――――もうひとつの 杜王町の顔
すれ違うたび 目に留まる
細い指 滑らかな肌
懐の君と 比べてしまう
よくないな…
浮気は駄目だ
なあ そうだろう? と
手首に 囁く
シリアルキラー
手入れのされた
ペディキュアの色
壊れそうな
華奢な「彼女」
次の獲物に 定め
その手に 掛けた
いらない部分 消してしまおう?
キラー クィーン
私の 欲を
満たしておくれ
消すこと できはしない
生まれついての 衝動
初めて 自覚したのは
何時の事だっただろう?
たまたま買った 雑誌に
載っていたその絵画
偶然が
人生と 倫理観
狂わせる
モナリザの 肖像画
組まれた 手首
早鐘を打ち始めた 鼓動
熱く痺れた 心
初めて覚えた 欲情
歪んだ その性癖
切り抜いた 絵画を
現実のもの にしてしまおう、と
嗚呼
罪の意識など
煩悩の 前では
容易く 崩れ去る
あの興奮、
あの官能を、
もういちど……
最初の 犯行は
年若い 見知らぬ少女
ベッド の下にいる
愛犬へ 伸ばされた指
水音を 立てて 舐める
泣き声を 真似て
偽りの 安堵を 言葉で
恐怖へ 塗り替えて
切り裂いた 背を
月が 蒼く照らす
その時 彼は酔いしれていた
――――後に起こることも知らずに
「もっと、もっと沢山の獲物を」
Then he intoxication
――――No he know after things
“I want more sacrifice”
その時 彼は酔いしれていた
――――彼女に殺される事になるとは知らずに
最早 後戻りは出来ない…
Then he intoxication.
――――No he know she’ll kill him
He can’t turn back now…
そして男は
殺戮の女王を 手に入れた
最終更新:2008年07月06日 18:53