒だけ。
時計を止めるため、吼えました。
扉を開いて 握って 繋いで 笑って 歩いて
出会えてよかったなぁ…
与えられたぬくもりの影は、
僕の孤独の城を許さない。
目の前に浮かぶ法王は
永遠に僕の隣を離れない。
霞む世界に翡翠を放ち、
挑む仲間に《種》(ヒント)を蒔いて
結末が彼らを照らすよう、
僕は目を閉じ 信じ続ける……
最終更新:2014年07月16日 15:41