悪霊住まいの部屋に
看守の声が飛び込んだ
誰にも会えない服なのに
もう なんだよ どちら様?
「名乗るほどたいした名じゃないが
ワシらはこう呼ぶ『
アヴドゥル』と」
「お前にマジシャン連れてきた
話すから 出ておいで」
アヴドゥルだ?冗談じゃねぇっ!
そんなモン呼んだ覚えはない
構わず消えてくれ
そこにいられたら 寝れないだろう
オララ オラ オララ オラ
マンガ積み上げた部屋に
ノックの音が飛び込んだ
あの野郎 まだ居やがったのか
消えてくれって ブ男
「そんな言葉を言われたのは
生まれてこの方初めてだ」
「非常に虚しくなってきた
どうしよう キレそうだ」
ブ男よぉっ!冗談じゃねぇっ!
おまえがキレてちゃ仕様がない
キレたいのは俺の方だ
こんなモン呼んだ覚えはない
オララ オラ オララ オラ
二人分の沈黙 重く……
格子挟んで向かい合わせ
疲労を感じる溜め息
腕を組みつつ向かい合わせ
すっかりあきれた おじいちゃん
今でもしっかり俺を
外に出すつもりか アヴドゥルよ
「それだけが約束なんだ
連れ出さないと帰れない」
今では俺も自分から
外に出ようかと思ったが
困った事に息が出来ない
これが ブ男の スタンドか!
そっちのスタンド解除しろ
俺なら外に出るからさ
ウンとか スンとか 言ってみろ
どうした? おい、まさか…っ!
アヴドゥルよ! 冗談じゃねぇっ!
今更 俺一人 相手に
構わず キレやがった
信じた瞬間 裏切った
アヴドゥルよ! 冗談じゃねぇっ!
牢屋の格子 曲がる音
スタンド連れて 怒り心頭
「てめぇは 俺を 怒らせた」
オララ オラ オララ オラ
焼き鳥スタンド 解除して
不敵に笑って こう言った
「彼を牢屋から出しました」
あきれたが
なるほど……やれやれだぜ
最終更新:2007年11月24日 18:07