第27話 「キング・クリムゾン V.S. スタープラチナ 1」
その日、その敵は突然にやってきた。私、空条承太郎が文化祭も明日に迫った日、残業を終え(文化祭とかは生徒だけでなく、先生も大変なのだ)職員室に一人でいた時だった。
「……あんたが……空条承太郎か………」
そんなセリフと共に職員室のドアが開く。ドアが開くとピンクの髪に緑の斑模様が入った網シャツの男が現れた。
「お前は……確か………」
ポルナレフの情報では
ディアボロとかいうスタンド使いだ。
「………お前は死んだと聞いたが?」
「あぁ……そのとおりだ……あの下っぱのカス共のせいでな……このディアボロが………」
「……じゃあ、なんで生きている?」
「俺はあの時死んだわけじゃない……死のループに巻き込まれた……一言で言えばそういう事だ。
ところがそのループが突然解かれてな、何か分からんがこうやって自由に歩き回れるという事だ」
「………そうか、なら何故私を知っている?」
「あのポルナレフ……奴が俺の組織を潰してまわっていた時に奴の略歴は全て調べた。
だからお前の事も知っている……そういう事だ」
「……なるほど……なら、何故私を襲う?」
「俺は過去を消して生きてきた……俺の過去を知る者には消えてもらわないといけない……それだけだ」
ディアボロがそう言い放ち、二人で睨み合う。と、ほぼ同時に、
「スタープラチナッ!」
「キング・クリムゾンッ!」
戦いが始まった。
「オラァッ!」
右フックから左脇腹にフックを放ち、すかさず右ストレート、左ストレート、右のジャブから左のジャブ、
が、ディアボロのスタンドはその驚異的なスピードとパワーに押し負けず、くらいつき、さばききる。
「無敵のスタンドという呼び名はだてではないようだな……俺のキングクリムゾンとここまで渡り合うスタンドは初めてだ………」
「私もだ……DIO以来の相手だな………」
「だが、俺のキングクリムゾンの能力を相手にしたらどうだ?時よ消し………」
「スタープラチナ・ザ・ワールドッ!」
その瞬間、世界が止まった。
「時を消し飛ばす能力……聞いていなければマズかった……これで………!?」
ディアボロにトドメを刺そうと向き直ったらディアボロはそこにはいなかった。
「ま、まさかッ!あの時既に時をッ!」
咄嗟に飛びのく。
「時は再び動きだす………」
時が動きだすと、後ろにまわって手刀を繰り出そうとしていたディアボロがいた。
「運がいいな。時が消し飛び終わった瞬間に時を止めるとは……いや、狙ってやったのか?
………有り得んな、ならトドメをさしているだろう?」
「……………」
「返事はするつもりはないか……だが構わん。真実の頂点はこのディアボロにあるッ!」
「オラァッ!」
こうなれば相手に時を消し飛ばす暇など与えない。
スピードとパワーは互角だが、精密な動作ならスタープラチナの方が上だ。続けていけば押し勝てる。
「接近戦で俺に時を飛ばさせないつもりか?無駄だ……お前の攻撃は既にエピタフで予知しているッ!」
右のアッパーカットから左、左、右のコンビネーションパンチ、そのままフリッカーを繰り出す。が、全て紙一重でかわされる。
「………予知ってのは本物のようだな………」
「エピタフがある限りお前の攻撃は俺には当たらない……時を消し飛ばすまでもない」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!」
「無駄だッ!お前のような便所のタンかすの攻撃など決してあたらんッ!」
「オラァッ!」
次々とパンチを繰り出すが、やはり全てよまれているようにかわされる。
「キングクリムゾンッ!」
と、一瞬の隙を突き、ディアボロが攻撃してくる。かわしたが、ギリギリだ。
「無敵のスタンドという割には苦戦しているようだな……次で終わりだッ!クラエッ!」
「オラァッ!」
手近にあったハサミを投げ付けるが、かわされる。
「わがキングクリムゾンの予知に見切れぬ物はない……無駄なあがきだッ!」
「そうか?今のは……凄く効果的に見えるがな………」
「……………?」
その瞬間、備え付けの水道から水が出て、勢いよくディアボロにかかる。
「ぐ……目が……さっきのハサミで……蛇口をひねったのか?」
「スタープラチナ・ザ・ワー………」
「キングクリムゾンッ!時よ消し飛べえええぇぇぇぇ!」
時が消し飛び終わり、私はあらぬ方向にパンチを繰り出していた。
「やれやれだ……トドメをさすチャンスだったんだがな………」
「俺は今までお前を格下だと思っていたようだ……だがもう思わん!帝王として全力でたたきつぶしてくれるッ!」
―――その時
「これ……どうすんの?キョン?」
「どうって……編集するんだよ………」
「この大量のテープ……明日までに編集できんの?CGとかもいれるんでしょ?」
「………徐倫はどうなんだ?」
「SPW財団の人達に協力してもらったからもう映画は完成してるわよ」
「そうか……んじゃ、頼んだやつ、入れてくれたか?」
「入れたけど……こんな方法で大丈夫なの?」
「………多分な」
―――場面は戻る
「……………」
「……………」
私とディアボロはさっきから睨み合ったまま動かない。私はエピタフのせいで迂闊に攻撃できず、ディアボロも時を飛ばし終えると同時に時を止められるのを警戒して動けない。互いに相手の出方を伺うしかない。
「……お前の予知は……数秒……だいたい10秒程しか読めないらしいな………」
「それがどうした……お前も一度時を止めると数秒は止められないんだろ?」
「……………」
「……………」
何とかしてこいつの“10秒”を上回らないと私は勝てない……一体……どうする………。
To Be Continued・・・
最終更新:2009年02月06日 15:21