ジョエル「まあいつも通り・・・美味くもないし不味くもなかったな。
ごちそうさま。」
あの日から何日か経った。
マデン探偵事務所の中はいつも通りで、
その不変はQを安心させた。
Q「わるーござんしたね。
ジョエル、料理上手いから自分で作ればいいのに」
ジョエル「俺は金にならんことはせん」
Q「まったく・・・相も変わらず生臭いなぁ君は。」
でも・・・Qには確信していることがあった。
(あの男は絶対にまた来る。)
でもジョエルにはそのことはまだ言ってなかった。
聞いてこない限り言わないでおこうと決めていた。
(これは私たち家族の問題。)
・・・私はもうすぐ殺される
迎え撃つにもQの戦意はとっくに喪失されていて
スタンドをもう出すことができなかった。
ジョエルは巻き込みたくない・・・
だから、あの日から数日たった今、Qは事務所を後にした。
******
「だから~、今日はホント無理なんだって。
女の子とデートの予定があんの!わかる?デートよ?デート!だからお願い!ホワイトちゃんよ~」
熱弁をふるう男。だが、どうやら空回りのようである。なぜなら、すぐに冷たい返事が返ってきたからだ・・
ホワイト「駄目です。あの方の命令は絶対です。」
なんと事務的なことか
男「なら、ブラックちゃんはど~よ?ブラックちゃんならわかるだろ~?
俺が今どんだけ休みを必要としているか?」
ブラック「わからないです。早く行ってください」
こちらもきつい。
二人は同じように事務的な態度で男の要求を却下する
だが、彼女たちが同じようなのは態度だけではない。
服、声、身長、体つき、髪、顔、すべてが奇妙なまでに同じなのだ。まさに鏡でうつしたかのような。
唯一違うのは彼女たちの服の色が各自の名前と同じ色をしていることだけである
。
ホワイト「早く」 ブラック「あの方の」 ホワイト「いる場所へ」 ブラック「このまま」 二人「向ってください」
二人が同じ声で交互にしゃべりだす。知らない者が見れば度肝をぬかすだろう。
ホ「ついに」 ブ「あの方が」 ホ「みずから」 ブ「行動を」 二人「おこすのです」
ッ!?
軽い口調で話していた男の顔が一瞬で真剣な顔つきになる
「それ・・・マジで言ってるのかい?ついに、、、あのお方が、、、」
そこに今までのふざけた態度はなかった。
なにかを、なにか一つを一身に信じる、ある種の狂人の顔だった。
ホ「私たちが」 ブ「一度でも」 ホ「冗談を」 ブ「言ったこと」 二人「ありますか?」
「確かに!そりゃそうだな、ごめん!ごめん!」
初めと同じように明るくしゃべりだす男。
だが・・目だけは鈍く妖しく輝いているようだった……
男「ちぇっ!やっぱり行かなきゃだめなのか・・・。
でも、わかった!愛する二人のため俺も働こうじゃんか!」
違う!明らかに男は嘘をついている。「二人のため」などではないはずだった。なにか信じる者のために、、
ホ「ありがとう」 ブ「でも」 ホ「私たちは」 ブ「あなたのことが」 二人「大っ嫌いです」
男「あいかわらずきついね~。でも、そこがかわいいんだがね。
まぁ、いい。今すぐあの方のとこ向かうよ」
男は後ろを向き歩きだそうと、、、
男「あ、そうだ!最後にお二人に謎かけだ!
わかるかな?嫌な奴たす嫌な奴はなんになる?ってのだ?」
ホ「いやなやつ+」 ブ「いやなやつ?」 二人「興味がないわ」
男「まぁそう言いなさんな。ヒントは数字だよ。
それじゃまたね~♪」
男、ムトウアキラは歩き去る・・・ あの方、そう、「鉄雄」のいる場所へ、、、
二人「数字?」 ホ「18782+」 ブ「18782=」 ホ「37564」 ブ「なら答えは」
ホワイト&ブラック「みなごろし」
******
・・・あの時、あの女の死体にあった傷ははQのスタンドがつけたものではない。
ジョエル「第3者があの場所にいた可能性が大きいな。」
可能性のあるのは・・・組織のヤツ・・・か。
ジョエル「(・・・腹が減った)Q、たこ焼き買ってこい。」
実は言う前から気づいていたが・・・
いない・・・。
ヤバイな。
組織のものは必ず、また、あいつを狙ってくる。
やれやれ・・・
ジョエル「世話のかかるヤツだ。」
壁にかかっていたトレンチコートを取ると
ジョエルは事務所を後にした。
ジョエル「やっぱ・・・人探しの時はトレンチに限るな。」
******
ガランとしていた。
騒がしい訳じゃあない。
しかし、どこか温かみのある空間であったハズのその場所は、
今じゃあ寂しげに『ガラン』としていた。
机に一通の手紙があった。
『オレは・・・「 ヤ ツ を 討 つ 」。』
宛名はQ。
差出人は・・・ジョエル。
読まれないかも知れない。無意味な事をしたかも知れない。
だが、もし二人して戻った時。この手紙を種に笑い話にするのも悪く無い。
そして扉は閉じられた。
残されたその場は『ガラン』としていた。
******
男:「ムトウアキラよ、君は二つの平和な暴力というものをしっているかね…」
その男はゆっくりと口を開いた。
その男の声は少しテナー気味だが実に美しい声であった。
ム:「なんすか、それはぁ?平和な暴力てなんかおかしくないっすか?」
男:「その通りだ。
この答は法律と礼儀作法なんだ・・・
が、平和といっておきながら暴力という矛盾を抱えている。
ここから導きだせるものは…?」
ム:「本当の平和なんてナイって事っすか?」
男:「そういう事だ。平穏は存在しても、本当の平和は存在しないんだ。
だからこそ私は築かねばならない。
楽園を…」
そういうと男はゆっくりと立ち上がった。
******
―数年前―
とある研究所内
ザーザー
ゴロゴロ……ザーザー
どうやら外は嵐のようだ
研究員A「貴様には他の幽波紋使いにはないものが宿っている……(貴様のその人の心を読む能力はあの方に捧げることにしようそうすればあのお方と楽園で……)」
研究員B「貴様の力を私達にみせてみろっ!!(こいつ(研究員A)よりも早くこいつの内部を調べ尽くし…あのお方に…)」
研究員A・B
「さあっ!さあっ!」
研究員達がメスを手にし男へ詰め寄る
鉄雄「俺は貴様等ゲス共のモルモットじゃねぇ~(マズい!このまま俺はバラバラに切り刻まれてナマスにされたあげく、あのゲス野郎の糧に…一部にされちまうってか)」
鉄雄が絶望しあきらめかけたその刹那……
『おいおい諦めるこた~ねぇだろうによ』
一人の男の声が鉄雄に聞こえた
研究員B「さあおとなしくバラバラになれ~」
キラッ…ヒュッ!
研究員Bがメスを振り上げ突き刺そうとする
鉄雄(俺にしか聞こえていない?君は一体?)
『時間がねぇっ!早く俺を呼べっ!俺を具現化しろっ!てめえが死ねば俺も死ぬんだっ!時間がねぇんだよ!』
男が怒鳴る。
鉄雄(呼べったって見たこともないやつをどうやって…)
『俺はお前だ…お前は俺だ…何年も前から知ってるはずだ』
鉄雄「俺はお前…お前は俺…はっそうか君は!?」
ニヤリと鉄雄は笑い
鉄雄「来いっ!ニルバーナっ!」
ドドドドドドドドドドド
研究員A「何をブツブツと…気でも触れたか?(こいつ(研究員B)がさっさと済ませちまわないから…)」
スパッ!スパスパッ!
ボトっ!…ゴロゴロゴロ
20人はいたであろう研究員達全員が首が跳ね上がり、床へ転がった
ニルバーナ『サムライ・ソード…よくもまあこんなもんまだ持ってたな?』
ニルバーナは笑った
―サムライ・ソード―
鉄雄が好きなアニメであり入院しがちだった鉄雄少年が毎週欠かさず観ていたアニメでもある
鉄雄「だってこれは…両親が最後に俺に買ってくれた物だから……」
研究所の実験室の隅の方に雑巾のようにぼろぼろになった、サムライ・ソード大解剖と書かれた雑誌が落ちている
鉄雄「よくあそこまで行って雑誌に触れることができたね?」
と問い掛ける
ニルバーナ『俺様にはあれぐらい朝飯前さ。鉄雄こそよくあの一瞬で俺の能力を理解できたな?』
鉄雄「俺はお前でお前は俺だろ?」
鉄雄・ニルバーナ
【はっはっは】
2人は心の底から笑った
もう助からないと思ったあの状況から生き残ることができたのだから…
ニルバーナ
『それで鉄雄これからどうする?』
鉄雄
「ユートピア(楽園)を創るっ!まだ残ってる俺をこんな目に合わせたゲス野郎をぶっ潰してな」
ニルバーナ
『そう言うと思ったぜっ!俺も行くぜ…といっても離れられるわきゃないんだが…な』
【はっはっは】
2人はまた笑った
そして打倒あのお方を掲げ研究所を後にした(跡にした)
******
性格は慎重かつ冷静。そして無言。高い戦闘センスを持って冷酷に敵を抹殺する。
今だってそうだし・・・、これからもそうだろう。
そんな俺の中に『 暖かで確かなモノ 』ができたのは何時からだろうか?
面倒事なんて嫌いだ。
しかし、曲がったことからは目を背けられない。
何時からだろうか?
いや・・・。
どうでも良いか。
『確かな 今 が此処 に あ る 。 』
それで良いじゃないか。
「へッ!べらんめぇい!!
辛気臭ェー面(ツラ)してんじゃねぇーよ!!!
このコンコンキチがァアアアーッッ!!!」
バシィィィー!!
と背中を叩く男が一人。
・・・・。
結構痛ェ。紅葉できるぞ、モミジィッ!!
全く、細かい事を考えない男を送り込んでくれたモノだな。
ええ?『プレス・リー・3の長峰』よ。
「へっへっへ!
こちとら江戸っ子でぃ!!
ダチ公の長峰が、どぉおおおーしても、アンタと、
『決着(ケリ)』つけてぇええーって言ってんでねぃっっ!!」
「ジョエ公ッ!
アンタが死んで貰っちゃあ困るって言ってンだいィ!
泣かせるねぇえええええ~~~~ッ!クゥウウウー!!」
ありがたいとは思うが、泣かせる話なのか!?
「このジキル!そんな状況見過ごせると思うかぃ?
ここぞ!『日本男児』の心意気ってヤツだァーッッ!!」
「江戸っ子パワー携(たずさ)えて!
『あのお方』ってのを、ぶっ飛ばしてやるぜぃ!!
ケェータケタケタケタケタッッ!!(笑い声)」
い・今時「ケタケタケタ」と笑う奴が居るかァ!?
・・・
まぁ良いか。
Q。
今どこにいるのか。
何をしているのかも解らない。
戦闘中かも知れない・・・。
だがな。
Q。
『俺は 行くッ!! 』
そうする事が、今、俺に出来る事柄だからだッ!!
「そして、この『ジキル』も行くぜェーッ!
べらんめぇぇいッッ!! 」
すかさず突っ込むジョエル。
「心理描写に、相槌うたんで良いィ!!」
「ケタケタケタケタケタッッ!!(笑い声)」
「細かい事、気にすんなってのッッ!!!」
バシィィィー!!
再び背中を『バシィ』と叩くジキル。
・・・。
だから痛いってッ!
「ケッ!」
ジョエルは呟いた。
二人を先を急いだ。
******
---「そろそろ…か。」
ブラック「はい、黄金の精神を持つ可能性の有るものを誘き寄せるエサは手に入れてあります」
---「いいや、そうではない。ホワイトはわかるかね?」
ホワイト「はい、ブラックにわからないものは私にも」
---「わからないか」
闇の中で男が
---「黄金の精神だとか言うことはな。ただの火事場の馬鹿力なのではと考える事もある。
黄金の精神、それは矢の栄養、黄金の精神そのものがエサなのだ。
…………しかし、駒も減ったな。」
ブラックホワイト「テツオ様さえいれば全ては終わります。
ムトウアキラに呼ばせます――!」
ドドドドドドドドドドドド
鏡に写る自分に鏡にひきずられ、---はホワイトブラックの前にはいなくなっていた。
******
「しかし、まァーなんだ。
何考えて居たが解んねぇーけどよゥ!!
『心理描写』たァー、カッコ良ぃじゃあねぇかァ~~~~~!!」
「よし!
俺も一丁『 や っ て みるかィ!!』」
・・・・。
突っ込まんぞ!
もう『バシィィィー!!』されるのは嫌だからなッ!!
「幼少期、母国アメリカでいじめられていた所を、
通りすがりの寿司職人(江戸っ子)に助けらってから・・・よッ!
俺は日本(と言うか江戸っ子)に、憧れた過去を持ってるンでぃ!!
(スタンド能力はこのときに目覚めた)。 」
「現在、憧れの地日本で、『寿司職人』を目指し修行の日々を送ってらッ!」
「憧れが憧れなだけに!
曲がった事が大嫌ぃだ!!
細かい事は気にしないなどチャキチャキの江戸っ子になりきって・・・!
否!!
もう既に『江戸っ子そのモノ』になっているッ!!」
突っ込まんぞ、アメリカ人!!
「だから、外人として扱われる事が大嫌いだ。」
・・・・・。
「口癖は『ばかやろぅ!こちとら江戸っ子でぇい!!』だァアアーッッ!!」
「どぉおお お お お ー でぃーッ!!
見事な。心理描写だったろゥー??」
・・・・。
ダメだ、突っ込まずには入られない・・・。
ジョエルは意を決した。
「一言だけ言っておく。」
「あぁんん??」
ジキルは不思議そうだ。
ジョエルは言い放つ。
「それは只の『 自 己 紹 介 』だッ!!」
ジキルは何時もの調子で。
「細かい事、気にすんなってのッッ!!!」
バシィィィー!!の体勢。
ジョエルは嫌そうに。
「その手は止せぇええええええ!!
痛ェーんだよ、このバカがァアアアーッッ!!!」
ジキルは駄々をこねる。
「気は優しくて、力持ちって言ってくれぇえええーッッ!!」
すかさず突っ込むジョエル。
「誰が言うか!この『 コンコンキチ 』がッッ!!」
ジキルは立ち止ったッ!
「・・・・・。」
そしてジキルは無言。
ジョエルも立ち止まる。
「どうした・・・ジキル?」
「どぉおおおーにもイケねぇなァ・・・・。」
ジョエルは警戒をする。
「新手のスタンド使いか。」
「へッ!片付けてやるぜ!!
あ、スタンドゥ~~~~~(ベベンッ!!)
『デ・ジャブゥウウウウウウ ウ ウ ウ ウ ! !』」
額縁が「捻りハチマキ」の『眼鏡タイプ』のスタンドが現れた。
捻りハチマキ。それはかつて『通りすがりの寿司職人』が頭に巻いていたモノ。
スタンドは無意識の才能が故に、憧れが形となって現れたのだろう。
そして、その効力は!!?
・・・・。
「やった!『あのお方編!完ッッ!!』」
「スピードワゴンはクールに去るぜ!!」
・・・・。
何者かは、其処を立ち去った。
「江戸っ子はせっかちなんでぃ!
ちゃちゃっと片付けたぜ。行こうかぃ、ジョエ公ッ!!」
・・・・。
何だ、今のスタンドは?
新手のスタンド使いと思われる男が『任務完了をした』と思い込み、
そして、立ち去っていった・・・・。
これが。
「そう。俺のスタンド。
『デ・ジャヴ』でぃ。べらんめぃーッッ!!」
******
ザアアアァァァァァァァァァァッ
ひどい雨だ。
大粒の水滴がQの体にふりかかる。
Q「はぁ~事務所飛び出して来たはいいけど・・・
びっしょびっしょ。まさに負け犬の図やん。
マーズヴォルタも出んし。」
もう夜は更けていて駅前の広場には人がまばらだった。
広場の中央には猫のような蛙のような変な形のオブジェがある。
とりあえずQはその横に腰掛けた。
Q「よっこいしょー吉。
あ、よっこいしょー吉って言っちゃった・・・
・・・てかな、自分、ちょっと聞いてよ。
自分名前なに?何がモチーフなん?
あ、書いてあった。
どれどれ・・・ん?しょう吉・・・?・・・」
Qはオブジェ相手に語り始めた。
Q「迷惑かけたらいけないって飛び出して来たはいいけど
まぁね、勢いでこんなことしてしまったみたいなもんだからさ
行くあてがないわけよ。
まぁ、そりゃ死んでもいいって思ったし。
でもね・・・」
(お姉ちゃんが守ってくれた大切な命だし・・・)
「でさ、どうすればいいと思う、しょう吉?」
具体的にさ、
そう言って横を振りむいた
その先にいたのはしょう吉ではなかった。
ムトウ「よぉーあんた」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
ムトウ「探偵事務所のやつだよなぁ?」
Qはとっさに身構える。
Q「な・・・・誰だ!お前!!」
その男は威圧的な目つきでこちらをにらみつけてくる。
ムトウ「質問を質問で返すなァァァァッ!」
ドドドドドドドド・・・
ムトウ「お前、
問題です。1+1は?って聞かれてよぉ
何ですか?って答えるかぁ普通ッッッ!!!!」
Q「そ、それは極端すぎるだろ!
てか自分こそ、人に誰か聞くよりも先に自分で名乗るのが礼儀じゃない!」
フフフフフ・・・ハーッハッハ
その男は突然笑い出した。
ムトウ「おもしろいなぁお前。
さっきは変なオブジェに話してるし」
Q「変なオブジェじゃない!しょう吉だ!
てかこっちは意味不明で全然面白くなんかないっ!」
ムトウ「あの方のためだ。
俺は基本的に女性に手を出すのは主義じゃないんだけどよ。
勘弁してくれ。」
男の後ろにスタンドがチラッと見えた。
マーズヴォルタは出なくなった。
ここでこのままこいつに殺されるか・・・?
・・・いやだ。
死の1歩手前で私は自分がまだ生きたいと思っていることに気づいた
Q「マーズヴォルタ!!」
ムトウ「こ、こいつ!情報によればスタンドはもう・・・!」
スタンドは発現しなかった。
だが、ムトウが怯んだその隙をついてQは駆け出した。
ムトウ「ヒュ~ゥ
やるねぇ。 鬼ごっこか。
大好きだぜ、カワイコちゃんのお尻をおっかけるのはよぉ」
******
Qは全力で走った。
40mくらい走ったところでQの目の前には見覚えのあるものが
ゴロンと転がっていた。
Q「こ・・・これは・・・しょう吉ッ!」
バッ
後ろを振り向く。
中央にはしょう吉がきちんと置かれていた。
Q「なんだ、見間違え・・・」
そう言って前を向いたQの目に映ったのは
ムトウ「はろぉ~」
さっきの男がいた。
(完璧に隙をついたはず!!!)
ムトウ「俺に鬼ごっこで勝とうなんて無理な話だよ。
おとなしくつかまりなよ。
言ったろ。手は出したくないって。」
(なんなんだ・・・コイツは!!
横にしょう吉がいると思ったらコイツがいて
前にしょう吉が転がっていたと思ったらコイツは私に追いついていた!
まるで入れ替わったみたいに!!)
******
ムトウ「もう一度言ってやるよ。
『おとなしくつかまりな』」
ザザザザザァァァァァァァァァッ
雨脚が増していた。
Q「絶対にイヤ。軽い男はタイプじゃないんだ。」
グサッ
ムトウ「おおおおお・・・グレート。
あんたの言葉・・・俺の純粋な心にグサリと突き刺さったぜ」
胸を押さえて苦しそうな表情をしている。
Q「あんたの能力は物を入れ替えることができるだけ。
力ずくで連れて行かないのはスタンド自身の力が弱いから。
・・・そうだろ?」
へぇ・・・
ムトウ「な・・・なぜ・・・それを!!!?
・・・とでも言うと思った?
俺はわざとわかりやすいようにそうしたんだよ。
それに、そんなことがわかったって君にはもうどうしようもない。」
そう言うとムトウはQに笑いかけた。
その瞬間・・・
ガシャンッ!!!
Qの周りは柵に囲まれた。
Q「な・・・なんなんだ・・・いつの間にっ」
ムトウ「ちょっとそこら辺から拝借してきたんだよ。
おとなしくしないペットを入れる檻をよぉ。
閉じ込めてやったぜ。」
???「そう思ってるのはお前だけのようだがな。」
勝ち誇った顔をしていたムトウの前に2人の男が現れた。
******
Q「ジョ・・・ジョエル!」
Qはジョエルの元へ駆け出した。
ムトウ「ど・・・どういうことだ!
どうして、檻は!!?」
ジョエル「探したぞ。
(居酒屋で飲んだ後、電車で帰ろうとここに来たらたまたまいただけだが・・・
借りは作っといたほうがいいな。)」
ジキル「こいつがぁ・・・例の?」
ゴゴゴゴゴ・・・
チ・・・チクショウッ
これじゃぁ分が悪い!!!
ムトウは駅に向かって駆け出した。
ジキル「2人とも・・・ここはぁオイラにまかせてくれよっ
あのチキンガイはぁこの俺が片付けるぜぃ!」
そう言ってジキルはムトウの後を追って駅に入った。
******
ジキル「おい・・・もう逃げ場はないぜぇぇダンナ!
おとなしく俺にボコされちまいな!!」
フフフフ・・・
ジキル「気が触れちまったかぁ!!?」
ムトウ「このムトウアキラが考えなしにここまで来たと思うのか?」
あばよ。
そう言ってムトウは線路に飛び込んだ。
ファアアアアアンッ
ホームには電車が入ってきているところだった。
・・・なにかがおかしい。
なにか、ムトウは何かをたくらんでいる・・・
ジキルは辺りを見回した。
ムトウ「もう・・・遅い!
ストレンジカメレオンあんたに触れたぜぇ、外国人さんよ。」
******
37564…皆殺しか…。
あの男の残した言葉がホワイトの意識に引っかかっていた、あの男は油断できないと感覚レベルでの信号を発している。
だとしたらブラックも今同じことを考えているハズだ、この身にまとう物の色だけが正反対の私の分身は…。
そしてあのお方ももちろんムトウアキラなどを信頼しているハズはないだろう、いや自分のスタンド能力以外の全てを取るに足らないものだと思っているに違いない、だからこそ度々出向き自らの手で邪魔を排除してきたのだから。
裏切り結構、取るに足らない、そういうことだ。
しかし私は別だ、何故なら裏切る訳がない、万に一つも適わない自覚がある、私の能力をあの人が気に入らなければ私はとうに存在してなどいないのだから。
あのお方は能力はまったく圧倒的に恐ろしい、この様に私とまったく同じ存在を鏡から引きづりだしてまだ尚、余裕があるのだ。
私と同じ姿、同じ性能の存在をいとも容易く作り出された私は、その存在価値を完全に否定された、しかもその分身はおのお方の忠実な僕だ。
私が裏切れば、コピーの分際で私を即座に殺すだろう。躊躇なく。
分際もないか、同等なのだ。
私は踏みにじられた、踏みにじられ尽くした。それはもう圧倒的すぎて快感だ、私はあの人の奴隷。
そう、はじめから奴隷だった分身よりも濃厚な意味での踏みつけられた結果の従属、私は分身よりもあの方に従順であることで勝るのだ。
くふくふふひひ…。
さて、敵が迫っている、ムトウアキラも油断がならない、それはあの方には取るに足らない、しかし、これは私の妄信、もはや性癖。
手を打たねば。
二手に別れるか?いや、別れることはしない。一人では平凡なこのスタンド能力も、二人であることで圧倒的な能力と化す。
二人であることに意味がある、それが私があの人のお気に入りである所以だ。
そう、二人で行動する。問題はどう動くかだ。
******
ホワイトとブラックは“あのお方”が消えた空間を見つめながら呟いた。
ホ「私たちは」
ブ「ここを守らなければ」
ホ「いけない」
ブ「あのお方が」
ホ「夢に近づけるように」
二人は手を繋いだ。すると徐々に辺りの空間が歪み初め、形を変えていく。
「「フリー・ループ」」
同時に声をあげると二人は消えた。
部屋……いや。屋敷ごと不気味に変化していく……
フリー・ループ
二人の能力が合わさったスタンド。
現在いる地点を幻想の迷宮にする。
ケニーGと違う点は、海などを作り出すことはできないこと。
入った瞬間その人の精神が抜け、その迷宮をさ迷うことになる。
迷宮には番人がいて、入った人にとって“忘れたがっている人や物”が攻撃してくる。
その番人の攻撃を受け、動揺すると最初の場所へ戻される。
抜け出すにはゴールにある“何か”を手に入れるしか無い。
元ネタ
Daniel Powterのfree loop
******
ムトウ追い掛けていったジキルを見送り
ジョエル「で?なにか言うことはあるか?」
ジョエルは笑いながら話しかけた
Q「…ありがとうなんて、いわないからね」
ジョエル「好きにしろよ、俺も好きで助けただけだ……ん、あ、いや好きっていうのはそういうんじゃなくてだな」
Q「違うの?」
ジョエル「いや、そういうわけでもないが」
Q「私はジョエルを巻き込みたくないよ…これは私と家族の問題だから」
ジョエル「………お前の問題?既に俺は巻き込まれてるんだよ
それに最初に巻き込んだのは俺の方なんだぞ、もうわすれたのか?
それにお前は俺に――――」
Qはジョエルを見ていない。Qの視線の先に目をやる。
鉄雄がそこにいる
******
「バカ野郎ゥ!!
命を粗末にするんじゃあーねぃッッ!!」
何?
バカな??
オレは確かにスタンドをッッ!!
「見上げた野郎だ。
俺を外国人呼ばわりをした事が許せねぇーが。
俺にゃあ解る。」
「お前さんは、
『命を懸けて迫り来る電車に飛び込む』事で、俺の隙を作り。
どんな能力か解らねぇーが、スタンド能力を発現して、
俺を倒そうとしたんだろぅー?」
「俺も、死にたくはないからよ。
ダンナのスタンド能力は『発現した気』にさせて貰ったぜ。
『デ・ジャブ』でな。」
「そして、お前ぃさん!
アンタよぉーな男気のあるヤツをッ!!
『死なせる訳にゃあ行かねぇえええ え え え え え ッ ッ ! !』」
バカな!
こ・コイツ!!
何故だ!何故俺に向かってきているッ!!
俺は『ストレンジカメレオン』で位置を・・・・ッ!!
「死ぬのは俺だァーッ!!
それが『江戸っ子』ってヤツでぇええええええええーっっ!!!」
ジキルは、線路に落ち行くムトウに、
『 体 当 た り 』をかまし。
そして、対岸のホームへと突き飛ばしたッッ!!!
「へッ!あばよ、『新手のスタンド使い!!』
女の子を、『檻の中』に入れようとしちゃあいけないぜ?
入れるなら、その『腕の中』だッ!!!」
いまだに状況は解らない!
だが!これだけは、理解している!!
『 ヤツは、名も知らぬ俺を、 救 い 出 し た 。 』
そして無情にも電車は迫り来る・・・・ッッ!!
******
チィ。
しくじっちまったぜェ・・・。
寿司職人になってよぉ。
うなじの綺麗な女将さんと、身も焦がすような恋をして。
『へい、らっしゃい!!
江戸前寿司でぃッッ!!!』
ってぇ。
常連、一見、関係なく威勢良く挨拶してよォ。
あん時の俺みてぇーに、
『いじめられてる子』が居たら・・・。
『 ばかやろぅ! こちとら江戸っ子でぇい!! 』
ってぇ・・・。
啖呵(たんか)を切って、助けに行くような・・・。
そんな『寿司職人』になるハズだったのによォオオオオオオ・・・・・。
あぁーあ、しくじっちまったぜィ。
名も知らねぇ、ダンナァ。
ダンナ。俺の分まで生きてくれよゥ。
そして、『幸せ』を掴むンだぜィ・・・・。
ああ、ヒンヤリしてやがる。
それに・・・眠ィ。
******
対岸のホームに突き飛ばされたムトウは起き上がりジキルを探して辺りを見回した…
しかし無情にも電車はジキルの命を奪い去ってしまった。
ホームは騒然となり、その人ごみの中でムトウはただただ立ち尽くしていた。
ムトウ「なぜ…あの男は敵である俺を助けたんだ…?」
ムトウはジキルの行動に混乱していた。
ムトウ「俺にはわからない…だが何だ?この胸の痛みは…。」
ジキルの自らを犠牲にした行いは、ムトウの心に「黄金に輝く意志」を与えることになった。
「黄金の意志」をもつムトウは、さらに成長するだろう。
しかし、この先ムトウがその「黄金の意志」を発揮することはなかった。
ムトウはホームを離れると、歩き始めた。
人ごみを抜け、あまり人が立ち寄らない通路に入ると、静かに振り向き言い放った…
ムトウ「でてこい…鉄雄。」
その視線の先で…
鉄雄が獲物を狙う獣のように静かにそして凄まじい威圧感を放ちながら向かってきた。
******
Qの目線の先には獣のような眼光で何かを睨みつける鉄雄の姿があった
そしてその奥には鉄雄に歩み寄るムトウの姿が見えた
ムトウがいるのにジキルの姿はない
そう!ジキルがいないのだ!
Qはすぐに理解しジョエルに視線をうつす
Q「ジョエル!ジキルがっ・・・!」
さっきまでの二人の会話がなかったかのように、ジョエルの眼はすでに覚悟をした眼になっていた
そしてジョエルは少しづつ、鉄雄とムトウの方へと歩みをすすめた・・・
******
ずぶぬれのQにコートをかける。
ジョエル「お前はここに残れ」
Qの頭をぽんっと叩くと、ジョエルは歩を進めた。
ジョエル「俺にはお前が必要だ。」
ジョエルの胸には黄金の精神が宿っていた。
******
「裏切るのかね?
ムトウアキラ・・・。」
獲物を狙う獣のように、静かに。
そして凄まじい威圧感を放ちながら・・・。
それで居て、鉄雄は。
泣きじゃくる子を宥めるように、
優しくムトウに語り掛ける。
「君が今・・・。
胸に秘めている『安っぽい感情』は・・・。」
「私がこよなく『嫌っている感情』なのだよ。」
「ムトウ。
君は素晴らしい才能を持っている。
そんな安っぽい感情に支配されているんじゃあない。
『 楽 園 を 築 き あ げ る の だ よ 。 』
だからこそ、ムトウ。
もう一度聞こう、ムトウアキラ・・・・。」
「君は・・・『 私を、裏切るのかね?』」
ムトウアキラは。
答える。
「裏切る・・・違いますね。」
「『裏切っていた』ンです。」
「誰を?」
「『自分』をですよ・・。」
「俺は自分を裏切っていた。
名前も知らないアイツ(ジキル)は、
見ず知らずの俺を助けようとして、命を捨てた。
名前も知らないアイツは・・・!
俺が忘れていた『何かを取り戻してくれたんだ!!」
「『 こ の ム ト ウ ア キ ラ に は、
戦 わ な け れ ば い け な い ワ ケ が あ る ! ! 』」
「もう二度と、『自分を裏切っちゃあいけない!!』」
「鉄雄さん・・・。」
「アンタ。俺のこの感情を『安っぽい』って言ったね?」
「だから俺には、戦わなければならない
『 ワ ケ ができた。』」
「鉄雄さん。
覚悟は良いか?
俺はできてる・・・・!」
フン!
鉄雄はそんなムトウを小馬鹿にするように。
「 無 駄 だ ッ ! 」
強く言い捨てた。
そして、その場に。
もう一人、『黄金の精神』を持つ男が現れる。
その名は『ジョエル』。
******
頭がくらっとした。
『コロス』
そう聞こえた。
これは・・・
次々と憎悪の、怒りの言葉が頭の中になだれ込んでくる。
うぁぁぁぁぁぁぁっ!
ムトウは頭を抱えた。
(これが・・・これがあのお方の闇・・・)
ムトウは完璧に気圧された。
「わ・・・私にはわからなくなりましたっ!
何が正しいのか!!
あなたのやろうとしていることは本当に・・・正義なのですか!?」
自分を助けようとした外国人が脳裏によぎる・・・
この人は自分にそんなことをしてくれるだろうか。
Qの方を見る。
スタンドも使えない弱い女性を傷つけるのは正義なのだろうか。
あのお方はムトウの目の前まで迫って来ていた。
テツオ『興味がない』
この人は最初から俺のことなんて見てくれてなかった・・・
クソックソォッ・・・
なんてかっこ悪いんだよ、俺は・・・
「うぉぉぉぉぉぉ!ストレンジカメレオン!!」
・・・ぇ?
これは・・・糸・・・?
ムトウはすぐ横にあったポスターを見た。
い・・・いない!!!
ドグシャァッ
次の瞬間ムトウの体には穴が開いていた。
テツオ「信用できるのは自分だけだ。
ニルヴァーナ(至福の境地)。私はこいつと楽園を築く。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
******
ジョエル「正直俺はあんたのやろうとしていることとかにはまったく興味がない。」
ドドドドドドド・・・
ジョエル「あんたは俺のものに手を出した。
そのオトシマエをつけてもらう。
俺が要求するのはお前の命、それだけだ。」
テツオ「邪魔をするものはすべて消す」
ニルヴァーナがポスターに手を入れる。
テツオ「さよならだ」
そうテツオが言い放った時ヤツの体はジョエルの視界から消えた。
ストレンジカメレオンッ!
???「気づかなかったろ。
触ってたんだぜ、俺のスタンドは。
油断してたろ、お前は俺が死んだと思ってたからなァァァ!」
代わりにそこにいたのはムトウだった。
ジョエル「ご苦労だった。」
ムトウ「それにしてもよぉ俺をだますなんて信じられねぇぜ。
『完了した気にさせる』能力・・・怖ぇなぁ。」
駅から1人の男が出てくる。
ジキル「まぁ細けぇこと言うなってんだ!
こうしてヤツを捕らえられたんだしよォ!!
お前だってやつの本心がわかったんだ!」
テツオは先ほどの檻の中に閉じ込められていた。
テツオ「この私を侮辱するのか」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
テツオ「この程度でこの私に勝ったと思っているのかと聞いているのだ、ビチグソ共がぁ!!!!」
******
B&W「ご無事ですか?」
その2人はいつの間にかそこにいた。
テツオ「なんのつもりだ。」
B&W「あなたは組織の象徴です。死んでもらっては困ります。」
二人は手を繋いだ。すると徐々に辺りの空間が歪み初め、形を変えていく。
「「フリー・ループ」」
同時に声をあげると3人は消えた。
そこは一つの迷宮へと形を変えた。
******
どこかの廃工場のような場所に三人はいた。
ジョエル「ここはいったい………」
ムトウ「…こいつぁ、ブラックちゃんとホワイトちゃんの能力に巻き込まれたな。しかしあの方を助けるためならどうして俺らも一緒に」
ドドドドドドドドドドドド…
鉄雄「ムトウアキラ、君の考える事も最もだ。
私が君達から逃げるつもりなら…もちろんそうしただろう」
笑い声混じりの鉄雄の声が響く
鉄雄「だが、なぜこの私が逃げなくては行けない!スタンド使い三人程度にこの私がやられるはずもないのにな!」
ジキル「どこにいやがるんでい!」
******
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ジキルの問いに答えるように、
ジョエル達の正面に、壁に刻み込まれた『箇条書き』が現れた。
箇条書きの内容はこうである。
・スタンドの名前は『フリー・ループ』
・二人の能力が合わさったスタンドだ。
・現在いる地点を幻想の迷宮にする。
・入った瞬間その人の精神が抜け、その迷宮をさ迷うことになる。
・迷宮には番人がいて、入った人にとって“×××××”が攻撃してくる。
・その番人の攻撃を受け、”×××”すると最初の場所へ戻される。
・抜け出すには、ゴールに”×××××××××××”れるしか無い。
×の箇所は解読不能。読む事はできない。
そして、ジョエル達は、箇条書きを読み終えた。
信じるべきなのだろうか?これを??
ジョエル達の選択は・・・?
******
一方、鉄雄達・・・。
「どうゆうつもりだ・・・?」
鉄雄は優しく語りかける。
その威圧感をそのままに・・・。
「例えお前達であろうとも・・。
私の邪魔は許されない。」
「『楽園』は、私の思うがままに振舞う必要がある。」
「知らないとは言わさぬぞ。
『ブラック』。そして『ホワイト』。」
「『答えてもらう・・・。』」
二人は・・・。
ブラックとホワイトは答える。
ブ「18782+」 ホ「18782=」 ブ「37564」 ホ「答えは」
ホワイト&ブラック「みなごろし」
「「幾人モノ、黄金の精神を持つ者達が、希望を胸に秘め。
この迷宮に挑み、そして『死んでいきました。』」」
「「そう、『絶望を胸に秘めて・・・。』」」
「「あと『3人』。」」
「「あと3人、この迷宮で『絶望を胸に、死ぬ行く』ならば・・・。」」
「「フリー・ループは『進化』をする。」」
ホ「楽園が完成する。」 ブ「楽園へと進化する。」 ホ「その時は今。」 ブ「来るべき今。」
ホワイト&ブラック「「台座に座って頂きたいのです。そう、『今がその時であるのだから。』」」
「「王よ!
『楽園に 君 臨 して頂きたいッ!!』」」
・・・。
鉄雄。
「フフフフフフフ・・・・。」
「ハハハハハハハハハハ・・・・。」
「アハハハハハハハハハハハハァ・・・・。」
『アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッッ!!』
それは、けたたましい笑い声であった。
それは、狂おしい程に笑い声であった。
絶望。
良いだろう。
もしこの、番人がしくじろうとも・・・。
この『ゴール』に来る必要がある。
ならばその時、与えてやろう。
この上ない程の『絶望』を。
私の能力ならば、それができる・・・・。
ニルバーナに・・・『不可能は無いッ!!』
『アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッッ!!』
それは、けたたましい笑い声であった。
それは、狂おしい程に笑い声であった。
******
『連帯』。
キーワードは『連帯』であった。
出会って間もない3人。
目的は同じ。
持つべき根っこも同じ。
だか、近しき者こそ衝突すると言われるように。
俺達は衝突をした。
迷宮と言う、先の見えない状況。
『番人』と呼ばれる存在。
何をされたら、最初の場所へ戻されるのか?
ゴールでどのような事をすれば、抜け出す事ができるのか?
それが『のっぴきならない』事であったら、どうしようか?
考えば、考える程、不安になり・・・。
そして焦りへと変わっていった。
俺は、二人に当たった。
二人とも、他に当たった。
焦りは『絶望』へと変わって行きそうだった。
だが、俺達は『連帯』を失わなかった。
そう・・・あの時も。
******
「ウソだろう・・・?」
俺は最初の場所に戻っていた。
あの時、番人は『泣き崩れているQ』の姿に変えた。
そう、あの時、『女の死体のそのそばで、泣き崩れていたQの姿』を。
俺はあの姿を見て思い出してしまった。
あの時、俺は何をしてやれば良かったのだろう?
「腹が減った。帰るぞ。」
俺はそう言った。
あれで良かったのかも知れない。
だが、数日して、Qは俺を置いて行ってしまった。
俺はあの時、何をしてやれば良かったのだろう?
理解はできる。
Qに並々ならぬ理由がある事を。
だから俺は『俺ができる事』をしてやりたかった。
そう、Qを苦しめるアイツを倒す事を。
俺は冷酷に敵を抹殺する男だ。
俺がQにしてやれる事はそれしかない。
だが、本当にそれで良いのだろう?
もっと。
男性が・・・女性に。
してあげる事があったんじゃあないだろうか・・・。
カツーン
カツーン・・・・。
ッ!
何かが・・・来るッ!!
「オ前ハ、無力ダ。」
「オ前ハ、酷イ男ダ・・・。」
番人ッ!!
ここまでッッ!!
「な・・・・ッ!!」
番人はQの姿をしていた。
そしてその姿は・・・。泣き崩れて・・・。
「料理上手いから・・・。
自分で作ればいいのに・・・・。」
「ウ・・・ウゥ・・・ッ!!」
『うわぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
俺は絶叫を挙げたッ!!
そして、Qの姿をした番人は俺を・・・ッ!!!
******
「アンタなんか!
居なくなってしまえば良いのよォーッッ!!!」
Qは!
いや、番人は、俺に『出刃包丁を投げ突けたッ!!』
「うわああああああああああ!!」
刃が頬付近を、かする。
唇まで、流れた血液。ああ、切れている。
俺を!
俺を殺すつもりだ!!
「G・C(グッド・シャーロット)ッッ!!!」
「殺すのね?そうよね・・。
だって、貴方はそれしかできない男だからッ!!」
ッッッ!!!
「ち・違う!
違うんだQッッ!!!」
いや、あれはQじゃあない。
Qじゃあないんだ!
けど!!
「だったら、居なくなってよ!!
目障りなの!もう我慢できないの!!
だから、私は出て行ったのよ!それすらも解らないの、貴方はッッ!!」
Qは、再び包丁を投げ付けたッ!
サク・・・ッ!!
右腕をかすった・・・。
落ち着け、落ち着くんだ。
あれは・・・。あれは、Qじゃあない!!
「お前は・・・!Qじゃあないッッ!!」
『うわああああああああああああああああああ!!!!!』
Qはさらに泣き崩れた。
そして、こう続けた。
「だったら。だったら、
『 ど ん な 女 が Q だ と 言 う の ? 』」
「教えてよ!言ったらどうなの?
貴方はどんな女がQだと思っているのよ??」
・・・・・ッ!!
「『腹が減った。帰るぞ。』で満足する女だったら良かったの?」
ッッ!!
・・・・・・・。
俺は・・・・・・。
力無く座り込んだ。
俺は・・・!
俺は・・・・!!
「貴方って勝手だわ!
もう!もう我慢ならないのッッ!!!」
俺は!!
「いなくなっちゃえええええええええええええええ!!!」
俺はぁああああああああ!!!
甲高い声を挙げてQは包丁を振りかざし!
そして・・・・ッッ!!!
******
「いなくなっちゃえええええええええええええええ!!!」
甲高い声を挙げてQは包丁を振りかざし!
そして・・・・ッッ!!!
そしてッッ!!
そしてッ!
「いぃ~~~~なぁ~~~~くぅぅう~~~なったぁあああああああ!!!」
其処には、『番人の姿』が。
目を凝らすと、その奥に。
「『デ・ジャヴゥ ウ ウ ウ 』」
「番人は『包丁投げ付けた結果』を認識しているぜぃ!!」
ジキル。
俺はお前を、『薄らキモイ外人野郎』って言ったのに・・・。
「全く。
俺が追い掛け回した、Qちゃんは、もっと可愛らしい子だったぜ?」
ムトウ。
俺は、その事(Qを追い掛け回した)に腹を立てて、何かとお前に辛く・・・。
「ジョエル!」
ムトウは言い放つ。
「お前さんが、熱を挙げているQちゃんは、こんな子かぁ~?
違うよなぁあああー。俺は、何でもいけるから、こーゆうのもアリだけどよ。」
「でもなぁジョエル。
俺は思うぜ?」
「Qちゃんは。
『アンタにしか見せた事の無い顔』を見せていたハズだぜ?」
「違うかい?」
「そんな顔ばっかするのがQちゃんなのかい?」
「そうなのかい?」
「そうなのかい?」
「違うだろうぅーッッ!!」
「なぁああああーッッ!!!」
「『ジョエルゥーッッッ!!!』」
・・・・。
ムトウッ!
「男ォー見せてぇーやりなァッッ!!」
「『ジョエ公ゥッ!!』」
ジキルッ!!
俺は!
俺はッッ!!!
俺はぁあああああああああああ!!!
「『G・C(グッド・シャーロット)ォオオオオオオッッ!!!』」
ドギュゥ ゥ ウ ウ ウ ウ ー ン ! !
G・Cはその姿を現したッ!
「使命を帯びよ!
『Qを、悪く見るヤツを許さないッ!!』」
「Qは、こんな女じゃあーない!!」
「Qはなッ!『Qはなァアアアアーッッ!!』」
オォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
「『Qはなぁあああああああああああああああああああーっっっ!!!』」
蛮声であった。
幾層もの蛮声であった。
思いのたけ叫んだのだ。
思いを。
願いを。
そして・・・『思いやりをッ!!』
それと共に、繰り出される『突きの連打』に、番人は為す術もなかった。
俺は礼を言った。
そう。ジキルとムトウに。
「らしくねぇーよ」と言われた。
ムッっと来た。
でも、それでも良かった。
『連帯』。
キーワードは『連帯』であった。
道程は困難であった。
だが、俺達は・・・・。
『ゴール一歩手前まで、歩を進める事ができた。』
******
一人雑踏に残されたQは考えていた
Q(あの人を死なせたくない、死なせないためには………
相手を知る必要がある。)
その考えにたどり着いてからのQの行動は早かった。
スピードワゴン財団に自分がスタンド使いであること、また父が研究員で有ったことを伝え情報を求めようとした。
だが結局これといった情報は手に入れられなかった。
だが父親は信頼ある人間だったようで、父親の遺物をもらい受けることになった
受けとりQは驚いた
それはQを目覚めさせたもの
“矢のカケラ”
******
ムトウ ジキル ジョエルの前に扉が現れた。
ムトウ「開けるぜ?」
ジキル「久々にヤツの顔ぉ、を拝む気がするな」
ジョエル「開けてくれ」
ドアを開く、そこは
先ほどまでとは違うパーティ開場のような明るい広間だった
ムトウ(どこかで見てやがる…)
ジキル「…近くにいる気がするが…みえねぇなぁ……」
ドドドドドドドド…
ジョエル「グッドシャーロット!!
オラァ!!
い、いない!」
(いや、何かは確実に後ろにいた!だが今は!!)
ドドドドドドドドドドドド…
鉄雄「ブラック、ホワイト余計なことをするな
貴様らが手を出さなくてもあの程度気にするほどでもない」
ブラックホワイト「しかしテツオ様にもしもがあれば…」
鉄雄「余計だといっている
貴様らは邪魔をしているだけだ」
ジキル「オウオウ!そういう言い方はねーだろが、こっちは三人なんだお前も三人できてもいいんだぜ!」
不意に鉄雄の姿が現れる
まるで最初からそこにいたように目前に
鉄雄「たいした自信だ、三人いたら勝てるとでもいいたげだな」
ジキル「あったり前ヨォ!テメーみてぇに弱いやつにマケルワケガネェンダよぉ!」
鉄雄「くっくっくっ……ハァーッハァッハ!
よかろうそんなに死にたいなら!
三人まとめて戦ってやろう!」
******
「なぜお父さんが……矢を欠片を持っているの……」
いくら幽波紋隊の人でも持っている筈がない物を、父は持っていた。
「まさか……お父さんは……矢を使って……」
鉄雄をスタンド使いにして……
そして彼を閉じ込め、実験をしていたいたのも
「お父さんが……全部関わっていた!?」
******
鉄雄「貴様らはDIOという男をしっているか?…しらないのか、少し前にのスタンド使いの話だ」
ジキル「誰もしらねーなんていってないだろーが!」
ムトウ(ヤツは人の心を読む…注意しろ)
鉄雄「いいぞ、ムトウ
自分の知っている情報を仲間にわたすのはいいことだ………
スタンドは精神力を形に変える、世界の枠から外れたある男は世界を停めてしまうほど強力なスタンドを手に入れた、ザ・ワールドというスタンドをな」
ジキル「だからなんだってんだあぁぁ、“デ・ジャブ”あいつを黙らせろぉぉ!!」
デ・ジャブはすさまじい早さだった、だが鉄雄は既に其処には居らず鏡が割れる音がした
ジョエル(あいつ今鏡の中に!?)
鉄雄「ショッカーだってライダーの変身シーンには手を出さないってのにな…お前やっぱりガイジンだな
こいつがなんだか、わかるかな?」
鉄雄は何かを持っていた…それは
ジョエル「タロットカード………」
鉄雄「そう、そしてこれは世界のカード……
ザ・ワールド……
取り出せニルヴァーナ…」
ドドドドドドドドドドドド
鉄雄「“時”よ止まれ」
******
一瞬の出来事だった―・・・。
鉄雄が発現した「ザ・ワールド」は3人を吹き飛ばした。
しかし3人は吹き飛ばされた事を認識していなかった。
気付いたら吹き飛ばされていた・・・。
3人は膝をつき地面に倒れた。
ジキル「一体・・・何が・・・。」
鉄雄はゆっくりと歩き出した。
鉄雄「・・・どうやら・・・5秒。時間が止まっていた"よう"だな・・・。」
鉄雄は服についた埃を払いながら話し出した。
鉄雄「ニルヴァーナ・・・。写真やポスターから引き出したものを現実にし、操る能力・・・。DIOのスタンドを引き出した・・・。スタンドは本人の才能。時間を停めても俺自身はそれを知ることはできない・・・。」
ジキルが起き上がり、ムトウとジョエルは膝をついたまま頭を上げた。
鉄雄「だがそれでも充分だ。それがお前たちの実力!!!」
鉄雄は再びニルヴァーナを発現させた!
ムトウ「まずいっ!!」
ジョエル「ヤツの能力を封じろォォォッ!!」
鉄雄「遅いっ!!引き出せニルヴァーナ!!」
ニルヴァーナは「写真」に手を入れ、引き出した!!
******
鉄雄「引き出せ!!ニルヴァーナ!!!!」
ジョエル「クソッ!!またあのスタンドか!?」
鉄雄「安心しろ・・・。一つの写真やポスターからは一度しか引き出すことはできない・・・。だか!!それでもお前たちが負ける"運命"は決定している!!」
ニルヴァーナの手には拳銃が握られていた。
鉄雄「ゾッとしたか・・・?お前たちの動揺が!!恐怖が!!手に取る様にわかる・・・。本物は初めてみたか?」
鉄雄は引き金を引いた。
ジョエル「迎え撃てっ!!グッド・シャーロット!!」
G・Cの拳のラッシュは銃弾をすべて弾き鉄雄に向けて拳を構えた。
ジョエル「!!?」
目の前にいたはずの鉄雄は姿を消していた。
ジキル「よけろ!!後ろにいる!!」
鉄雄はすでにジョエルの背後に回り込みニルヴァーナを発現、拳を振り上げた!!
鉄雄「銃弾は壁だ。ただのな・・・。お前たちをあんなもので倒せるとは思っていない・・・。」
ニルヴァーナの拳はジョエルの腹部を貫いた!!
確かに貫いたはずだった。
その貫いた感覚を鉄雄は感じていたし、あの状況で避けられるとも思っていなかった。
しかし現にジョエルは腹部を貫かれてはいない!!
ジキル「デ・ジャヴは行動を完了したと認識させる。どうやら射程距離に捕らえられたようだ。距離をあけていたから背後に回る事を認識できた。」
ムトウ「そして・・・お前の背後をとることができた・・・。」
離れていたはずのムトウが鉄雄の背後に立っていた。
ムトウ「ストレンジカメレオンの能力。この位置に血を飛ばした。おまえに受けた傷の血を。固まった血は物体。その血と位置を交換した・・・。お前の能力は確かに恐ろしい・・・。だが!!その真価は中距離で発揮される。」
ジョエルはゆっくりと振り向いた。
ジョエル「この距離なら・・・」
ジョエル・ジキル・ムトウ「お前の能力を使わせはしないっ!!!!!」
******
鉄雄「面白い。実に面白いぞガキども。だが、ムトウアキラ、貴様のスタンド能力でどうやって私を倒すつもりだ? わたしの『楽園(ニルヴァーナ)』の能力を味わったお前たちならば、私には絶対勝てないことくらい理解できるはずだがね…」
銃口。ムトウアキラの眉間に冷たい感触。
沈黙。3人は何も語らない。
だが、彼らの目が、そこに宿る『黄金の精神』が、それでもこの男を倒す、という決意を言葉よりも遙かにはっきりと語っていた。
鉄雄「いつもいつもそうだった。世界のありとあらゆるもの達は、いつもそうやって私の邪魔をし、私の平穏を乱し、私からあらゆるものを奪おうとしてきた」
銃を握る鉄雄の指にゆっくり、ゆっくりと、力がこもっていく。
ジョエル「おしゃべりは終わりか? いいじゃないか、お前も楽園の王になったんだろ? このちっぽけで悪趣味な楽園のな」
銃声。怒りによって思わず引き金を引いてしまった鉄雄。
ムトウに向かった弾丸は、しかし頬をかすめて後ろへと通り過ぎる。
鉄雄「貴様ぁぁぁッ!! お前たちになどわかるものか!! 虐げられ、裏切られ、踏みにじられたこの私の苦悩が!」
ジキル「てやんでえ、こちとらテメェと同じような境遇を味わってきたが、そんなもんは隅田川にとっくに隅田川に流しちまったぜぃっ!」
銃口をジキルに向け、鉄雄は続ける。
鉄雄「そうやってわかったふりばかりして、自分が救世主にでもなった気でいる…。そういう偽善者を裁くためにもこの私の『楽園』が必要なのだ!!」
ムトウ「それで自分の思い通りの『楽園』を築こうと。そんな世界何が面白いんですか、鉄雄『様』? 冷たい女の子を傷つきながら頑張って口説くのが楽しいんじゃないですか。…ってあなたにこんな話は無駄でしょうね。ギブ&テイクも終わりです」
その言葉に、鉄雄は銃を捨てる。自分の「壁としか思っていない」、という発言を、そして自分の唯一信じるもの、ニルヴァーナの力でけじめをつけるために。
鉄雄「うるさい馬鹿どもだ。そろそろ飽きた。我が無限の能力で思い上がった『黄金の精神』とやらを終わらせるとしよう…」
鉄雄はポケットから写真を取り出す。
ジョエル「ケッ、お前の能力は」
ジキル「使わせはしねぇと」
ムトウ「言ったはずです」
三人の言葉を受け、鉄雄は鼻で笑いとばす。
鉄雄「やってみるがいい…ニルヴァーナ」
ジキル「デジャヴ!」
ムトウ「ストレンジカメレオン!」
鉄雄がニルヴァーナを発動する。
それをジキルのデジャヴで完了したと『認識』させ、ムトウがストレンジカメレオンで自分と鉄雄を入れ替え、写真を奪い取る。これで宣言通り、ニルヴァーナを封じられる。
だが、鉄雄にはもうひとつの能力がある。
そして、ジョエルの眼にちらりと見えた写真に映っていたのは…
******
鉄雄「ジキルよ今お前が認識させたことはなんだ?」
胸元に手を入れ鉄雄が喋る
ジキル「デジャブ!」
鉄雄「お前の能力はいい、だが相手に認識をまかせるのはよくないな」
ジキル(あいつはなぜ普通に動いている!!)
鉄雄「お前の能力は守る力は強いが……
ニルヴァーナ」
鉄雄は砕けた鏡の前に現れる
ドドドドドド……
鉄雄「攻撃にはもう少し考えるんだな
ニルヴァーナ…」
ムトウ(ジョエル真後ろに頼む)
その一言でジョエルは理解した
ムトウ「ストレンジカメレオン!」
ジョエル「グッドシャーロット!」
完璧なコンビネーションだった…
相手が消え現れた瞬間
---「…ッア゙!」
ジョエルのグッドシャーロットは貫いた
ジキルを
鉄雄「ストレンジカメレオン…いい能力だ…」
ジキルの位置に鉄雄はいた
******
ジキル「…て…てやんでえ…」
そうしてジキルはもう一度血を吐き…
絶命した
鉄雄「フン…ジョエル…お前がジキルの命を手にかけたのだぞ?」
鉄雄は冷たい目をこちらに投げかけた。
ジョエルは呆然として冷たくなっていくジキルを見ていた
ムトウ「まさか…そんな…」
そして鉄雄の手には、二枚の写真が握られていた。
そこに写るのは
『ジョエル』『ムトウ』
ムトウ「…え?」
そして、ジョエル・ムトウの目の前に立っていたのは
・・・ジョエル・ムトウの2人であった。
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
ジョエル「こ…こんな…バカ…な…」
鉄雄「唐突な話だが…
『愛』を突き詰めていくと、最後にあるのは『自分』だという…これをナルシズムといえば陳腐にも聞こえるが…
全ては『自分』…これはかなりの本質を突いてるとは思わないか?
私が思うに…『強さ』…これの究極も、結局は『自分』ということはないのだろうか?
自分を超えることが…本当の『強さ』…だ…
今までの自分…全ての過去を背負う自分に打克つ事が…『強さ』…
そう考えれば、最強なんていう言葉は全て無意味だと思わないか…
真の『強さ』を手に入れた者のみが集う…それが『楽園』なのだよ…」
ジョエル「あ…うう…」
鉄雄「ジョエル…ジキルを殺したことで動揺しているな?
そしてムトウ…間接的とはいえお前が殺したとも言えるなァ…そしてお前自身それを自覚し…何も考えられなくなっている…
伝わってくるぞ…お前達の感情が…
『弱さ』がッ!
今のお前達に自分自身を打ち破れるか…
私の『楽園』に挑戦するというのなら…
本当の『強さ』を手にしろ…それがこの楽園に足を踏み入れる条件だ…」
鉄雄が指をパチン、と弾いた
その瞬間に床が、壁が歪み、二人の目の前は真っ暗になった。
そして暗い闇の底にに落ちていく感覚…
ジョエルの胸の中には戦友の命を手にかけたことへの深い悲しみが渦巻いていた
ふと気がつくと、周りは何もない、ただ白い空間となっていた。どこまでも広がる『空間』。
鉄雄も、ムトウもいなかった。
ただ一人、目の前に立つものがいた。
それは『ジョエル自身』であった。
******
Qは迷宮の入り口に戻ってきていた。
何度も扉を開こうとしたがそれはビクともしなかった。
「スタンド使いしか入れないのか・・・
ったく・・・お父さんといいお姉ちゃんといいマーズヴォルダといい、どうしてこうも私の周りは勝手なのが多いのかなぁ。」
フントニモウ・・・プンプンッ
カツ・・・カツ・・・カツ・・・
1つの足跡がこっちに近づいてくるのがわかる。
???「お前は過去から目を背けようとしている」
どこかで聞いたことのある声だった。
どこかなつかしい気がした。
???「過去と一緒に、お前は自身のスタンドまで精神の奥底に閉じ込めてしまったのだ。」
闇から男は姿を現した。
Q「あ・・・あ・・・あんたは!」
父「乗り越えろ・・・過去を・・・私を!!」
Q「お・・・父さん・・・?」
父「殺せ!私を!闇を乗り越えた時、お前のスタンドは成長してお前の元に現れるだろう!」
Q「んな・・・なに言ってるの!
いきなり出てきてそれじゃぁわけわかんないって!」
父「私はもう、人間ではない。
あのころ、悪魔に魂を売ってしまったのだ!」
******
父「『人の手でスタンドは作り出せるのか。』
私の研究所ではそういう実験を繰り返していた。」
Q「人工の・・・スタンド・・・?そんなものが・・・」
父「実験は成功した。
作ったんだ。私たちは。
スタンド『ニルヴァーナ(至福の境地)』を!」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
Q「な・・・なんだって!じゃああいつは・・・」
父「テツオは被験体の一人だった。
やつの力はニルヴァーナを成長されると思った。」
だが・・・
父「ニルヴァーナはヤツを選んだ。
私が出かけている間に・・・
私が戻った時、そこは地獄だった。」
死体・・・死体の山・・・
父「20人以上いた研究員はすべて殺されていた。」
******
ジョエルの手には、ジキルを貫いた感触がいまだに残っていた。グッド・シャーロットの拳がジキルの皮膚を裂き、筋肉を打ち破り、骨を砕いた感触が。
彼だけではなく、グッド・シャーロットすら拳を突いた状態のまま固まっていた。
何も思いつかなかった。
ただ、自分の手でジキルを殺したのだという意識だけがあった。
そして--突風のような勢いで打ちこまれた拳が鳩尾をえぐり、わずかながら足が宙に浮く。
咳きこみながら見上げれば、もう一人の自分が呼吸を乱すことなく見下ろしている。
同じ色をした瞳の視線が交差する。
唯一違う点は、見上げる瞳は悲しみに溢れ、見下ろす瞳には感情の色がないことだ。
もう一人の自分が操るグッド・シャーロットに喉を鷲掴みにされ、ジョエルは宙吊りにされた。そのまま腕力だけで投げ飛ばされる。
十数メートルもの距離を投げ飛ばされ、ジョエルは受身もとれずに床に身体を打ちつけた。
仰向けになり、天井のない白い空間を見つめる。
身体の痛みではなく、精神を侵した苦痛がジョエルに楔を打っていた。身体が動かないのではない。動かそうと思えないのだ。
仲間を殺したという事実が杭となって胸の真ん中を穿ち、標本の昆虫のように彼を地面に縫いとめる。
殺した--それ以外の何も考えられず、
「すまない……」
そう呟いた時だった。
『これだから無駄に頭のいい奴っての困るんだっつーの。もっと、さっさと考えを進めらんねぇのか、ばーろぉ。アンタ、蕎麦にやたら汁をつけて食うタイプだろ?』
思わず、ジョエルは目を見開いた。
「ジ、ジキル……」
幻聴ではない。確かにジキルの声が聞こえた。
そして、視線の先がかすかに霧がかり、蜃気楼のようにジキルの姿が浮かび上がる。
その姿はまるでどこかに旅立とうとするように、ジョエルに背を向けていた。
『考えすぎじゃねぇのかよ? 俺は、なるべくしてなったんだ。火事と喧嘩は江戸の華だろ? 喧嘩でこうなったんなら、本望ってやつだ』
一度だけジキルはふり返ると、恥ずかしそうに笑った。
『楽しかった……くぁーっ、こっ恥ずかしい! 楽しかったぜ! 短い時間だったけどよ、せっかちな江戸っ子にはちょうど良いだろっ』
親指で鼻をこする。
『てやんでぇ、アンタはまだ自分の力ってやつを出し切れてない。考えすぎなんだ。アンタは間違ってないって俺が保障してやるよ。だから……』
そして、小さく手を振った。
『勝ってこい! 江戸っ子じゃねぇんだから、せっかちにこっちにくる必要はねぇぜ!』
ジキルを中心に光が溢れる。白い空間がさらに白く染まり、思わずジョエルは目を閉じてしまった。
次にまぶたを開いた時には、彼の姿も、その声も聞こえなかった。
「幻……覚、か……」
呟いた声は苦痛に満ちていた。
たが、今まで動こうとしなかった身体が--地面に手をつき、膝を立て、ジョエルは立ち上がった。
それでも視界はまだ歪んでいた。
涙に、濡れていた。
******
父「・・・すべて、私のせいだ。」
雨は激しさを増していた。
Q「な・・・なんでそんなことを・・・」
父「今となってはわからん。
今の私にあるのは後悔だけだ。」
バケモノを作ってしまったこと。
娘をこんな目に合わせてしまったこと。
父「殺せ。私を。
あの男を助けたくはないのか?」
ジョエル・・・
彼の姿が浮かぶ。
無事なのだろうか・・・
助けたい。
でも・・・
Q「私は何かを犠牲に何かを得たくなんかない!」
???「ソウデス。"2トヲオウモノハ2トトモエル"デス。
ニンゲン、ヨクバッテナンボ デショウ。」
Q「あ・・・あんたは・・・」
マーズヴォルダ「JEEZ。ワタシハアナタデス。
"センタク"ナンテスットロイコトヤッテタラ ナンニモデキマセン。
"ソンシテ トクトレ"ナンテ ダボ ノスルコトデス。」
Q「マーズヴォルダ!!」
そうね・・・
Q「方法は1つじゃぁないってことね。」
そう言うとQは走り出した。
父「ど、どこに・・・」
Q「マーズヴォルダ、研究所に行くよ。
お父さんはまだ何か隠してる。」
お父さんが出かけてる時に逃げ出したなんて不自然すぎるわ!
雨はいつの間にか上がっていた。
******
ジョエル「…ジキル…お前を殺してしまった罪を消すつもりも忘れるつもりもない……だが」
しっかりと立ち上がる、ダメージなど受けていないかのように
ジョエル「だからこそ、あいつだけは必ず倒す!
グッドシャーロット・ジ・アンセム!!
俺は自分の弱さを消しとばす!」
グッドシャーロットの拳がもう一人の自分を消し去った。
ジキル リタイア
******
一人倒れている
ムトウ(自分すら乗り越えて、ここまで戻ってきたってのに…一人じゃ歯がたたねえのかよ…)
鉄雄「自分を乗り越えることができれば、とは言ったがな…自分より出来る人間なんて星のようにいる…
ムトウお前は賢い男だ、戻ってくる気はないか?」
ムトウ「…………心をよんでみやがれ………」
鉄雄「残念だ
………ホワイトあと何人必要だ?」
ホワイト「あと二人です」
鉄雄「どうやっても、運命はきまってしまったな。いや、デジャブが気付かせた通りか
お前が私に屈すればまだまだ楽しめただろうに………残念だ」
ムトウ(ジョエル……なにやってやがる……お前のせいじゃないんだ……自分にまけるな、ジョエル……)
鉄雄「それではさようならだ、ムトウアキラ」
ムトウアキラ リタイア
******
私は・・ここを知っていた。
ここまでどうやってきたか思い出せない。
気づいた時は研究所だった場所の前に私は来ていた。
Q「う、薄気味悪いところね。
いかにも廃墟って感じだわ。」
マーズ「ムカーシムカーシ ソコデワ アルジンタイジッケンガオコナワレテイタ。
カレラノ オンネンガ シニンノタマシイヲ トドマラセ・・・
ソコワ アクリョウノソウクツニナッテイタノダッ!!!!!」
Q「ひゃぁっ!
ちょちょちょちょちょちょっと怖がらせないでよ!!
だだだだ大体・・・霊なんているわけが・・・」
???「たすけて・・・おねえちゃん・・・怖いよ。」
声の先には2人のそっくりな女の子が座っていた。
Q「ひぃ!」
思わず声を上げたが向こうはこちらに気づいていないようだ。
Q「大丈夫?」
???「だいじょうぶだよ。お父さんを信じて、リーフ。」
リーフと呼ばれたほうは泣きじゃくっている。
Q「これは・・・」
Qが見ていたのは幼いころの自分の姿だった。
Q「わたしは・・・ここに来たことがあるの・・・?」
リーフ「・・・うん。がんばる。」
ウッド「行くよ。」
2人は手をつないで研究所の奥へと消えていった。
******
ジョエル「お前の不運は・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・
ジョエル「今この時この場所に
この俺がいた事だ。」
ジョエルはテツオの足元に横たわっているムトウの死体を見る。
テツオ「・・・なんのマネだ?」
そして顔を上げたジョエルの目からは戸惑いの色は消えうせていた。
ジョエル「観念しろ。
犯人は・・・
お前だ。」
ドドドドドドドド・・・
テツオ「探偵が・・・でしゃばり過ぎです。
浮気調査でもしてればよかったものを・・・
すぐにあなたもこいつのようにしてあげますよ。」
テツオはムトウを蹴っ飛ばして脇にやった。
ジョエル「・・・てめぇ」
******
Q「なななななんなんあの子達!
人のこと完璧無視じゃん!」
Qは今見たものが信じられなかった。
幼いころの自分と姉。
こんな記憶は自分のなかになかった。
マーズ「JEEZ。オイマショウ。ナニカワカルカモシレマセン。」
マーズの方を見る
Q「あなたは・・・この頃の私を知っているの?」
マーズ「マダシリマセン。マダデス。モウスコシデスガ・・・」
Q「まだ・・・?き・・・気になる。。
て・・・置いて行かないでよ!!」
怖いんじゃぁないよ。怖くなんかぁない。
自分に言い聞かせながら先に進む。
???「いい子にしてるんだ。2人とも。
さぁ、目をつぶって。一瞬で終わるから。」
そう言うとその男は近くに置いてあった矢を取り・・・
Q「父さんっ!!」
2人に突き刺した。
Q「なにしてるんだァァァッ!!」
父「あの2人にスタンド能力が目覚めれば・・・
フフフ・・・楽園へまた1歩近づける。」
Q「う・・・うそだっ!
記憶の中の父さんは・・・私たちに優しくしてくれた!
こんなの父さんじゃァないッ!」
人がささやき合ってる声が聞こえる。
「まったく。所長も狂ってるよ。
研究のために施設から子供を引き取ったんだろ。
かわいそうに。あの子達も。」
「でもあの子達はあの人のことを
"今までずっと育ててくれた優しいお父さん"だって思ってるのよね。」
「記憶を捏造するスタンドかぁ。
怖い能力だね。所長のスタンドは。」
Q「そ・・・そんなばかな。
全部・・・全部嘘だったのかァァァ!!!?」
******
鉄雄はジョエルを挑発し、少しでも優位に立とうと策謀を張り巡らせていた。
1対1になった。
だがそれでも鉄雄が絶対的に有利に立ったわけではない。
"ジ・アンセム"。
その能力は「王」の能力。
スタンドを統べる力。
スタンド能力を消滅させる力。
鉄雄はその能力を知っていた。
それはこの廃墟(研究所)で産まれた能力だった。
"ジ・アンセム"は宿主を持たないスタンド。
さまようスタンド。
何者にも憑かず、関わらないスタンドだった。
はずだった・・・。
鉄雄「その男を選んだワケか・・・。いいだろう"ジ・アンセム"!!お前を超えて!!私は真の"王"になる!!!!!」
******
その光景は消えた。
残ったのは廃墟だけだった。
マーズ「ジッケンワ セイコウシタ。
ソシテ、ニルヴァーナガウマレタ」
Q「嘘よ!だって・・・
記憶を書き換えられたんでしょ!だったら覚えてるはずが・・・」
マーズ「キオクハナクナリマセン。
ワスレルコトワ アリマスガ、ソレワ キオクガ "オクニ シマワレテシマウ"カラデス。」
じゃぁ・・・
そのときQはあることに気がついた。
放置されていた実験道具の何個かは埃がまったくかぶっていなかったのだ。
マーズ「JEEZ。コレハ タイヘン WEIRD(ヘン)デスネ」
Q「不自然だわ。」
これが意味することは・・・
今も誰かがここを使っている。
ゴゴゴゴゴゴ・・・
******
鉄雄「お前の右腕、アンセムの力を見せてもらおう
シルバーチャリオッツ!!」
白銀のナイトのようなスタンドがジョエルを襲う、が
ジョエル「グッドシャーロット!」
ジョエルの右腕に殴られ消えていく
ジョエル「コピーが本物を越えるなんて有り得ない!本体のいないスタンドなんて張り子だっ!
グッドシャーロット!」
一瞬
一瞬だった
ジョエルが鉄雄のを射程に入れた
ジョエル「オラオラオラオラオラ!!
オラー―――!!
こいつは、ムトウの分だぁぁぁぁぁぁ!!!!
もいっぱぁぁぁぁぁつッッッ!!!!
ダラァ!!!!!」
鉄雄は骨の砕ける音と供に吹っ飛んだ。
鉄雄(な、なんだと………完璧にアンセムが発動している!!)
******
???「もう、いやだったんだ」
後方から声がした。
???「ここのやつらはクソばっかでよぉ
ニルヴァーナが出来たとたん"自分の物だって"でしゃばりやがって。
ブッ殺してやりたくなったよ。」
Q「でもあなたは悪にはなりたくなかった。
そうでしょ、父さん。」
父「その通りだ。平和にすごしたかったんだよ。私は。
だから」
Q「テツオにニルヴァーナをつけた。」
父「ああ。でもさぁ・・・見てると欲しくなるんだよ。
最強の力が。だから、お前をここに連れてきた。」
全部罠だったのだ。
ウィィィィィン
機械が起動する音がする。
Qはいつの間にか箱の中に閉じ込められていた。
******
鉄雄「やるじゃあないか…ジョエル…
だがな…勝つのは私だ…『楽園』の完成は…もうそこまで来ているのだッッ」
鉄雄は体を起こし、立ち上がった
ジョエル「…完璧に骨を砕く感触があったぜ…そんなことを言ってられるのか…?俺は…自分自身に…勝った…
そして…貴様に勝つッッ!!!」
鉄雄「フン…忘れたのか…?ここは精神のみの迷宮世界…
お前はまだここから出られるかどうかもわからないのだぞ…?」」
フリー・ループで作られた迷宮世界から出るには、その奥にある『何か』を手に入れなければならない。
その『何か』とは何なのか。
それは手に入れてみなければわからない。
ジョエル「確かに…俺はまだその『何か』ってやつが見当もつかない…
だが…俺は生きる…
俺の中にあるムトウとジキルの『意志』と共にッッッ!!!!」
そうジョエルが叫んだ瞬間、辺りがまばゆい光に包み込まれた
頭の中に鉄雄の声が響く
『さすがだなジョエル…それでこそ我が『楽園』への挑戦者だ…
最後のステージに…お前を案内しよう…』
気がつくと、そこはどこかの研究室のようであった。
埃をかぶった実験器具がいくつもならべられている。
ジョエル「抜け出したのか…俺は…」
手に入れなければならない『何か』
それは、すべての人間のすぐそばにいつも存在する
だがそれは簡単には手に入らない
ジョエル「理解したぜ…
手に入れなければいけなかったものは…
『希望』
なんじゃあないか…
どんな最悪な状況でもあきらめない心の『強さ』…
真っ暗な闇の中にある一筋の光…それが『希望』なんだ…
どうしようも無い状況に陥ると、人間ってやつは色々なモノを見失ってしまう…
困難や、強い敵を前にして、少しでもあきらめの気持ちを持つこと…それが『弱さ』…
この『グッド・シャーロット・ジ・アンセム』はその『弱さ』を打ち消す『希望』の光なんだ…
いつの世でもッ!絶対に見失うことのない『希望』こそが最強の武器なんだッッ!!!
鉄雄…どこにいる…?
最後の勝負をしようじゃないか…」
そしてジョエルは走り出した
******
ジョエル「ここは…何かの研究所なのか…?実験室みたいなものがたくさんあるな…」
ジョエルは長い廊下を駆けていた
…遠くで何か機械が作動しているような音が聞こえる気がする
ジョエル「荒れっぷりから廃墟かと思ったが…まだ使われているのか?」
目の前に、二人の何者かが立っていることに気がついた。
ジョエル「お前達は…」
そこに立っていたのはホワイトと、ブラックであった。
ジョエル「鉄雄は…鉄雄はどこにいるッ!」
ブラックとホワイトは何も言わず、ただ二人同時に、階段を指差した。
ジョエル「あの上か…!」
二人は言葉を発することなく、ジョエルに道を開けた。
ジョエル「じゃあな…行くぜ」
ただ黙ったまま、二人はジョエルを見送った。
ジョエル「この階段をあがれば…やつが…鉄雄が待っている!」
ジョエルは全身に感じていた
鉄雄の強大なエネルギーを
そしてまた、鉄雄も読み取っていた
ジョエルの揺ぎ無い意志を…
長い階段を昇り終えると、そこには大きな扉があった。
この先は屋上のようだ
ジョエルは確信した。この扉を開ければ、鉄雄との最後の戦いがはじまる。
鉄雄を許しはしない。
あいつは自分の大切な多くのものを踏みにじった。
ジョエルはゆっくりと、扉に手をかけた
ドドドドドドドドドドドドドドドドド
******
--引かれ合っている。
確かにジョエルはそう感じていた。
『ニルヴァーナ』は支配するスタンド。
『グッド・シャーロット・ジ・アンセム』は王として存在するスタンド。
似ているのだ。似ているからこそ、引かれ合っていることが意識できた。
そして、だからこそ--反発しているのだ。世界は王を二人も必要としない。支配する者も、二人も必要ない。
恐怖がないと言えば嘘になる。
だが、ジョエルの覚悟はすでに決まっていた。
自分の背後には、グット・シャーロットがいる。
そして、ジキルとムトウアキラの魂を背負う。
扉を……引いた。
******

******
そこは屋上であった
見上げれば、夜空が広がっている
果ての無い、深い闇の中に星々が散りばめられている
鉄雄「やあジョエル…」
ジョエル「鉄雄…ここを貴様の墓場に変えてやる…」
鉄雄の冷たい視線がジョエルに投げかけられる
鉄雄「墓場…?
違うなァ~…………
ここがッ!我が『楽園』の始まりとなるのだッッ!!!」
先に動いたのは鉄雄だった
鉄雄「『ニルヴァーナ』ァァッッ!!!」
ジョエル「させるかッ『G・C・ジ・アンセム』ッ!!」
次の瞬間、ジョエルが吹っ飛んだ
ドッグシャァァァッ
ジョエル「ゴフッ………
まさか…直接殴ってくるとは…」
ジョエルの口の端から出血していた
鉄雄「写真から実物を取り出す能力しか使えないと思ったかァ?
思ったんだよなァ~?だから反応が遅れたのだ…」
ジョエル「歯が一本折れたよ…せっかくの男前のツラなのによォ…」
ズドッッ
ジョエルは鉄雄に向かって猛進した
ジョエル「パワーならグッド・シャーロットは負けないッッ」
その拳は鉄雄を捕らえた
はずだったが、そこには鉄雄の姿はなく、虚しく空を切るだけだった
ジョエルの背後から鉄雄の声がした
鉄雄「これは…『リンキン・パーク』の能力だ…
ジョエル…
遅すぎるぞ…くっくっく…
せっかくの『ジ・アンセム』も台無しだなァァ~」
ズガァァァァッッッッ
激しく背中を殴られ、またも吹っ飛ぶジョエル
鉄雄「貴様は…この私には勝てない…
さあ、わが『楽園』のために死ぬが良い…」
鉄雄が倒れこむジョエルに歩み寄ってくる
ジョエル「気になっていたんだ……………」
鉄雄「…?」
ジョエル「この『ジ・アンセム』の能力…
グッド・シャーロットの元からあったものが目覚めたものだと思っていた…
だが…貴様の言うことがなんだかかみ合わないじゃあないか…
『ジ・アンセム』は俺を選んだと…貴様はそう言った…
さっぱり意味がわからない…わからないが…
つまりこいつは元々このグッドシャーロットにあったものじゃあないんだな…?」
鉄雄「ああ…その通りだ…
『ジ・アンセム』は一つのスタンド…
『ジ・アンセム』自身が選んだ人間に宿り、そのスタンドと融合する……
その『ジ・アンセム』もここでお前とともに朽ちることになるがなァ…」
ジョエル「なるほどね…それで納得した…」
鉄雄「納得…?」
ジョエルの鋭い眼光が鉄雄を射る
ジョエル「さっきから…不思議だったんだ…
一体のスタンドには一つの能力しか無いはずだろ…?
だから、『グッドシャーロット・ジ・アンセム』の相手スタンドの能力を無効にする力がそれだと思っていた…
だけど…
さっきから感じるんだ…
グッド・シャーロットの中に潜むもう一つの『力』を…
どういうことかわからなかったが…
その話を聞いてはっきりと確信したッッ
グッド・シャーロットの真の『光』をッ!」
鉄雄「なんだと…そんなことが…」
ジョエルは静かに立ち上がり
叫んだ
ジョエル「『グッド・シャーロット』ッッッッッ!!!!!」
******
俺の父親は刑務所で生まれたらしい。
俺がその話をすると、
みんな"そんなことがあるわけない!"
って鼻っから信じてくれないが、
本人が言ってたんだからそうだと思う。
父は信じれる人だったし、
なにより、父がそこで受け継いだという
"黄金の精神"
が今自分の中にも生まれているのがわかるからだ。
俺がそれを受け継げたのは
俺と一緒に戦ってくれたやつらがいるからだ。
やつらは今も俺と一緒に戦ってくれている。
『GOOD CHARLOTTE・GHOST OF YOU(消えない絆)』
「鉄雄、お前を倒すのは俺じゃない。
"俺達"だッッッ!!!」
******
鉄雄「こッ…これはァッッ!?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
そこには、ジキルがいた。ムトウがいた。
鉄雄「馬鹿なッッ…こんな幻覚ッ…!!
はッ!!!」
鉄雄の脳にしっかりと伝わってくる。
ジキルとムトウの思いが。
彼らの『黄金の精神』と
絶対に崩れることのない『希望』がッッ!!
鉄雄「これは…一体どういうことだッッ死者が生き返るなど…ッッ」
現れたのはジキルとムトウだけではなかった
『黄金の精神』を持ちながらも、今までの戦いで散って行った者達が鉄雄の前に姿をあらわしていた
ド ド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
鉄雄「う…やめろ…こっちへ来るな…」
鉄雄の頭に様々な思いが伝わってくる
だがそのどれもが『黄金』に輝いていた
鉄雄「あ…頭が痛い…くそッくそッ…
この…死人どもがァァァッッ…ハァー…ハァーッ…
寄るなッ寄るんじゃないッッ!!!
くそ…くそがああァァァァァァァッッッッッッ
ら…楽園…我が『楽園』は…あと少しだというのにッッ…」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
鉄雄「ハァーッ…ハァーッ…
二…『ニルヴァァァァァァ…」
ジョエル「無 駄 だ」
鉄雄「はッ!!」
鉄雄の目の前に立っていたのは
ジョエル一人だった
ジョエル「伝わったか?皆の思いが…『黄金の意志』が…
それにくらべたら…お前のその『楽園』なんてものは、
ちっぽけな存在なんだッッ!!!」
鉄雄「黙れェェェェェェェェッッッ!!!!!」
ジョエル「これで…終わりだ…
UUUUUORYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴォォォォォーーーーーーーーッッ!!
鉄雄「ぐああああああああああああああああああ
GUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」
鉄雄は大量の血を吐きながら吹っ飛び
動かなくなった
ジョエルはただ黙り、鉄雄を見つめていた。
――――――――――――
ホワイト「終わったみたいね」
ブラック「ええ」
下の階にいた二人は、戦いの終わりを感じ取った
ホワイト「鉄雄様が負けた」
ブラック「…ええ」
かつて鉄雄がホワイトを鏡に映し、その鏡から取り出した存在、それがブラックだ。
なら、鉄雄が負けた今…ブラックはどうなる?
ホワイト「ねえブラッ…」
ホワイトが話しかけた場所には、誰もいなかった。
ホワイトは薄暗い廊下の中にただ一人立ち尽くしていた
******
父「心配するな。死にはしない。
お前を大切に育ててきた私の頼みだ。聞いてくれるよな?
お前のスタンドパワーを使って
最強のスタンド、『パラダイス(楽園)』をっ・・・グホォッ」
ゴツッ鈍い音がして男は吹っ飛んだ。
ジョエル「うるさい。疲れてるんだ。」
ジョエルはQに手を差し出す。
そして前と同じ言葉をかけた。
ジョエル「帰るぞ。飯だ。」
まだこのままでいい。
このままがいい。
Q「うん。」
ジョエル「まったく。
全然金にならんのにこんなに疲れるのはもうこりごりだ。」
Q「相変わらず生臭いなぁ。
せっかく大事件解決したんだしもっとこう名探偵っぽくさぁ・・・
ってちょっとジョエル聞いてる?」
ジョエル「ん・・あぁ"ちょっとジョエル"くらいからなら」
Q「ぜ・・・ぜんぜん聞いてない・・・」
信じていたものが全てなくなったと思った。
あの箱に閉じ込められた時、
私の心は絶望の中に閉じ込められた。
でも・・・
あの時差し伸べられた手は
私に光をくれた。
Q「ありがとう。」
******
エピローグ
「報酬はこれぐらいだ。ビタ一文まけねぇ
……っておい!」
ジョエルは以前と変わらず探偵稼業を続けている。
しかし、今日も依頼人は怒って帰ってしまった。
「ケッ……しけた依頼に……ゴフッ」
ジョエルの頭にQのフライパンが命中する。
「ジョエル!また依頼人怒らせて!来なくなったらどうするのよ!!」
「知らねぇよ……
第一これぐらいの料金を払えないやつは依頼人じゃあ無えよ……」
「吹っ掛ける方はただの“ボッタクリ”よ……」
「俺の頭には“情け”って文字は無いの。
“金を払う奴が客”、“払わない奴は邪魔なだけ”こちらとちゃあボランティアじゃあ無いんだから」
ジョエルは一頻り自説を唱えると、机に座った。
「腹減った。飯作れ」
「えー!またぁ。作っても文句言うくせに!!」
「そりゃああれだろ。批評は人を強くするんまぜ。」
「ジョエルが言うのは批評の“批”だけじゃない……」
「いいから作れ。俺は忙しいんだ」
「はいはい」
いつもと同じようだけど、何処かが違うことを二人は感じていた。
彼らにとって、失った物は大きいが、得たものも大きい。
「Q…あ……あのな」
「何?」
「うっ……何でもねぇ!」
「何よお!言ってよ!!」
「……料理。上手くなったな」
「ほ……本当!?」
「ああ……本当さ」
二人の時間は少しずつ刻まれて行く。
二人がどうなるかは
二人しか知らない
第二部~受け継がれる物、希望の光~
完