263 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 15:50:57 ID:zMtAXuGn
お待たせ致しました。
続きです。
いつもの通り7レス投下で「援護レス」の後
再び投下再開という方式で行こうと想います。
(「援護」入ったら『連投キャンセル』させるんだよね?違うかな?)
ではどうぞッ!
↓
264 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 15:51:52 ID:zMtAXuGn
*STARDUSTφFLAMEHAZE*
←REPLAYッッ!!
「オッッッッッラアアアアアアアアアァァァァァァァ―――――――ッッッッ!!!!」
白蓮の炎で覆われた両手長剣を携える紅世の王、”狩人”フリアグネの頭上から
燃え盛る断頭台のように振り下ろされたシャナ渾身の一撃。
飛翔斬刀術と炎の戦闘自在法の融合技。
天翔の灼刃。
『贄殿遮那・炎牙ノ太刀』
「クゥッ!」
凄まじい熱気と共に唸りを上げて自分の頭蓋に迫るその一撃に対し、
フリアグネは対空迎撃の構えを執り、両の掌中から白い細かな印字を描く
自在式を長剣の刀身内部に送り込み、剣本体とソレを覆う炎とを同時に強化する。
そして、シャナの撃ち堕としの斬撃をフリアグネは集中した戦闘神経で
研ぎ澄まされた鋭い視線で見据え、長剣の樋(フラー)部分で受け止める。
ギャッッッッッグァアアアアアアアアァァァァァァァッッッ!!!
強烈に灼けた刃鋼(はがね)と刃鋼の空中衝突と共に
鼓膜を劈くようにして響き渡る炎斬吼。
空間に吹き荒ぶ紅と白の死を司る火線の火走り。
伝わる衝撃でフリアグネの純白の手袋が引き裂かれ、
冷たく硬質な痺れが両腕に流し込まれ、構えた右の肘が意図せずカクリと
瞬間的に落ちる。
「ッッ!?」
想わぬ身体の突然の造反に驚愕で一瞬瞳の虹彩を失うフリアグネ。
(こいつ……本当に……満身創痍のこの躰の一体どこにこんな力が……ッ!)
「ァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!!」
辟易しきった表情で歯を食いしばるフリアグネが心中で
そう想う間にもシャナは互いの愛刀の交叉部分を支点にし、
その身に纏った黒衣の能力なのかまるでその背に火の粉舞い散る双迅の両翼でも
生えたかのように引力を無視し、中空に浮いたままの状態で尚も強引に
圧力を捻じ込んでくる。
265 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 15:59:29 ID:zMtAXuGn
???
どーゆーコト?
書き込み出来ない。
ってか、書き込んだのに「更新」に反映されない。
266 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 16:00:41 ID:zMtAXuGn
そして。
「オッッッッッッラアアアアアアアアアァァァァァァァッッッ!!!」
炎の咆吼と同時に先刻同様大刀の一撃が強烈に振り抜かれ空間に
三日月状の火線を描きながら灼熱の突風と斬撃がフリアグネの
長身痩躯の身体を吹き飛ばす。
「ッッ!!」
斬閃の衝撃でまるで風に舞う薄紙のように空を仰ぐ体勢で弾き飛ばされた
フリアグネ。
「ッッ!!?」
その視界に、一瞬の暇(いとま)もなく飛び込んでくる紅蓮の刀身「本体」
(……な……に!?「投擲術」……ッッ!!だと……!?
馬鹿な……!このタイミングで……!?)
先刻、フリアグネを『炎牙ノ太刀』で吹き飛ばした直後、
既にその鋭敏な頭脳で放物軌道を算出していたシャナが、微塵の躊躇もなく
紅蓮の炎に包まれた己が愛刀を標的に向けて撃ち放っていたのだ。
己が愛刀に強い執着を持つ「刀剣使い」らしからぬ、
その思い切りの良さと勝負勘、卓越した戦闘センス。
先刻同様シャナ「本人」が飛び込んで来るモノだと想っていたフリアグネの
思惑は外れ、更にその動作に慣れすぎていた所為も在り若き紅世の王の顔と身体を
冷たい純粋な脅威が劈く。
そして、三度、フリアグネのその耽美的な美貌に唸りを上げて迫る
戦慄の美を流す紅蓮の飛刀刃”贄殿遮那”。
(クッ……ゥ……!う、動、け……ッ!)
フリアグネは先刻の『炎牙ノ太刀』の斬衝で麻痺した右手に
在らん限りの引き絞られた意志の力でその全身の神経作用を末端部に
一点集束させ、真下からの軌道でなんとかその紅蓮の飛刀の一撃を
上体を浮かせた”獅子王ウィンザレオ” ブレード部での
片手薙ぎ払いの一撃で辛うじて弾く。
灼けた金属音を靡かせ横からの剣撃で直線運動を遮られた
”贄殿遮那”は紅蓮の軌跡を描きながら回転して宙を舞う。
しかし、安堵する間もなく、激痛。
267 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 16:08:48 ID:zMtAXuGn
まただ・・・・・orz
一体どーゆーコト???
誰か教えて・・・・・orz
268 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 16:20:48 ID:zMtAXuGn
贄殿遮那を投擲するとほぼ同時に既に姿勢を低く両腕を交差して
フリアグネの視界の死角から駆け込んで来ていたシャナの痛烈な生身の飛び膝蹴りが
フリアグネの端整な顔の左頬に直撃してメリ込んだ。
そのフリアグネの口内で強引に軋らされた歯と肉とが耳障りな潰滅音を立てる。
「グァッ!!?」
「ご主人様ァァ!!」
主の苦悶とその従者の悲痛な叫びとがほぼ同時に上がる。
表情はその長いパールグレーの前髪に阻まれて伺えないが、
確かな手応えを感じ着地したシャナは素早く宙を舞う大刀を飛び上がって掴み
その手に戻す。
フリアグネは今度こそ完全に意識を断ち切られ、まともな体術すらも使えないまま
瓦礫の海の上に鋭角の軌道で着弾した。そして衝撃の余波で瓦礫の荒れた海面を抉り
その細身の痩躯を引き擦られながら先刻、自分の最大焔儀の余波によって
引き裂かれ折り重なるように倒壊した青いフェンスの残骸に
粉塵を巻き上げて衝突し尚も勢いは止まらずその後ろのコンクリートの土台部分に
激突してようやく止まる。
しかしその左手だけは、無意識状態にも関わらず胸元の人形の上に
添えられ細身の身体は左胸の部分「だけ」を庇うように前屈の姿勢で丸められていた。
「……………………」
生まれて初めて、地に仰向けに伏した状態で自分の起こした封絶を見上げる事になった
紅世の王 ”狩人”フリアグネ。
感慨は何も湧かずまるで夢の中にでもいるかのよう。
そのグラつく視界の頭上から忌まわしき者の存在の声が静かに到来する。
「随分お上品な戦いに慣れすぎてるようね?「決闘」でもしてるつもり?
「戦場」の剣技は剣だけじゃない。”足”も使うのよ?」
そう高潔な声でシャナは遙か遠くで横たわるフリアグネを見下ろしていた。
「討滅の道具」若しくは「同胞殺し」という言葉で侮蔑していた矮小なる存在に、
それも年端もいかない小娘に、短時間の内に二度も地に伏されるという
「屈辱」の為に半ば放心状態で空を仰ぐフリアグネ。
269 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 16:22:39 ID:zMtAXuGn
まるで先刻のシャナの姿をトレースするが如く。
虚ろな表情で白い封絶の紋字と紋章を見つめている。
しかし、その彼の胸元で。
「ご主人様ァ……」
最愛の燐子の恋人がフェルトの両手で口元を押さえ、
今にも泣き出しそうな悲痛な声で自分に語りかけてきた。
その冷たくも甘い言ノ葉にフリアグネはハッと我に返る。
そして左胸のポケットから見上げるようにして自分を見つめる
最愛の存在の者の熱を感じ、そのパールグレーの瞳を切な気に細めて
微かに滲ませる。
(ありがとう……私のマリアンヌ……君はいつも……
私に……「勇気」をくれる、ね……?)
そんな想いが、フリアグネの胸の中の屈辱感を静かに洗い流した。
そう。
強者と戦う事は何も今日が初めての事ではない。
紅世の ”狩人”の仕事を生業として生きる以上、常に争いは避けられなかった。
でも、自分は今こうして生きて存在し続けている。
そう、いつだって胸元のマリアンヌと共に戦い、
共に今日まで二人で生き抜いてきたのだ。
ソレだけは何も変わる事はない。
今までも。
そして、これからも。
その追憶を静かに心の中で反芻したフリアグネは胸元のマリアンヌを
見つめながら静かにそして穏やかに彼女に語りかける。
「大丈夫。私なら何も心配はいらない。こう見えても私は結構頑丈で、ね……ぐっ!?」
胸元の燐子の恋人に心配をかけないよう無理に起きあがろうとした
フリアグネの全身を突如激しい眩暈と嘔吐感が襲う。
「ご主人様ッッ!?」
まるで怯えるような驚きの声をあげるマリアンヌをフリアグネは片手で制する。
どうやら先程直撃を受けた膝蹴りの入った角度が相当に悪かったらしく、
鋭く頭蓋を揺らされたのが原因のようだった。
270 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/13(日) 16:45:58 ID:zMtAXuGn
テスト。
271 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/13(日) 16:47:23 ID:sg1Kwatv
ニコ厨が
死ねよ。つーかまだオマエ書いてたのかよ。いらねえ、
272 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/13(日) 16:51:36 ID:bV5VIj1q
支援
273 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 16:52:58 ID:zMtAXuGn
フツーのカキコは出来るケド、
何故かワードソフトからのコピペは出来ないみたいですね。
今までは出来たのに何でですかね?
日曜だからサーバーの過負荷とかそーゆー問題ですかね。
少し時間を置きながら投下しようと想いますので
気長にお待ちの程を^^;
274 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 16:56:44 ID:zMtAXuGn
再び瓦礫の上に片膝をついたフリアグネはそれでも無理に目元と
口元とを笑みの形に曲げ。
「それより、ケガはなかったかい?私のマリアンヌ?」
整った輪郭の、線の震える笑顔でそう彼女に問いかけた。
マリアンヌを庇った為に負った身体の裂傷から舞い散る、
白い炎の光にその顔を照らされながら。
(……………………)
マリアンヌは、その儚い微笑に最愛の主の優しさを感じた。
でも。
その優しさが痛かった。
その優しさが辛かった。
「ハイ……」
そっと添えられた左手にフェルトの頬を寄せ、最愛の存在の温もりを
感じながらマリアンヌは静かにそう答えた。
『それだけしかできなかった』
だから、何も出来ない、我が身を護ってもらう事しか出来ない、
今の自分の「躰」を心から呪わしく想った。
どうして、今、アノ「躰」じゃないのだろう?
どうして、今、こんなに小さい「器」なのだろう?
そして、なんて、無力なんだろう?今の自分の存在は。
そのマリアンヌの心中の葛藤を余所にフリアグネは再び精神を集中させ、
戦闘の思考を研ぎ澄ました。
そして、戦況的にシャナにこうも押されている自分の状況を具に分析し始める。
(戦力的には互角、否、ダメージの在るヤツの方が遙かに不利の筈。
にも関わらずこうも後手後手に廻るのはヤツの精神状態、
引いてはその怒りの「源泉」が微塵も読めていないからだ。
『だから解らないが故に「力」だけで強引にコトを
押し進めようとする戦闘傾向に陥る』
先刻から私は熱く成り過ぎてヤツのペースに巻き込まれている。
無益な鍔迫り合いでの攻防等その良い証拠、 )
しかしそのフリアグネの戦況解析の作業は前方から迫る
烈しい灼熱の喚声によって中断を余儀なくされる。
275 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 16:59:35 ID:zMtAXuGn
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
灼熱の息吹と剣気を撒き散らせるフレイムヘイズの少女が
紅蓮の炎で覆われた贄殿遮那の刀身を引き擦り、瓦礫の水面に烈しい火線を描き
強暴な音を掻き立てそして夥しい火花を散らしながらこちらに向けて疾走してきていた。
その強烈な気配に反射的に応じそうになる自分をフリアグネは激しく戒める。
(乗せられるな!それより「感覚」を研ぎ澄ませッ!フリアグネ!
ヤツの無軌道で乱雑な斬撃が『次はマリアンヌに当たらない』という
「保証」はどこにもないんだぞ!!)
そう強く心の中で叫び、片腕で水平に両手長剣を構えそのブレードの表面に
生身の左手を浸すように翳す。
その薄氷のような刀身に渦巻く白蓮に怜悧な瞳の風貌を陽炎に揺らめかせながら。
(次の「一合」で見極める!貴様のその力の「正体」!)
「ッッッッッッラアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ!!!!」
必殺の一刀の為に無防備な左の肩口を敢えて相手に晒す「車の構え」のまま
摩擦の火花の火線を描きながら瓦礫の上を引き擦ってきたシャナの大太刀の切っ先、
大地を「支え」にして刀身に肩と腕から連動して発生するその力と下からの反動とを
存分に溜め込んだ刀身が手首の素早い「返し」で勢いよく跳ねあがり、
テコの原理と摩擦力とでその鋭さを増大させた真一文字の大薙ぎ払い。
瓦礫の上に勢いよく滑らすようにして軸足を踏み込んで反転させ火の軌跡を描き、
腰の捻転と大地を鞘走りの代わりに利用した抜刀炎撃斬刀術の軌道が
瓦礫の火線と交差して十字を描き、フリアグネの胴体に向けて強音速射出される。
疾風軋迅。断空の咬牙。
『贄殿遮那・火車ノ太刀/斬斗(キリト)』
破壊力-A~C(地形状況により増減) スピード-A~C(地形状況により増減)
射程距離-シャナ次第(通常10~20メートル) 持続力-C
精密動作性-A~C(地形状況により増減) 成長性-A~C(地形状況により増減)
276 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 17:04:57 ID:zMtAXuGn
(来、た……ッッ!!)
フリアグネは咄嗟に長剣を瓦礫に突き立て、柄頭に両手を当てて固定し
片膝を地につけた防御法でシャナのその一撃を受け止めた。
ギャギリィィィィィィィィィィィィィィィッッッ!!!
凶暴な斬撃音とけたたましい火花を撒き散らして炎の双刃が激突し
衝撃が剣の柄からフリアグネの肩口にまで貫通して伝わってくる。
しかし瓦礫の上に突き立てた長剣の支え、シャナ同様大地の恩恵の影響で
今度は弾き飛ばされずにすんだフリアグネ。
しかしシャナは次の斬撃技の予備動作(モーション)には入らず
先刻同様尚も強引に刃を押し込んでくる。
「ァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
湧き上がる灼熱の息吹とその強烈な威圧感(プレッシャー)が、
まるでフリアグネの「誇り」の「象徴」である剣ごとまとめて斬り飛ばさないと
気が済まないとでも言っているかのようだった。
「グッ……!!……ゥゥゥゥゥウ……ッッ!!」
その火花を散らす灼熱の圧力の突進をフリアグネは片膝を地につけた体勢で
両手に渾身の力を込めて何とか大刀の猛追を押し止める。
このような不合理な戦い方。
特に精神的にも『完膚無きまでに相手を叩き潰す』といったような戦い方を
執る者は、一瞬の気の弛みが生死を分かつ事を宿命とする「戦士」の中にはそうはいない。
ましてや紅世の徒の討滅のみを目的とする”フレイムヘイズ”なら尚更の事だった。
故に、その様々な不合理な要素が悉くフリアグネの予測を裏切り
結果、常に戦いの主導権をシャナに握られる事になる。
しかしフリアグネは己の胸元の最愛の存在の為、歯を食いしばって
両腕に渾身の力を込めながらも圧力を押し込んでくるシャナの双眸を
極限まで研ぎ澄まされたパールグレーの瞳で鋭く射抜いた。
視界を越え、光彩を抜けて、その遙かな存在の深奥までも見透すかのように。
277 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 17:08:40 ID:zMtAXuGn
「ッッ!!」
そして、その燃え上がる紅蓮の双眸の中に。
今は正義と勇気の輝きを称える真紅の灼眼の奥に。
彼は視た。
否、感じ取った。
先刻からの少女の言動と感情の変遷とを折り重ねて。
少女の瞳の、その更に深奥に宿る黄金の、否、「白金」の燐光。
その存在の感覚が精神の裡で形創るまだ視ぬ最大の敵。
『星の白金』
【空条 承太郎】の存在を。
(そうか……!なるほど……な……!『星の白金』……
否……その「本体」である”星躔琉撃の殲滅者”に対する強い執着(おもい)が、
そこから生み出される精神力が、己が肉体の苦痛を超えて限界以上の
存在の力を器から引き絞っているという事か……!)
忌々しくも認めたくない事実ではあった。
だが、その「動機」こそ不明瞭ではあるが、自分のマリアンヌに対する「想い」と
同じ理由で少女は戦っていたのだ。
『自分の為ではない別の誰かの為に』
解らないのも無理はない。
己の「復讐」以外で戦うフレイムヘイズに等、
今まで遭遇した事はなかったのだから。
『ソレ故に』自分は今日までその存在を侮蔑してきたのだから。
(フッ……皮肉な話だ……な……!仔を守る獣は「手負い」の方が強暴、か……
だが……ッ!)
状況の分析を終えたフリアグネはシャナの力の源の正体に怯む事はなく、
尚も刃を押し込んでくるそのシャナの双眸を真正面から威風堂々と見つめ返した。
(『ソレは私も貴様と同じ事だッッ!!』)
そして脳裏に浮かび上がる二つの存在。
その一つは今、何よりも近い自分の胸元に。
その一つは今、どんなに遠くても何処よりも近い心の裡に。
その「認識」が、心の裡での狂おしいまでの痛切な叫びが、
フリアグネのパールグレーの双眸を一際大きく見開かせる。
278 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 17:13:26 ID:zMtAXuGn
ちょっと一休みです^^;
何か今日に限ってカキコがKCに消し飛ばされるという
奇妙なトラブルに見舞われてますが(今まではなかったな、こんなコト)
まぁジョジョスレの仕様という事にしておきましょうw
何とか今日中には全部投下しようと思ってるので
気長にお付き合いくださいw
では。
279 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 18:02:51 ID:zMtAXuGn
そして、その瞳に灯る、シャナの瞳に宿る光とは対極の存在の光源。
ソレが何よりも激しく狂暴に己の初めの「決意(きもち)」を呼び熾こした。
(私はッ!必ず「都喰らい」によってマリアンヌを完全なる一個の
存在にしてみせるッッ!!そして!!この使命を完遂させ必ず彼と共に
あの御方の御許へと還る!!我々「3人」がアノ方の創り出す
『新たなる世界』を斬り開く剣となる為にッッ!!)
心中での咆哮と共にその精神の深奥で甦る、自分も含めた全てを
圧倒して呑み込む程に絶大なる黄金の存在。
絢爛たる「永遠」を、その神如き存在の器に宿した悠麗なる御姿。
その存在に、フリアグネは静謐に語りかけた。
(どうか……私を……マリアンヌを……そして彼を……見護っていてください……!
神聖なる……我が……統世王……『DIO様』……!!)
脳裡に描く、その白い首筋に刻まれた星型の痣が絢爛たる運命の象徴
であるかの如く神麗な最愛の君主は、己がその言葉に微かに微笑みかけてくれた
ような気がした。
「!!」
少なくともフリアグネにはそう感じられた。
その全身をバラバラに引き裂いて劈くかのような、
魔薬のように甘く危険な存在の多幸感。
その感覚がまるで呼び水のように紅世の王フリアグネの裡なる存在の焔を呼び醒ます。
そしてその散大したパールグレーの瞳孔に突如燃え上がる
この世の何よりも冥き暗黒の意志の光。
そしてソレに共鳴するかのようにフリアグネの剣に宿った白蓮の炎が
今迄以上に激しく逆巻いて強烈に燃え上がり、瞬時に集束してドス黒い放電現象を
引き起こし始めた。
「ッッ!?」
眼前の変異を敏感に察知したシャナの、一瞬の驚愕とほぼ同時に
背筋を駆け昇る戦慄。
280 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 18:08:40 ID:zMtAXuGn
支援。(自分で言うのもオカシイですが^^;)
281 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 18:11:30 ID:zMtAXuGn
またダメだな。
一体どーゆーこっちゃ???
ま、いーや。スパロボでもやりながら気長に
投下しよっとw
282 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 18:17:06 ID:zMtAXuGn
ソレはかつて、一度だけシャナが感じた存在と限りなく酷似していた。
しかしその事実を少女が分析する間もなく。
「無駄だァァァァァァァァァァァァァ――――――――――――ッッッッ!!!!」
咆哮。
ついで。
衝撃。
「ッッ!!?」
突如、シャナの眼下から己の刀身を押し込みながら疾駆する白い斬閃。
その細身の折れそうな、しかも片腕だけから刳り出されたとは想えない程の
途轍もない強力の籠もった右薙ぎ払いの一撃。
反射的に刀を顎の下で真横に構えていなければ、そして手にしていた剣が戦慄の大太刀、”贄殿遮那”でなければ、間違いなく今の一撃で首を刎ね飛ばされていた。
そしてフリアグネの渾心の力で以て空間へと刳り出されたその白い斬光閃は、
贄殿遮那の刀身ごとシャナの躰を空中へと強烈な圧力を伴って弾き飛ばす。
「きゃうッッッ!!!」
膠着状態、否、寧ろ自分の方が優勢だった鍔迫り合いの予期せぬ終結に、
そしてその驚愕にシャナは半思考停止状態のまま空中に飛ばされバランスを崩して
瓦礫のコンクリートの上にその華奢な躰を叩きつけられる。
「あうぅぅッッ!!」
落下衝撃で大きくバウンドした躰を何とか中空で反転させて体勢を立て直し、
靴裏を瓦礫の上に強引に滑らせながら停止させ、石作りの地面との激突で
新たに開いた側頭部の裂傷に左手を押し当てながらブレる視界を精神の力で
無理に繋ぎ直す。
「うぅ……今、のは……?」
シャナは側頭部から流れてきた血を目に入らないように手で拭いながら、
痛みを堪えて状況の分析にかかる。
283 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 18:19:50 ID:zMtAXuGn
先刻、強烈な斬撃閃に弾き飛ばされる瞬間、自分は確かに感じた。
そして戦慄の”狩人”フリアグネの背後に確かに視た。
かつて自分を絶対絶命の窮地に陥れ、フレイムヘイズの誇りも尊厳も
跡形もなく全て蹂躙し尽くしたこの世界史上最大最強の存在。
艶めかしい白い首筋に刻まれた星形の痣。
その魔性の美が彩る絢爛たる永遠の器を己が存在の裡に称えた。
”邪悪の化身” 『幽血の統世王』 の姿、を。
その強大なる存在の邪気(オーラ)を、まるでアイツの操る
『幽波紋(スタンド)』のようにその背後に携えた長衣を翻す「覚醒」した紅世の王。
今はその壮麗なるパールグレーの瞳の裡に常闇の暗黒の光を宿す”狩人”フリアグネ。
否。
悪夢と絶望とを司る、真に邪悪なる統世王の完全なる僕(しもべ)。
【幽靈と劫炎の簒奪者】
ダメージによる錯覚か、それともプレッシャーから来る幻覚なのか、
フリアグネの全身と纏った純白の長衣とが放つ白い存在の闘気の端が
ドス黒い放電現象を引き起こしているようにも見えた。
(こ……の……この気配は……!まさか……ッ!まさか……!)
かつて一度だけ対峙したアノ時の光景が、シャナの脳裡にフラッシュバックする。
「む……ぅぅ……」
胸元のアラストールまでもが眼前のフリアグネの余りの変貌振りに
驚きを隠せないようだった。
沈黙する二人の前で、その暗黒の炎をそのパールグレーの瞳に
宿らせたフリアグネが、ゆっくりと静かに口を開く。
「自分だけが「何か」を背負って戦っていると想いあがるな……
私のアノ御方に対する「忠誠」と「覚悟」の強さは……
到底貴様如き小娘の遠く及ぶ処ではない……ッ!」
ゾッとするような絶対零度の声色でフリアグネはシャナにそう告げ、
白蓮の炎と漆黒の雷流とに包まれた氷刃 ”獅子王ウィンザレオ”
で鋭く自分の存在を劈く。
284 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 18:21:58 ID:zMtAXuGn
「クッ!」
心底口惜しそうに奥歯を噛みしめるシャナ。
(アイツ……さっきまでと雰囲気が違う……!明らかに……気配が……
違う……ッ!『存在』が変貌(かわ)った……!)
優勢だった先刻までの「流れ」がこれで再び一気にゼロにまで、
否、それよりも遙か後にまで巻き戻された。
焦れるシャナのその胸元で炎の魔神、紅世の王 ”天壌の劫火” アラストールが
心底感慨入ったという声調で厳かに口を開く。
「うむ。真に恐るべしは『幽血の統世王』 彼の者の常軌を逸したその「器」、か。
此処より遙か彼方の地より自らは指一本すら動かす事なく
『存在のみで』彼奴の「器」に力を注ぎ込むとはな」
「じゃあ、やっぱり」
一番良くない事態が静かに自分の目の前で到来しようとしていた。
目の前の紅世の王も、今。
『 自分以外の存在によって自らの存在の力を増大させている 』
本人の意志とは、意識とは、無関係の領域で。
「うむ。それにしてもげに恐ろしきモノよ。
我が盟友(とも)そして大奥方より伝え聞いてはいたが……
他者の存在を介して生み出される『精神』の存在の力というモノは。
先刻のお前、そして昨日の彼奴(あやつ)の変貌振りにも驚かされたが、
今の彼奴はソレ以上かもしれぬ。否、それは最早「数値」等という
「領域」に属するモノではないのかもしれぬな……」
「そう……だね……確かに」
そう呟いて押し黙るシャナ。
紅世の徒を。
それも ”王” を。
ただ力で支配するだけではなくここまで「魅了」するその『超人性(カリスマ)』
身体だけではなくその精神(こころ)までも。
「人間をやめた者」だけが初めて持つことを赦されるその強大なる無限の能力(チカラ)。
285 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 18:24:32 ID:zMtAXuGn
やっぱり、凄い。
自分が想ってるより何十倍も、何百倍も。
本当にアノ男は凄い。
そしてその完全なる僕と化した紅世の王が、その暗黒を宿した双眸で
少女を上から睨め付け、そして宣告する。
「終わりだ。フレイムヘイズ。最早お前に勝ち目はない。
何故ならば私は、 今、 『アノ方の存在と共に戦っているのだからッ!』」
何よりも強く己を誇り、フリアグネは悪意の放つ雷の流散で彩られた宝具、
”ホワイトブレス”を鮮麗に翻す。
「そしてソレだけではない!この胸元のマリアンヌと友の名誉の為にも
私は戦っているッ!紅世の徒の討滅のみを目的としている
貴様等フレイムヘイズ如きとは戦う「動機」の「格」が違うのだ!!」
「ご主人様ァァッッ!!」
その威風堂々たる闇の風采でそうシャナに宣告したフリアグネの胸元から顔を出した
マリアンヌが、涙ぐんだ声で主の「復活」に歓喜の叫びをあげる。
「クッ……!」
自分もその事実を実感しているだけに、その有無を言わさぬ説得力に
シャナは想わず口籠もりそうになる。
でも。
それでも。
自然と心の淵から湧き昇って来る気持ちが、決然と己の裡に確かに宿る
白金の炎を呼び熾す。
シャナの精神(こころ)を何よりも強く灼き焦がす。
熱く、激しく、燃え尽きるほどに。
(私……私……今まで……自分の気持ちの為だけに戦ってきた……生きて……きた……)
まるで悔恨のようにそう心の中で呟いて胸元でギュッと拳を握りしめ俯くシャナ。
しかしすぐに、溢れ出す強い決意と共にその凛々しき表情で顔を上げる。
(でも!! もう違う!! 『もう昨日までの私じゃないッッ!!』 )
だから。
(『そういう「理由」ならこっちも負けてない!』
『そういう「気持ち」ならおまえなんかに絶対負けない!!』
私に人間の「精神(こころ)」を与えてくれた、みんなの想いの為に戦ってみせるッッ!!)
286 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 19:06:42 ID:zMtAXuGn
心中での灼熱の咆吼と同時に、シャナの脳裡に浮かび上がるたくさんの人々。
黄金なる意志の力に導かれた気高きその姿。
そして、その人々の中心には。
中心、には。
だから。
私、は。
在るべき存在として。
かつて、私がフレイムヘイズである事を望んでその道を選択したように。
そして、今再び私自身がそう在るべきだと望んだ証として。
選ぶ!
『この世で何よりも気高き血統の者と共に在る事を!』
『例えフレイムヘイズでなくとも一人の『人間』としてこの世の「悪」と戦う事を!』
だから。
叫ぶ!
「うるさいうるさいうるさい!!おまえが忠誠を誓う統世王なんかより!
アイツの方が!私の承太郎の方が絶対に強いンだから!!」
勇ましき声でシャナは贄殿遮那をフリアグネに突き出し返す。
そのシャナの言葉にフリアグネはまるでアノ男から譲り受けたかのような
難険な瞳でシャナを上から見下ろす。
そしてアノ男が全身から発する雰囲気そのままに静かに口を開く。
その声調に甘さはない、ただただゾッとするような絶対零度の響きだけがそこに在った。
「追いつめられてとうとう気でも違ったか?
どこをどう計算したらそのような結論が出る?
私の友に運良くとはいえ勝利したその存在は一応は認めてやっても良い、が
所詮は「人間」。アノ方の絶大なる存在を前にすれば塵芥に等しき存在に過ぎん。
第一あの方に手も足も出なかった貴様風情が今更何をほざく!」
「うるさいうるさいうるさい!ジョセフから聞いたわッ!
おまえの主はかつてジョセフの「祖父」と『二度も戦って二度とも負けたって!』」
フリアグネの言葉に気圧される事無く決然とシャナはそう叫び先鋭に
黒衣に覆われた左手を真一文字に翻した。
287 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 19:08:58 ID:zMtAXuGn
「!!」
予期せぬ言葉。
唐突なる理解不能の言葉の羅列にフリアグネのそのパールグレーの双眸が
一瞬光を無くし虚空と化す。
「負けた、だと?」
ワナワナと破れた手袋の左手の拳を胸の前に突き出して肩を震わせ、
余りにも凄まじい怒りで一瞬頭の中が白くなり、口内で歯が
自分が使役する人形のようにカタカタと音を立てる。
その「事実」は。
その「過去」だけは。
DIOを崇拝し一命を賭して仕える者であるならば、
皆暗黙の了解の内に触れる事を避ける「禁忌」中の「禁忌」。
何故ならば崇拝すべき至高の主に「過去」等何の意味も持たない。
何よりも仕えるべき其の御方は勝利の栄光に彩られたその姿で
今確かに此処に存在しているのだから。
何よりもソレに触れる事は絶対の死を意味するのだから。
その「禁忌」が忌むべき宿敵の口から、無造作に剥き出しにされて
無分別に自分に叩きつけられる。
その痛み。
その屈辱。
彼にとっては、DIOの僕であるフリアグネにとっては、
筆舌に尽くしがたい程の痛切なモノだった。
文字通りその身を二つに引き割かれるが如く。
「フ……フ……ッ!」
シャナの告げたその事実に、「真実」に、フリアグネの理性は完全に決壊した。
「フザけるなァァァァ!!貴様ァァァァァァ!!
アノ御方を愚弄する事は絶対にこの私が赦さんぞッッ!!
アノ方にその存在全てを蹂躙され尽くされそして滅ぼされた
脆弱な「敗北者」の片割れ如きが戯れ言をほざくなァァァァ!!」
これまで常に冷静を務めていた紅世の王フリアグネが
ここまで激昂した理由は、シャナの言った話の内容もさることながら、
その言葉をシャナに語った「存在」にこそ在った。
288 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 19:11:00 ID:zMtAXuGn
『神滅の奇巧士』
ジョセフ・ジョースター。
ただの人の身に過ぎず、そしてミステスですらも無いが、
その存在はその片割れであり後に一心同体となった『幻麗の獅子』
と共に紅世の徒の間にも広く鳴り響いている。紅世の徒にとっては
単なる「餌」に過ぎない「人間」の中でも
「例外」或いは『特異点』とも呼ばれる存在。
その「理由」は史上最悪のミステス、 『天目一個』 が生まれるよりも遙か以前、
ソレ以上の存在の脅威が現世と紅世とを恐怖の坩堝に巻き込んで席巻していた
という事実に端を発する。
数千年の永きに渡り数多くの紅世の徒とその王すらも見境無く討滅し、
人間、紅世の徒、フレイムヘイズ他この地上に生ける者全てを
無差別に虐殺、蹂躙しその存在を掻き喰らっていた
『光』『炎』『風』 を司る太古の最強種。
その禍々しい外見からは想像もつかない程の傑出した知性で
創り出した血塗られた宝具によって夥しい数の「魔物」を生み出し、
そして組織すら必要としないその異常なまでに突出した
完全なる「個」の戦闘能力により自らソレを「餌」として喰らっていたという
凄惨なる事実から、そして”王をも超越する者”という恐怖と戦慄の念から、
『殺戮の三狂神』 の真名で呼ばれていた懼るべき存在。
功名心、闘争本能、或いは危機感、それぞれ異なる動機に駆られた数多くの
フレイムヘイズと紅世の王とが彼らに戦いを挑むも、
その悉くが原型も留めない程に撃砕、炎蒸、そして斬断されて討ち滅ぼされ、
その後全身骨も遺らずに喰らわれたというその残虐性と大喰性から、
この世に渡り来た“紅世の徒”が作った組織の中でも最大の規模を誇る組織、
時の『仮面舞踏会(バル・マスケ)』ですら危険過ぎて
彼らが「休眠状態」に入るまで「傍観」する事のみを余儀なくされたという過去を持つ
その絶大なる三つの巨頭。
289 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 19:13:52 ID:zMtAXuGn
その途轍もない存在を全て、人間でありながら、信じがたい事に
僅か一ヶ月余りという超短期間の内に全て討滅した伝説的存在。
その『柱の男』以上の存在の魔の手が自分達に及ばないよう
全ての紅世の徒が「彼」との「接触」を意図的に避ける事を暗黙の内に了承したという
その伝説の男が言った言葉ならば、心の裡では幾ら否定していても
嫌が応にも絶対的な説得力を持つ。
その対象が喩え紅世の王で在ったとしても例外ではない。
だが、理屈ではそう解していても感情は頑なにその事実に叛逆する。
認めたくはない。
認めるわけにはいかない。
故に心の中で渦巻く幾つもの感情が互いにブツかり合い
「葛藤」の「軋轢」という精神の乱反射を引き起こす。
「貴様如きフレイムヘイズが……貴様等如き矮小な「人間」が……在り得るものか……!
運命の……半身を……手に入れられた……勝利の……栄光に……彩られた……
アノ方を……アノ方を……!」
己の心の裡に存る輝ける真柱の一角を破砕され、
その影響でまるで夢遊病者のように譫言を繰り続けるフリアグネに尚も
シャナは言い放つ。
「ジョセフは敗者なんかじゃない!!承太郎は弱くない!!
私達はおまえ達なんかに絶対負けるもんかッッ!!」
短い間では在るが、ジョセフと同じ屋根の下で生活を共にしていたシャナも
当然ながらその事は全て知っている。
目の前のフリアグネ以上に。
そして口にこそ出さないがその事を何よりも「誇り」に想っている。
例え血は繋がっていなくとも、自分はあの人の「孫」だから。
普通の人間とは違う自分をそう呼んでくれたから。
だから、その「家族」の誇りの為に、名誉の為に、
フレイムヘイズの少女は吼える。
本気で。
懸命に。
嘘偽り一つない言葉で。
290 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 19:15:58 ID:zMtAXuGn
「フザ……けるな……二度……?バ……カ……な……なら……三度……目……」
そのフリアグネの言葉をシャナは即座に「否定」する。
「そんなのは「勝利」なんかじゃない!!アノ男はジョセフの祖父に一度も勝てず
100年間海底に「封印」されただけよ!!もう二度と「復活」なんか出来ないよう
私と承太郎に完全討滅される為にねッッ!!」
そう叫んでその白金の燐光宿る紅蓮の双眸で、暗黒の光宿る
フリアグネのパールグレーの瞳を真正面から鋭く射抜く。
「それにジョセフの祖父の身体を奪わなければ生き残れなかった!
自らの宿敵の存在に縋らなければ生き延びられなかった!
その時点で『あの男の存在自体が敗北そのものよッッ!!』」
「………………ッッ!!」
そのシャナの言葉に、臨界を超えた怒りの所為で、歪んだ笑みを
浮かべて絶句するフリアグネ。
その端正な口唇の隙間から狂った微笑が狂った音階で静かに零れ落ちた。
しかし即座に宝具”ホワイトブレス”でその顔を覆い、
一瞬にして再び黒い憎悪の風貌に戻った紅世の王は
その耽美的な美貌に歯を軋らせてシャナに吼える。
「貴様ァァァァァァ……!!放っておけばどこまでもツケあがるその傲慢な心と
無礼極まる穢れた口ッ!どうやら早急に削ぎ落とす必要があるようだなッッ!!」
「どの口でそうほざくッッ!!やれるものならやってみろッッ!!」
シャナの炎髪から、フリアグネの全身から、それぞれ色彩の異なる
存在の火花が今まで以上の輝度で以て弾ける。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
「オラオラオラオラオラオラオラァァァァァァァァァァァァァ!!」
そして。
互いに吼え、大地を蹴り、空間を駆け抜けて。
ギャッッッッッッッッッグアアアアアアアアアアァァァァァァァッッッッ!!!!
三度、斬り結ぶ。
己が存在の全てを賭けて。
両者の放った想いの斬轟が白い封絶で覆われた屋上全体に響き渡る。
291 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 19:17:40 ID:zMtAXuGn
そして炎舞い踊る互いの愛刀を介して激突する両者の視線。
「焼き尽くしてやるッッ!!卑しい王の討滅の道具!!」
「清めてあげるわッッ!!堕落した哀れな紅世の王!!」
フリアグネはその狂気の宿った暗黒の瞳孔で。
シャナはその正義の宿った勇壮なる双眸で。
己が最大の存在を瞳を透して相手に刻みつける。
そして。
再び刀身を滑らせて距離を取った二人、は。
「おまえの!」
「貴様の!」
互いに剣を手にしたままで叫び、先鋭に左腕で空間を真一文字に薙ぎ払う。
「存在全てをッッ!!」
「存在全てをッッ!!」
交叉した両者の誓いが炎の空間に響き渡る。
そして再び。
「オラオラオラオラオラオラオラァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
互いの眼前で夥しい数の斬閃があらゆる方位から刳り出される熾烈なる斬撃戦。
色彩の異なる火炎の火走りが、先刻以上の輝きを以て空間に狂い咲く。
何度も。
何度も。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァァ!!!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァァァァ!!!!」
超高速の互いの剣捌きで無数に斬撃を刳り出し続ける、そのシャナ、フリアグネ、
壮絶な互いの存在の背後に、色彩の異なる火の粉と想いと共に浮かび上がる
己が最大の精神の支柱。
292 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 19:21:07 ID:zMtAXuGn
まるで己と一心同体である巨大なスタンドが「顕現」でもしたかのように。
時間も、空間も、存在すらも超えて。
『星の白金』空条 承太郎と『邪悪の化身』DIOが天空で真正面から睨み合う。
片やその勇敢なる風貌に誇り高き正義の精神(こころ)で彩られた救世者の瞳で。
片や挑発的な微笑を口元に刻みその黄金の双眸に闇黒の光を漲らせた支配者の瞳で。
いつか確実に激突する運命(さだめ)に在る二人が、
シャナとフリアグネの存在を介して刹那(いま)此処でブツかり合う。
その。
ジョースターとDIOにまつわる、現世も紅世をも巻き込んで廻り続ける
余りにも巨大過ぎる因果の火車。
始末するべき因縁。
抹消するべき宿命。
フレイムヘイズと紅世の王とが織りなすその壮絶なる運命の車輪の代理闘争は。
いつ果てる事もなく。
その終局を、誰(た)が知る事もなく。
激しく存在の血風と炎風とを捲き散らしながらも。
続く……ッ!
「オッッッッッラァァァァァァァァァァァァ――――――――ッッッッ!!!!」
「無駄だァァァァァァァァァァァァァァァァ――――――――ッッッッ!!!!」
グァッッッッッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
←PAUSEッッ!!
*STARDUSTφFLAMEHAZE*
293 :無冥 蹟怜 ◆ktuOoSP9Ds [sage]:2008/01/13(日) 19:23:16 ID:zMtAXuGn
「煽り文」
”シャナの戦いはまだまだこれからだッッ!!”
”無冥先生の次の作品にご期待くださいッッ!!”
ふぅ~、ヤレヤレやっと連載終わったぞ♪
コレで自由だ♪
明日から楽が出来るぞぉぉぉぉぉってうあなにをいいじゃん打ち切りendで(ry
アハハ^^;
なんか某●ャンプの打ち切りENDみたいな終わり方ですが、
終わりじゃありませんwまだ続きます(一応)^^;
(何だよ無冥先生ってwドアフォ無冥で充分だってのw)
それにしてもフッ君(フリアグネ)ジョルノ化はちょっとヤり過ぎでしたかねw
(だって強いンだもん。シャナw)
やれやれ長い(本当にな・・・・)自転車操業もこれでようやく終わりw
やっと一番書きたかった部分に取りかかれます。
(本来なら一回分の投下でここまで来る筈だったのにクソォ神父め)
出来ればあと二回の投下で第一部は終わらせたいのですが、どうなりますかね?
まぁドアフォ無冥が書いてるって事で気長にお待ちをw
ではw
294 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/13(日) 20:03:29 ID:bV5VIj1q
無冥氏乙!
もう凄すぎて次が楽しみでならないw
295 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/13(日) 21:47:35 ID:nKOdMPaJ
この人SSの文は普通なのに、
自分語りになるとちょっとキモイと思うのは俺だけか
296 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/13(日) 23:21:59 ID:L2RwuLBg
>>295
気にするな
俺もだ
だからそーゆーことは胸の奥にしまっとこーぜッ!
297 :名無しさん@お腹いっぱい。[age]:2008/01/14(月) 14:34:46 ID:LEID8Zb6
無冥氏GJ!
298 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/14(月) 17:45:00 ID:QUC1lhRi
DIO「『星黎殿』だッ!」
もちろん潰す標的は承太郎とシャナ
299 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/14(月) 19:06:41 ID:nHiVZozY
>>298
直接感知できないあれの位置を見破れるのか、あれほど巨大な物を単独で落とせるのかと、小一時間ばかり問いたいぞ。
つか、決戦は星黎殿内部だと思うんだが。
わざわざ日光が射す地上の屋敷に居るより常夜の移動城塞に居た方がマシだから。
300 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/14(月) 21:10:41 ID:+Qd83KaY
>>298
DIO様なら普通にやりそうだから怖いw
「世界(ザ・ワールド)」と二人掛りなら何とかなるんじゃないの?
知らんけどw
301 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/14(月) 21:15:33 ID:1+ob14dx
>>300
これは新しい発想
スタンドと本体が力を合わせるのか
302 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/14(月) 21:18:54 ID:QUC1lhRi
無冥氏のDIO様の攻撃方法は生身と世界と世界21だけではなく
フリアグネや他の紅世の王や徒から献上された、とびっきりレアな宝具もあるんだろうな
不死の肉体+最強のスタンド+宝具の前には勝てる気がしないな・・・・・・・・・・
303 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/14(月) 21:36:14 ID:nHiVZozY
DIO様“存在の力”使えるようになるのか?
宝具の大半は“存在の力”込めないとガラクタにしかならんし、なんだかんだで使えるようにしないとな。
304 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/14(月) 21:42:24 ID:+Qd83KaY
>>302
イヤ、そこはスタンド使いとフレイムヘイズの
チームワークで何とかして行くんだってw
いつもラスボスが主人公側より圧倒的に強くて、
そこを信念なり友情なりでなんとかしていくのがジョジョでしょw
305 :881[]:2008/01/14(月) 21:54:29 ID:e5jCc7wW
ぱんつ脱がせてもニーソ脱がすべからず
306 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2008/01/15(火) 07:14:32 ID:G1Axf1WI
>>305よく解ってるじゃないか…お前のような奴こそスタンド使いにふさわしい
ところでティリエルにご褒美のディープキスはいつもらえるの?
307 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/15(火) 12:03:12 ID:wlvgbrbj
>>305
最終決戦は全裸にニーソのDIO様対
全裸にニーソの承太郎&全裸にニーソのシャナと申すか
308 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/15(火) 12:29:17 ID:Lio1Fz+e
>>307
頭痛がする・・・は・・・吐き気もだ・・・・・
309 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/15(火) 20:44:04 ID:NwS/RkyH
>>308
そんな君には特効薬を。
裸ニーソなヘカテー、ティリエル、メア。
オチはない。欲しけりゃ勝手に造れ。
最終更新:2010年03月06日 20:12