第28話 「キング・クリムゾン V.S.スタープラチナ 2 」
放課後の職員室、私と
ディアボロはいつ終わるとも分からない睨み合いを続けていた。
「………動けないのか?」
「………お前はどうだ?そのエピタフで未来を読んで動いてきたらどうだ?」
「……キングクリムゾンッ!」
そう叫ぶとパンチを繰り出してくる。鋭い右ストレート、後ろに下がり、
「スタープラチナ……」
「時よ消し飛べッ!」
次の瞬間、互いにあらぬ方向を攻撃していた。
「……お前は私が時を止めている間に何をするかの予知は不可能なようだな……予知できるのならそんな見当違いの場所にはいない」
「それがどうした?お前は俺の時飛ばしに対応できるのか?」
「……オラァッ!」
右、左、左、右、右のフェイントを放ちつつ、左のアッパー、次々と攻撃を放つがかわされ続ける。
「エピタフで読めない10秒以上になるまで時間稼ぎか?そんなもの、タダの足掻きだッ!」
「オラオラオラァッ!」
やはり攻撃は全て当たらず、空しく空を切る。
「だが……このままよけ続けるのも危ない……帝王は常に絶頂であらねばならんッ!キングクリムゾンッ!我以外の全ての時間は消し飛ぶッーーーーー!」
そして、周りの時が無くなる。
「スタープラチナ……無敵のスタンド……てこずらせたがここまでだ………トドメだッ!時よ再始動しろッ!」
そして、時が再始動すると、ディアボロが背後に周り、手刀でトドメを刺そうとした瞬間だった。
「やはり……そうきたか……対策はしてある……対策はな………」
次の瞬間、天井から消火器が落ちてくる。
「時を飛ばしての予知でも時間を止めている間の予知は不可能だ……お前がさっき時を飛ばした間に一度時を止めて投げておいた………
だが変な感じだな、自分で計画しておいてやった事なのに覚えていないとは………」
「ちいッ!」
ディアボロは後ろに飛び退いて下がる。
「おっと……そう簡単には逃がさないぜ。スターフィンガー!」
伸びた指がディアボロの肩に突き刺さる。
「どうする?刺身にしてやろうか?すりみがいい………」
「キングクリムゾンッ!」
気付くとディアボロが肩から血を流しながら少し離れた場所に立っている。
「帝王は……このディアボロのハズなんだ……たとえ貴様の能力があの下っぱのカス共より数倍強くても……このディアボロが………」
「……………」
「俺は運命に選ばれたんだ……だからこうして帰ってこれた……もう一度チャンスがやってきたんだ……それを……それを………」
「……………」
「空条承太郎、お前には死んだ事を後悔する時間をも……与えんッ!」
「……………」
「……………」
お互いに睨み合いが続く。ディアボロはさっきの奇襲から警戒を強め、自分からしかけようとしない。だが、相手を警戒してしかけられないのはこちらも同じだ。
互いに牽制のパンチやキックの撃ち合いが数回あったが、それ以上の動きは無い。………なんとか突破口を開きたいが………。
「動かないのか……お互い睨み合っていていいのか………?」
「………先に動いた方が不利になる……見え透いた話だ」
「……ほう?むしろ相手が行動をおこす前に先に動いて仕掛けた方がいいんじゃないのか………?」
「お前より素早く動けるのならな………」
素早く……か……待てよ………。ポルナレフが言っていた血の滴を使えば………。
ある妙案を思い付き、指先をかじり、血を手の甲に滴らせる。
「……あのクソッたれ共が使っていた手か?同じ手は二度とくわん……無駄だという事を思い知らせてやろう………」
そして、その言葉をディアボロがいい終わった数秒後、
「キングクリムゾンッ!我以外の時間は全て消し飛ぶーーーーーッ!」
次の瞬間、目の前が赤く染まっていた。
「血の目潰しだッ!これで終わりだァッ!」
「スタープラチナ・ザ・ワールド!」
次の瞬間、時が止まる。私はディアボロの声がした方向と逆に向かい、目の血を拭う。見るとディアボロは手刀を振り下ろそうとした瞬間だった。
「限界か……時は動きだす………」
次の瞬間、ディアボロが私がいない事に気付き、程なく私の姿を見つけた。
「チャンスを潰されて残念だったな……これで万策尽きたといったところか?……諦めろ……お前は確かに強い……
だが、お前に未来が見えるか?自分の前に空いた落とし穴が見えるか?……見えんだろう?」
「……………」
「絶頂であり続けられるのは未来の見える者だけだ……この世の真実の頂点はこのディアボロにあるッ!」
「………世迷言はそれだけか?」
「……なんだと?俺に勝ったつもりか?」
「……あぁ、さっきお前が時を飛ばす前に一度時を止めておいた……お前は一回しか止まっていないと思ったようだが違う」
「それでは手の甲の血はフェイントか?……だが、一回ではないとはどういう意味だ………?」
「時は二回止まっていたッ!」
「!!だがお前は一体何をした?……何も変わってなどいない………」
「そうか……ならそろそろ答えが分かるぜ………」
「一体何が………」
その瞬間、ディアボロのジーンズから火が出始めた。
「な、何ッ!?そうか……時を止めてスタープラチナで火を点けた何かをジーンズに……」
「そのとおりだ……火を点けたのは鉛筆を使った。炭素は長時間燃える……燃えにくいジーンズで時間差ができたのも幸運だった………」
「だがこの程度の火ならすぐに消プガッ!」
「火でお前を倒そうなんて最初から考えていない……一瞬でいい、お前の気をそらせればよかった」
「この世の運命は再び俺を選んだハズなんだ……俺の無敵のキングクリムゾンは勝利へ向かうはずなんだ………」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!」
「ぶががおおおおおおおっ!」
そしてディアボロが窓を突破り外へ飛んでいった。
「お前に勝利へ向かう道なんかなかったってことだ……聞いてないか………」
しかし、こんなに強くて恐ろしい相手はDIO以来だ。一手しくじっていたら死んでいたのはこちらだっただろう。
「やれやれだぜ………」
………明日は文化祭か……徐倫達は涼宮ハルヒをなんとかしたのだろうか………。
ディアボロ 再び永遠の死に巻き込まれている 永遠に再起不能
To Be Continued・・・
最終更新:2009年02月06日 15:22