ジョエル「チッ・・・割に合わない仕事だったな。」
依頼を遂行し終えたジョエルは事務所にもどってきていた。
Q「そんな事言ってる割にちゃんと追加料金ふんだくってたけおどね。」
Qはここの探偵事務所で3ヶ月前から助手として働いている。
記憶をなくして自分のことがわからなくなっていたQをジョエルが拾ったのだ。
ジョエル「・・・お前・・・今日飯抜き。」
Q「えぇっ!なんで?
なんか悪いことした!!!?」
ジョエル「別に。・・・ただの八つ当たりだ。」
そのままジョエルはプイッとそっぽを向いた。
Q「プイッって・・・もう可愛さが通用する年じゃあないでしょうに・・・あっいらっしゃいませ。」
カランカラン・・・
事務所の扉がひらき、1人の男が入ってきた。
******
キャサリン(父さんが事故で死んだと告げられたのは1年前。
私たちはその事がにわかには信じられなかった。
私の知っている父はとても強い人だったから。
父の死に疑問をもった私と双子の妹は、
父の死の真実を知るために2人で調査を開始した。
そして、3ヶ月前・・・私たちはある男のことを突き止めた。
父の研究所の同僚・・・1年前、ちょうど父が死んだ日に行方をくらませていた。
そんな時期に、ヤツらにであったのだ。
ヤツらは桜川、おにゃんこぽんと名乗った。
桜川のスタンドは圧倒的で私たち2人は1分も経たずにボコボコにされてしまった。
『いい夢見ろよ』
桜川はそう言い残して去って行った。
後には私、妹、そして、おにゃんこぽんが残った。
「と・・・父さんの・・・かたきを・・・」
私は言うことの聞かない体をムリヤリ立たせようとした。
『クスッ・・・ばかね。他人のためにそんな一生懸命になって。
でも・・・いいわ。面白そうだし、助けてあげる。』
気がついたときには全身に負った傷は消えていた。
いつも一緒にいた妹はどこにもいなかった。
そして、私は組織に入った。
組織にいれば父を殺した犯人に、『あのお方』なんて呼ばれてでかいツラしてる父の敵に近づくことができるし、
自然と妹の情報も入ってくると思ったからだ。
アイツに近づくためならどんな任務も遂行してやる!
その決意のもとに。
そして、今回の任務はMADがしくじった時に代わって探偵を殺すこと・・・)
******
事務所に入ってきたその男は静かで、
今まで見てきた依頼人とは違う。
そう、Qは思った。
ジョエル「いらっしゃいませってここはファミレスじゃぁないぞ?」
Qはぼやくジョエルにかまわず客に椅子をすすめる。
Q「どうぞ。あ、お茶でも持ってきますね。」
ジョエル「いや、その必要はないらしい。」
ゴゴゴゴゴゴ・・・
MAD「MAD CAPSULE MARKET。」
男は落ち着いた口調でスタンドを出す。
MAD「あの方のことを組織外の人間が知っているというのはまずい。
非常にまずい。
だから・・・あんたを消しに来た。」
ドドドドドドドド・・・
******
そろぉ~り・・・
Qは気づかれないように事務所から出ようとした。
ギロンッ
それに気づいたMADがQをにらみつける。
Q「わ・・・私はただの善良な一般市民なんで!
それじゃっ!!」
Qは全力で走って事務所の外に出た。
MAD(まあいい。外には組織のヤツが待機してるはずだ。)
Q「まったく・・・お金さえもらえばなんでも引き受けるから
こんなことになるんだよ・・・ハァハァ」
キャサリン(事務所から誰か出てきた。MADのヤツ、しくじったのか・・・?
しょうがないわね。
シャイニング ウェイ。
光の反射率を変えた。
あいつには私が見えていない。
このままあいつを暗殺する!!)
******
Q(ここらへんでいいよな…ホント勘弁してくれよ、なぁんで私まで非現実的な戦いに巻き込まれなきゃいけないんだっつー――――!)
「ッ!!!」
一瞬の出来事だった。だがその一瞬でQは自分を狙った一撃の致命傷を避けた。
---
キャサリン(避けられた?
………まぁいい、次ね)
遥か先500M以上離れた場所からキャサリンがFR-F2スナイパライフルを構えている。
キャサリン(次)
---
Q(じょ、冗談だろ!)
左肩を押さえながら、辺りを見回すが誰も―――
また、一発
しかし警戒していたQに弾丸はあたらなかった。
だが、Qには精神的に大きな二発目だった。
ドドドドドドドドドドドド
Q(本気か?本気で私はもう巻き込まれてるのか!
だったら………やられる前にやってやんよぉ!)
Q「マーズヴォルタ!
まずは敵を見付出す」
******
キャサリン(二発避けた?
弾があの子には見えてるって事……?
だけどシャイニングウェイが有る限り人の目には映らない……この距離なら音も聞こえないはず
次も避けられたらライフルでは…………)
---
Q(また、か)
三発目が削った壁をみる。
Q(大体の方角はわかった、だが近付くべきか逃げるべきか)
******
キャサリン「…雨か」
(雨は嫌い、シャイニングウェイがつかいにくいし、いろんな事をおもいだすから……
…雨?さっきまでは晴れていたのに
ま、まさかスタンド攻撃……天候を操る相手なの?)
---
ゴゴゴゴゴゴゴ
Q「マーズヴォルタで雨雲をよんだ、屋外にいるならばこれで火器は使いにくいはずだ…
弾道と空気の震えからして…あのビルか」
Qの選んだ場所はキャサリンがいるビルそのものだった
******
「駄目……火薬が全部しけってるわ……」
弾丸はQの雨で使い物にならない。
更にはシャイニングウェイでさえ雨の中では限られてくる。
「けど……私は“運”が向いてる」
彼女はバックルの間から弾丸を取り出した。
「残りは10発。これで仕留めないといけない……いえ……仕留めるのよ……」
キャサリンは狙撃ポイントを後にした。
「私は誰なのだろう」
自問自答してきた言葉。
記憶にあるのは“深い悲しみ”“恐ろしい何か”。
私には分からない。
分からなくてもいいの?そんなわけは無い。
今考えるべきことは“生き残る”こと、そして“狙撃者”を倒すこと。
ゆっくりとQはビルへと近づいていった……
******
マーズヴォルタは呼び寄せた低気圧は雨雲を呼び、
何時しか風を伴った雷雨へと変化していた。
「確かに雨天で光の屈折を操るのは簡単じゃない…
けれど、自分が受ける光を蓄光することぐらいは出来る!
シャイニング・ウェイ!私の姿を隠せッ!」
スゥッと掻き消えていくキャサリンの姿。
最早その姿はビルのガラスにすら映らない。
そしてゆっくりと近づいてくる標的。
当然だが此方にはまだ気づいていない…
キャサリンはもう一度、手にした銃のグリップを握り締める。
射程距離まで、あと数メートル。
まだ、まだ遠い…。
――今ッ!!
彼女が引き金を引くのと、一際強い風が彼女を襲うのは同時だった。
辺りに響く轟音、
そして標的の背後のガラスが砕け散る音。
「至近距離ッ!?」
「外した!?」
―――1発目、失敗。残り九発。
******
狙撃されたQはビルに入った
長く使われていなかったのだろうか?剥き出しのコンクリート、散らばった埃が不気味さをかもしだしている。
『こんな所には住みたくないな……』
ビルの二階まで来たとき、Qは変な所を見つけた。
「ここだけ……埃が無い……しかも……濡れている」
Qは感じとった“誰か”がここにいる!
違う!この扉は罠だ……プロの人ならこんなヘマはしない。
足跡は一つしかないが、微妙にブレている。
そしてあいつは姿を消せる!
つまり
後ろに周りこまれている!
「マーズ・ヴォルタ!後ろを殴れ!」
確かに後ろにはいた。但し、それは実態の無い……
「シャイニング・ウェイ。それはスクリーンに写った私よ」
扉の向こうから声が聞こえる。殴った物は揺らぐと、消えていった。
「!?」
「さようなら……」
キャサリンは扉の向こうからQめがけて発砲した……
******
「マッド・カプセル・マーケット……」
口調こそ静かなものだが、男--MADの繰りだしたスタンドは、予想以上に素早かった。
とっさに転がるようにして、ジョエルは拳を回避する。回避されたマッド・カプセル・マーケットはそのまま帽子かけを殴り倒した。
それを目にし、ジョエルはかすかに皮肉な笑みを浮かべた。
「速いことは速いが、帽子かけも砕けない程度か。パワー型ってことも、な、い、らしい……」
言いながら、彼は背中に冷や汗をかきつつあった。
「……待て、お前は誰だっ? いつ、部屋に入ってきたッ!?」
目の前の男は誰だ……疑問だけがジョエルの脳裏を支配する。さっきまでQと話をしていて……そこから先が思い出せない。
MADは何も答えず、マッド・カプセル・マーケットはゆっくりと間合いをつめてくる。
何かのきっかけを探すようにジョエルはあたりを見回し、自分の肩で視線が止まる。
テニスボールほどの球体が張りついていた。
重みは感じない。明らかにスタンドだ。
「いや、落ち着け! 相手がなんであろうとッ、誰であろうと! 戦うしかない!」
まるで自分を鼓舞するように声にだして叫び、ジョエルはMADを見据えた。
そしてそれを待っていたように、マッド・カプセル・マーケットが両拳を同時に打ちこむ。
「グッド・シャーロット」
ジョエルは自らの背後に潜む、意思を具現化した存在--スタンドを現そうとしたが、
「ぐはッ」
グット・シャーロットは現れず、彼はそのまま顔と胸を打ち抜かれた。
グッド・シャーロットは孤高の存在である。高みにいる。強者としての力を持つ。だからこそ、望んだ戦いにしか拳を示さない。
奇妙なものだが、ジョエルはグッド・シャーロットと会話したわけでもないのに、それを頭ではなく心で理解していた。
そして先程の瞬間は、自身の意思ではなく、生存本能で呼び出そうとしたのだ。それは、他者が羨むような、憧憬すら覚える黄金の精神ではない
ゆえに、彼の持つスタンドは姿を現さない。
彼は思わず舌を鳴らし……再び、顔を青ざめさせた。
「……俺は、なんで、殴り飛ばされてるんだ?」
ジョエルは、意味もなく喉が渇いていくのを意識した。
******
「貴方のスタンドは強いわ……けど」
扉の向こうからキャサリンは十字を切りながら呟いた。
「私は死ねない訳がある」
キャサリンは扉を開けた。
このとき、キャサリンは開けない方が良かったのかもしれない。
「貴方は……まさか」
Qは死んでいない。弾丸を突風で飛ばし、身を守ったのだ。
しかし、急激な風は身を切り裂き、Qの体は傷だらけだった。
「貴方は死ねない訳があると言った。私にも死ねない訳がある」
Qは思った。記憶が戻るまでは死なない。
絶 対 に
「もう一度突風を起こした……」
「キャア」
キャサリンとQは部屋へと吹っ飛ばされた。距離こそ離れているが、お互いの射程範囲内。
だがキャサリンの様子がおかしい。
「まさか……嘘よ……嘘嘘嘘嘘嘘!」
「な……何なの?」
キャサリンは泣いていた。床を激しく叩き、手には血を滲ませている。
『この人は何かおかしい……?』
「うわぁぁぁぁぁぁぁッッッ!」
キャサリンはスタンドも出さず突っ込んでくる。
「気が狂ったの!?」
Qはマーズヴォルタを出し、キャサリンを殴った。キャサリンは吹っ飛ばされ、壁にぶつかる。
「何なの……泣いたり、狂ったりして……私を殺すんでしょ?」
「無理……よ」
キャサリンは呟いた。
「貴方は……私の妹だもの」
******
キャサリンをみながらQは何かにひっかかった
Q「…この人……」
どこかでみたような……姉さん?
ガッ!
後方から何かが床に落ちる音がして、Qは振り向いた。
Q「あれは………」
Qの拳銃だ。
父親に買ってもらった護身用の――!
Q「私の銃……?」
今自分が通ってきたドアの近くに‘記憶’にある自分の銃が落ちている。
ドドドドドドドド
拾って確かめた。
それはなくしたはずの記憶…。
Q「私の記憶―――」
ボロボロと涙が溢れ、歪んだ視界で銃を
カツーン、カツーン…
誰かが廊下を歩く音が響く
******
記憶がなくなってからの私は外に出るときは
フードを深くかぶるようにしていた。
私を知っている誰かが私を見つけないように。
思い出せない昔の記憶はつらいものばかりだったような気がしたから。。
しかし、今・・・・
ドドドドドドドド・・・・
******
ジョエルのこめかみと左胸に、肩と同様の球体が張りついていた。
奇妙というより説明がつかない感情だった。
目の前の男がいつ部屋に入ってきたのか。
Qはいつ部屋から出て行ったのか。
自分はいつ殴られたのか。
疑問が疑問を呼び、混乱が渦を巻く。
恐怖にわずかながら目を泳がせていたジョエルに気を良くしたのか、MADが彼に張りついた球体を指差した。
「マーケットを付けられた者は記憶を失う。それが、マッド・カプセル・マーケットの能力。帽子かけも砕けないとあざ笑った時点で、お前の負けは決定していたのだ」
ほんのかすかにMADは唇を吊り上げた。
「……と言っても、お前は覚えていないだろうがな。記憶を奪われる恐怖を味わい続け、何もわからずに死ぬがいい!」
記憶を奪われたジョエルは覚えていないが、三度、マッド・カプセル・マーケットが襲いかかる。
それを這いつくばるようにしてかわし、ジョエルは窓を突き破って外に飛びだした。
地面に着地し、そのまま走りだす。
明らかに分が悪い。
背後からMADの怒声が届くが、それらを全て意識の外に追いやり、歩きなれた道を駆けながら思考を始めた。
考えることこそ、探偵としての彼の本領だ。そしてスタンドを自由に使うことのできない自分は、考え、相手の裏を読むことで、自らの道を切り開いてきた。それはこれからも、この先も変えるつもりはない。
袖をまくって腕時計を見、ジョエルはまず時間を確認した。
Qと話していた時間から計算すれば、ほんの数分しかたっていない。
数分単位の短い記憶を奪う能力なのか、それとも……。
「それより、こっちを気にした方がいいか」
独りごちると、彼はこめかみを撫でた。胸と肩、そしてスタンドがついているという感覚だけがする、こめかみ。
記憶を三つと数えるのもおかしな話だが、三つの記憶を奪われたと判断すべきか。
ただ、一つだけは結論がでている。
マッド・カプセル・マーケットは、自分と会ってからの記憶しか奪っていないという事実。
もし、もっと過去の記憶が奪えるのならば、ジョエル自身がスタンド使いであるという記憶を奪えばいいはずだ。
さらにジョエルの思考が深くなる。
もし敵の脳内が読め、好きな記憶を奪えるなら、殴られた瞬間の記憶を消し続けて戦えばいい。そうすれば相手は何もできない。
それができない理由は、マッド・カプセル・マーケットは新しいものから順に記憶を消していってるはずだからだ。
「消去法で考えればそれしかないな……」
******
キャサリン「………それ父さんにもらった銃よね……」
Q「…私は昔のことは覚えていない…、でもこの銃は」
カツーン、カツーン
足跡はどんどん近付いてくる。
Q「…それよりもあなたの仲間はまだいるの?あなたは私と戦う気がないみたいだけど」
キャサリン「え?ううん、来てるのはMADと二人…探偵を襲った男と私だけよ」
Q(じゃあこの足音は……止まった……?
え?)
足音は部屋の近くまできて静かになった、ドアはあいていた…。
しかし足音は、またはじまり入り口を姿を見せないまま‘隣’にある階段からまた聞えだした。
ドドドドドド
******
走り続け、やや荒れた息を整えると、ジョエルは静かに立ち止まった。
「結論がでればいくらでも手はあるな」
MADは迎え撃とうと振り返るが--追ってくる気配はがない。
「……しまった!」
彼は、逃げた道を慌てて戻りだした。
強敵であることには違いないが、能力を知っていれば対処の仕方もある。
ただ、記憶を奪うという能力は、先手を打たれれば打たれるほど対処が難しくなるのだ。
「無事でいろよ………Q」
宗教などまったく信じていないが、彼は神に祈りたい気持ちで路地を駆け抜けた。
******
ジョエルはそこまで考えると狭い路地に入った。
後方からは自分を追って来ている者の足跡がする。
ジョエル「・・・」
MAD「フン・・・どうやらあんたもここまでらしいな。」
ジョエルが逃げ込んだ先は行き止まりだった。
ジョエル「・・・俺が考えなしにここにまで逃げてきたと思うのか。」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
ジョエル「ここならあんたは真正面から突っ込んでくるしかない。」
MAD「スタンドを使えないお前になにができる。」
ボゴォ!
MAD CAPSULE MARKETのカプセルがジョエルに命中した。
ジョエル「『MAD』・・・『スタンドはMAD CAPSULE MARKET』・・『記憶を奪うスタンド』・・・・『両手のカプセルに気をつけろ』・・・」
MAD「こ・・・これは・・・!」
周囲を囲む壁にはバカデカい文字でいくつもの言葉が書かれていた。
******
Q「上…?」
(確か上は屋上…、いやそれよりさっきの移動は…スタンド使い…?)
Qはキャサリンに話を聞こうと振り向いた。
キャサリンは憎しみの篭った目で廊下を睨み、部屋を飛び出した。
Q「えっ!姉さ――。」
姉さんと呼び掛けた自分に驚き、追い掛けるのが遅れた。
もしかすると、あの人は本当に私の姉さんかもしれない。
後を追いかけ階段をかけあがりながらQは思った。
屋上のドアはあいていて、強風と雨が入り込み、雷の音がうるさい。
屋上には二人いた――姉と
キャサリン「どうしてお前がこんなところに!!!----!!」
ドドドドドドドドドドドド
―――――――仇
******
キャサリン「シャイニングウェイ!!」
---「ほぉ、流石に私を倒そうとするだけあって面白いものを見せる。仇を見付けて少しはやる気が出たというところか」
まるで忍者の分身の術のようだった、シャイニングウェイの光をはねかえす性質と雨、ロードトゥデスティネーション全てを組み合わせて作り出した幻像だ。
キャサリンは銃を撃った、当たったかに見えたが仇は、完璧に不自然に避けた。
----「怒りから生まれる黄金の精神か、興味深いが手が足りないな」
******
ジョエル「これは俺の筆跡・・・『敵はMAD』・・・
これは・・・あんたか?」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
MADはつばをゴクリと飲み込んだ。
MAD(こいつ・・・さっきまでのやつとは別人だ!!
恐怖心が・・・体の底からこみ上げてくる!!!)
ジョエル「その反応は・・・YES・・・だな。」
ジョエルはゆっくりとMADに方へ近づく。
ジョエル「『Qが危ない!』らしいんでな。
悪いが邪魔をするなら死んでもらう。
あんたの道は2つにひとつ。」
ドドドドドドド・・・
ジョエル「このまま尻尾振って逃げ出すか・・
ここで俺に殺されるかだ!」
******
「な……何故当たらないの!?」
「君は、ある神父の話を知っているか?」
ゆっくりと、子供に話すように語りかける。
「彼は少しの時間だが世界を手に入れた。だが、彼は死んだ」
「だから何なの!?」
謎の男はゆっくりと指をキャサリン・ウッドに向けた。
「彼は軽視しすぎたんだ。自分の弟をね。その結果、死んでしまった。私も少し軽視しすぎたよ。君の精神、そして……君の妹を…ね……」
そこには猛然と突進してくるQの姿があった。
「マーズヴォルタ!お姉ちゃんを助けるんだ!」
「来ないで!リーフ!」
謎の男が動いた。だがそれを感じ取れる人はいない。
それが彼の能力。
「……さよならだ。キャサリン・リーフ」
腕がリーフを貫いたかのように見えた。
「……」
「な……何!?」
そこには妹を庇う姉の姿をがあった。
スタンドの腕はリーフではなく、ウッドの胸を貫いている。
「リーフ……お父さんの……所で待ってるよ……」
「姉さーーーん!!」
瞬間的に、ヴォルタは覚醒した。
姉を殺した男への怒り、悲しみ。
それが渦となり男に襲いかかる。
「な……何だ。この渦は……ぐあああああ」
「お姉ちゃん……私はまだ逝かない。先にこいつを送るよ……」
キャサリン・ウッド
死亡
******
・・・俺の両親はいつも喧嘩ばかりしていた。
些細なことが理由でもすぐに大喧嘩になった。
友人が話す彼の家族はとても明るくて楽しそうで
なぜ俺の家だけこうなのだろう。そう思うと悲しくなった。
そして、ある日俺は勇気を出して聞いた。
『どうして、どうしてお父さんとお母さんはいつも喧嘩ばかりしてるの?』
その時、何かが壊れる音がした。
2人はすごい形相で俺に詰め寄りこう言った。
『誰の、誰のせいでこうなったと思っている!
全部、お前のせいだ!!』
中学に入り、引きこもるようになった俺は誰のことも信じられなかった。
あのお方にあったのはそんな時だった。
"俺が必要"
そう言ってくれた。
"必要としてくれる人がいた"
その事実が俺の精神を強くした。
俺は矢に貫かれる試験にクリアして
スタンド、MAD CAPSULE MARKETを手に入れた。
2人がこうなったのは俺のせい・・・
だったら俺のことなんて忘れて欲しい。
その純粋な想いが発現したスタンド・・・。
『あのお方の邪魔をするものは誰であろうと抹殺する!』
******
『この強烈なパワー……まずい!渦に飲み込まれる!』
「私の記憶、お父さん、そしてお姉ちゃんを奪ったおまえを絶対に許さない!」
渦は周りの物を巻き込み、引き裂きながら大きくなる。
『あまり使いたく無いが……それ以外に方法が無さそうだ』
スタンドの手が光だした。そして空間を切り裂き、裂け目を作った。
『キャサリン・リーフ。次は無いぞ……』
そう呟くと男は中に入り、裂け目を閉じた。
渦は消えた
男も消えた
あるのは瓦礫の山
そして
姉「キャサリン・ウッドの亡骸」
「とうとう……私は何も無くなっちゃった……」
リーフは泣いていた。だが、それは姉を失った時に流した涙では無い、別の涙だった。
Qことキャサリン・リーフ 戦意喪失でリタイア。
******
MAD「(俺の両親は・・すべて忘れた。俺のことはすべて・・・。
俺はまだ、成長できるはずだ、このMAD CAPSULE MARKETと共に!!!)MAD CAPSULE MARKET、ヤツの記憶を消せぇー!!」
バシュッ
カプセルは、10個ともジョエルに命中した。
成長したMADの能力ならジョエルの記憶はすべて消えていたはずだった。
MAD「なのに・・・なのに・・・なぜなんだァァァ!!」
ジョエルの目はしっかりとMADを捉えていた。
ゴゴゴゴゴ・・・
MAD(・・・あれは・・・やつのスタンド・・・いつの間に!!)
ジョエル「THE ANTHEM・・・スタンドの特殊能力を一定時間無効にする。
今は・・・5秒が限界ってとこか。
やれやれ・・・さっさとこいつを再起不能にしねぇとな」
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオララァァァァ!
MAD,再起不能
******
ジョエルがQのところに行った時にはもう、すべてが終わっていた。
残っていたものは女の死体とそのそばで泣き崩れているQ。
ジョエルにはかける言葉が見つからなかった。
ジョエル「腹が減った。帰るぞ。」
その言葉はすべてを失ったQにとって救いの言葉だった。
Q「・・・うん。」