デュカ「シン!・・・シンってば!」
シン「ん?あー・・・どした?」
先ほどの場所から少し離れ廃棄されたマンションの1つに身を隠す二人
デュカ(何か考え事してるのね・・・)
シンはデュカを一度見て、また考え事をし始めたようだ
考えているときに話しを振ると、いつも『あー・・・』といってしまう癖がシンにはあった。
デュカ「何を考えてるの」
シン「あー・・・、まぁさっきの連中の事とか、だな」
デュカ「これからどうするの?」
シン「それも考えてるところだ・・・ん、一人きちまったみたいだな」
ジョーイ「“ビル風”っていうのはいいな、人工的でありながら自然的な風だ。
自然にある風よりも、強く早くオレの背を押してくれる・・・今のオレは最強・・・だな」
空中を走るように降りてきたジョーイは二人を探していた。
ジョーイは空中を飛べるわけではない、自分の周りにある空気の流れ“風”を操りかっこよく落ちてきたワケだ。
ド ド ド ド ド ド ド ド
風の中、何かが風を切りながら近づいてくる。
ジョーイ「なんだありゃ?」
デュカ「え?もう倒してきちゃったの?あの人強いんだねっ♪」
シン「違う、風を使うスタンド使いの方だ」
デュカ「えええっ!じゃぁやられちゃったのあの人?」
シン(あの人あの人うるせえな・・・そんなにチョコがうまかったのかよ)
デュカに対して苛立ちを感じながらシンは攻撃を仕掛けた。
ジョーイ「なんだおもちゃかよ」
飛んでくる物がスタンドではなく玩具であることに気づいたジョーイだったが無視はしなかった。
ジョーイ「・・・どっちかのスタンド攻撃な気がするな・・・“ブローウィン インザ ウインド”!!」
強烈なビル風を受けた玩具は、枯葉の様に舞い堕ちるか、砕けると考えていたが
ジョーイ「風に、乗りやがった!?」
玩具は風に乗り、ジョーイの真上で何かを出した。
ジョーイ「風よっ、護れ!!」
頭上で爆発が起きる
ジョーイ「ッ!!熱ぃ!!」
風で爆発からは身を護ったジョーイだったが、熱は完全に遮断できなかった
ジョーイ「本物のミサイルかよっ!“ブローウィン インザ ウインド”!!」
隕鉄を吹っ飛ばしたコークスクリューブローによって玩具は粉々に砕けて散った。
ジョーイ「・・・ここじゃぁオレは最強なんだよっ!!!」
シン「・・・最強かよ、最強ねぇ」
ニヤニヤしながらシンは小声でつぶやいていた。
自分のスタンドがやられたにも関らず。
デュカ「どうしたの?シン?」
シン「“JITTERIN’JINN”がやられた、だが」
デュカ「・・・うん」(嫌な予感・・・)
シン「あいつだけは倒しておかねえと、気がすまなくなっちまった」
デュカ「・・・うん」
シン「いいのか?」
デュカ「もう決めちゃってるじゃん。で、私はどうしたらいいの?相手はさっきみた強い人なんだよね」
シン「あぁ、だがあの時とは違って“強い”なんて思わねぇがな。
自分を最強なんていうやつはぶちのめしてやんねーと、気がすまねぇ
“キャラメル・ミルク”でさっき作ったやつをもう一度作ってくれ」
デュカは安心していた。
この状態になったシンに敵う者はいない。
今までもそうだった、どんなきつい戦いでもシンの前で“最強”と名乗るやつは皆二人にやられていたからだ。
シン「スタンドっていうのはよぉ、立ち止まる者じゃねぇ・・・そこを理解させてやる」
二人はリフボードの上に立つ。
“JITTERIN’JINN”
それは夕暮れの中で空を舞う。
*******
「デュカ・・・。
一つお願いがあるんだ。」
シンは神妙にデュカに話しかける。
「なぁに?」
デュカもまた神妙な顔をしている。
「この『リフボート』に乗っている時は、デュカ。
できるだけ無表情な顔して、俺の事を『 レ ン ト ン 』と呼んでくれ。
俺もデュカを『 エ ウ レ カ 』と呼ぶ。
良いかい?できるだけ、感情乏しく抑制的に呼ぶんだぞ。デュカ。」
・・・・・。
デュカは。
「また、その手の『プレイ』」なのねと思ったが。
そんなシンが『 可 愛 い 』と思えるので、
できるだけ無表情な顔して、感情乏しく抑制的に呼んで挙げた。
「解ったわ。 『 レ ン ト ン 』。」
シンは感じた。
交響詩篇エウレカセブン第1話にて、
ヒロインこと『エウレカ』が座り込んだ時、
スカートの隙間から『チラリと見えたモノ』を目撃した時の感情をッ!
「萌ぇぇぇ・・・・ッッ!」
シンはこの上無く嬉しそうだッ。
デュカは続ける。
「私の事、『エウレカ』と呼んで・・・。 『レントン』。」
・・・・・
「『リフボート』かぃ。
エウレカセブンとは恐れ入っちまう。俺も見てたぜ。
1期エンディングテーマが好きなんでね。」
意外とジョーイも知っていた。
そしてジョーイは口ずさむ。
生身のリフボート。生身の自身を風に乗せ。
「♪あの頃の小ィさなァー 僕が見上げるゥー
♪空はほんとォーオに広(ヒィーロ) ォオかァーったァーアー」
シンも口ずさむ
「♪好きな人(ヒィート)をー こーの手ェーで
♪守れるとォー思ォーってーた 本(ホォン)気ィーでェー」
ジョーイとシンの声は重なり合った。
「「 ど う し て 背 が 伸 び な い そ れ が 悔 し か っ た 」」
ジョーイが動いたッ!!
「派手に派手にド派手に行くぜぇえええええええ!!!」
「テメェー!レントンッ!!
キチンとリフボートを『使いこなせるか ァ ア ア ー ッ ! ! 』」
スタンド・ブローウィン インザ ウインド
能力・風が味方してくれる
風は、シン達付近の風を『荒っぽく』した。
「キャアアアア! レントンッッ!!」
デュカは震えて、怯える。
「違うな、デュカ。それじゃあ『萌えない』。」
シンは冷静だ。
「シン!『エウレカと呼ばなきゃッ!!』」
「もう良いンだ。デュカ、あの不良にレントンと呼ばれるのは不愉快だ。
だから、デュカ。俺の事を『 シ ン 』と呼んでくれ・・ッ。」
シンはデュカを抱き寄せる。
「解ったわ!『 シ ン ! ! 』」
デュカは幸せそうだ。
スタンド・JITTERIN’JINN (ジッタリンジン)
フィギュアにスタンドを憑依させ、自由に操る事が出来る。
そして、デュカと協力して作り上げたフィギュア『リフボート』は、
この程度の風でビクつく事はない。
「余裕ッ!
その余裕で、困難にビクつかない様に、『毛の生えた心臓』を感じたぜ!!」
「そして、許しを求めねぇーその姿勢ッ!
脱出時のドロドロと溶かしたスタンド能力ッ!
先に俺を攻撃した『ミサイル』での兵器攻撃ッッ!!」
「お前等が互いを愛するように、互い互いを愛し合った仲間をッ!
『俺 の ダ チ 公 達 を 殺 し た 奴 等 』と受け止めたぜぇええーッッ!!」
蛮声ッ!
ジョーイは絶叫甚だしく叫び声を挙げるッッ!!
「「ッッッ!!!!」」
シンとデュカは驚愕した。
このおっかない不良は『 復 讐 の 為 』に此処まで来たのかッ!
そしてッッ!!
「ソイツも。
俺達を殺しに来ているのか?不良・・・。」
なんだとッ!?
シンの声に後を振り向くジョーイッ!!
・・・・・。
「『 う わ あ ぉ お お オ オ オ オ オ オ オ オ オ ! ! ! 』」
夕暮れの空の上。
ソイツは宙空していた。
ソイツは空に浮いていた。
そしてソイツは『半透明であったッ!』
「貴方達が誰なのか解らないし・・・。
興味もあまり無い・・。
でも、これだけは解るのよね。そして言いたくて此処に来た。
『貴方達3人は 私 を 殺 し て い な い 。』」
D・M・Q。
かつてジョーイが『仲間と 取 り 合 っ た あ の 娘 』。
『 死んだバンド仲間の一人』であった。
*******
俺はこの娘を知っている。
いや、忘れるはずもない。
今まで一度だって忘れたことはなかった。
ボロボロの廃マンションで、こいつはいつだって輝いてた。
こいつのスタンドはシックスセンス。殴ったものを箱の中に閉じ込める能力だ。だがあの時、こいつはギリシア神話の「パンドラの箱」みたいに、絶望で詰まった廃マンションという箱の中で、こいつ自身が俺たちに残された唯一の『希望』だったんだ。しかし。
「何でお前、ここにいるんだよ……」
ジョーイの動きが止まる。
「ゆ、ゆ、ゆ、幽霊だあッッ!! シン、幽霊、幽霊出ちゃったよォォォッ!!」
「あー……、とりあえず落ち着け、デュカ。あとで服買ってやるから」
「うん……。でもシンが買ってくれる服っていつも……」
「ああ、次はエウレカのコス。カツラとヘアピンも付けるから」
少しあきれながらも微笑むデュカ。
「えっと……、どこから突っ込めばいいか困るけど、とりあえず少し落ち着いたよ。ありがとう、シン」
そしてもう一人。目の前の幽霊も寂しそうに微笑む。
「ごめんなさいねジョーイ。バンド、できなくなっちゃった……」
「なんだよ……。そんなこともういいんだよ……。でも、俺はお前たちとセッションしてる時が一番楽しかったんだ。あの時が一番楽しかったんだ……。だから、その大切な時間を、大切な場所を、何よりお前をあんな目に合わせたやつをぶっ殺さなきゃいけねェんだよォォォッ!!」
寂しそうな微笑みのまま、D・M・Qは言葉を返す。
「私も楽しかった。ジョーイを止める気もない。でも、もう一度言う。『貴方達3人は私を殺していない』」
「そう、か。じゃあ俺がこいつらと戦う理由はないってわけか……」
「あー……要するに勘違い野郎だったってことな」
「デュカが人殺しなんてするわけないでしょ! そんなことしてシンに嫌われたくないんだから!」
「でも、『あの男はこの街にいる』。だから、早く行って。あなたたちまで、あの男に踊らされる必要はないから」
「隕鉄!!」
「あの人達戦わなくていいんだッ! 止めに行かなきゃッ!! チョコ食べられなくなっちゃうよーッ!!」
(……またあの人かよ。チョコくらい食玩とかビックリマンとかいつもあげてるのに……)
「ジョーイ、最高のステージを期待してるから。大丈夫、あなたならやれる」
暮れゆく空の下、D・M・Qは上り来る星のように静かに笑った。ステージに上がる前、気分が乗らない時に励ましてくれたのと同じ笑顔で、眩しく笑った。
「二人とも、ジョーイをよろしくね。私からのささやかな贈り物、受け取ってくれるかしら」
そう言って『箱』を差し出し、能力を解除する。
箱から出てきたのは……チョコレートだった。
――――――
「私を再起不能にする、だと? それは面白い。でもよぉ、知ってるか? 『正義は勝つ』ッッ!!」
「甘いね。実に甘い。甘すぎてとけちゃいそうだね。僕の組曲は……」
「『正 義 は 勝 つ』ッッ!!!」
問答無用で殴りかかる隕鉄のツイスター。
だが突如、隕鉄の視界が遮られ、拳は宙を切る。
「鬼火っていうのは突然どこからともなく現れるんだ。そして、この世からあの世へと生きているものを誘う」
一歩下がって間合いを取った隕鉄の目の前を漂っていたのは、薄暗く光る球体。一瞬強く光ったかと思うと、宵闇の中に溶けるように消えた。
「そういえば僕も聞きたいことがあったんだ。君、霊感は強い方かい?」
「くだらん。そんなに霊が好きなら貴様も冥土に送ってくれる。……心配するな。三途の川の渡し賃はきっちり俺の拳で払ってやる」
「答えになってないよ、ウスノロクン」
秀丸の周りを、鬼火がいくつも浮かび上がる。
気がつけば、あたりはこの世のものとは思えぬ光景と化していた。
「どう? 一足お先に地獄に案内してみたんだけど」
組曲義経の幻。だが、暗い荒野に針の山、空はどんよりと得体の知れない雲がたなびき、どこからともなく低く唸るような呪詛の声が響く。
「なるほど。地獄に行く手間が省けたか。もちろん死ぬのは貴様の方だが」
「君の単純な攻撃でそれは無理だね。じゃあ、そろそろ僕も行かせてもらおうかッッ!!」
鎧武者のヴィジョンが刀を抜く。
「貴様を殺すのは私だと言ったァァッ!!!」
ツイスターが拳を構える。
二体のスタンド、二人のスタンド使いが、それぞれの目的のためにぶつかり合う。
*******
D・M・Q「私は、私の命が終わったあの日から、ずっとあの廃マンションにいたわ…
最初はわけがわからなかった
私ね、殺された瞬間のこと覚えてないの
気が付けば、私の周りには誰一人いなかった
そしてずっと…ずっとあの場所にいた…
孤独だったわ…誰もあの廃マンションに近寄らない…
でもある日ね、男の子と女の子が入り込んできたのよ」
そういいながらD・M・Qはシンとデュカにウインクした
D・M・Q「それから毎日彼らを見ていたわ…私達が過ごした雰囲気とはまるで違っていたけど、それでも昔を思い出してとても懐かしい気分だった…
本当はね、二人の前に姿を現そうと思ったんだけど、とても邪魔はできなくて…ね」
D・M・Qは少し顔を赤らめながら笑った
シン(じゃ…じゃあデュカにコスプレさせて『萌えェェッ!』とか言ったり二人でじゃれて遊んで『も~デュカってば可愛いなぁっこいつめっ』コツ~ン『てへっ』みたいな感じのやりとりも全部見られていたのかぁぁぁぁ~~~~~~~)
シンとデュカは穴があったらというか掘ってでも入りたい気分だったが、空中なので掘れなかった
D・M・Q「そして今日…ジョーイ、あなたが現れた
と思ったらいきなりケンカしてるんだもんなぁー
その次にこの子達を襲おうとするしさ…」
ジョーイ「それは、拳を交えてみねェーと相手がどんな奴かわからねえからッッ…」
D・M・Q「わかるわよ…少なくとも、私達を襲った犯人はね…
その瞬間は覚えていないけれど…あのドス黒い感じ…まさに『悪』の塊のような…
だから、ね、ジョーイ、そうやたらにあなたの『力』を訴えかけちゃあダメよ?」
ジョーイ「俺は…俺は…その…」
D・M・Qは愛おしそうにジョーイの顔を見つめる
この二人は付き合っていたのだろうか?D・M・Qのジョーイを見る眼は、デュカが俺を見る眼に似ている気がする
シンはそんなことを思った
D・M・Q「そろそろ私も行かなくちゃ…」
ジョーイ「行く?行くって…どこに行くって?」
D・M・Qはただ黙って空を見上げた
すでに日は落ち、星が輝き始めていた
ジョーイ「そんな…やめろ…行くな…行かないでくれッ
幽霊だって良い…俺のそばにいてくれ…」
D・M・Q「だめよ…私は本当はもうここにいてはならない人間だもの…
これで良いの…
だって、ジョーイに会えたんだもん」
D・M・Qはそう言ってニコリと微笑んだ
ジョーイ「D・M・Q…」
D・M・Q「さようなら…ジョーイ…」
そしてD・M・Qは、星空の中に静かに、
溶けるように消えていった
ジョーイは泣いていた
サングラスで眼は隠れているものの、頬を涙が伝っていくのをシンとデュカには見て取れた
その涙と一緒に、知らず知らずのうちに自分の溜まっていた『黒いもの』が洗い流されていくのを、ジョーイは感じた
しばらくして3人が元の廃マンションに戻ると、そこには呑気にチョコを頬張る秀丸と、倒れて気絶している隕鉄がいた
秀丸「やあ、すまないね、本当は俺が迎えにいくはずだったのにな」
秀丸はD・M・Qからいくらか話を聞いていたのだろうか、シンとデュカがジョーイと一緒に帰ってきた理由を理解しているようだった
秀丸「ええと…シンとデュカ…だったかな?僕が渡した電話番号の相手に電話をかけたかい?
…かけてないようだねェ~
よし、今からその人のところに会いにいこうッ
二人とも、まだ門限って時間じゃないだろう?
・・・それと、ジョーイ、アンタも来てもらうよ」
そして、4人は廃マンションをあとにした
*******
4人がマンションから離れて数分後…静寂を破り携帯が鳴った。
隕鉄は仰向けのまま電話にでた。
隕鉄「…ああ…俺だ…。いや…負けてはいない…スタンドが消滅したわけではないからな…」
隕鉄は額から滲む血を拭った。
隕鉄「…一つだけ…わかったことがある…。…この町で…スタンド使いを増やしているヤツはいなかった…。もちろんそれは俺でもないしお前でもない…。」
隕鉄はゆっくりと起き上がる。
隕鉄「ああ…見つけだすさ…俺の『正義』を貫くために…。スタンド使いは…皆殺しだ…。」
隕鉄もまた4人のように町へと消えていった…。
そのころマンションの屋上よりも遥かな上空。
D・M・Qは気まずそうに宙に浮いていた。
D・M・Q「やれやれだわ…。忘れていた…『犯人』を見つけるまで成仏できないんだった…」
…。
D・M・Q「気まずいわ…」
第4話 ゴースト インザ マンション オブ ラブ
to be
continue…