古泉とキョンと俺の三人で朝比奈みくるが着替えが終わるのを待つハメとなった
二人のひややかな視線が気になる。二人を睨むと笑いを我慢した様子で、目線をずらした。
イライラし気持ちを落ち着けるために長門から借りた本を読もうとページを開く
……長門にしては珍しく日本語で書かれていた
「もういいですよぉ~」
かくれんぼしてるみたいに朝比奈が声をかけた。
キョンがドアを開けると長門は微動たにせず、メイド姿の朝比奈がお茶の準備をしていた。
日本の学校は最近こんなのなのか?文化の違いか?
それとも長く普通の日常に関わってなかっただけで徐々に変わり、これが普通になっただけか?
まぁ、あの日から何日たったかは分からないが……そのうち今時の若者は、とか言い出すんだろうか?
そうなったらすっかり頑固親父だな、俺は真面目に考え朝比奈が注いだ茶を渋そうな顔で飲んだ。
やはり紅茶やコーヒーの方が上手い
「お、おいしくなかったですか?」
「あぁ、まずい」
俺がそう言うと、朝比奈は目にいっぱい涙をためた。
そしてキョンが俺を睨む、俺は正直な感想を言ったまでだ。
ここで上手い!なんて言ってみろ毎日苦いお茶のフルコースだ!
「[[ディアボロ]]さんはイタリア人なので、緑茶があわないだけですよ」
古泉はそう言って微笑んだ
俺の組織には、あんな風に笑って相手を騙す奴が居なかったなきっとこんな奴が必要なんだろう。
二人は結局それで言いくるめられた。それでもキョンは不満げだったがな
その時まるでドアをぶち破ったかのような豪快な音が聞こえた。
ハルヒが勢いよくドアを開けたせいだ。
「ディアボロ!明日は朝一番に公園に行くわよ!」
ハルヒは向日葵のように笑い、朝比奈が入れた茶をイッキ飲みする
「今日イタリアから来た教師に会ってね。
修学旅行の引率してるみたいなの、そのわりには道に迷ってたけどね」
ハルヒは一旦咳をすると、間をあけた。
「それで明日は生徒達と一緒に公園に行くみたいだから、その生徒達に知ってるかどうか聞きましょう!」
昨日はしゃいで話していた案とは大違いだ。実に現実的。
まぁ、それでも見つかる可能性はかなり低い。
でも古泉はハルヒのこの案に大手をふって賛成している
「じゃあ、明日はあたしとディアボロは朝から行くからね。それとキョンも」
ついでのように指名されたキョンは大声で反対したが、もののみごとに無視され
結局学校をサボって行く事になった。いいのかよ
「あんなつまんない授業受けてるより、
人探しした方がディアボロの為、あたしの為になるわよ!」
俺は分かるが、なぜそこでお前の名前が出てくる?
しかし、ハルヒは俺の意見も無視すると集合時間と制服で行く事を告げ部屋から出ていった。
なんでも明日の準備で忙しいからとの事。そして最後にこう告げた
「来ないと明日死刑だからね!」
いつも死刑状態だから、さして気にはしないが
サボって単位が危なくなったらどうしようと、真剣に悩んでいるキョンを見て
流石に自分のために来てくるのに、自分が行かないわけにはいかないだろう
俺はそう考え長門から借りた本を読み進めていく、
題名が『殺人者さま』から『ゆきとどいた生活』に変わる間のページに栞が挟まれていた。
まるで機械で書かれたかのように文字が書いてある。
『部活が終わったら光陽園駅前公園に来て』
to be continued...
最終更新:2008年02月18日 12:25