『月刊・ガチであった怖い話 編集部』のドアが開き、二人の男女が飛び出してきた。
男「編集長ぉ!今度は何なんスか!?オレ今日休みだったんじゃあ…??」
女「さっき傍受した情報によると、公園で何人かが暴れてるらしいの!警察車輌も総動員してる程ですもの…、特ダネの匂いがするわ!」
男「こんなまっ昼間から暴れる酔っぱらい…ってそれのドコが特ダネなんスかッ!?」
女「アンタがこないだ見たっていう列車内での奇妙な死闘よりゃいいかもしれないでしょ!
男「いやっそれはホントに…」
女「そ れ に!もしショボい写真しか撮れなくても他のアブれた編集部に持ってきゃいくらかにはなるわよ!」
男「…あ、なぁ~る。理解可能。」
女「カメラとマイク持ったわね!」
男「オッケース!」
女「警察より先に着かなかったら地獄へたたっ込むわよ!」
男「…マジっすか;」
―そして編集部は動き出す。
オレの名前は灰朗。この街で育った。バイトのつもりで編集部なんてとこで働きだしたはいいが、そこは鬼編集長のエレさんと二人だけ、二人で廃墟回ったり心霊スポットまでわざわざ行って取材したり
…だがよぉ…嫌いじゃあなかったぜ。エレさんキツイとこあるけど足がグンバツの美人だしよォ
今だから言うがアンタが好きだった…それを言いたかったのに…
あの時公園に行くべきじゃあなかった。オレは生まれつき勘がいい…危険な場所には近寄らない主義だ。なのになぜあの公園に…
灰朗「どぉぉぉしてなんだよぉ――――!!!」
ゴ ゴ ゴ ゴ
雨のあがった公園…だが憩う場というにはあまりに凄まじい闘いの傷跡があちこちに広がっている。その中程にいるのは灰朗とテツオ、そしてテツオのスタンドに腹を貫かれているエレもその場にふさわしいオブジェの一部にも見えた
テツオ「…フム珍しいな…スタンドの見える『だけの』人間とは…。この女を目の前で殺せば能力も発現すると思ったが…思い過ごしだったか…フッ」
―女は名前をエレといった。
『頑張れエレ』
『男なんかに負けるなエレ』
そう自分に言い聞かせてここまで頑張ってきた。そこに転がってきた特ダネの匂いのする事件…
公園に着いてみればタチの悪い冗談のような光景に変わっていて凄まじいほどの植物と倒れた滑り台に壊れたブランコ…
灰朗と一緒に手当たりしだい調べてたら…水溜まりから男が現れた…
「…君らも観戦者かね?」
ドス黒いオーラをまとっているような…それでいて私達に話しかける声は甘く、背筋に冷や汗が伝う…
ゴクリ。
エレ「あ、あな…アンタ何てとっから出てきてんのよッ!?ちょっ灰クン撮った!?ねえ!」
灰朗「いや…そんな事よりエレさん早く下がって…そいつは…ヤバい!ものすごくヤバい予感がするんだぁぁ!!」
エレ「もうなんだってのよきっと何かのショーなんでしょ…アンタもその一人なのよね?」
ドバァーーッ!
スタンドの腕にエレが貫かれている。しかし彼女はそれを見ることも出来ない
テツオ「もう黙れ女、それに質問には質問で返されるのが死ぬほど嫌いでね」
―テツオは考える。
ここ、この場所で何度スタンド使い達がしのぎを削り散っていったことだろう…同じ国、同じ街、そしてこの公園…。一見不可思議なことのようだがこれはスタンド使いにのみ許された試練なのだとテツオは数あるバトルを静かに見つめながらそう考えていた。そう、これは『楽園』に至るまでの試練なのだと。なかなか優秀な者達が残ってきた…『選別』もそろそろ佳境にさしかかってきたようだ…
しかしまさか私がただの人間に姿を見られてしまうとは…見られた以上は、この二人殺す以外ないな。まあどの道スタンド使い以外は死んでもらうのだがね。フフ。
しかし…女はともかく、もう一人の男…私のスタンドが見えているらしいが『霊感』のようなものか…どの道とるにたらん。
女が死ぬのを待つより早く奴を始末して去る事にしよう…
テツオ「そんなにビビるんじゃあない、なぜなら君も彼女とすぐにあの世で逢うことになるんだからなぁ」
テツオは腕を女の胴体から引き抜き男に向かって駆け寄ろうとした
その時。
エレがスタンドの腕をしっかり掴み、抜けないように『固定』した。
灰朗「エレさぁぁぁん!!」
我にかえった灰朗が叫ぶ。しかし…何をしたいんだエレさんは!?
エレ「ガフッ…ホント訳分からないけど、この痛みと尋常じゃあない出血…マジで私死ぬのね? そしてそんな私をまるでゴキブリでも見るように見てるあなたの仕業なのね…なら私のする事と言えば一つだけよ …灰クン私を撮りなさい!!」
テツオ「女。この期に及んで何を言っている。」
エレ「あら…私達は記者でね、特ダネは死んでも掴み取るのが仕事なのよ。ゴキブリよりタチが悪いんだから…」
灰朗の頬を涙が流れていく…最期まで、エレさんらしい…
パシャッ。
テツオ「!!?」
エレ「…そう…それでいい。これでアンタも一人前の記者よ。もう誰にも灰朗がマンモーニなんて呼ばせはしないんだから…」
灰朗「…エレさん、美人に撮れたッス…よ…」
エレ「ばか…」
力なく崩れ落ちるエレを一瞥して、テツオは灰朗に向かって容赦なく腕にしがみついていたモノを叩き付ける
灰朗「エレさん!」
テツオ「しっかり受け止めろハイロウとやら!!!次の瞬間貴様にニルヴァーナを叩き込むッ!私の受けた屈辱を何倍にもして返してやるぞぉぉッ!!!」
次の瞬間灰朗はしまったカメラをバッグごと投げた。…住宅街の方へ力一杯。
テツオ「フン何て事はないなぁ。貴様らを始末した後で拾いに行けばよかろうなのだぁ!」
ガッシャァァン。向こうでガラスの割れた音がした。
テツオ「チ。」
テツオが躊躇した時にはすでに灰朗はエレを受け止めそしてそのまま後ろへ飛ばされていった。