地獄の番人

ゲーム開始直後のことである。

地底のさとり妖怪、古明地さとりがB-6エリアの草原でしばし途方に暮れていると
オドオドした様子の少年と遭遇した。
人間であれば、恐らく年齢は15、6歳ほどであろうか。顔立ちから察するに、西洋人のようだ。
彼は突然、とおるるるる、とおるるるると奇声を上げ、
カバンから水の入ったボトルを取り出して『通話』を始めたのだった。

ボス……ボス!またお会いできて、嬉しいです!

アレはただのビンだ。同じ物を自分のカバンでも確認している。通信機能など、ない。
なのに、彼が会話する様子は真に迫っている。では、気違いの類か?
こちらの様子などお構いなしに通話を続けるその少年の思考を、
胸の第三の目『サード・アイ』で読み取ろうとした所で、
古明地さとりは異変に気付いた。
心が、読めない。

「ローマの時以来ですね!こうしてまたお話できるなんて!」
『人■■■■■、■ッピ■。■■目■……恐■くス■■■使い■。』

第三の目のピントがボケて、相手の心を『読む』ことができない。
まるで酷い近眼に罹った様だ。だが距離を詰めると、少しづつ心が読めるようになってくる……

「ボスゥ……寂しかったんですよ、僕、本当に……」
『そう■……あの■娘は■■■に■する警■が薄■、そ■■ま引■■けろ
 キ■■・■リム■ンの射■距離……■mの■■までな』

少年はチラリとこちらに視線を向けたが、すぐにそっぽを向いて通話に戻ってしまった。
さとりと少年の距離は、ついに『2メートル』程度まで縮まった。



『今だ■、殺れッ■!“キ■グ・ク■■ゾン”!!』

この男、『二人分の心』を持っている!
小心ぶりを振りまく少年の姿は餌だった!
果たしてどちらが本性か、残忍で狡猾なもう一人の人格を隠し持っている!!
その事実に古明地さとりが気付いたのは!!

「あ……がッ……はっ……」

赤い人型の幻像の拳を、みぞおちに叩きこまれてからのことだった!

さとりの体は手荷物を置き去りに緩やかな放物線を描いて宙を舞い、5m後方に落下する!

「ううっ……うっ、ごっ、ゴボッ」

喉から熱い何かが猛烈な勢いで昇ってきて、
口と鼻とついでに涙腺を突き破る勢いで、あふれ出してきた。

「ボスゥ……あの女、まだ生きてますよ?」
『腹■ブチ■■■もり■■■が……あ■■娘、見■■よ■頑丈■な。
 ■や……この■■■・■■ムゾ■の■ワーが、■干だが弱■■てい■の■?』
「立てないみたいです。トドメ、刺しましょうか?」
『■■、頼む……■が、慎■■仕■めろ■?』

『奴ら』はジリジリと間合いを詰めてくる……!
もう一度あの赤い幻像の、あの『鬼』のようなパワーで攻撃されたら、今度こそ、バラバラに解体される!!
立って、立って!逃げなければ!
なのに、脚が……動かない!?
……いや、感覚がない!!背骨をやられた!
なら、妖術で……飛べない!!


「くッ……来るなッ!私のそばに来ないでぇーーッ!!」

右手をかざし、妖術の弾幕を連射。
だがそれもあの赤い幻像の腕に容易に弾かれる!
あの幻像は一体何なんだ!?『スピード』も、『精密さ』も、尋常ではない!
足止めにすらならない!

……だが、その程度は……計算のうちだッ!

『■ッピ■!罠■ッ!左■だ!あの小■、『■腕』が空■■いる!!』
「……ハッ!」

『中の男』の助言で少年はさとりの左腕を注視する!
袖の中から赤いケーブルが草むらの中に伸びている!

「隠し武器!草むらの中にッ!!」
(惜しいけど、『不正解』よ!!)

さとり妖怪の『第三の目』から伸びるコードは!
手足と同様に自由に扱うことができるのだ!
左のソデから伸びたコードは草むらに紛れて少年の後ろに回り込み!
カバンからこぼれた草刈り鎌をたった今拾い上げた!
このままコードを引き戻す勢いで!お前の頸動脈を掻き切る!

(既に鎌はお前のもとに迫っている!
 ……たとえ振り返って後方を確認したとしても、もう『遅い』!)


その時、少年の額に小さな顔面が浮かんだ!
同時に、少年の首の頸動脈が背後からの鎌でバックリ切り裂かれる……
……イメージが、少年の脳裏に浮かぶ!
その映像は、少年の心を覗くさとりにも、視えた!

『キング・■■ムゾン!■を、■.1■だけ、■きと■せッ!!』

草刈り鎌が猛スピードで少年の首筋を通過!
だが、斬れたのは……首の、薄皮一枚!!

(そんな……かわされた!?
 未来を視たとでもいうの!?いや、それだけでは、今の現象は…!)
「射程距離だ!今度こそッ!仕留める!!」

赤い幻像の手刀が、猛然とさとりに迫る!
終わりか!
ああ、今度こそ、終わりか。
最初に飛ばされたあの広間には、見知った姿や……ペット達に、こいしもいたっけ。
ごめん、お姉ちゃんケンカ弱いから……ここでリタイアだわ。


『今■こそッ!たっ■一度■『敗北』を乗り■えて!この■ィ■■ロは!!帝王は、再■ッ!!』

敗北。これだけの力を持つこの少年も敗けることはあるのか。
一体どんな相手がこいつらを倒せるのだろう。

(想起『テリブルスーヴニール』)

ちょっとした、好奇心……あるいは、さとり妖怪のサガとでも言うべきものだった。
今更この絶体絶命の状況を覆せるとは思っていない。
だが、この猛スピードで迫り来る幻像の手刀が私の頭蓋を叩き潰す前に、
こいつらを敗かした者の顔、この男のトラウマを覗いておきたかった。
たったそれだけのことだったのだが……。


『排水溝の臭気』『円形闘技場』
『浮浪者』『ティベレ河』『空き缶の焚き火』『散らばった注射器』
『血の滴るナイフ』『脇腹から溢れ出る鮮血』
『薄汚れたコート』『N.68』『検死解剖』
『明るい電灯の光』『健康な肝臓』
『夜の市街地』『石畳の道路』『行き交う自動車』
『散歩する犬と老人』『犬の鳴き声』
『猛スピードで迫る自動車』『クラクション音』
『一面に広がる丘陵地帯』『晴れ渡る青空』
『遠くに見える石造りの小屋』『人形を抱えた少女』

な……何!?この男は……!

『こっこっ このダボがぁあーッ!』
『オッオッ オレッちのコッコッ コートを!盗ろ~ッたって』
『そうはさせねぇえぞーッ』
『来いッ!かかってきやがれーッ!』
『えーと今日の日付は25日…午前の11時20分』
『ファイルNO.68 担当はわたし ドクター モニカ・ユルテッロ…』
『成人男性 年齢の推定は30さいから40さい身分は不明』
『皮膚の状態から判断して死後およそ48時間から54時間以内…これより司法に基づく検死を行う』
『健康な肝臓だわ とてもいい色』
『もし…そこのあなた……大丈夫ですか?そんなところにうずくまってどこか具合でも?』
『ワンワンワンワンワンワン!』
『あ おいこら』『パパァーーーーー!』
『うずくまって おじちゃん オナカ痛いの?』

この男は、一体どれだけのトラウマを抱えているの!!
死に続けている!苦しみ続けている!地獄に堕ちた罪人のように!


『だが… なんだったのだ… あの『レクイエム』は… くっ… う…』
『こんな!バッバカなッ!』
『ま…まさかッ!た…立てないッ!うお…がっがッ!』
『だっ 誰か…!こ…こんなことが!』
『この痛み… こんな所で…! オ…オレはッ!』
『なにを言ってるんだ?きさまッ!おい女!ここはどこだ!なんでおれがここにいるんだ?』
『おい女ッ!聞いているのかッ!貴様は誰だ何をしているッ!なんでオレの体は動かないのだッ!』
『し…しかも…この痛みは!?』『ぐあぁああぁあぁあぁあぁあ』
『わ…夢か?オレは…!!『夢』を見ているのか!?』
『だがま…まただ…ここは!?いったい?』
『今何時でここはどこだ?ローマじゃあないようだが…』
『オレは確かにローマのティベレ河に…いて…そして…あの感覚は…』
『死体置き場で味わった…あの想像を絶する苦痛は…ゆ……夢にしては……』
『あの『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』の……』
『くう…くっ ハァーハァーハァー』
『お おれは何回死ぬんだ!?』
『次はど……どこから……い…いつ『襲って』くるんだ!?おれは!おれはッ!』
『おれのそばに近寄るなああーーーーーーッ』

『レクイエム』!
『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』!
それが、お前を『地獄』に落とした者の名かッ!!
眠りを覚ます恐怖の記憶(トラウマ)ッ!冥途の置き土産に!くれてやる!


(想起……)

『胸に開いたハート』『腕に突き刺さる矢』
『砕け散る黄金の幻像』『抜け殻』
『風になびくチョココロネ』『宙に浮く新たな幻像と、その使い手』
『石柱から産まれるサソリ』

(想起……!)

『生き残るのは……この世の『真実』だけだ……『真実』から出た『誠の行動』は……』
『……決して滅びはしない……』
『あんたははたして滅びずにいられるのかな?ボス』

(想起、想起、想起ッ!!)

『『レクイエム』……ダ!!オマエが見テイルモノハ確カニ『真実』ダ』
『確カニ オマエノ能力ガ実際ニ起コス『動き』ヲ見テイル……シカシ……』
『実際ニ起コル『真実』に到達スルコトハ決シテナイ!』
『ワタシノ前ニ立ツ者ハドンナ能力ヲ持トート絶対ニ行クコトハナイ』
『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!』
『無駄ァーーッ!』

「想起ッ……!」


『なっ……!いかんッ!ドッピオ、退けッ!!
 そいつに、手を出すなッ!!』

赤い幻像の手刀が、さとりの頭上でピタリと止まった。

「何故です、ボスッ!」
『バカな……なぜ、この小娘が!
 この小娘がッ!何故ッ!『奴』のスタンドを……持っているのだッ!!』

さとりの背後には、グリーンの人型を模した幻像が出現していた。
あの赤い幻像と、同質の存在……生命エネルギーが造り出す、パワーある像『スタンド』。
対峙する男に消えることの無いトラウマを植えつけたそのスタンドの名を……

「想起『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』」


だが……

「ぐっ……うっ……ハッ、ハアーッ……」

死ぬっ!死んでしまうッ!!
このスタンドとやらの像を出現させるだけで、何て負担だッッ!
鬼や、スキマ妖怪といった大物妖怪の弾幕さえ再現してみせるさとりの『想起』でも、
そのスタンドを出現させる体力・精神力・妖力の消耗は、それ自体が死の恐怖を覚える程のものであった!

(お願いだから、これで……退いて……私には、もう、これ以上……)
『ドッピオ、『退けッ』!あのスタンドは、まずいッ!ここは一旦『退く』のだッ!』

「……。いいえ、『退けません』、ボス。
 退く訳には、いかない。この女は死にかけている。スタンドを出すことに成功はしたが、それだけです。
 もうパンチの一発も繰り出すことができないでしょう。一旦退いて傷を癒す暇を与えるよりは、
 ここで確実にトドメを刺しておくのが、『最善』です。」

(まずいッ……男の方のトラウマは抉ったが……少年の方は、冷静だったッ!!)

「けど……問題はそこじゃない。そこじゃないんです。
 僕はボスの、帝王のスタンドをお借りしたんです。
 ……このキング・クリムゾンに、ボスに、敗走は、許されないッ!!
 だからこの女は……ここで!今、ここで、始末するッ!!」

「ハァ……ハッ……」
(もうダメ……いしき、が)

その瞬間である。
妙な懐かしさを覚える謎の声が聞こえたのは、古明地さとりが意識を失うまさにその瞬間のことであった。


『イエローカード、1枚目だよ。古明地さとり。
 説明しとかなくて悪かったけど、反則なんだよ、それ。
 次それ出したら、頭バーンだから。もっとも、その状態じゃあ2回目は無理かな?
 んふふふ』

再びさとりの脳天に迫るキング・クリムゾンの手刀。
意識を失うのと同時に、全身を後ろに引っ張られる感覚を覚えた。
ああ、死んだ後の人間は沢山見たけど、自分が死ぬ瞬間って初めてだったな。
と、さとりは思うのだった。

――――


最初の大部屋に呼び出された時は、半信半疑だった。
あの、無限に襲い掛かってくる死の恐怖と苦痛から逃れ得たわけではないと、そう思っていた。
恐らく、最初の見せしめのダシにでも使われるのだろう。脳味噌を爆破……か、今回は一瞬で済みそうだな。
ディアボロは、半ば諦めの境地に達していた
ところが、そうではなかった。
五体満足でこの会場に立つことができていた。
腹心のドッピオに再会することができた。
そして、何より……キング・クリムゾンをこの身に取り戻していた。
生きている。俺は、生きているんだ!
あの、アラキと、オオタとやらに殺しあえとは言われたが、
それは裏を返せば俺は今、確かに生きているということだ!
俺はあの地獄のようなループから脱出する……チャンスを手にしたのだ!
まずは一人!ボーっとツッ立っているスタンド使いらしき小娘を発見した!
『ドッピオ』の姿で油断を誘いつつ近づき……不意討ちで仕留めるのだ!
多少の抵抗は受けたがこの程度、『キング・クリムゾン』の前では物の数ではない!

『だというのに、何故だ……!何故、あの小娘が、あのスタンドを……』

ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム。
ディアボロを永遠の死に叩き落とした、ジョルノ・ジョバァーナのスタンド。
スタンド能力は、一人に対し一つしか持てないのが原則だ。
だが全くの赤の他人が偶然、似た性質のスタンドを持つことはある。
複数の体が群体となり、一つのスタンドとして成立していることもある。
我がキング・クリムゾンのように、一つのスタンドが『未来視』と『時を吹き飛ばす』という複数の機能を持つこともある。
スタンドとは、個々人の人格がそうであるように、脈絡なく多様であるものなのだ。
だが、


『同じだ……!同じだったんだ……!
 あの像(ヴィジョン)、ジョルノ・ジョバァーナのそれとまったく同じだった……!』

……そうでなければ、半死人の少女がスタンド像を出そうとしたところで
ディアボロがあれほどまでにまでうろたえるハズがない。

『あの小娘の、スタンド能力か……!』

あの小娘のスタンドには、自在に操作できる触手と、
光弾を発する能力があるだけではない。
きっと、敵が過去に相対したスタンドを再現する能力こそが、
あの小娘のスタンドの『目玉』であり、本領なのだ。

『だとしたら、なんという皮肉だ……
 いや……『試練』、か!!
 あのアラキと、オオタがこの俺に課した……『試練』!!』

『ドッピオ!後を追うのだ!『新手のスタンド使いと共に逃げた』あの小娘を追えッ!
 あの小娘だけは、このキング・クリムゾンで仕留めなければならんッ!!』

【B―6エリア/深夜】
【ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風】
[状態]:首に小さな切り傷、、体力消費(小)、ドッピオの人格で行動中
[装備]:なし(原作でローマに到着した際のドッピオの服装)
[道具]:基本支給品×2、不明支給品×1~2(ディアボロに支給されたもの)、
   不明支給品×0~1(古明地さとりに支給されたもの。ジョジョ・東方に登場する物品の可能性あり)
[思考・状況]
基本行動方針:参加者を皆殺しにして優勝し、帝王の座に返り咲く。
1:新手と共に逃げたスタンド使いの小娘を追い、この手で殺す。
[備考]
※第5部終了時点からの参加。ただし、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの能力の影響は取り除かれています。
※支給品と参加者名簿をまだ確認していません。
※能力制限の程度については、後の書き手さんにお任せします。

――――


古明地さとりを窮地から救ったのは、改造学ランに剃りこみ頭の古式ゆかしい不良高校生。
そのまま幻想郷に流れ着いてもおかしくないようなファッションの彼の名を、虹村億泰といった。
不良ながら情にあつい彼は、古明地さとりをおぶって一目散に逃げ出している所であった!

どうにか、間に合った!
あの外人、どー見ても中坊くれぇだったけどよぉ!
出会うや否や、いきなり女のコの腹をスタンドでブン殴りやがった!
俺がそれをたまたま見かけたのは離れた所だったから、
射程距離まで近づくのに時間がかかっちまったがなァーッ!
何とか、あのチョップが届く前に、この『ザ・ハンド』で、空間を削り取り、
このコを引き寄せることができたぜ!
とにかく今は何とかあのイカれたヤローを振り切って、このコを手当してやらなくちゃならねぇ!
この先に見える竹林、そこならあのヤローも俺たちを見つけ辛ェはずだ!
名簿は途中までしか読めてねーが、確か仗助に康一に、承太郎さんに、露伴先生もいたハズだ!
仗助か先生か、とにかく、誰でもいい!ひでーケガだぜ!
一刻も早く、傷を治せるヤツと合流しねえと!


【B―6エリア/深夜】
【虹村億泰@ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない】
[状態]:健康、体力消費(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~2
[思考・状況]
基本行動方針:未定。ただし、殺し合いに乗る気はない。
1:あのイカれたヤロー(ドッピオの姿をしたディアボロ)を振り切るため、竹林に隠れる。
2:この女のコを守る。なるべく早くケガの手当てをしてやりたい。
3:知り合い(東方仗助、広瀬康一、空条承太郎、岸辺露伴)と合流したい。
[備考]
※支給品をまだ確認していません。
※参加者名簿を一部確認しました。
 (東方仗助、広瀬康一、空条承太郎、岸辺露伴の名は確認しています。吉良吉影の名は確認していません。)
※参戦時期は未定ですが、東方仗助、広瀬康一、空条承太郎、岸辺露伴の4名とは面識があります。
※能力制限の程度については、後の書き手さんにお任せします。


【古明地さとり@東方地霊殿】
[状態]:脊椎損傷による下半身不随、内臓破裂、
肉体疲労(極大)、妖力消費(極大)、精神疲労(極大)、
[装備]:草刈り鎌
[道具]:なし(基本支給品などの入ったデイパックは、ディアボロに回収されました)
[思考・状況]
基本行動方針:未定。
1:気絶中。
[備考]
※参加者名簿をまだ確認していません。
※会場の大広間で、火炎猫燐、霊烏路空、古明地こいしと、その他何人かのside東方projectの参加者の姿を確認しています。
※参戦時期は未定です。
※読心能力に制限を受けています。東方地霊殿原作などでは画面目測で10m以上離れた相手の心を読むことができる描写がありますが、
このバトル・ロワイアルでは完全に心を読むことのできる距離が1m以内に制限されています。
それより離れた相手の心は近眼に罹ったようにピントがボケ、断片的にしか読むことができません。
精神を統一するなどの方法で読心の射程を伸ばすことはできるかも知れません。
※主催者から、イエローカード一枚の宣告を受けました。
もう一枚もらったら『頭バーン』とのことですが、主催者が彼らな訳ですし、意外と何ともないかもしれません。
そもそもイエローカードの発言自体、ノリで口に出しただけかも知れません。



――――


「ハッ、ハッ、ハッ、ハアッ!」

古明地さとりとディアボロの戦闘、その目撃者はもう一人いた。
紺のブレザーに赤いネクタイ、プリーツスカートを履いた、
赤い瞳にロングヘアの少女。頭のウサ耳さえ外せば、『外の世界』にいてもさほど違和感の無い格好だ。
彼女は月生まれの妖獣……玉兎の、鈴仙・優曇華院・イナバ。
鈴仙もまた、戦闘の現場から一目散に逃走しているところだった!

怖い、怖い……怖いッ!!
なんなのよ、アレ!操り人形?式神?
何の力もないただの人間でさえ怖いのに、あんなの扱うヤツと本気で殺しあえっていうの!?
あの、地霊殿のさとり妖怪の子がパンチ一発で死にかけてるのよ!?
あの子たしか戦いは苦手って話だけど、それでも妖怪よ!?
パンチ一発で死にかけるってどんな破壊力よ!?鬼?吸血鬼?
あんなのって無いよ!勝てっこないじゃない!!

怯えた表情で息を切らしながら、彼女はそう考える。
彼女は人一倍臆病だった。
月の兵士として訓練を受けていながら、戦争の噂が流れただけで逃げ出した脱走兵である。
彼女の『波長を操る程度の能力』は簡単に姿を消し、人の精神を乱すことができる。
軍でも優れた能力と評されていたが、その臆病で自分勝手な性格は、兵士として致命的であった。
彼女は……人から敵意を向けられること、それ自体に耐えることができないのだ。
この場所には見覚えがある……迷いの竹林の近くの草原だ。
脱兎のごとく逃げ出した鈴仙の目指す先は……D-6エリア、永遠亭。
月から逃げ出した彼女をかくまってくれた恩人達の住まう場所、彼女の唯一の安息の地である……。

【B―6エリア/深夜】
【鈴仙・優曇華院・イナバ@東方永夜抄】
[状態]:健康、人間から敵意を向けられることに対する恐怖
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~2
[思考・状況]
基本行動方針:未定。とにかく、恐怖から逃れたい。
1:自分の安心できる場所(永遠亭@D-6エリア)を目指す。
※支給品と参加者名簿をまだ確認していません。
※参戦時期は未定です。
※能力制限の程度については、後の書き手さんにお任せします。


――――


支給品紹介
○草刈り鎌
【出典:現実】
古明地さとりに支給。
主に園芸などの除草作業に使われる、木製の柄に鋼の刃が付いた何の変哲もない鎌。
刃渡り20cm弱の小さな刃物だが、切れ味は鋭い。
目玉をえぐる、頸動脈を掻き切るなど、急所を狙えば十分な殺傷力がある。

012: 彷徨える魂、巡り会う者達
遊戯開始
遊戯開始
遊戯開始
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最終更新:2013年10月21日 18:33