「はあああああああああッッ!!」
 掛け声に合わせ紅い双眸が一際強く煌めく。
 DIOは刀身を凍りつかせていた冷気を一時止め、再びシャナに視線を戻した。
 口元によりサディスティックな微笑を浮かべながら。
 悪足掻きをするなら敢えてそれを実行させ粉々に踏み砕き、
その絶望の果てに地獄へと叩き堕とす。
 それが殺戮の快楽。狂気の愉悦。
 シャナはこれから払う「代償」の為に奥歯をギリッと噛みしめた。
 身を掘削するような痛みと共にシャナの全身から湧き出した
真紅の存在の力。
 それがまるで鮮血のように艶めかしく腕へと伝い前方に突き出された
贄殿遮那の刃の中に呑み込まれていく。そして剣先から紅蓮の火の粉が一挙に
捲いて一つの流れを形成していった。
 やがて火の粉は宙を舞い前へ前へと膨らんでいく。膨らむにつれて火の粉の
密度は薄れ、形作るもののを輪郭を立体的に巡った。
 突如、シャナとDIOの頭上に全長5メートル以上はある巨大な腕が出現した。
 鉤爪を指先に尖らす、鎧とも生身ともつかないフォルムの手の中に
同じく巨大な火炎で出来た剣が握られている。
 しかし、それは、「剣」と言うにはあまりに大きすぎた。
 大きく、熱く、重く、そして凄絶すぎた。
 それはまさに熱塊だった。
「…………」 
 DIOは呆気に取られたような表情で、巨大な炎で形作られたその腕と剣を
剣呑な瞳で興味深そうに見つめている。
 意識は完全にシャナから逸れた、というより身を犠牲にして放ったシャナの絶技の
方に興味が移ったという方が正しい。
 その刹那。
「そうりゃあああああーーーーーッッ!!」
 シャナの激しい喊声と共にその炎の巨腕が唸りを上げて動き、
紅蓮の大剣がDIOに向かって断頭台のように振り下ろされた。



 ガギャッッ!! 
 巨大なる炎刃により贄殿遮那を掴んでいたDIOの蒼く輝く右腕が、
鋼を斬り裂いたような音を立て真っ二つに両断される。
 空間を紅蓮の軌跡が渦を巻いて踊り狂った。 
 『気化冷凍法』により体温が極度に低下している為、炎が身体を廻っては
いかないがシャナは冷気の呪縛からは完全に解放された。
「ほう……」
 DIOは顔に苦痛の色を全く表さず、斬られたその鏡のように滑らかな断面を
不思議そうに見つめていた。
 高温で傷口が灼かれているので血は一滴も噴き出ない。
「だぁッ!!」
 間髪入れず刀身に残った手を振り飛ばし、転がりながら
DIOの死角に回り込んでいたシャナは素早く刺突の構えを執り、
足裏を爆散させてその影からDIOに向けて突貫した。
 狙いは正中線の最上部。
 眉間。
 いくら不死身の化け物でも脳を破壊されて生きていられる道理はない。
 その瞬間。
 シャナは視ていた。
 眼前の変異を。 
『フレイムヘイズ』『炎髪灼眼の討ち手』として驚異的に研ぎ澄まされた
少女の動体視力は、その様子をまるでディスクのスローモーションのように
精密にソレを捉えていた。
 DIOの斬られた腕の切断面。 
 その骨の部分がいきなり伸び硬質な音を伴いながら一瞬で指先まで再生すると、
すぐにその周りに神経が絡みつきさらに血管と筋繊維が後を追う。
その上が真新しい皮膚で覆われるまで1秒も掛からなかった。
 完全再生されたその腕が突貫するシャナに向けて突き出される。
(何か来るッ!)
「無駄ァァッッ!!」 
 邪悪な笑みを浮かべ突き出されたDIOのその掌の中心がバックリと裂け、
口の開いたそこから超高圧力で噴出された真紅の血がシャナに襲い掛かった。



 開いた疵痕がマズルフラッシュを放ち、反動でDIOの身体はマグナム弾でも
発射したかのように蠕動する。
 直感によって咄嗟に身体を左に捻り間一髪避けたシャナの脇を、
紅い液体がレーザーのように通り過ぎ余波が黒衣を引き裂いた。
 その背後で爆音が轟く。
 シャナの後ろにあった鉄筋コンクリート製のビルが
一階部分から斜めに切断され、積み木崩しのように上階部分が滑り落ちていた。
 呆気に取られたシャナは、このとき一つのミスを犯していた事に気づいていなかった。
 闇夜の帝王、ヴァンパイアの超絶的な再生能力とその攻撃能力を
目の当たりにしては無理のない事だが、シャナはこれでDIOの攻撃が
終わったと思ってしまった。
 相手が並の『紅世の徒』や『スタンド使い』であったのなら
その判断は正しかったのかもしれない。
 しかし目の前にいる相手は紅世の王さえ下僕にする地上、否、『史上』最強の魔皇。
 幽血の統世王。
 『そんな事が有り得るはずはなかった』
 DIOは両腕を交差してだらりと下げ、前屈の構えを執ると
その動作で舞い上がった美しい金髪がいきなり増殖するコンピューターウィルス
のように伸び出した。
 煌めきを放ち生き物のように空間を踊り廻るその髪が
シャナの腕に、足に、胸に、腰に、首筋に、そして大刀へと絡みつき
空間にその小さな身体を拘束する。
「な!?」
シャナが驚愕の声を上げる間もなくその髪から黄金に輝く光がバリバリと
音を立てながら発せられ、髪を通してシャナの身体に流し込まれた。 
「WWWWWWWWWWRYYYYYYYYYYYーーーーーーッッッッ!!」 
 空間が爆砕するかのような狂声と共に、髪は強化セラミックに酷似した
滑らかな質感に代わり光の伝導率が増強される。
「くああああああああああぁぁぁぁッ!!」
 身体を引き裂かれるような凄まじい衝撃がシャナの全身を隈無く駆け巡った。



 その間にも光は輝きを増し続ける。
 やがて光が発する高温に髪自身が耐えられなくなり中部分から切れ始めた。
 しかし千切れた髪にも光が滞留しており美しく輝く黄金の欠片は、
衝撃で空中に縛り付けられたシャナの身体を執拗に蝕んだ。
 まるで高圧電流に感電したかのような激痛をその翡翠のように艶やかな肌に
感じながら、シャナは背後のビルの残骸の中に弾き飛ばされた。
 交差した両腕を下げて前屈の構えのまま首を下げているDIO。
 その身体の周りには黄金の火花がバチバチと音を立てながら弾けていた。
 その火花の正体はかつて己を追いつめたジョナサン・ジョースターの
『波紋法』から学習し、そしてそれを応用して得た新しい能力。 
 人間には体内に微量ながらも電気を持つ特性がある。
 DIOはその特性を石仮面によって得た全ての人間を超越する能力で
爆発的に強化し、属性の違う体内電流を瞬時に生み出すと同時に
変質した髪を通してそれをシャナの身体に叩き込んだのだ。
 攻防一体。超絶の魔技。
 幽血の流法『邪揮深劾双雷流(エレクチオン・デプス・オーヴァーロード)』
「ぐ、う……」
 仰向けに倒れたシャナは倒壊したビルの瓦礫の中から身を起こした。
 大太刀を杖のように瓦礫の上に突いてもたれかかる。
贄殿遮那を手に入れて以来、初めての使い道だった。
「…………」
 その胸元で揺れるペンダント、紅世の王、天壌の劫火、アラストールは
道路を挟んで屹立する男のあまりにも圧倒的な力に驚愕を禁じ得なかった。
 元は人間でありながら紅世の王さえ下僕に誣いた事実から
その力の強大さは理解していたつもりだったが、
本当に「つもり」に過ぎなかった事を思い知らされた。
 まさかここまで一方的な展開になるとは想像すらしていなかったのだ。
「ま……だ……まだ……」
 電流の高熱で焼き焦がされ無数の白い煙が音を立てながら昇る黒衣の中で、
シャナが譫言のように呟く。
 だがその瞳は闘志を失わずボロボロの身体とは相反して、
遠くで立つ幽鬼のように虚ろで堕天使のような壮絶な存在感の男を鋭く射抜いていた。



 その男、邪悪の化身DIOは両腕を組んだ余裕の表情のまま
右手の指を哲学者のように持ち上げる。
「動かない方が良い。いま君の周りを私のスタンドが取り囲んでいる。
操作は『遠隔自動追跡』になっているから射程距離に入れば
私の意志に関わらず攻撃にかかる。命が惜しければジッとしていたまえ」
 思う様シャナに破壊欲求を吐き出し一通り満足したのか
口調は紳士のそれに戻っていた。
 その言葉にシャナは思わず意識を大刀から逸らし周囲を警戒する。
 最早完全にDIOのペースに呑み込まれていたが、
もうそこまで気を廻す精神的余裕は砂漠の砂一粒ほども残されていなかった。
 シャナは電流に灼かれた全神経を無理矢理フル稼働させて
周囲360度に向けて研ぎ澄ました。
 自分を取り囲む全ての存在を、五感を総動員して微塵の誤差もなく感じ取る。
 背後の瓦礫の質量。封絶の放つ火の香り。DIOの微かな衣擦れの音。
気流の流れ、空気の淀みまでも全て感じ取れた。 
 だが、それ以外何もない。
 音も聞こえない。気配すら感じない。
「ハッタリを!」
 一歩踏み出したシャナの脇を、背後を、正面を、足下を、頭上を、
煌めくナニカが通り過ぎた。
 ドグシャアッッ!! 
 何の脈絡もなく上がった破壊音。
 それが自分の身体から発せられたものだと察するまでシャナは数秒要した。
 黒衣に覆われた華奢な身体に巨大な拳型の刻印が無数に穿たれている。
 全方位から微塵の誤差もなく均等にダメージを与えられた為、
身体は一㎜も動かずその場に縫いつけられた。
「あ……」
 小さな口元から血が細く伝い、足を支える力が抜けて膝が
アスファルトの上に崩れ落ちる。
「『WORLD21』……我がスタンドの「原型(プロトタイプ)」とも
言える姿だ……お気に召したかな……?亜光速のスタンドの動きは……」
 耳元で掠れるDIOの声を聞きながらシャナはアスファルトの上に倒れた。


 何も見えなかった。解らなかった。どこから攻撃されたのか。何をされたのかすら。
 感じたのはただ痛みだけ。残ったのは攻撃されたという結果だけ。
(疾い……なんてもんじゃない……!『見えない』!)
 絶望的な思考が頭の中で演算されながらも、シャナの身体は
心を無視して立ち上がろうとしていた。
 戦いの申し子。フレイムヘイズの本能。
 そのシャナをDIOは口元に悪魔の微笑を浮かべて見つめる。
「もう止めたまえ。私は君が気に入った。どうだね?私と友達にならないか?
君にも私と同じ永遠の力を与えてあげよう。きっと今以上に強くなることが出来る」
「フザけるなッ!」
 シャナは鋭く叫び悪魔の誘惑を刎ねつけた。
「フザけてなどいない。本当の事さ。『殺す気ならとっくにそうしていた』
今のスタンド攻撃、まさか本気で撃ったと思っているのか?
それが解らない君じゃないだろう?マジシャンズ」
「……く……!」
 それは解っていた。
 露骨に手を抜いていた。
 屈辱感に怒りが燃え上がる。
「っこの、舐めるな……痛っ!」
 そのまま走ろうとしたが、体中を走る激痛に思わず膝をつく。
 穏やかなDIOの声が、優しく子供に言い聞かせるように甘く耳に届く。 
「無理はよくない。これから私に仕える大切な身体だ。
それに君は何か勘違いをしている。『私に敵わないからといって
それは決して君が弱いという事ではない』寧ろ敬意を表したい位だ。
私の腕を斬り落とした人間はジョナサン・ジョースター以外では君が初めてだからな」
 DIOは女神さえも下僕に傅かせるような甘い微笑を口元に浮かべると、
澄んだ音を響かせながら柏手をシャナに送った。
 追いつめられた精神に魔薬のような声と魔皇の賛美が同時に響き
一片の容赦もなく心を蕩かす。 
「……誰……が……お……まえ……なん……かに……う……ぅ……」
 そんな自分自身を呪いながらもシャナは戦闘の思考を止めていなかった。



(アイツの幽波紋(スタンド)の動きは悔しいけど見切れない。
今度攻撃されたら終わり。でも、なら、『使わせなければ良い』
あれだけ疾いならきっとその操作も難しい筈。接近すれば、
近距離で使えば自分も攻撃に巻き込まれるから使えない。)
 シャナは今までで最大の速度でDIOの懐に飛び込もうと足裏に火の粉を集め始めた。
(アイツは今、私を格下だと思って油断してる。構えも解いてる。やるなら今がチャンス)
「ほう?窮地にあっても闘志を失わないその瞳。我が肉体、
かつてのジョナサン・ジョースターのそれにうり二つだ。実に良い。
ますます君が欲しくなった」
 DIOは拍手を止めると口元に笑みを浮かべたまま
ゆっくりと両手を前に差しだした。
「いいだろう。君には特別に見せてあげよう。我がスタンドの」
 DIOの悪魔の瞳がシャナの灼眼を真正面から鋭く射抜く。
 「『真の能力』を」
 その声と共に全身からオーロラのように立ち上る、
無限とも思える莫大な量のスタンドパワー。
「あ……あ……!」
 その輝きにシャナは戦闘中という事も忘れて呆然となった。
 自分を追いつめた先程の能力は本当に男の言葉通り「原型(プロトタイプ)」
その一端にしか過ぎなかったらしい。
 剣技で言えば実戦では使用しない演武のようなもの。
 今からから見せるその力こそ真の本質。
 だが、それを見た自分は、一体どうなる?
 黄金に輝くスタンドパワーがDIOの両手の間に集束していく。
 もうここまでくると考えるまでもなくバカでも解った。
 次に繰り出される攻撃は今までのうちで最大の速度と最大の強さと最大の流法で
もって繰り出される。
 否、それはもう「攻撃」などという領域に留まるものではないかもしれない。 
 黄金に輝くスタンドパワーがやがて手の中に一つの象(ヴィジョン)を創り出した。



 その中に映ったモノ。
 その象(ヴィジョン)は。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


 この世界の根源。
 全ての根源。
 数多の銀河と夥しい星雲から構成される。
 『宇宙』


 DIOの背後に一切の過程を消し飛ばして巨大な人型の
スタンドのフォルムがいきなり現れた。
 その両腕が高々と天空に向けて押し広げられる。
「…………よ…………れ…………ザ……」
「逃げろオオオオオオォォォォォォッ!!」
 アラストールの叫びにDIOの言葉は掻き消された。
 そしてアラストールが叫ぶよりも前にシャナは足裏を爆散させて
高速で宙に飛び去っていた。
 ビルの壁面を蹴り、眼下に輝くネオンを抜け、そして封絶を突き破る。 
 最早戦おう等とは考えなかった。
 ただ逃げ切る事のみを考えていた。
 誇り高きフレイムヘイズにとって討滅すべき相手を前に、
背を向けて逃げる等という行為は正しく死にも匹敵する屈辱だった。
 事実シャナは己が使命を果たす為なら死をも厭わないという
高潔な覚悟をその身に秘めて今日まで戦ってきた。 
 しかし、今は、それを上回る感情がシャナの心を支配していた。


 太古より人間を蝕み続けてきた心の深奥に巣くう根治不能の病魔。
 誇りを、尊厳を、死すらも凌駕する精神の暗黒。
 その名は「恐怖」
 シャナは視界に存在する全てのものをがむしゃらに足場にしてDIOから距離を取る。
 その胸元でアラストールがようやく口を開いた。
「我は……今まで……「恐怖」というものを感じた事がなかった……
これが……これが「恐怖」なのか……?これが……!」
 紅世の王、天壌の劫火の胸の内に感嘆にも似た感情が走る。
「……彼の者の力……決して侮っていたわけではないが……
お前に討滅出来ぬわけでもないと思っていたのもまた事実だ……
まさか……まさかあれ程とは……赦せ……あのような者の前に
お前を立たせてしまうとは……出会ってはならなかったのだ……
今は……まだ……」
 アラストールは悔恨を滲ませてシャナに言う。
「いいの……アラストールの所為じゃない……」
 寒いわけでもないのに震える全身を黒衣で抑えながらシャナは言った。
「それに解った……今のままじゃアイツに勝てない……
それにアイツ、実力の1%も出してなかった……猫が鼠を食べる前に弄ぶように
……遊んでた……今こうして生きてるのが不思議な位……」
 勝てない。解らないけどあの光の前では何をやっても全て通用しない。
 そう、何もかも。
『天破壌砕』さえも。
「あの光の本質が何であるのか想像もつかぬが……
力の是非などという些末なものでない事は確かであるようだ……
仮に我が顕現したとして果たして通用するか否か……それだけの畏怖を感じた……」
 DIOの真の能力。
 『世界(ザ・ワールド)』の本質をこの時二人はまだ理解していなかった。
 が、シャナ、アラストール両者の考えは偶然かそれとも運命かその本質を
正鵠に射抜いていた。
 そして同時に『解ったところでどうしようもない』という絶望もまた。
 どんな強大な力も。例え天を割り空を引き裂く力だったしても。
『届かなければなんの意味もなさない』という事を。


 シャナの眼下でニューヨ-クの夜景が煌めきながら輝いていた。
 数㎞先で起こった悪夢など意に介さぬといったように。
 諦めたのか、それともいつでも捕らえる事が出来るという自信なのか、
DIOはシャナを追ってこなかった。 
 ビルを足場にしながら天空を駆けるシャナの眼前に
夜空を切り刻むようにしてそびえ立つ摩天楼が迫る。
 そのハレーションがシャナを白く照らした。
 シャナはそこで初めて後ろを振り返った。
「アラストール!」
「むぅっ……!」
 背後で人間の目には見えない黄金の光が紅い封絶から
月に向かって立ち昇っていた。
 その圧倒的な存在感により大地から月にかけて黄金の階段が出来たようだった。
 それを行っているのは言うまでもなくあの男だ。
 この世界の存在全てに自分の力を誇示する為に。 
 世界の頂点に立つ者はただ一人。そしてほんの僅かな恐怖をも持たぬ者。
 運命の半身とも言うべき、この世で最も憎み最も愛する者の肉体を手に入れ、
この世ならざる力の中でも最強の能力を手中にした男に最早不可能はない。
 そしてそれを止める事が出来る者もまた。
 それが出来るのはDIO自身か、或いは全くの同じ次元の存在だけだ。  
 シャナはエンパイアーステートビル最上部のアンテナを強く蹴りつけ、
火の粉を撒きながら星空へと舞い上がった。
その紅いシルエットに一筋の流星が重なる。
 その背後で黄金の光は、ただ月へと向かって立ち上っていた。
 静かに、音もなく。
世界の終焉を告げる篝火のように。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

『DIO(幽血の統世王)』
『幽波紋(スタンド)』
●不明 
『原型(プロトタイプ)』
●WORLD21
破壊力-A スピード-A 射程距離-B
持続力-B 精密動作性-B 成長性-A
能力-DIOのスタンドの雛型とも言える存在。射程距離は20~30メートル。
領域に入り込んだ異質な存在を亜光速で「自動追跡」し無差別に攻撃する。
弱点は命令に忠実過ぎる為、接近されると本体も攻撃に巻き込まれる事。
『流法(モード)』-「幽血(吸血鬼のEXTRACTによって変質した血液)」
●気化冷凍法
=己の肉体を自在に操れる吸血鬼の能力により、体表の水分を気化させ瞬時に凍らせる。
自分以外の生物も触れた状態なら気化させ凍りつかせる事が出来る。
●空烈眼刺驚(スペース・リパー・スティンギー・アイズ)
=体液を圧縮し眼から高圧力で噴出する。厚さ30㎜の鋼板を貫通する威力がある。
融合したジョナサン・ジョースターの肉体の影響で手や足などの
末端部分からも射出する事が可能となった。
●邪揮深劾双雷流(エレクチオン・デプス・オーヴァーロード)
=体内で造り出した数十万ボルトの電流を髪などを通して相手の身体に流し込む。
 本来は波紋法と同じく打撃を介して撃ち込む技。
 気化冷凍法を使った状態で繰り出すと超伝導状態を引き起こす事が出来る為、
威力が爆発的に上昇する。
 殺害討滅共に現時点では不可能。
 完全無敵。
 君臨。


 ←To Be Continued……

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最終更新:2007年05月20日 12:28