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6.

…あの公園に二人の男が見える
そして今…片方が倒れた
なんだか『面倒』なことが起こってるぜ…できれば厄介事には関わりたくない…
が、あそこを通らなきゃ職場のパチ屋まで行けねー…

あけば「面倒なことにならなきゃ良いんだが……」

―――――――――――――

ざっき「ああ…雨も止んできた…この性格は…なんとかしないといけないな…」

「なーあんた」

ざっき「…誰だオメー?」

ポポソ「俺の名は…ポポソ…ポポソです…アンタ…歌は好きかい?」

ざっき「歌?ああ、嫌いじゃないが…それが一体…」

ポポソ「そうかい…それじゃあ…とっておきの歌をプレゼントしてやるよ…」

ざっき「(…こいつ…怪しい雰囲気がプンプンとしやがるぜ!)歌だぁ~?いや、遠慮しておくぜ…」

ポポソ「この雨上がりに合う曲は…そうだな…『Over The Rainbow』が良いかな…」

ポポソがざっきに触れようと、おもむろに手を伸ばす

ざっき「(俺の第六感が…こいつには触れちゃいけないと感じているッ…コイツはやばい…何かわからねえが…やばいッ!)
お…俺に触るなァァーーッ!」


あけば(うわッ…いきなり片方の男が叫んだよ…険悪なムードなのかな…このまま…何事もなく横をすり抜けたいが…)

ポポソ「いいや…コイツは名曲だからな…是非とも聞くべきだよ…歌は良い…いつでも万人の心に歌が流れると良いのになァ~~…なあ、アンタもそう思わないか?」

あけば「!!…え…俺?」

その瞬間、ポポソの手はあけばに触れていた。

ざっき「オメーッそいつから離れ…ッッ」

あけばに気を取られた瞬間、ざっきもポポソに触れられていた

ポポソ「もう遅い…イントロは流れ出す…
そして…この曲が終わるころ…キミタチも…『虹の向こう』へ行くのさ…」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


******


ポ「ふふふ。ハァァァァァァァッハッハァァ
バイバイ。ぼくはパチンコでもしてくるよ。」

ポポソは公園の出口に向かった。

ポ「な・・・なんだこれは!!」

「公園から出たと思ったら・・・こ・・・ここは」

ポポソの前にはざっきとあけばが立っていた。

あけば「てめぇは逃がさんぜ。リンキンパァァァァクッ!」


******


歌が終わるまで残り…01:35


******


ポ(な・・・なにがおこったんだ!!!?)

「ワイヤァァマザァァ!」

ざっきのスタンドがポポソに襲いかかる。

ドラァァ!

あ「リンキンパークッ!」

ワイヤーマザーの拳がポポソに当たろうとしたとき、
あげははリンキンパークでざっきと自分を瞬間移動させた。

ざ「なにすんだ、てめェ!!」

あ「お・・・おまえ・・・見えなかったのか・・?
大型トラックが・・・つっこんできやがったんだ!!!!」

あげはは辺りを見渡す。

ざ「どこにもねぇじゃねぇかよぉ。そんなもの!
ここは公園のド真ん中だぜ!トラックなんか突っ込んでくるわけねぇだろ!!!」

あ「た・・・たしかにっ・・確かに見たんだ。」
(なんだったんだ・・今のは・・・)

J「クククッ俺のスタンドチキンオブレジェンドは幻覚が作り出せる!
あんなに大きなものじゃぁゆっくりしか動かせねぇが
あんな近くで見たんだ。
びびるよなぁフツーはよぉ。
チキンオブレジェンドは直接の戦いには向いてねぇ。
しばらく隠れてスキを見つけてやる。
あの人のためにスタンド使いはすべて倒さねばならない!!」


******


ざっき「あいつこの曲が終われば『虹の向こう』に行くとか言ってなかったか?
もしかしてよぉ・・・それって『死ぬ』ってことじゃぁねぇだろうなぁ」

あけば「1つ、1つ言える事はあいつは敵だってことだ!
そして、今、あんたと俺のGoal(目的)は同じ!」

ざっき「ああ。この際、あーだこーだいってらんねぇからよぉ。
一刻も早くヤツを倒すために・・・組んでやるよ。」

リンキンパーク(LP)「F.U.C.K!ヤベェヨォ。曲ハ中盤ニ差シ掛カカッテルゼ。
ノコッテイル"メテオラ"ハアト3コ。
アケバ、ハヤクヤツニチカズカナイト、ニゲラレマスゼ」

ざっき「でも、おかしいな。
あいつ・・・でもあの距離からうごかねぇぜ。
さっきはパチンコに行くとか言ってたくせによぉ」

LP「"シャテイキョリ"ダ!スタンドノコウカガハツドウスルハンイハカギラレテイル。
デモ、モウ、ジカンガ…グブヘェッ」

ざっき「ワイヤーマザー。
射程距離だったな。そのくらい飛べば射程距離より外だろう。フェアウェル・ソング・・なかなかグレートなスタンドだぜ・・・」


******

 

ざっき、リタイヤ。

 

あいつ・・・
名前も知らない俺を助けやがった・・・

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

あげは「俺はよぉ・・・基本的にめんどくさいのは嫌いだ。
こんな戦いもめんどくさくて虫唾が走るぜ。
でも、ここで逃げたら俺は絶対に後悔する。
後悔は嫌いだ。何日も引きずっちまうからよぉ。
そんなめんどくさいことになるならよぉ俺は今、ここであんたをたおすぜ。」

ポポソ「ハァァァッハッハァァァ
お前、バカか?自分からこのフェアウェル・ソングの射程距離の中に入ってくるなんてよぉ。
ばか丸出しだぜ!!!

フェアウェル・ソング!!」


******

 

ポポソ「なんだ・・・なんで・・・俺の頭の中に曲が・・・」

あげは「ハイブリット・セオリー。
あんたのスタンドは俺が支配している。
ノー・モア・ソロウ。いい曲だろ。」

ポポソ「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
いやだぁぁぁぁ死にたくないいぃぃぃぃぃ」

ポポソ、リタイヤ

J「アハハ。作戦どーり。勝手に潰しあってくれたぜぇ。
つぎはヤツの番だ。
スタンド使いはすべて始末する!!」


******

 

Jは隠れながらスタンドを発動する。

J「ヘェェェェ…。スタンド使いはァ…皆俺の命を脅かすゥ…」

あけば「間違いなく…勘なんだが…間違いなく・・そう、”間違いなく”ッ!!スタンド使いがもう1人ッ!狙っているんだ!」

あけばはとっさにL・Pを出して身構える。

Jは幻覚を作り出す。それはJのそれとは全くコトなる未知の、そしておぞましいスタンドヴィジョンであった。

あけば「うおおッ!?こ…こいつは!?」


******

 

あけばは1人、Jの作り出す幻覚と闘っていた。

実際「ピンチ」ではないため、第2の能力は発動できない。

Jが見るその様は、まるで糸に操られるマリオネット。

幻覚はあけばの精神に徐々にダメージを与えている。

あけば「はァ…はァ…こ…こいつァ…こいつァ…なんなんだ…?叩こうが殴ろうが、お構いなしだ…」

J「ヘェェェェェェェ…このまま倒れるのを待っていれば良い
ッ!なァんて♪なァんて♪楽し い ん だ ろ オォォォォ♪」

あけば「ルン ルン ルン ルン ルン」

J「ルン ルン ルン ルン ルン…はっ!!」

あけば「これを操っているやつ…俺が何の策もなく闘っているとでも思ったのか?ざっきは自らが逝く前に…俺の「ハイブリット・セオリー」に能力を託していた。「ワイヤーマザー・イン・リンキン・パーク」。「結界」を張らせてもらった。この間での瞬間移動は「自由」だ。」

LP「F.U.C.K!UHYOOOOOOOOOOO!」

J「あ・・・ああ・・・ひいいいいいいいいいいいいいいい!!」

あけば「GOOD NIGHTッ!」

J・再起不能・リタイア

To be continued...

 

 

 

 

7.

戦いがおわり一人夜空を見上げるものがいた

あけば
    「…北斗七星のわきに星がある!!!
     スンゲ~ぜ!初めて見た!」

あけばがのんきに死兆星を眺めているころ、トカゲとREOの戦いは始まっていた!!!


******


    夜の学校の校庭に、男が二人

REO
    「トカゲッ!お前に対しておれ自身の恨みはねえが…『あの人』のためにッお前を始末しなければならないッッ」

トカゲ「ナ~ニを言ってるんだ~お前はッ!?俺はよォ~大人になんかなりたくねェーのよ…お前みたいな

大人にはよォーッ」

REO「何をふざけたことを…お前高校卒業して何年経ってるんだッ」

トカゲ
    「うるせェーーーーーーッッッ!!!お前…俺に戦いを挑もうってんだな!?この俺に!!良い度胸じゃねェーかッッ!!言っておくが…夜は俺の『世界』だぜ…?」

REO
    「減らず口を叩いていられるのも今のうちッ!行くぞ!
    『ロバート=E=O=スピードワゴン』!!!!」

バァーーーーーンッッ!!

スピードワゴン
    「オレハオセッカイ焼キノスピードワゴン!」

トカゲ
    「ああん?なんだァーーそのオッサンはよッ!
    『ピーターパン・シンドローム』ッッッ」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

トカゲ
    「さ~夜は長いぜ…」


******

 

『REO、お前、特別な存在になりたくないか?』

あの方はそう言った。

『私たちは"スタンド"という常人にはない能力を持っている。
      特別になれる資格をもっているのだ。
      私たちは退屈な枠に収まってられる器じゃあないのだよ。
      だが、そう何人もスタンド使いがいたんじゃぁ特別にはなれないだろぅ?
      だから、スタンド使いはすべて始末する。
      私のために戦ってくれるか、REOよ!!』

私はあの人の可能性に惹かれた。
    これをカリスマ性というのだろうか。
    私は、あの人を一目見たときからあの人のために戦うと決心した。

REO
    「スタンド使いはすべて消す!
      あんたもだ。トカゲ!!」


******


    REO
    「何故だか急に、…ガラスをわりてーぜ………、ガラスをわらなきゃいけないんだよおぉぉぉ!!!!」


    トカゲ
    「あっさり俺のスタンド、ピーターパンシンドロームにかかっちまった
      フシシシシ!!!
      何があろうと朝になるまで俺のスタンドはとけない!朝になるのがたのしみだぁな」

トカゲは校門をくぐり学校からでていこうとする

トカゲ
    「そういやぁあいつ…………あの方とか言ってたなぁ………俺を妬むやつがいるのか????」
    トカゲが気が付いた時やつは目の前にすでにいた

ドドドドドドドドドドドド

ラマノフ
    「こんばんは、スタンド使い……
      君はここでなにをしているのかな…………私の母校で…………」


******


    トカゲ
    「っざけんなぁぁ!
      ピーターパン・シンドロォォォムッ!」

ピーターパン・Sの拳がラマノフに命中した。

トカゲ
    「ハンッ!!でかい口たたいたわりにはあっけなかったな。
      さて、帰るとしよう。」

ゴゴゴゴゴ・・・

トカゲ
    「・・・ハッ」

ラマノフ
    「・・・お前、見かけないヤツだな。どこのガッコのもんだよ?」

トカゲ
    「な・・・ピーターパン・Sの攻撃は成功したはず!!」

ラマノフ
     「てめぇ俺をしらねぇらしいな。
       その頭によぉぉく刻み込んでやるよ。
       俺は、××高校のラマノフだァァァ!!」

グヘェッ

トカゲ、リタイア

ラマノフ
    「ぬぅぅすんだっばいくではっしりぃだすぅ~
      俺はこの学校のNo.1になってやるぜ!
      青春は始まったばかりだぁ!」

 

******


-翌朝
    ラマノフ
    (ちくしょう、昨晩、俺はどうしちまったんだ!!?
      イキナリ尾崎なんか歌いだしてよぉ。恥ずかしすぎる。)

REO
    (昨日ラマノフが長渕歌いながらガラス割ってたきがするけど・・・気のせいかなぁ・・・聞いてみたいけど・・・斬られたくないしなぁ・・・)

SPW
    「そんなときは、このおせっかい焼きのスピードワゴンが代わりに聞いてやるぜっ」

REO
    「うわぁぁぁやめてぇぇ!まだ死にたくない!!」

 

******

 


    L・P
    「ヘイ、マスター。ヘンナヤツガイルゼ」

あけば
    「・・・ほんとだ。
      ・・・あれって自分のスタンド追いかけてるのかな?」

L・P
     「コッチニムカッテキテルゼ。ドウシマス?」

あけば
    「とりあえず無視で。(メンドクサイ)」

 

 

******


    SPW
    「やっと見つけたぜ、ラマノフ!
     お前、昨日、××高校でムグッ・・・」

REO
    「な、なんでもないよ!気にしないでくれ!」

ラマノフ
    「貴様、どうしてそれを知っている!!」

ラマノフ
    「秘密を知っているものは、誰であろうと生かしておかん!
     構えな!勝負は始まっている!!」

REO
    「こ、こいつ、狂っている。
     秘密を知られたくらいで、恥ずかしいからって仲間を殺す気なのか!!?」

ラマノフはポケットに手を入れた。

ラマノフ
    「ハッ・・
      た・・・たばこが・・・ない!!」

L・P
    「BIIIIITCH!」
    あけば
    「リンキン・パーク。
     メテオラでヤツのタバコを俺の手に瞬間移動させた。
     後味悪りぃからなぁ。目の前で人が死ぬのはよぉ。
     めんどくせぇけど、加勢するぜ。」


******


    ラマノフ
    「・・・。」

フッ!…

ラマノフはあけばからタバコを颯爽と取り戻すとくゆらし始めた。

ラマノフ
    「・・・。(フ・スー)」

無言の重圧。REOもそれを感じ取っていた。

SPWが煮えを切らした。

SPW
    「テメェェェェェェェェ!!何かしかけてくるんじゃァねェのかよォォォォ!!」

スパッ…

あけばには見えなかった。

SPW・並びにREOの首が飛んだ。

あけばには見えなかったのだ。

ラマノフ
    「…。」

あけばは手に汗を握った。


******


    あけば
    「こりゃァ…『覚悟』を決めなきゃァいけないようだな…」

ラマノフ
    「ソォォリィ…。次は君の番だ。」

あけばは
    『覚悟』を決めた。そして「友人」の遺した力を再び使うときが来たのだと。

あけば
    「『結界』!」

ワイヤーマザー・イン・リンキンパーク…

今はなきざっきの力である。

ラマノフ
    「こ…これは!?コイツの能力とはッ!?一体!?」

あけば
    「この結界の中であれば…瞬間移動は…「自由自在」ッ!」

ラマノフ
    「…!!!」

スッパァァァァァァン!

ラマノフは結界を切り刻む。

しかし「ワイヤーマザー」のワイヤーへのダメージはあけばには届かない。ざっきのスタンドであるが為だ。

あけばは瞬間移動を繰り返し、ラマノフを撹乱する。

あけば
    「今だッ!オオオオオラァァァァァァァァァ!!!」

ラマノフ
    「その能力…俺の弟を殺した能力か・・・!?」

あけばは一瞬戸惑う。その一瞬をラマノフは見逃さなかった。

スッパァァァァァァァン!!

あけばの右腕が飛んだ。しかし…

あけば
    「オオオオ・…オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

ラマノフ
    「バァァァァ!!…だが…お前では…「我々」には・・・まして「あの方」には勝てない…」

ガクッ…

ラマノフ・リタイア

あけば…右腕損失
    To be continued...

 

 

 

 

8.

 「嫌だっつ~の!俺は誰にも従わない主義なんでね!」

その部屋に明かりはない。あるのは二人の人間の話し声だけ。二人からは気配すらも感じられなかった……

「何が不満なんだ…?金なら腐るほどやろう。
      しつこく付き纏うという警察とやらも消してやろうというのだぞ?」

人間?
    一瞬迷ってしまうような感覚を覚えるほど、何か人間場慣れした「魅力」を感じる声が語りかける。

「金や宝は盗んでこそ価値があるんだぜ(世間的には違うかもな)?
      それに相手がおっさんでもライバルは必要だ。
      なにより俺は誰にも従わないんだよ!
      え?あのお方と呼ばれてるお人さんよッ!」

バッ! パリーン!

男--るぱんは窓を割って逃げ出す・・・必死に、、、全力で、、、

るぱん「ふ~、ありえない魅力に圧倒的なパワーを持ってる奴だったな。
                 うまく、スキをついて逃げてなけりゃどうなってたか、、、命があってよかった!」


******


    ---「またやられたか……」

桜川「あの町は今スタンド使いで溢れています……、---様の考える世界にするにはまだ時間がかかるかと……」
---「……とはいえこうも失敗してはな、'例の矢'の在りかを先にしられるわけにはいかないのだよ………私はお前ほど辛抱強いわけではない………」

桜川「…では私がまいりましょう」

---「……、ではおにゃをこぽんもつれていけ……、お前の役に立つはずだ」

桜川「わかりました、しかしあいつはまた敵を助ける行動をとるかもしれません、……その時は」

---「まかせる」


    桜川「…では」

 

 


    桜川は夢を見た、そして夢の指示通りに動き出す


******


    昨日は変な夢を見た。

旅行先の旅館で枕が寝苦しかったからだ。

頭も痛いし。

今回の旅行は徒労に終わりそうだ。

謎の男「・・・。」

桜川「あなたは?」

謎の男「スタンド…使いの…においがするなァ…」

バリッ!謎の男は顔をはぐ…

すると世界一有名な大泥棒とそっくりだ。

るぱん「おれはるぱん。覚えておきな。あんたを殺す・男の名前だ。」

今回の旅行は徒労に終わりそうだ。


******


    るぱん「おれは誰にも従わないッ!気まぐれな雲のようにな!「バ・ガ・ブー」ッ!」

桜川「ナイトメアトレ・・・・-・・・・ス・・・・」

桜川の動きが遅くなる。

これがるぱんの能力なのだ。

るぱん「そのままッ!「空気を遅くするッ」窒息死だッ!!」

桜川「か・・・ハ…(おにゃこぽんとも連絡をとりたい…とりたいのだが…)」

フッ…

その男は突然現れた。

隻腕の男。

名をあけばという。

あけばはるぱんに一撃を入れ、同時に桜川を「結界」で縛り上げた。

あけば「どちらかが『組織』の一員だな…?答えてもらおう…「あの方」について…」

桜川は気を失った・・・。


******


    ――桜川
    その男の本当の恐ろしさは、本人が意識を失った後にこそ発揮される。
    人間は意識がある時よりも、無意識である時の方が恐ろしいことがある。
    理性というブレーキがかからないからだ。

…ナイトメア・トレース

「ッタクヨォォ、マタブットビヤガッタヨ…、ヤレヤレセワノヤケルヤローダ」

 

悪夢はこれからはじまる…


******


    「あの方? 知ってるっちゃー、知ってるぜ」
    るぱんは軽く笑った。
    「ただ、話を聞きたいってなんら、俺を喋らせてみな」
    望み通りに進まないから世界とは楽しいのだ。
    欲しい物があれば奪い取る。見たい物は盗み見る。聞きたいことは……無理やりでも喋らせろ!
    それが、るぱんの理念であり、生き方だ。押し付けであろうと、曲げるつもりは一切ない。
    「バ・ガ・ブー」
    叫ぶと同時にバ・ガ・ブーが、あけばの周囲を回り始める。
    「かかってきやがれって手招きでもしたやりたいとこだが……ははっ、ノロノロかかってきやがれ」
    「あぁ、そうしよう」
    あけばの声は、るぱんの背後から聞こえていた。
    「!?」
    振り向いた瞬間には鳩尾に拳が刺さり、思わず膝をついていた。
    「どうやらお前のスタンドとは相性が良いらしい。囲むタイプのスタンドは、もっとも得意な相手だからな」
    「アイショーガイイーッ、トクイダーッ!」
    見上げれば、あけばとリンキンパークが酷薄な瞳で見下ろしている。
    その目は、喋らなければ無理やりでも話させる……そう雄弁に語っていた。
    だからこそ……。
    るぱんは、唇に笑みを刻んだ。
    「生きてて良かった……。これだから、やめんねぇんだ。そうだ、何かしたいなら、自分の力で奪い取りな!」

だが次の瞬間--隻腕のあけばと、るぱんは同時に壁まで叩きつけられるはめになった。
    意識が朦朧とするが、二人はなんとか殴られた方向を見る。
    桜川のそばに、黒い影が立っていた。
    スタンドだというのに口から涎をたらし、それを手で拭いている。
    「イライライライライライラ、スル。ナンデナンデナンデ、ヨダレガテニツクンダヨ! ……ソウダソウダソウダ、ナグッタカラヨダレガツクンダヨ。ソウカソウカソウカ、ブチコロセバイインジャネェカ。ブチブチブチ、ブチコロスゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」
思わず、るぱんは唾を飲みこんだ。
    「無理やりすぎやしねぇか……」
    ただ、泣き言を口にしている暇はなく、突進してくるナイトメア・トレースにバ・カ・ブーを備えるしかなかった。


******


 白に近いほど染められた金髪を高く編んだ女--おにゃんこぽんはため息をついた。
 隣の部屋が騒がしい。桜川が暴れているのだろう。もしかしたらナイトメア・トレースが出現しているのかもしれない。
 よく耳を澄ませば、なにやら声も聞こえてくる。
 もう一度、鼻から大きく嘆息した。
 もしかしたら目的のスタンド使いと遭遇しているのかもしれない。
 しかし隣の部屋に慌てて行き「大丈夫、桜川!?」なんてアメリカンコミックのように助ける気はなかった。
 あの方のご命令でもなければ、一緒に動きたいなどとは思わない。いや、あの方を護るのは自分だけで充分なのだ。
 壁に何かが叩きつけられる音がした。振動でかすかに壁が震えている。
「いっそ殺されていればいいのに……」
 くすっと、小さく笑い、レース地のスカートをつまんだ。
「そういえば桜川が死んだら……ナイトメア・トレースはどうなるのかしら? 本体の意識がない時に動くのだから、死んだらずっと動き続けるのかしら?」
 また、壁が揺れている。
「そっちの方が、あの方のお役に立てるのにね……」
 どれだけ激しい戦闘が行われていようと、助けに行くつもりはなかった。桜川が傷ついていれば、彼女はきっと助けてしまう。どれだけ否定した人物であっても、自分は助けてしまう……そういう性格なのだ。
 だから、ドアを開け、廊下を渡り、隣の部屋へ行くつもりはない。
 いっそ死んでいてくれたら、助けなくてもいい。
「勝ってたら……」
 カバンからお気に入りの人形をだし、胸に抱き寄せる。
「つまらないわよねぇ、クマさん」
 継ぎ接ぎだらけのクマの人形に頬ずりし、おにゃんこぽんは時間を潰した。
 早く死んでいてほしい。


******


    桜川は…
    東京ネズミーランドにいた。

桜川「なんだあ~?エメラルドスプラッシュマウンテン二時間待ちだとッ!?舐めやがって…!」

ネズミー「やあ!桜川くん!(かん高い声で)」

桜川「お、おまえはネズミーランドのマスコット・ネズミー!」

ネズミー「君に特別にエメラルドスプラッシュマウンテンに乗せてあげよう!ついておいで!」

桜川「マジで!?やっほうついてるなッ!

 

……ハッ」

桜川はエメラルドスプラッシュマウンテンの先端にくくりつけられていた。

チッチッチッチッ…

コースターは上がっていく。

桜川「なにぃいい!!ネズミー!これは一体どういう……」

ネズミー「グッバイ。」

ガチャン!
    コースターは猛スピードで水の中へと突っ込んだ。

桜川「ギャアアアアアアア!!」

 

ボッチャーン

 


    るぱん「くらえッ!」

るぱんは二つの球を放った。

が。

ナイトメア「ギャアアアアアアア!!」

ナイトメアは空高く飛び上がった。

るぱん「避けたかッ!」

ナイトメア「ネズミーテメエエエエ!!ギャアアアアアアア!」

るぱん「い、一体なんなん……ぐえッ!?」

ナイトメアはエメラルドスプラッシュマウンテンと同じ速度でるぱんに突っ込んだ。

桜川「う~んネズミー………むにゃむにゃ」


******


 あけばは舌を鳴らした。
 ナイトメア・トレースが異常なほどパワーを持つからだ。いくら近距離パワー型といっても、強すぎる。
   「スプスプスプ、スプラッシュガ……ニゲテンジャネェゾ、ネズミィィィィィィッ!」
 るぱんを蹴り飛ばしたナイトメア・トレースが彼に振り向き、一足飛びで跳躍してくる。
   「オミオミオミ、オミヤゲガイッコモウッテネェジャネェカァァァァッ! ソンナンダカラチュウゴクニマネサレルンダヨッッッ!」
 繰りだされる連打を防ぎ、瞬間移動で少しでもいいから距離をとる--つもりだったが、ナイトメア・トレースの背後に瞬間移動した直後、身体全体を回した裏拳に鼻を砕かれていた。そのまま壁に弾き飛ばされ、さらに肩から体当たりをくらう。
   「パレパレパレ、パレードニフミツブサレルゥゥゥッ!」
 ミシ--そんな音があけばの耳元で鳴り、彼とナイトメア・トレースは壁を破壊して隣の部屋に転がりこんでいた。
 粉塵が舞い飛び、彼に馬乗りになったナイトメア・トレースは悲鳴だか雄叫びだかわからない絶叫を上げ、幾度となく拳を振り下ろしてくる。
 だが、永遠に続くように感じられた拳の嵐は突如として止んだ。
   「この……っ」
 全身に薔薇ををとった人型のスタンドが、茨の巻きつく手でナイトメア・トレースの腕を掴んでいる。
   「ダボスケがッ! 何を下敷きにしてのうのうと格闘ゴッコなんてしてやがんだ! ドライバーで顔が変形するまで殴った後、鉛筆で鼻の穴四つにされてぇのかッッッ!」
 よく見ればナイトメア・トレースの膝の下に、継ぎ接ぎだらけの悪趣味な人形が落ちていた。そのそばには全身を黒一色ゴシックロリータで着飾った少女が立っている。
   「悪夢を見ないようにぶっ殺してやるよ、チンカスヤロウ! 私のローゼス・デッドでなッッッ!」
 ナイトメア・トレースの顔面に回し蹴りが打ちこまれる。さらに倒れたところに少女とローゼス・デッドは、なんの躊躇もなく踵を踏み下ろした。
 遠くなりつつある意識をなんとか繋ぎとめ、あけばはゆっくりと立ち上がった。
 歯が何本も抜け、口の中で血の味がする。
   「スタンド使いと引かれすぎだな。ただ、何もせず逃げるってのは性に合わないんだ……そうは思わないか、るぱん?」
 ぽっかり穴の開いた部屋の向こうでは、すでにるぱんも立っていた。唇の血を拭っている。
   「やられっぱなしってのは嫌いでね。今はやり返してから逃げることにしようか」
   「その意見に賛成だ」
   「となると、今はひとまず……」
   「……協力ってヤツだな」
 二人は、同時にスタンドを具現化させた。


******


 おにゃんこぽんは数えられないほど踵でナイトメア・トレースを蹴りつけ--違和感を感じた。
 感覚がおかしい。自分の認識している速度と、踏みつける速度が明らかに違う。
 顔を上げれば、自分の周りを丸い球体が飛び、目の前には指先のような物が浮いている。
 気づいた時には、目前にあけばが『移動』していた。
   「先に謝っておく、すまん」
 ローゼス・デッドで防御する暇もなく、腹を打ち抜かれた。壁に開いた穴から隣の部屋まで殴り飛ばされ、床に身体を叩きつける。
   「どうにも……本当に相性がいいらしいね、ウチらは」
 相変わらず笑ったまま、るぱんはあけばにウインクした。
   「あぁ、お前が遅くした空間に、俺が攻撃しながらメテオラで移動する。実質、防ぎようがない」
   「アイショー、イイィィィーッ、ムテキィィィーッ」
   「終わったら、また敵同士だけどね」
 ししし……と喉を鳴らさずに、るぱんは笑い、肩をすくめた。
   「ま、油断せずにいきましょうや。タイマン同士だと相性が悪いしね」
   「そうだな」


 そのままミもフタもないコンボ攻撃にやられ、おにゃんこぽんことローゼス・デッド、リタイヤ。
 OH MY GOD~


   「ところで気になってたんだが、なんでナイトメア・トレースは動かなくなったんで?」
 注意深く距離をとりながら、るぱんは息を荒くして倒れているスタンドを見つめた。
   「踏まれすぎて気分悪いんじゃないか? 本体らしき奴も頬がこけてるしな」
   「キブン、ワリィィィーッ。ヤセスギーッ」


 ナイトメア・トレース、ローゼス・デッドに生命力を吸われたまま蹴られ続けたため、本体の桜川がブドウ糖が必要なほど衰弱。よってそのままリタイヤ。

 


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******


____________________

あけば「さて、邪魔者は消えたな。」

るぱん「さっき一緒に戦ってるときもよ・・『誰に強制されるでもなくコイツとやり合いたい』って思ってたぜ」

あげは「どっちが勝っても恨みっこ無しだ!いけっ!ワイヤーマザー・イン・リンキンパーク!」

るぱん「もちろんだ!抑えろ!バ・ガ・ブー!」


    リンキンパークのするどい攻撃がるぱんに襲い掛かる!
    しかし拳を遅くして攻撃を牽制したるぱん。

るぱん「(さて・・凌ぐことはできるかもしれないがどう攻撃に転じるかな。それにあの瞬間移動は厄介だぜ)」


    何度かの攻防が続き、再びリンキンパークの拳がるぱんに襲い掛かる!
    身をかわするぱん。

あけば「かかったっ!そのリンキンパークはワイヤーで作った偽者だぜ!」

目立たないよう後ろに配置しておいたメテオラに瞬間移動し、背後からリンキンパークがるぱんに襲い掛かる!

るぱん「後ろ・・だろ?」

!!

あけばは自分の体に違和感を感じた。
    あけば「こ、これはっ・・・『遅い』っ・・!!」

そこでようやくあけばは気づかれないよう配置したはずのメテオラの周りに、球体が2つ浮かんでいることに気づいたのだった。

あけば「何ィィィィ!!」


    るぱん「あんたは一流のファイターであり、ハンターだ。しかしどんなハンターも、獲物を仕留める瞬間には油断するもんなんだぜ。」

あけば「マズいッ!もう一度瞬間移動で逃げなければ・・!しかし、リンキンパークは既に攻撃態勢に入ってしまっている!『遅い』が確実に!これが終わらなければ次の能力を発動させることができないッ!」


    るぱん「・・楽しかったぜ」


    オラァァァァァ!!


    バ・ガ・ブーの攻撃がクリーンヒットし、あけばは壁まで吹き飛ばされた。


    あけば「・・負けだ。」

るぱん「あんたの攻撃は天才的なタイミングだった。紙一重だったよ。またいつかやり合いたいもんだ。」

あけば「俺を再起不能にしないのか?」

るぱん「俺のスタンドは殺傷には向いてねぇんだ。それに人の人生なんか盗んでも何もいい事はねぇよ。命があることが・・良いことなんだからな。」

そういい残すとるぱんは部屋を出ていった。


    あけば「すまないざっき・・負けちまったぜ・・これ以上ないくらい気持ちよくな・・」

あけばはその場で倒れこんだまま目を閉じた。


    あけば、負けを認めてリアイア。

To Be Continued...

 

 

 

9.

「君に聞こう」
「なんでしょうか?」

暗い部屋の中、二人の男性が話している。

一方の男性は痩せ型で身長が高い。
もう一人は……暗すぎて分からない。


「この世で一番強いスタンドは何だと思う?」

「……」


「君の言いたいことは理解できる。スタンドに“弱い”“強い”は無い。だが子供が遊びで……」


「私です」

背が高い男が話を遮る。


「では聞こう。一番弱いスタンドは?」


「それも私です」


「ほう……面白い。何故だね?」


「貴方に言うまでもない……と思うのです」

「そうか……」

ゆっくりと質問していた男は立ち上がる。


「君ならやってくれそうだ……」

「……」

「先日、旅館で戦闘があった。私の部下が二人とも重症になるほどの傷を負った」

オペラのように優雅な声、ダンサーのようなしなやかな動き。
ここが会場で、お客がいたら拍手喝采物だ。


「君に行って欲しい。」

「やだ……と言った……「言えないさ」

今度は逆に言葉を遮った。痩せている男の顔に少なからずあせりと怒りともとれない表情を見てとれる。


「ターゲットは“るぱん”。スタンドの能力はこの封筒の中に記されている。」


「分かりました……」

そういうしか無かった。少なくとも、痩せている男、いや「くぼ」には……

 

******

 


くぼはある場所へ向かった。

『俺のスタンドは一人だと絶対に不利。だから“味方”が必要だ。』

そこはアパートだった。古くも無い……だが新しくも無い。そんな所にやつはいる。


「おーい。俺だ」
「だ……誰だ!?」


『こいつ……同級生だった俺に“誰だ!?”だってよ……』


「ふぁん汰。俺だよ。く……」
「貴様!俺俺詐欺だな!許さねぇ……」
「待て……勘違いするな!」

くぼが急いで部屋に入ろうとした。刹那!

「な……体が!」


吹っ飛ぶ!


くぼは道路にしこたま体を打ってしまった。

「馬鹿野郎……こんな所で発動させんなよ……ウゼエ野郎だ」


唾を吐き出すとくぼは精神を集中し始めた。

「フラットオブフラット!ドアを狙え!」


┣゛━━━ ン 

ミサイルは正確に、かつ派手に扉を破壊した。


「ノックして……ってもうドアは無いか」

悠々とくぼは破壊された玄関から家に侵入し、布団に丸まっている“塊”を見つけだした。

「丸まって無いで人の話を聞けよ……」
「無理無理無理無理。金なんか無いぞ!出ていけ!」

『ウゼエ……』


「俺だよ。くぼだよ。同級生だった。」
「くぼ……!?くぼなのか!?」
「その“くぼ”に間違いは無いと思うぜ」

 

******

 


「で……何の用だい?」
「ああ……手伝って欲しいことがあるんだ」

俺が買ってきたお菓子の詰め合わせ(¥1400)がどんどん消えていく。半分、それ以上やつに食われてる。

「ふーん」


食いながら布団からファン汰が出てきた。興味を持ったのだろうか?


「何だい?手伝いって?」
「人殺しだ」
「○×△!?」

漫画のあわてんぼキャラのようなやつだ。
最も、そんなキャラみたいに“可愛さ”という物がまるで無いが。


「安心しろ。証拠は残さないし、報酬もたんまりだ」
「お……俺の性格知ってるだろ!?」

ふぁん汰は再び自分の城(布団)に潜り込む。

「嫌か?」
「あ……当たり前だろ!?仮に成功したとしても、俺は罪悪感に耐えられない!」
「なら“少し眠れ”」
「何言って……眠い」

お菓子の詰め合わせには睡眠薬が仕込んである。
あとは“あのお方”の出番だ。

 

******

 


夢の中


「ファン汰君……ファン汰君……」
「だ……誰だ!どこにいる!?」
「私は“君自身”だよ。」
「俺……自身……」
「そう……僕はファン汰だ」
「俺……俺…僕自身……」


「君は嫌じゃないか?こんなアパートに引き籠る生活」
「や……だ」


「他人に怯える人生」「や…だ」


「そんな君自身」
「やだ!」


………………

「君は変われる素質がある。サナギから蝶になるんだ」
「はい……」

「それを邪魔しているやつがいるんだ」
「許さない……」
「よく言った」
「誰……だ。そいつは……」


「るぱんだ!るぱんというやつだ。殺せ。そして蝶になれ!」


「 殺 す ! 」


「はっ……」
「起きたか?」
「うん……」

幻聴?夢?いや違う。
あれは僕の声。

「くぼ……殺すのは誰だ?」
「……急にどうした?」
「 誰 だ ! ?」
「る……るぱんだ……」


『あのお方は何をしたんだ?ここまで性格が変わるなんて……』


「るぱん殺す!蝶になる!」
「とりあえず引き受けるんだな……まぁいいか」

 

そして二人は指定された場所へ向かう……

 

******

 


「や~んなっちゃうねぇ」

るぱんはこの所稼業である泥棒が不調だった。
原因は旅館でのダメージ。相当の深手を負い、体がなまってしまっている。

 

******

 


るぱん「だが・・・ダメージがあるからって、稼業をやめる訳にはいかねぇ・・・・
    背に腹は変えられない・・・ってヤツだ」

一人ごちながら、人気のない館に忍び込む。。。

るぱん「いやに・・・ダダッ広い家だ・・・」

・・・・かつん・・・

館に響く足音ッ!!

カッ!

るぱん「うぉッ・・・!(なんだッ!まぶしいッ!!)」


神威「お前が・・・『るぱん』・・・
   ようこそ・・・神威のフィールドへ・・・・」

意外ッ!そこは体育館ッ!

 

******

 


るぱん「こーりゃ失礼しました~じゃあこれでおいとまさせていただきま…
…アンタ…今俺の名前を呼んだな…?なぜ知っている…?」

神威「『あの方』に邪魔になる者の情報は知っていて当然だろう…?」

るぱんはチッと小さく舌打ちをした
るぱん「ま~た『あの方』か…」

神威「のこのこ我がフィールドに現れてくれるとはな…るぱん…今回は私は任務を受けてはいないが…これは『チャンス』だな…
るぱん…ここを今夜お前の墓場にしてやろう…」

るぱん「(まずいな…まだ傷も癒えてないのによォ~…『バ・ガ・ブー』で隙を作って逃げる…しかないか…)神威さんとやらよ~…そう簡単に俺はやられね~ぜェ?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

******

 


るぱんは神威に見えないようにバ・ガ・ブーを発言した。

そして自分の動きを限りなく。遅くした。

るぱんの動きが、相手に悟られないように。

悟られることなく、「完全な逃走体制」を作り出したのだ。

ゆっくりだが、確実にるぱんの筋肉は走り出す為のバネを縮めていた。

神威は「バ・ガ・ブー」の空間に全く気付いてはいない。

るぱん「よーい…ドンだ。」

るぱんは能力を解き、一気に走り出した。

完全なるフライング・ロケット・スタート。

追いつけるはずはなかった。

るぱん「・・・え?」

神威は手にクリスタルを持つ。

神威「『逃げた』という事実を保存した。」

るぱんは逃げることができなかった…

 

******

 


るぱんは意味が理解できていなかったが、一つだけわかることがあった。

…こいつは自分の「スタンド」を知っている…

そして未知なる能力の前にるぱんはすこし震えた。

るぱん「しょーがねーなぁ…ならよォ…ぶったおして道をあけてもらうしかねェよなぁ…!!」

神威「わかったようだな・・・!行かせてもらうぞ…」

るぱん「おまえを「遅く」す・・・!!」

神威の手にもう一つクリスタルが光る。

神威「お前が私を「遅くする」事を保存した。」

るぱん「あ・・・ああ・・・?」

神威はスタンドを発現させる。

神威「クリスタル・ソリッド・・・おまえの「思考」と「生命活動」を「保存」する。」

るぱん「・・・」

ばた・・・

るぱんは力なく倒れた。生命活動・思考を保存されて体はただの抜け殻となってしまったのだ。

神威「フフ・・・「あの二人」の慌てふためく顔が目に浮かぶ・・・。」

るぱん・リタイア!

 

******

 


神威はあるく。るぱんを保存したクリスタルを持ちながら。

そこに導かれるかのように くぼ ふぁん汰が現れた。

くぼ「お前…神威…何してる…?」

神威「お前達の仕事はもうない。俺がもらったよ。」

ふぁん汰は無言で近づいた。

ふぁん汰「飛んでけー…」

神威「!?!?!?!?」

ドッヒュゥゥゥゥゥゥゥ!!!

突然の事で「保存」すらできなかった神威は、クリスタルを一つ開放した。

神威「俺を「遅く」するッ!」

先ほど葬ったるぱんの能力である。

神威の体にかかる「G」が弱まり、体制を立て直す。

 

******

 


くぼ「テメェ~~~~ッッ!!!なんてことしやがるッ!!」
るぱんを倒すのは俺達が受けた任務だッッそれを…」

神威「ふん…我が聖域に入ってきた者を始末しただけのこと…」

くぼ「それじゃあこっちのプライドが許さねェーんだよぉぉぉぉぉッッッウゼェッッ!!!!」

神威「ではどうする…?この俺を倒してみせるか…?」

くぼ「…ッッ!(いや…あいつの能力は最強の部類に入る…なんせどんな攻撃も『保存』されちまうからな…俺一人で戦うのは分が悪すぎるぜ…だが…このまま引き下がれるほど人間できちゃいねえ!!!)くそッやってやるぜッ!!だがなァ…こっちは一人じゃねえ!!ふぁん汰!!!!」

ふぁん汰「るぱんいない…るぱん…いない…」

神威「ほう…あのふぁん汰を引きずりだすとは…
だが…二人がかりだって俺を倒すことはできまい」

くぼ「(いや!奴がクリスタルメソッドを出す前に俺の『フラットオブフラット』をぶち込む!!!)
ふぁん汰ァァ!!俺が射撃体勢にはいったら、お前の能力で俺に近づく脅威をすべて『引き剥が』せッ!」

 

******

 


くぼ「フラットオブフラット!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ

神威「・・・お前の技はこんな近距離で使えないだろう、血迷ったか!!
クリスタルメソッド!!」

くぼ「ふぁん汰!」

ふぁん汰「吹き飛ばせ、ラスティア!!」

 

神威(まずい!!両方よけることはできねぇ・・・!!

ふぁん汰にるぱんの”思考”を!!)

 

フラットオブフラットは神威に直撃した。

 

******

 


神威「…」

神威は意識を失っていた。同時にクリスタルも全て消えていた。

ふぁん汰「フフーン…」

ふぁん汰はしゃあしゃあと近づく。

くぼ「ふぁん汰!よせッ!!」

ふぁん汰「月までぶっ飛べ~…」

ばッヒュウウウウウウウウウウウン!!!

神威・月へ…リタイア!

るぱん・体が死んでいる為、生命活動・思考は消滅…

 

******

 


神威の気絶、そしてリタイアによりふぁん汰にはるぱんの思考が残ることはなかった。

そして、今タッグを組んでいた二人だけが残ったのだ

これ以上の争いは無意味……どころか、理由がない。

くぼ「よし!ふぁん汰!帰るか。報告しなきゃな。・・・おい、ふぁん汰?」

ふぁん汰「るぱん いない るぱん いない るぱん いない るぱん!いない!るぱん!殺さなきゃ!」

ふぁん汰暴走!

 

******

 


 ある者と合流しろ。
 合流地点は体育館。  

 るぱんの潜伏先を絞り、現地へと二人が赴く道中の事。
 人垣の中、すれった内の一人がぽつりと耳元で囁いて行った。

 くぼ「…?!」

 突然の出来事に驚き咄嗟に後ろを振り向くも、声の主は既に人々の喧騒の中に呑まれ判別がつかない。

 くぼ「…うぜぇ」

 ふぁん太「なにが?」
 
 くぼ「なんでもねえよ」

 説明すらも面倒だ、うざい。そんな態度

 ふぁん太「なっ、なんなんだよ? はっきりしてくれないと不安じゃないか!」

 ふぁん太がくぼの腕をとり、激しく振る。まるで、今聞いておかないと生死に関わると言わんばかりに。
 
 しかし、疑問を投げかけられている当人はといえば。
 体は進行方向へ以前変わりなく向けられたまま、無視。
 しかし、腕を振る力によって首と視界は"してん"が定まらずさながら幼児向けのおもちゃのようだ。
 
 くぼ「……お前もうぜぇ」

 くぼは、ふぁん太を振りほどき歩き始める。
 
 目的の地は当初と大差無い。

 元々くぼにやる気は無く、"あの方"への恐怖が彼の動く理由。 

 今までと変わりは無い。

 

 ふぁん太「ま、待ってくれよ! 教えてくれよ! 俺は蝶になるんだよぉぉぅ!」 

 くぼ「…うぜぇ」


 打倒るぱんを旨に抱く、ふぁん太。

 正直早く終らせて帰りたいくぼ。 

 目的の地、体育館へと両名は歩を進める。

 

******

 


くぼ「いい加減にするんだッふぁん汰ァ!!
お前はいつもそうだ…何かに『依存』するッナニが蝶だッ!
芋虫だってさなぎだって強く生きてんだッ!!
お前はッその芋虫にも劣るッ!!!」

そう言いながらくぼはふぁん汰を殴った。
ズガァッ!
ふぁん汰「くぼ…痛いよ…」

ふぁん汰は倒れこみ、うつむいた。

それからしばらく沈黙が続き…少しずつ…喋りだした

「神威が…死ぬ間際…僕の中にるぱんが入った…
その時…感じたんだ…」

くぼ「ふぁん汰…?」

ふぁん汰「なんて言うのだろ…あれが『黄金の精神』とでもいうのかな~~~…
僕はいつも何かに怯えていたんだ…それじゃあだめなんだよね…『蝶』にはなれない…くぼの言うこと…すごくわかるんだ…
でも…夢の中で『もう一人の僕』が言ったように、誰かを殺すことでも、『蝶』にはなれない気がする…

るぱんの…誰になびくでもなく、自分の信念を貫く『勇気』…
命への『敬意』…それがあってこそ…
僕は『蝶』になれるんじゃあないかな…」

くぼ「お前…」

ふぁん汰は立ち上がった。
そこには、猫背になって何かに怯えるふぁん汰の姿はなかった。

 

******

 


くぼ「お前、あのお方を裏切るつもりか?」

ふぁん汰「・・・裏切る?そんなつもりはないよ、もともとオレはおれ自身という強さを手に入れるために利用していたに過ぎない・・。と今なら言える。」

くぼ「お前がそういうのならば、お前は・・・オレの敵ということだな」


ドドドドドドドドドドドドドド

ふぁん汰「お前の敵、というわけではない。
なぜならオレのスタンドだと、お前のスタンドは、敵ですらありえない・・・。
黄金の精神、その1だ

自分を信じる。

全てを受け入れた先にこそ、光り輝く”黄金”がまっている」

 

******

 


「許せない。組織の人間以外のスタンド使いを倒すなんて!
僕は君を、君の組織を許せない!」

ゴゴゴゴゴ・・・

「な・・・なに言ってるんだ」

くぼはふぁん汰の気迫に押されていた。

「人を殺して何かを得ようなんて、許せない!
僕は!弱虫だった自分を、引き剥がした!!!
くぼ、君に選ばせてやる。2つの道を!!」

くぼ「う・・・うるせぇ!
弱虫のてめぇがよぉ・・なにカバみてぇな大口叩いてやがんだ。」

「僕と共に"あの方"を倒すか
今、ここで僕に倒されるか!」

くぼ「ぅぅぅるっせええって言ってんだよォ!

フラットオブフラットォォォ!!!!」

 

******

 


ふぁん汰は身構えた。
しかし、まもなくくぼはフラットオブフラットを消してしまった。

くぼ「はッ…な~にが黄金の精神だよッ!うぜぇーッ」

ふぁん汰「…」

くぼ「今回の任務…お前は参加しなかった。
お前は途中で結局家に戻ってしまったッ」

ふぁん汰「…くぼ…何を言っている…?」

くぼ「お前は腰抜けヤローだからよォ~今回の任務には参加しなかったし、これからの任務も参加しない。
なぁ、そういうことだ。俺はそう報告する。」

ふぁん汰「くぼ……お前…」

くぼ「俺は…ダメなんだ…もしかすると…芋虫より劣るのは俺かもしれない…俺は『あの方』を恐怖している…
とてもお前のようのは…なれない…

ふぁん汰…俺はどっちの道も選ばない。
その代わり…お前がお前の『道』を…行くんだ。」

 

******

 


ふぁん汰「くぼ…さん、今のあなたにも、間違いなく宿っていますよ、『黄金の精神』…」

くぼ「うぜえんだよ…、お前は任務に参加しなかったんだぜ? 俺とこんなところにいちゃまずいだろうが。さっさと帰り…ッッ!! まさか…あのお方…が…」

 

******

 


ふぁん汰「くぼ…」


ステュンッ

一瞬の出来事だった。

ふぁん汰は、何が起こったのか理解できなかった。

くぼの頭に、穴が開いている。

硝煙の臭いが鼻をついた。

ふぁん汰「く…ぼ…?」

くぼ「これだから………『あの方』はこえーよなー…」

そう言ってくぼは前のめりに倒れ、絶命した。

ふぁん汰「そんなバカな…そんなァァァァーーーーッ!」

ふぁん汰は走り出した。
このままでは自分も狙われる。

人ごみにまぎれれば安全になるだろう。

夜の街を、とにかくふぁん汰は走った。


To be continued...

 

 

 

10.

ジョエル「それでは、ルパンに盗られた美術品を取り返す。というのが今回の依頼内容でよろしいでしょうか。」

うすぐらい部屋の中で男が2人話している。
1人の男が座っている机の上には"探偵"と書かれた三角錐がおいてある。

男「ええ、おねがいします。
あの美術品は価値の高いものなんです。
有名な画家が・・・」

ジョエル「報酬さえもらえればかならず依頼は遂行します。」

男「よ、よろしくお願いします!!」

 

******

 

   ジョエル
      「ルパンは2日前から消息をたっているか・・・」

   ルパンの居所をつかもうと情報屋をあたってみたが
       つかめたのは"消えた"という情報だけだった。

   ジョエル
     「神威 咲・・・最後にるぱんと一緒にいたのを目撃されたやつ
     そして、こいつも消息が不明・・・
     まさか、俺と同じ能力を持ったやつが・・・?」

   物心ついたときにはこいつは俺の隣にいた。
       そして俺はこいつをグッドシャーロットと名づけた!

 ジョエル
     「ふぁん汰・・・こいつから当たってみるか。
     神威といるところを目撃されたやつ・・・か」

 

******

 


     ふぁん汰
     「くぼは・・・最期、自分のスタンドに殺されていた。
     "あの方"とは何者なんだ・・・
     ヤツは僕と同じような能力を持っている!!・・・ハッ」

  ジョエル
    「あんたがふぁん汰か?」

  ゴゴゴゴゴ・・・;
      ふぁん汰の後ろにいつの間にかその男は立っていた。

  ふぁん汰
    「そ・・・そうだけど・・・
      あ・・・あんた、まさか・・・組織のヤツか!!!?俺の命を!!!?」

 ふぅ・・・
     ジョエルはやれやれ・・・とため息をつくと
     組織がなんだか知らないが
     と言葉を続けた。

 ジョエル
   「正直、お前のことなんかに興味はない。
      お前は質問に答えるだけだ。
      るぱんという者を知っているか?」

 ふぁん汰
    「知ってる。そいつは、俺が・・・」

殺すはずだった・・・
    2日前の死の光景が脳裏に浮かぶ

ジョエル
  「あんたが殺したのか。」

ふぁん汰
  「ち・・・違う!そいつを殺したのはっ」

ジョエル
  「神威 咲?」

ふぁん汰
  「あ・・・あんた、どうしてそれを!!
   やはり・・・組織のヤツか!
     ならば・・・僕はここであんたを倒さないといけない。
     くぼの死を無駄にしないために!」

やれやれ・・・
   ジョエル
   「めんどくさいからお互い不干渉で済まそうとしているのに・・・
      この、馬鹿が!」

ふぁん汰
   「ラスティアァァ!!」

ジョエル
  「俺の仕事を邪魔するヤツは俺に殴られて死ぬがいい。
      グッド・シャーロット!」

 

******

 

ジョエルは一撃を繰り出す。

「(使命・・・。

  それは、誰かがやって欲しいと思っている事を、
     仕方無しに行う『 心根(こころね) 』の事じゃあない。)」


   「(誰かがそれを望む以上に・・・、
   『自らも、それを成し遂げたいと思う、心意気(こころいき)の事を指す。)」


   「(そいつを持って『 使 命 』と為す・・・・!!)」


   「(そして、その時!
   俺のG・C(グッド・シャーロット)は、
  『 補って余りある 』高い破壊力とスピードを誇るだろうッ!!)」


    ジョエルは無言で一撃を繰り出した。
    だがその眼光は、余りに雄弁であった!


    ドッ ッ ッ グォオオオオオオオ オ オ オ オ オ オ ン ! !


  「ケッ!」

ジョエルは呟いた。
  手応えはあった。

ふぁん汰は・・・・!??

 

******

 

 

ジョエル
  「もろにくらったな。」
   (もう立ち上がることはないと思うが・・・とどめをさしておくか)

???
   『チッ・・・つかえないな・・・こいつも。
   せっかく俺のスタンド、ラスティアを使わせてやってるのによぉ』

ふぁん汰がゆっくりと不自然な動きで起き上がる。
    それはもぞもぞと動くと、中から男が、
    まるでさなぎから出てくる蝶のように出てきた。

「ああ・・・最近私はクソついてないんですよ。
    せっかく集めた仲間は弱いし裏切るし・・・」

ジョエル
  「何者だ?・・・あんた。」

???
  「昔からクソ几帳面な性格でね。
    物事が思い通りにキチッといかないとイライラ・・・イライライライライラ・・・クソックソッ」

男は狂ったように手当たり次第に周囲の壁をぶち壊していく。

???
  「クソックソックソッ!!・・・・・・・
    はぁ~・・・クソすっきりしました。
      あんなビチグソ共のことは忘れよう。
      ふぅぅ・・・溜まったものは出すにかぎる。
      なぁんてスガスガしい気分なんだぁ!!」

ジョエル
  「あんた・・・バカか?
    所々本音が漏れちまってるぜ。
      ・・・それで、
      お前も・・・俺の仕事の邪魔をするのか??」

ドドドドドドドド・・・

 


******

 

ジョエルは思った。
    今、自分が対峙している相手は人間じゃぁない。
    体の芯から恐怖心ってやつがこみ上げてくる。
    こいつは、黒い、ドス黒い邪悪だ。
    今までの経験がこいつはヤバイって危険信号だしてやがる。

???
  「仕事・・・そうか・・君は・・・確か、探偵・・?でしたっけ。
      じゃぁコイツを探し出してもらえます?」

ジョエルは1枚の写真を手渡された。
    裏には"長峰"とだけ書かれていた。

コクリ、と頷くとジョエルは市街地の方へと向かった。
    恐怖からジョエルの手は震えていた。

やれやれ・・・
     「こんな・・・怖気がするヤツは初めてだな」

 

 

 

???
  「期待してますよ。」

そういうと男は闇の中に消えた

 

******

 

-翌日

まきし
  「っかー!絶好のデート日和だぜぇ!
    ・・・なのに・・・はぁ~あの方も人使いあらすぎだよぉ
     てかショーコさんもあんまりだぁ
     1回デートキャンセルしたくらいで俺をふるなんてよぉ
     ちくしょう長峰だっけかぁ?ターゲットのヤローはぁ
     八つ当たりしてやんぜぇ」

ドアのまえで大きな背伸びをする。

やっふぅ~!

と叫ぶとまきしは走り出した。

 


******

 

屈辱であった。

この「プレス・リー・3」を眺める度に、
    長峰をそう思わずには居られない。

こびり付いているあのセリフ。


   『……貴様の敗因は唯一つ。

『プレス・リー・2』は目視範囲でのみ発動する。

  どんな生物でもよォ、自分の背中を見れるやつはいねェよなァ!!』


    消してしまいたい過去であった。
    しかし忘れようとは思わなかった。


    貴様にこの傷の痛みは解るまいッ!!


    背に刻み込まれた、耐え難いまでの恥辱ッ!
    故に「プレス・リー」は、3へと『 成 長 』をした。


  「まきしとか言ったな。
  気持ちよく『やっふぅ~!』と走り出しているトコ悪いが、
  ターゲットにされる前に、此処まで来た。

  口癖は『ぶっ生き返す!!』 だそうだな。

  言ってみろよ。『ぶっ生き返す!!』」


    まきしの走り出し様。
    その男は現れた。

そう。

「プレス・リー・3の長峰ッ!そう理解していただこう!」

 

******

 

いかれてるのか?

第一感想だ。

スポーツマンじゃああるまいしよぉおおおおお~。
    イチイチ名乗りを挙げて攻撃なんてするかね?

それが、まきしの第一感想だ。

だが、それだけ自信があるって事の裏返しだなァ。
     生意気なヤツめ!!


  「許せねぇーなぁ!長峰!!」


  「オタクが現れちまったから、

  八つ当たりするハズが、『二つ当たり』になっちまったじゃねぇーか!

  どーしてくれるゥ~?
    ショォオオオオオオオオオコさんにふられて、傷心の俺に、
    差額六つはデッカイぜぇ~~~~~!!

  どぉ お お お おおおおおしてくれるぅうううーーッッ!!!?」

 

長峰は答え様に攻撃を仕掛けた!!

「まきしとか言ったな!

 お前がふられたのは!!

 耳とっぽい、『いらち、この上無い、その言動だッッ!!』」


   長峰は攻撃を仕掛ける!!
   がッッ!!


   ガ ァ ァアアアアアアアーンンン!!


 「ゴォフゥ・・・・!?」


   倒れ込む長峰。
   まきしは得意気に、お喋りだした。

「言っただろうゥ~。

『二つ当たり』になっちまったってたなぁ~~~~。」


 「『8つ入りの拳銃』でねぇ。
  まず1撃に足を撃ち。お次の2撃で、もう片足。
  不意打する時ァ、計8発だが・・・。

 今みてぇーな時やぁ、2発って決まってるのよ。」

ギチリ。
    まきしは長峰の額に『ギチリ』と照準を合わせた。


 「俺のスタンドってよぉ。最後の切り札なんだわ。
  冥土の土産に教えてやろう。スタンド名は『ランシド』。

 能力は秘密だが、その能力は『どんな野郎でも巻き込む事ができる。』

  あの世ってヤツで、謎解きに洒落込んでくれ。」


 「バァアーイ!
  俺は新しいショーコさんを探し出すとするよ。」

 

ガ ァ ァ ァ ア ア ア アアアアアアアアーンンン!!


    そして銃声が響き渡った・・・。

 

******

 

「おうげぇ・・・・・・!!?」

マジか?

まきしは咄嗟にうずくまった。

長峰の方から、銃弾が飛び出しやがった。
    両手はがら空き出し、スタンドだって姿を・・・、いや出ているか。今は。
    って事はスタンド能力って事か?


  「その言動に誤魔化されがちだが、お前は本当に頭の良い奴だ。」


    クソ!マズィ!!
    動けない事ァー無いが、近距離パワータイプであろう、
    長嶺のスタンドとやり合うには、ヘヴィ過ぎるッッ!!!


  「自分の欠点を目を向け、
  スタンド使いにありがちな『スタンドのみに頼る』事をせず、

 最大限、自分の力を発揮する戦法をとる。

  まきし。お前は『本当に頭の良いヤツだ!!』」


    感情の高ぶり。
    いけるか?『感情を激しく揺さぶるようなこと』でなけりゃあ発動できない。
    いけるか?俺は・・・・。

『死ぬかも知れない現実を見据え!
    揺さぶられた感情を、スタンド発現へ結びつける事ができるのか!!?』


  「プレス・リー・3の長峰ッ!

  まきし!お前のその名決して忘れない!!」


    死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!
    死ぃいいいいいいぬぅううううう う う う う ! ! !


  「そして食らえ!!

『プレス・リー・3(スリィイイーッッ!!)』」


    まきしは雄叫んだ!!


  「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!

『 ぶ っ 生 き 返 す ! ! 』

  ランシド!!そして発現するんだ!!!


  『パァアアーティイイ イ イ イ イ ー ッ ッ ! !』」
 

 

『パーティ』
   この能力が発動すると、その瞬間に、半径25m以内にいたものは、
   スタンド「ランシド」が変化して出来た『晩餐会の会場』に強制的に参加させられ・・・、

本人の意思とは無関係(まきしの意思とも無関係)に『晩餐会』が進行していく・・・。


    そして、まきしは・・・・!!?

 

******

 

ランシド
  「ヨウコソ、バァンサンカイヘ」

ジョエル
  「な、なんなんだぁこいつは!!
    街中を歩いていたと思ったら!
      こ・・・ここはっ・・・」

長峰を探し続けていたジョエルは
    長峰が目撃されたという証言をもとに
    ヤツの居所を探っていた。
    そして、ジョエルはいつの間にか『パーティ』の射程距離に入っていた!!

ジョエル
    「なんなんだ・・ここは!
      映画で見る中世の城の中みたいだ・・・!」

ランシド
    「バンサンカイヘノサンカハ"ゼッタイ"デェス。
      ソレハ、ワタシガキメルコトデモ、マキシサマガキメルコトデモ、アリマセェン。
      ジョエルサマ、ナカデナガミネサマ、マキシサマガオマチデェス。」

ジョエル
    「あんた・・・今・・・非常に興味のある言葉を口にしたぜ
     長峰・・・あんた、今、そう言ったよなァ!!」

ランシド
     「ソレデハ、バンサンカイヲハジメマァス。」

 

******

 

何故だ?

何故なんだ??

この上ない程に、揺さぶられた感情で持って、俺は発動をさせた。
    25mにまで広がる感覚を確かに感じたし・・・。

『もう一人、誰かが入り込んだ感覚』もあった。


    何故『発動できない』んだ??


   そもそも、『息ができないッ!』
    く・苦しい・・・!!

何故だ!何故だ!何故だ!何故だ!
    何故なんだぁああああああああああああ!!?


   「まきし。
   お前は一言だって言っては居なかった。

 『ぶっ生き返す!!』・・・・と言う口癖をな。」

 「口癖でありながら、一言だって言っては居なかったんだ。
    だがな、まきし。

   言葉に『ぶっ』をつけると言う事。
    それは『強い意志』で持って、『意思表示』をする言葉。」

 「まきし。
    お前には必要だったんだよ。

  本当に必要とする事柄に対し、『ぶっ生き返る!!』と言う言葉が。」


    「だから、『スタンド プレス・リー・3 』は、
 
    『 空気の震えるエネルギー 』を奪った。

  気付かなかったのか?
     お前に撃ち返した弾丸はスタンド能力が故!

  そして、その弾丸に『スタンド能力を込めた事を!!』」

 「まきし!
    どんな能力か興味はあるが・・・。

 お前は『 能 力 を 発 現 す る 決 意 』をする事ができない!!」


    そんな!
    だ・だが、スタンドは『無意識の才能!!』
    そして現実に!現実にぃいいいいいいいいいいいいいい!!?


  「尊敬の念を持って叩き伏せる!!」

「そして、改めて宣言をしよう!
  食らえッ!『 プレス・リー・3(スリィイイ イ イ ー ー ッ ッ ! ! )』」


    ドッ グ シ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ! ! !


   -まきし 再起不能(リタイヤ)-


 「恐ろしい相手だった。
  この。プレス・リー・3の長峰・・・。

  まきし。お前の名を忘れない。」

 

******

 

ガァク!!
    長峰は『ガクリ』と膝を突いた。

「そして手強い相手だった・・・。
   致命傷じゃあないが・・・。
   このまま引き続き『ジョエル』を討つのは、無理だろう・・・。」

「ヤツの追っ手を撒きつつ・・・。
   回復をしなければ・・・・。」


    カツーン。
    カツーン・・。


   「ハッ!!」


    その男は『無言』にて現れた。
    だがその眼光は、余りに『雄弁』であった。

そしてその眼光はこう語っていた。

『長峰。
    お前の命・・・貰い受けるッ!!』
    ・・と。


    その男とは『ジョエル』であった。

 

******

 

迷ってはならない。
    ジョエルは冷たい眼光を放ちながら、そう考えていた。

この男・・・。
    怪我をしているようだが、それ以上に『強靭な精神力』を持っている。
    『成長をした男』。そう感じとれるからである。

だからこそ、迷ってはならない。
    だからこそ、迷ってはいけない。

『じゃぁコイツを探し出してもらえます?』

探し出した。
    だが、それだけで、済む問題じゃあなくなったのだ。

この男・・・長峰。
    全身全霊を持って対峙せねばならない。

既に、そう言う状況になっている。
    後戻りなどできない・・・。

さぁ!
    使命を帯びよッ!!

そして、その時!
    俺のG・C(グッド・シャーロット)は、
     『 補って余りある 』高い破壊力とスピードを誇るだろうッ!!


    冷たくも鋭い眼光ゥ!
    その眼光を感じ取った。長嶺は・・・・。


  「既に知っているのかも知れない。
   だがあえて言い放とう・・・。

『プレス・リー・3の長峰ッ!そう理解していただこう!』」

長峰は立ち上がったッ!!

 

******

 

勝負は一瞬であった。


  『ウォオ オ オ シャァァァアアアア ア ア ア ア ア!!』 


    木霊する蛮声ィ!
    そして打ち放たれるは『突きの連打!!』


    速度は互角であった。
    だが、破壊力が違った!!

長峰の拳が鈍い音を立てる。
    勢いに押され、尻餅を突いた、長峰ッ!

その隙をジョエルを『見逃さなかったッ!!』


  「 ッ ッ ッ ッ ! ! ! 」


    これ以上にない程の鋭い眼光にて、拳を振り下ろすG・C(グッド・シャーロット)!!


    その刹那ッッ!!

 

ガ ァ ァ ァ ア ア ア アアアアアアアアーンンン!!


    銃声ィ!
    そして、長峰が語りだす。


  「プレス・リー・3ィィィィ・・・・・。」

「まきしが、俺の額に照準を合わせ。

『バァアーイ!
   俺は新しいショーコさんを探し出すとするよ。』

 と言い放ち、撃ち出された銃弾は・・・。」


  「『俺の胴体に命中をしていた。』」


  「額に当たらぬよう・・・。
  そして、まきしに『尊敬の念を持って叩き伏せる』為。

  先に食らった銃弾を、スタンド能力で撃ち放ったからな。」

「だから、額に当たらず。
   俺の胴体に命中したんだ・・・。」


  「そしてその『弾のエネルギーを戻し』。
   ジョエル。お前を再起不能にしようとした・・・・。」


  「 だ が 。 」

 

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 


    G・C(グッド・シャーロット)は、 その弾丸を掴み取っていた。


  「拳を・・・・。
  『振り下ろしさえしなければッ!!』

  銃弾の角度と拳の角度が同じでは無ければ・・・ッッ!!

  いや・・・。未練か。」


    ガク・・・。

長峰は、力なく突っ伏した。


   「やれよ・・・。
    こんな死に方も悪くは無い。」


     ・・・・。


    クルッ。


    ジョエルは、背を向き。
    其処から去り出す。


   「ケッ。」

只一言言い放ち。
    其処から去りだした。


   「ま・まて・・・・!」

長峰は止める。


  「まて。
    お前は確かに・・・。

  お前の眼光は確かに『俺の命を貰い受ける為』のモノだったハズ。

  違うとは言わさん!
    言わさんぞ、ジョエルゥウウ・・・・ッッ!!」


    ジョエルは歩みを止めない。

長峰は万感の思いを込めて叫んだ。


   「 貴 様 に 、
     こ の 傷 の 痛 み は 解 る ま い ッ ! ! 」

 だが、ジョエルは歩みを止める事は無かった。


    -長峰 再起不能(リタイヤ)-

 

To be continued...

 

 

 

 

11.

ジョエル「チッ・・・割に合わない仕事だったな。」

依頼を遂行し終えたジョエルは事務所にもどってきていた。

Q「そんな事言ってる割にちゃんと追加料金ふんだくってたけおどね。」

Qはここの探偵事務所で3ヶ月前から助手として働いている。
記憶をなくして自分のことがわからなくなっていたQをジョエルが拾ったのだ。

ジョエル「・・・お前・・・今日飯抜き。」

Q「えぇっ!なんで?
なんか悪いことした!!!?」

ジョエル「別に。・・・ただの八つ当たりだ。」

そのままジョエルはプイッとそっぽを向いた。

Q「プイッって・・・もう可愛さが通用する年じゃあないでしょうに・・・あっいらっしゃいませ。」

カランカラン・・・
事務所の扉がひらき、1人の男が入ってきた。

 

******

 


キャサリン(父さんが事故で死んだと告げられたのは1年前。
私たちはその事がにわかには信じられなかった。
私の知っている父はとても強い人だったから。
父の死に疑問をもった私と双子の妹は、
父の死の真実を知るために2人で調査を開始した。

そして、3ヶ月前・・・私たちはある男のことを突き止めた。
父の研究所の同僚・・・1年前、ちょうど父が死んだ日に行方をくらませていた。
そんな時期に、ヤツらにであったのだ。
ヤツらは桜川、おにゃんこぽんと名乗った。
桜川のスタンドは圧倒的で私たち2人は1分も経たずにボコボコにされてしまった。
『いい夢見ろよ』
桜川はそう言い残して去って行った。
後には私、妹、そして、おにゃんこぽんが残った。
「と・・・父さんの・・・かたきを・・・」
私は言うことの聞かない体をムリヤリ立たせようとした。
『クスッ・・・ばかね。他人のためにそんな一生懸命になって。
でも・・・いいわ。面白そうだし、助けてあげる。』

気がついたときには全身に負った傷は消えていた。
いつも一緒にいた妹はどこにもいなかった。
そして、私は組織に入った。
組織にいれば父を殺した犯人に、『あのお方』なんて呼ばれてでかいツラしてる父の敵に近づくことができるし、
自然と妹の情報も入ってくると思ったからだ。
アイツに近づくためならどんな任務も遂行してやる!
その決意のもとに。

そして、今回の任務はMADがしくじった時に代わって探偵を殺すこと・・・)

 

******

 


事務所に入ってきたその男は静かで、
今まで見てきた依頼人とは違う。
そう、Qは思った。

ジョエル「いらっしゃいませってここはファミレスじゃぁないぞ?」

Qはぼやくジョエルにかまわず客に椅子をすすめる。

Q「どうぞ。あ、お茶でも持ってきますね。」

ジョエル「いや、その必要はないらしい。」

ゴゴゴゴゴゴ・・・

MAD「MAD CAPSULE MARKET。」

男は落ち着いた口調でスタンドを出す。

MAD「あの方のことを組織外の人間が知っているというのはまずい。
非常にまずい。
だから・・・あんたを消しに来た。」

ドドドドドドドド・・・

 

******

 


そろぉ~り・・・
Qは気づかれないように事務所から出ようとした。

ギロンッ
それに気づいたMADがQをにらみつける。

Q「わ・・・私はただの善良な一般市民なんで!
それじゃっ!!」

Qは全力で走って事務所の外に出た。

MAD(まあいい。外には組織のヤツが待機してるはずだ。)

Q「まったく・・・お金さえもらえばなんでも引き受けるから
こんなことになるんだよ・・・ハァハァ」

 

キャサリン(事務所から誰か出てきた。MADのヤツ、しくじったのか・・・?
しょうがないわね。
シャイニング ウェイ。
光の反射率を変えた。
あいつには私が見えていない。
このままあいつを暗殺する!!)

 

******

 

Q(ここらへんでいいよな…ホント勘弁してくれよ、なぁんで私まで非現実的な戦いに巻き込まれなきゃいけないんだっつー――――!)
「ッ!!!」
一瞬の出来事だった。だがその一瞬でQは自分を狙った一撃の致命傷を避けた。

---

キャサリン(避けられた?
………まぁいい、次ね)

遥か先500M以上離れた場所からキャサリンがFR-F2スナイパライフルを構えている。

キャサリン(次)


---

Q(じょ、冗談だろ!)
左肩を押さえながら、辺りを見回すが誰も―――
また、一発

しかし警戒していたQに弾丸はあたらなかった。

だが、Qには精神的に大きな二発目だった。
ドドドドドドドドドドドド

Q(本気か?本気で私はもう巻き込まれてるのか!

だったら………やられる前にやってやんよぉ!)

Q「マーズヴォルタ!
まずは敵を見付出す」

 

******

 


キャサリン(二発避けた?
弾があの子には見えてるって事……?
だけどシャイニングウェイが有る限り人の目には映らない……この距離なら音も聞こえないはず
次も避けられたらライフルでは…………)

---

Q(また、か)

三発目が削った壁をみる。

Q(大体の方角はわかった、だが近付くべきか逃げるべきか)

 

******

 


キャサリン「…雨か」
(雨は嫌い、シャイニングウェイがつかいにくいし、いろんな事をおもいだすから……

…雨?さっきまでは晴れていたのに
ま、まさかスタンド攻撃……天候を操る相手なの?)


---
ゴゴゴゴゴゴゴ

Q「マーズヴォルタで雨雲をよんだ、屋外にいるならばこれで火器は使いにくいはずだ…
弾道と空気の震えからして…あのビルか」


Qの選んだ場所はキャサリンがいるビルそのものだった

 

******

 

「駄目……火薬が全部しけってるわ……」

弾丸はQの雨で使い物にならない。
更にはシャイニングウェイでさえ雨の中では限られてくる。

「けど……私は“運”が向いてる」

 

 

彼女はバックルの間から弾丸を取り出した。


「残りは10発。これで仕留めないといけない……いえ……仕留めるのよ……」

キャサリンは狙撃ポイントを後にした。

 

 


「私は誰なのだろう」

自問自答してきた言葉。
記憶にあるのは“深い悲しみ”“恐ろしい何か”。

私には分からない。
分からなくてもいいの?そんなわけは無い。

今考えるべきことは“生き残る”こと、そして“狙撃者”を倒すこと。


ゆっくりとQはビルへと近づいていった……

 

******

 

マーズヴォルタは呼び寄せた低気圧は雨雲を呼び、
何時しか風を伴った雷雨へと変化していた。

「確かに雨天で光の屈折を操るのは簡単じゃない…
 けれど、自分が受ける光を蓄光することぐらいは出来る!
 シャイニング・ウェイ!私の姿を隠せッ!」

スゥッと掻き消えていくキャサリンの姿。
最早その姿はビルのガラスにすら映らない。


そしてゆっくりと近づいてくる標的。
当然だが此方にはまだ気づいていない…
キャサリンはもう一度、手にした銃のグリップを握り締める。

射程距離まで、あと数メートル。
まだ、まだ遠い…。


――今ッ!!


彼女が引き金を引くのと、一際強い風が彼女を襲うのは同時だった。


辺りに響く轟音、
そして標的の背後のガラスが砕け散る音。

 

「至近距離ッ!?」
「外した!?」

 

―――1発目、失敗。残り九発。

 

******

 


狙撃されたQはビルに入った

長く使われていなかったのだろうか?剥き出しのコンクリート、散らばった埃が不気味さをかもしだしている。


『こんな所には住みたくないな……』

ビルの二階まで来たとき、Qは変な所を見つけた。

「ここだけ……埃が無い……しかも……濡れている」

Qは感じとった“誰か”がここにいる!


違う!この扉は罠だ……プロの人ならこんなヘマはしない。


足跡は一つしかないが、微妙にブレている。
そしてあいつは姿を消せる!

 

つまり

 

 


後ろに周りこまれている!


「マーズ・ヴォルタ!後ろを殴れ!」


確かに後ろにはいた。但し、それは実態の無い……

 


「シャイニング・ウェイ。それはスクリーンに写った私よ」

扉の向こうから声が聞こえる。殴った物は揺らぐと、消えていった。

「!?」

「さようなら……」


キャサリンは扉の向こうからQめがけて発砲した……

 

******

 


「マッド・カプセル・マーケット……」
 口調こそ静かなものだが、男--MADの繰りだしたスタンドは、予想以上に素早かった。
 とっさに転がるようにして、ジョエルは拳を回避する。回避されたマッド・カプセル・マーケットはそのまま帽子かけを殴り倒した。
 それを目にし、ジョエルはかすかに皮肉な笑みを浮かべた。
「速いことは速いが、帽子かけも砕けない程度か。パワー型ってことも、な、い、らしい……」
 言いながら、彼は背中に冷や汗をかきつつあった。
「……待て、お前は誰だっ? いつ、部屋に入ってきたッ!?」
 目の前の男は誰だ……疑問だけがジョエルの脳裏を支配する。さっきまでQと話をしていて……そこから先が思い出せない。
 MADは何も答えず、マッド・カプセル・マーケットはゆっくりと間合いをつめてくる。
 何かのきっかけを探すようにジョエルはあたりを見回し、自分の肩で視線が止まる。
 テニスボールほどの球体が張りついていた。
 重みは感じない。明らかにスタンドだ。
「いや、落ち着け! 相手がなんであろうとッ、誰であろうと! 戦うしかない!」
 まるで自分を鼓舞するように声にだして叫び、ジョエルはMADを見据えた。
 そしてそれを待っていたように、マッド・カプセル・マーケットが両拳を同時に打ちこむ。
「グッド・シャーロット」
 ジョエルは自らの背後に潜む、意思を具現化した存在--スタンドを現そうとしたが、
「ぐはッ」
 グット・シャーロットは現れず、彼はそのまま顔と胸を打ち抜かれた。
 グッド・シャーロットは孤高の存在である。高みにいる。強者としての力を持つ。だからこそ、望んだ戦いにしか拳を示さない。
 奇妙なものだが、ジョエルはグッド・シャーロットと会話したわけでもないのに、それを頭ではなく心で理解していた。
 そして先程の瞬間は、自身の意思ではなく、生存本能で呼び出そうとしたのだ。それは、他者が羨むような、憧憬すら覚える黄金の精神ではない
 ゆえに、彼の持つスタンドは姿を現さない。
 彼は思わず舌を鳴らし……再び、顔を青ざめさせた。
「……俺は、なんで、殴り飛ばされてるんだ?」
 ジョエルは、意味もなく喉が渇いていくのを意識した。

 

******

 


「貴方のスタンドは強いわ……けど」


扉の向こうからキャサリンは十字を切りながら呟いた。


「私は死ねない訳がある」


キャサリンは扉を開けた。
このとき、キャサリンは開けない方が良かったのかもしれない。


「貴方は……まさか」

Qは死んでいない。弾丸を突風で飛ばし、身を守ったのだ。
しかし、急激な風は身を切り裂き、Qの体は傷だらけだった。


「貴方は死ねない訳があると言った。私にも死ねない訳がある」

Qは思った。記憶が戻るまでは死なない。

 

絶 対 に 

 


「もう一度突風を起こした……」

「キャア」

キャサリンとQは部屋へと吹っ飛ばされた。距離こそ離れているが、お互いの射程範囲内。

だがキャサリンの様子がおかしい。


「まさか……嘘よ……嘘嘘嘘嘘嘘!」
「な……何なの?」


キャサリンは泣いていた。床を激しく叩き、手には血を滲ませている。


『この人は何かおかしい……?』

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁッッッ!」

 


キャサリンはスタンドも出さず突っ込んでくる。


「気が狂ったの!?」

Qはマーズヴォルタを出し、キャサリンを殴った。キャサリンは吹っ飛ばされ、壁にぶつかる。


「何なの……泣いたり、狂ったりして……私を殺すんでしょ?」
「無理……よ」


キャサリンは呟いた。


「貴方は……私の妹だもの」

 

******

 

キャサリンをみながらQは何かにひっかかった

Q「…この人……」
どこかでみたような……姉さん?
ガッ!
後方から何かが床に落ちる音がして、Qは振り向いた。

Q「あれは………」
Qの拳銃だ。
父親に買ってもらった護身用の――!
Q「私の銃……?」
今自分が通ってきたドアの近くに‘記憶’にある自分の銃が落ちている。

ドドドドドドドド

拾って確かめた。
それはなくしたはずの記憶…。
Q「私の記憶―――」
ボロボロと涙が溢れ、歪んだ視界で銃を

カツーン、カツーン…

誰かが廊下を歩く音が響く

 

******

 


記憶がなくなってからの私は外に出るときは
フードを深くかぶるようにしていた。
私を知っている誰かが私を見つけないように。
思い出せない昔の記憶はつらいものばかりだったような気がしたから。。
しかし、今・・・・

ドドドドドドドド・・・・

 

******

 

 ジョエルのこめかみと左胸に、肩と同様の球体が張りついていた。
 奇妙というより説明がつかない感情だった。
 目の前の男がいつ部屋に入ってきたのか。
 Qはいつ部屋から出て行ったのか。
 自分はいつ殴られたのか。
 疑問が疑問を呼び、混乱が渦を巻く。
 恐怖にわずかながら目を泳がせていたジョエルに気を良くしたのか、MADが彼に張りついた球体を指差した。
「マーケットを付けられた者は記憶を失う。それが、マッド・カプセル・マーケットの能力。帽子かけも砕けないとあざ笑った時点で、お前の負けは決定していたのだ」
 ほんのかすかにMADは唇を吊り上げた。
「……と言っても、お前は覚えていないだろうがな。記憶を奪われる恐怖を味わい続け、何もわからずに死ぬがいい!」
 記憶を奪われたジョエルは覚えていないが、三度、マッド・カプセル・マーケットが襲いかかる。
 それを這いつくばるようにしてかわし、ジョエルは窓を突き破って外に飛びだした。
 地面に着地し、そのまま走りだす。
 明らかに分が悪い。
 背後からMADの怒声が届くが、それらを全て意識の外に追いやり、歩きなれた道を駆けながら思考を始めた。
 考えることこそ、探偵としての彼の本領だ。そしてスタンドを自由に使うことのできない自分は、考え、相手の裏を読むことで、自らの道を切り開いてきた。それはこれからも、この先も変えるつもりはない。
 袖をまくって腕時計を見、ジョエルはまず時間を確認した。
 Qと話していた時間から計算すれば、ほんの数分しかたっていない。
 数分単位の短い記憶を奪う能力なのか、それとも……。
「それより、こっちを気にした方がいいか」
 独りごちると、彼はこめかみを撫でた。胸と肩、そしてスタンドがついているという感覚だけがする、こめかみ。
 記憶を三つと数えるのもおかしな話だが、三つの記憶を奪われたと判断すべきか。
 ただ、一つだけは結論がでている。
 マッド・カプセル・マーケットは、自分と会ってからの記憶しか奪っていないという事実。
 もし、もっと過去の記憶が奪えるのならば、ジョエル自身がスタンド使いであるという記憶を奪えばいいはずだ。
 さらにジョエルの思考が深くなる。
 もし敵の脳内が読め、好きな記憶を奪えるなら、殴られた瞬間の記憶を消し続けて戦えばいい。そうすれば相手は何もできない。
 それができない理由は、マッド・カプセル・マーケットは新しいものから順に記憶を消していってるはずだからだ。
「消去法で考えればそれしかないな……」

 

******

 


キャサリン「………それ父さんにもらった銃よね……」
Q「…私は昔のことは覚えていない…、でもこの銃は」

カツーン、カツーン

足跡はどんどん近付いてくる。

Q「…それよりもあなたの仲間はまだいるの?あなたは私と戦う気がないみたいだけど」
キャサリン「え?ううん、来てるのはMADと二人…探偵を襲った男と私だけよ」

Q(じゃあこの足音は……止まった……?

え?)

足音は部屋の近くまできて静かになった、ドアはあいていた…。
しかし足音は、またはじまり入り口を姿を見せないまま‘隣’にある階段からまた聞えだした。


ドドドドドド

 

******

 


 走り続け、やや荒れた息を整えると、ジョエルは静かに立ち止まった。
「結論がでればいくらでも手はあるな」
 MADは迎え撃とうと振り返るが--追ってくる気配はがない。
「……しまった!」
 彼は、逃げた道を慌てて戻りだした。
 強敵であることには違いないが、能力を知っていれば対処の仕方もある。
 ただ、記憶を奪うという能力は、先手を打たれれば打たれるほど対処が難しくなるのだ。
「無事でいろよ………Q」
 宗教などまったく信じていないが、彼は神に祈りたい気持ちで路地を駆け抜けた。

 

******

 


ジョエルはそこまで考えると狭い路地に入った。
後方からは自分を追って来ている者の足跡がする。

ジョエル「・・・」

MAD「フン・・・どうやらあんたもここまでらしいな。」

ジョエルが逃げ込んだ先は行き止まりだった。

ジョエル「・・・俺が考えなしにここにまで逃げてきたと思うのか。」

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

ジョエル「ここならあんたは真正面から突っ込んでくるしかない。」

MAD「スタンドを使えないお前になにができる。」

ボゴォ!

MAD CAPSULE MARKETのカプセルがジョエルに命中した。


ジョエル「『MAD』・・・『スタンドはMAD CAPSULE MARKET』・・『記憶を奪うスタンド』・・・・『両手のカプセルに気をつけろ』・・・」


MAD「こ・・・これは・・・!」

周囲を囲む壁にはバカデカい文字でいくつもの言葉が書かれていた。

 

******

 


Q「上…?」
(確か上は屋上…、いやそれよりさっきの移動は…スタンド使い…?)

Qはキャサリンに話を聞こうと振り向いた。
キャサリンは憎しみの篭った目で廊下を睨み、部屋を飛び出した。

Q「えっ!姉さ――。」

姉さんと呼び掛けた自分に驚き、追い掛けるのが遅れた。

もしかすると、あの人は本当に私の姉さんかもしれない。
後を追いかけ階段をかけあがりながらQは思った。


屋上のドアはあいていて、強風と雨が入り込み、雷の音がうるさい。

屋上には二人いた――姉と

キャサリン「どうしてお前がこんなところに!!!----!!」


ドドドドドドドドドドドド


―――――――仇

 

******

 


キャサリン「シャイニングウェイ!!」

---「ほぉ、流石に私を倒そうとするだけあって面白いものを見せる。仇を見付けて少しはやる気が出たというところか」

まるで忍者の分身の術のようだった、シャイニングウェイの光をはねかえす性質と雨、ロードトゥデスティネーション全てを組み合わせて作り出した幻像だ。

キャサリンは銃を撃った、当たったかに見えたが仇は、完璧に不自然に避けた。

----「怒りから生まれる黄金の精神か、興味深いが手が足りないな」

 

******

 


ジョエル「これは俺の筆跡・・・『敵はMAD』・・・
これは・・・あんたか?」

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

MADはつばをゴクリと飲み込んだ。

MAD(こいつ・・・さっきまでのやつとは別人だ!!
恐怖心が・・・体の底からこみ上げてくる!!!)

ジョエル「その反応は・・・YES・・・だな。」

ジョエルはゆっくりとMADに方へ近づく。

ジョエル「『Qが危ない!』らしいんでな。
悪いが邪魔をするなら死んでもらう。
あんたの道は2つにひとつ。」

ドドドドドドド・・・

ジョエル「このまま尻尾振って逃げ出すか・・
ここで俺に殺されるかだ!」

 

******

 


「な……何故当たらないの!?」
「君は、ある神父の話を知っているか?」

ゆっくりと、子供に話すように語りかける。

「彼は少しの時間だが世界を手に入れた。だが、彼は死んだ」

「だから何なの!?」
謎の男はゆっくりと指をキャサリン・ウッドに向けた。


「彼は軽視しすぎたんだ。自分の弟をね。その結果、死んでしまった。私も少し軽視しすぎたよ。君の精神、そして……君の妹を…ね……」

そこには猛然と突進してくるQの姿があった。

「マーズヴォルタ!お姉ちゃんを助けるんだ!」
「来ないで!リーフ!」


謎の男が動いた。だがそれを感じ取れる人はいない。
それが彼の能力。


「……さよならだ。キャサリン・リーフ」

腕がリーフを貫いたかのように見えた。


「……」
「な……何!?」


そこには妹を庇う姉の姿をがあった。
スタンドの腕はリーフではなく、ウッドの胸を貫いている。


「リーフ……お父さんの……所で待ってるよ……」
「姉さーーーん!!」

瞬間的に、ヴォルタは覚醒した。
姉を殺した男への怒り、悲しみ。
それが渦となり男に襲いかかる。

「な……何だ。この渦は……ぐあああああ」
「お姉ちゃん……私はまだ逝かない。先にこいつを送るよ……」


キャサリン・ウッド
死亡

 

******

 


・・・俺の両親はいつも喧嘩ばかりしていた。
些細なことが理由でもすぐに大喧嘩になった。
友人が話す彼の家族はとても明るくて楽しそうで
なぜ俺の家だけこうなのだろう。そう思うと悲しくなった。
そして、ある日俺は勇気を出して聞いた。
『どうして、どうしてお父さんとお母さんはいつも喧嘩ばかりしてるの?』
その時、何かが壊れる音がした。
2人はすごい形相で俺に詰め寄りこう言った。
『誰の、誰のせいでこうなったと思っている!
全部、お前のせいだ!!』
中学に入り、引きこもるようになった俺は誰のことも信じられなかった。
あのお方にあったのはそんな時だった。
"俺が必要"
そう言ってくれた。
"必要としてくれる人がいた"
その事実が俺の精神を強くした。
俺は矢に貫かれる試験にクリアして
スタンド、MAD CAPSULE MARKETを手に入れた。
2人がこうなったのは俺のせい・・・
だったら俺のことなんて忘れて欲しい。
その純粋な想いが発現したスタンド・・・。
『あのお方の邪魔をするものは誰であろうと抹殺する!』

 

******

 


『この強烈なパワー……まずい!渦に飲み込まれる!』


「私の記憶、お父さん、そしてお姉ちゃんを奪ったおまえを絶対に許さない!」


渦は周りの物を巻き込み、引き裂きながら大きくなる。


『あまり使いたく無いが……それ以外に方法が無さそうだ』


スタンドの手が光だした。そして空間を切り裂き、裂け目を作った。


『キャサリン・リーフ。次は無いぞ……』

そう呟くと男は中に入り、裂け目を閉じた。

渦は消えた
男も消えた


あるのは瓦礫の山
そして

 


姉「キャサリン・ウッドの亡骸」

 


「とうとう……私は何も無くなっちゃった……」


リーフは泣いていた。だが、それは姉を失った時に流した涙では無い、別の涙だった。


Qことキャサリン・リーフ 戦意喪失でリタイア。

 

******

 


MAD「(俺の両親は・・すべて忘れた。俺のことはすべて・・・。
俺はまだ、成長できるはずだ、このMAD CAPSULE MARKETと共に!!!)MAD CAPSULE MARKET、ヤツの記憶を消せぇー!!」

バシュッ
カプセルは、10個ともジョエルに命中した。
成長したMADの能力ならジョエルの記憶はすべて消えていたはずだった。

MAD「なのに・・・なのに・・・なぜなんだァァァ!!」

ジョエルの目はしっかりとMADを捉えていた。

ゴゴゴゴゴ・・・

MAD(・・・あれは・・・やつのスタンド・・・いつの間に!!)

ジョエル「THE ANTHEM・・・スタンドの特殊能力を一定時間無効にする。
今は・・・5秒が限界ってとこか。
やれやれ・・・さっさとこいつを再起不能にしねぇとな」

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオララァァァァ!

MAD,再起不能

 


******

 


ジョエルがQのところに行った時にはもう、すべてが終わっていた。
残っていたものは女の死体とそのそばで泣き崩れているQ。
ジョエルにはかける言葉が見つからなかった。

ジョエル「腹が減った。帰るぞ。」

その言葉はすべてを失ったQにとって救いの言葉だった。

Q「・・・うん。」

To Be Continued...

 

 

 

 

最終更新:2007年05月25日 23:08