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通り雨が過ぎていった。

ヒデエモンは力の限りを尽くしていた。
迷宮を作り、扉のない部屋に隔離し、天井を落とし、
今までにない力の手ごたえを感じている。
俺のスタンド能力はいま最高に充実した、自由自在、無敵だ。

この獣野郎を、俺が退治してやる!

そう思っていた…なのに、なのに!

「てやんでぇ、なんなんだよぉ!この化け物はよぉ!!」

ヒデエモンの能力は隕鉄とやりあうには相性が悪すぎた。
何故なら相手は建築物を破壊する重機!
ブルドーザー!
もっと言えば巨大ドリル!!

どんどんと壁を掘り進む。
カーペンターズの修繕速度が足りない。

「オヤカタ、モウムリダ!」
「シュウゼンガオイツカネェ!」

隕鉄を自分のフィールドに追い込んだまでは良かった。
しかし、直しては壊し、直しては壊し、
相手は単純作業だがこっちは繊細な工程と計算が必要なのだ、
精神力の磨り減り方が桁違いだ。

「きばれっ!カーペンタァァァァァズ!!」

自分はここを離れられない、
しかしコウは目を覚まさない。

「姐さん!姐さん!」

ヒデエモンの集中力は限界を迎えていた、
「くそっ」膝が崩れる。

「キタ!キタヨォ!!」
「ヒィィィィィィィィアァァァ!!」

正面の壁が弾けとび瓦礫が舞う。
『ツイスター・レボリューショナリー・レボリューション』
その力を隕鉄は完全にコントロールできるようになっていた。

どんな権力も、知性も、人生も、
身に降りかかってしまった圧倒的な暴力の前では無力。

「諸行無常だな…」隕鉄はヒデエモンに迫る、
それはまさに破壊の権化。

「話は、一人残せば聞けるよなぁ?
選ばせてやるよ、先に死ぬか、
女が細切れになった後に話して死ぬか」

ヒデエモンに力は残ってなかった、
「てやんでぇ…俺っちから殺しやがれ…」
自分の無力が嘆かわしかった。

犬死にか……。

「待って!!」
シバミの声がヒデエモンに届く。

コウが戦闘中にWWWの力で携帯に触れずに、
シバミに助けを求めていたのだ。

シバミがヒデエモンの傍らに駆けつける、
崩れ落ちるヒデエモン。

「アンタ、よく踏ん張っててくれた」

「オマエか、ナガセを倒したスタンド使いってのは?」

「そうよ、アンタよくも好き放題やってくれたわね」
隕鉄をまっこうから睨み付けるシバミ。

「駄目だ姉御!そいつは次元が違う、
俺っちたちの手に負えねぇ!
佐藤先生かホモの兄ちゃんに助けを求めるんだ!」

「ホモに助けを求めるぅ…ごめんだね!」

この敵は強いのだろう、しかし、
助けを呼んで間に合う訳もなく、
二人を置いて逃げる訳にもいかない。

「なまっちょろいなぁ、オマエのチームは」
よほど戦いに慣れていなければ、とても隕鉄には敵わない。

しかし皮肉なことにタチバナはもういない、
そして佐藤は敵の手に落ちた、
そのことをシバミたちは知らない。

隕鉄の携帯が震える、表示は……ウェイ?
シバミたちを意識しながら隕鉄はその電話に出る。

「いま取り込み中だ……ふはっ、よお!」

「……隕鉄か?」

「そうだよ、親友」

携帯の先から聞こえるのはザキの声だ。
ウェイを撃って直後、
手掛かりにとしっかり携帯だけは回収しておいた。
直前にかけた履歴にこの番号が残っているのだから。

「オマエ、何やってるんだよ!
オマエがスタンド使いを殺して回ってる
犯人だとでも言うのか!」

ザキはそれを言葉にしても、
その明確なハズの答えを信じてはいなかった。

しかし、「そうさ、オレだよ」隕鉄は挑発する。

「なあザキ、どうやらオレにはオマエが必要だぜ。
今夜会おう、今夜だ、あの場所で待っていろ、
分かるな?殺し合いをしようぜ」

「待て、話を聞かせてくれ!隕鉄!隕て……」
隕鉄は携帯の電源を切る

シバミと対峙する隕鉄。

「ザキ、土産に仲間の死体を三つ持っていくぜ…」


夏の雨。それはいい加減で、降るタイミング、止むタイミングを掴めない。
晴れたと思った雨は、また大地を濡らしていた。

「シバミさんとやらよぉ……あんたはザキのこれか?」
隕鉄は小指をシバミに立てて見せた。

「……だからどうしたの?」
「やっぱりよ。普通の仲間を殺されるより、恋人を殺される方が絶望は大きいだろ?」
「……」
「まあ殺されるお前には関係無いか。構えな。無駄な努力だがな」

シバミは一向に構えを見せない。戦意を喪失しているようにも見える。

「ツイスター!捻り殺せ!」

しかし、その拳はシバミに当たる寸前に回避された。2打目、3打目、4打目も同じように空を切る。

「くそっ!くそっ!」
「酔えば酔うほど……私は強くなる」

シバミが隙をつき、隕鉄の顔面にカウンターを叩き込んだ。


プーツン


「死に方を選ばせてやる……捻られて死ぬか、それとも……」

ツイスターRR。物体のみならず、空間さえも捻る強力なスタンド。

「やっぱり捻られて死ぬか……だ」

空間が捻られて、シバミは隕鉄に対して背中を向ける恰好になる。

「いくら酔拳の達人でも、背後から超スピードで迫る者は避けれないよなぁ?」
隕鉄は背後で吠えた。既に突撃の構えを見せている。

「貴方は……自分で詰んだのよ。私の能力を知っておいて、私に準備させる時間を与えた。」

シバミの能力。水分を酒にする。

「シバミディア。雨を酒にして……」

シバミと隕鉄の間に降る雨は、全て酒になる。
スピリタス。ナガセと戦った時に使った酒。

「ちぃ!だからどうした?」
「こうするのよ」

シバミが持っていた物、それはライター。どこにでもある、100円のライター。


「隕石のように……燃え尽きろ」
「ツイスター!上を捻じ曲げろ!」

隕鉄はライターを投げて来るのかと思った。
それは大きな誤算だった。

カッ


足元の水溜まりが次々と火の海になる。
隕鉄はその海の中にいた。

「あああああああああああ」

隕鉄の絶叫が辺りに響玉した。

「ヒデエモン、コウを運ぶの……手伝って……」
「……わかりやした」


途中、ヒデエモンは気が付いた。
後ろに……気配がある。
そこには大火傷をした隕鉄が立っていた。


まだ隕鉄の命は燃え尽きていなかった……

「あ、、シバミの姉御!!」
「!!」

振り返ると、そこには身体を焼かれながらも、二人に迫る隕鉄の姿があった。

「て、、てめぇ、、、逃がすか、よ。」

なんという、、執念!
何だ? いったい、何が奴をここまで動かすんだ?

「ツイスタァーー!俺の周囲の空気を、、、捩じきれッ!!」


     グシュウシュァァア!!


ツイスターRRによって、隕鉄の周囲の空気が捩れ、渦を作り炎が隕鉄から分離する!!

「グゥッッ!!」

しかし、螺旋状に立ち上ったいくつもの炎は、その回転力ゆえに、隕鉄自身に容赦なく炎の爪痕を残す

「き、、きついぜ。 はぁ、、はぁ、、少々手荒だが、、。 だが、これで、俺の身体からやっかいな炎は離れた、、。 そして、、この炎の渦を、、逆に利用してやる!喰らえぇぇッッ!」

シバミ達と隕鉄の間に、、大きな空気の渦を発生させる
渦とは空気の回転。シバミ達の周りにある空気を隕鉄側に回転させれば、、、隕鉄の周囲の空気は当然、、、

「焼け死にやがれ!」
「なッッ!」「うわぁ!!」

大量の炎の渦が猛スピードでシバミ達に襲いかかる!
そして、、彼女らを飲み込もうとした、その瞬間!!



[右斜め、下側の空間にラッシュを!]


「、、、え!?」


シバミの耳に、、直接声が響いた

(声、、?いったい、、)



「シバミッッッ!早く!! あの、渦と渦の隙間を打ちまくるのよッッッ!!『見える』はずよ!!」

「ハッ!」
「ディアアァァァァアァァーーーーーーッッッ!!」

シバミの目に、確かにそれは『見えた』。
自分の打つべきポイントが、くっきりと色が変わって差別化されている。

「無駄だ! そんなラッシュで炎を防げる訳、、、!!
ッッ!?何ィ!!!」


炎が、、シバミ達をすり抜ける
いや、すり抜けたのではない。 避けて通ったのだ


「どうなっている、、。」

「どんなに希望がないように見えても、、見えないだけ。 それは確かにある、、。 空気と空気がぶつかり合う、、『狭間』がね。 そこをシバミディアのラッシュで無理矢理こじ開けた。 ほんと、、危なかったわ。 でも、よかった、気がついたのね、、コウ。」


「私の能力は、、情報を入手する能力。 力の流れを計算し、、その死角を見つけ出す。 とっさにあなたの脳に直接W・W・Wで情報を流し込んだんだけど、、問題は無いみたいね、、。」

コウは、、傷だらけの身体で、、シバミに微笑んだ。

隕鉄は苛ついている。
あのシバミとかいう女が出て来たあたりから… 何かがおかしい。

様子見に回った、前回の戦いはともかく、だ。
何故俺が、殺す気で戦って、この程度の奴らを殺せない?

隕鉄は苛つき、舌打ちしながら、ガードレールを捻り切る。


『らしくないねえ、隕鉄さんってば』



…。



『大振りの攻撃ばっかり振り回しちゃって』



ああ…。そうか。お前か。
お前が、理由か。



『え、ナニナニ?
俺が死んじゃって、そんなに動揺しちゃった?』



何時も…。俺を苛つかせる男だ。

ヘラヘラして。
時々、解ったような口を聞く。
命を懸けられる程の度胸も無い癖に…
俺に命を預けやがった。



『いい加減さあ~、しゃんとしなって。
俺なんて隕鉄さんにとっちゃ、どうでも良いしょ?』



  ふ  ざ  け  る  な  ッ  !



隕鉄の雰囲気が、一瞬で変わったのは…シバミ達にも伝わった。
無言でゆっくりと、三人に歩み寄る隕鉄。
隕鉄の背後で、ゆっくりと、ガードレールが捻れて行く。

「…え?

…駄目…シバ、ミ…ッ。逃げて…」

コウの言葉よりも、歩み寄る隕鉄に何故か気圧されながら、
シバミは強く首を振る。

「今離脱したらヤバいのよ…
各個撃破されたら、あんた達じゃ絶対相手にならない!
力が合わせられる今…アイツをブッ叩く!」

「無理…私達じゃ勝てない…
そう、タチバナさん、を…」

「あんなホモッ!!!それに居ないしあのホモッ!!!
ってわけでぇ、サポート頼むわよ、コウッ!」

叫び、前に立つシバミ。
その顔が、更に加えられた酒気により赤くなる。

「…未熟」

「ハぁア?それが負けてる側の言うセリフぅ?」

「ああ。俺の…未熟」

現れる、ツイスターRR。

「仲間を失ったこの感情を抑えられず…
しかし認められもしない…
未熟の極み…アマ過ぎる」

近まる、距離。

「な~にぃ、今更謝りたいってぇ?
許さないわよぉ!あんたこそ私の仲間、こんなにしといて!」

「謝罪はしよう、この腑抜けた戦いに。
だから…一瞬で決めてくれるッ!」

振るわれるツイスターの拳。
五連のラッシュを、シバミは超人的スピードで、
全て回避してみせる。
ツイスターの恐ろしさは、その一撃必殺の攻撃力…
故に、回避してしまえば、しょせん無意味…

[…じゃ、ない…ッ!]

「え…?」

ツイスターが最後に拳を繰り出した右足元の空気が、
ゆっくりと捻れだした。

「クッ!」

慌てて逆に飛ぶシバミ。
そして…最初にツイスターが拳を振るった、左肩…
今まさにシバミが飛んだ空間が、突然急激に捻れる!

「か…ハッ!」

体に直接食らったわけではない。致命傷にはならない。
しかしモロに捻れに巻き込まれ、動きが止まるのは避けられない。

そこを…

ツイスターの右拳が、吹き飛ばした。

ツイスターは本来、単純な力押しのスタンドではない。
時間差の空間の捻れ。
場所不定。
攻撃パターンは無限大。
近距離限定ではあるが、ツイスターに拳を振るわせれば…

当たろうが当たるまいが、そいつは既に敗北している。

「姐御ぉっっ!!!」

[ウソ…シバミィィィィッ!]

冷ややかな視線を送る、隕鉄。
しばしの沈黙…。

「…ツイスターの能力は、使っていない」

「[!!]」

「当たり前だ…このザマで…相手を殺せば、勝利だとでも?」

ボロボロの己の胸に、強く爪を立てる隕鉄。

「その酔っ払いに伝言しておけ…
次は最初から全壊で、殺すとな…ッ!!」

「まち…やがれい…っ!」

去ろうとする隕鉄に、弱々しくヒデエモンが声をかける。

「…もう、今日は貴様等に用事はない。
捻りきった後の、微塵のひとつまみ程にもな」

「名乗れねえお嬢と姉御に変わって言ってやらあ…
俺っちはヒデエモン!こっちはコウ!
そして!この人の名は、シバミ姐さんよ!」

しばしの沈黙。

「俺は…隕鉄」

ただそれだけを残し、男は去って行く。


【ヒデエモン:カーペンターズ
 コウ:W・W・W
 シバミ:シバミディア
 隕鉄:ツイスター
  全員 生存…】


――――病室からガヤガヤと騒がしい声が聞こえる。


「いやぁ、何とか助かったわねェ~~
…ヒック」

「姉御ォォ!!それはいーんですが、病室で酒はやめた方がイィとあっしは思うんすが…」

「ひっく、ウッサイわねぇ…命の水らのよォォ~」


「シバミさん……知らないっスよぉ、僕前回のこともあって、先生とか看護師にかなり目つけられてんですから……」

「らによォォ、ザキのくせにィィ…!!」

「……(ハァ、駄目だこの人。)」



あの戦いの後、
そのまま3人は病院に運ばれたのだった。

しかも、なんの因果かザキが入院している病院に…。


「はれぇ……そーいやコゥはァァ~!?」

「お嬢ならまだ眠ってやすよ」

「そっかァァ、なら仕方らいわねぇ~~
(あとでお酒もっていこ~っと♪)」


コツコツコツ…
ゆっくりと足音が聞こえる。
「ったく不良患者どもが……ちょっとはおとなしく出来ないのかよ。
ッて、あ!
アンタらみんなツレかよ。。。」

頭をかきむしりながらDr.ERが回診にあらわれる。

「そんな事よりさぁ…先生もいっしょに飲みませしょうよぉぉ~」
「(…まぁまぁイイ女だ)駄目だ。
今は仕事中、
………
でも、もしよかったら今晩にでもぉ~~」

そう言うおうと瞬間
、おもいっきりはたかられるDr。

スパァァ―ん!!

「ィ痛いィィ!」

「先生、何患者さん口説こうとしてるんですか。…院長に直訴しますよ。
そんな事より次の患者さんが待ってますよ。」

「はァァ~い、行きますよ、行きゃいいんでしょ。」

かけつけた看護師そう言われると、

ふて腐れながらもせっせと準備するDr。

「おっと。言い忘れるところだった。

もしまた何かあったら教えてくれ。俺も協力するよ。
なんだかこの町は気になる事が多過ぎるんでな。
ま、そーいうわけだ。じゃなっ!」

そう言うと
Dr.ERは病室をさっていった

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ぶっちゃけ私って、普通の女子高生じゃない?

私は学校に戻って来た。
ウチのガッコはスポーツ弱いから、この時間に活動してる部活なんてない、静かなものだ。
もっとも私は帰宅部で、学校すら頻繁に休むけど。

誰もいない校庭には、ただ一人高跳びの練習をしてる田中の姿があった。
陸上部なんて弱すぎて大会もろくに出ないのにね。

私はしきりに陸上はダサいとか、無駄な努力が暑苦しいとか言ってた、
陸上とかマラソンとか、特にキツそうなのにゲームの要素もないようなスポーツは、
めんどくがりの私から言わせたら拷問以外のなんでもないから。

でも何でだろう?無性に応援したくなる。

「おーい!がんばれよーっ!」
エールを送ると「なんだよ気持ち悪ぃなぁ!」とヤツは爽やかに笑う。
ちょっとキュンとした。


スタンド能力を持っているとどうしても戦いに巻き込まれてしまうから、能力を無くす。
という説明をサトヨシさんから受けた。
エレチュンとの別れを惜しむ私にサトヨシさんは猶予をくれて、
私は空が近くて広い、よく授業をサボって昼寝した屋上で、エレチュンと最後の時間を過ごすことにした。

エレチュンは頭上を飛び回る。

好きな人が死んだ……。
なんて言うと少女漫画みたいだけど、正直あの人のこと何もしらないしね。
私、妄想癖あるからすぐ舞い上がっちゃうのよ、
でも妄想って自分に都合がいいから、後でガッカリするのはもうなれた。

戦いだって、現実味が無かった。
現場に戻って驚いたもの、敵の死骸がスプラッタ映画のゾンビよりグチャグチャで…。
そう、あの人の死体なんて……欠片も残ってな…。
冷や汗が溢れ出た、鳥肌が立って体がガタガタ震えた。

ムリムリムリ!

だって私は缶蹴りしただけだもの!
どうやって倒されたかも覚えていないもの!

あの人はそんな戦いを1人でずっとしていたとか、
サトヨシさんと出会った時の話とかも聞いた、
凄い人だったんだ、私とは別世界の人。

ぶっちゃけ私、ただの女子高生じゃない?

あーあ、エレチュンと別れるのは悲しいな…。
でも私、死にたくないもの。「さようならだね」


「おーい、アンコ!」
「殺すよ!」
帰りがけ、1人で片付けをしていた田中を手伝う。

「つきあわないか?」

わあ!?突然切り出されたもんで驚いた。
驚いた…けど、嫌じゃない。
それはなんか自然な気がした、なんの抵抗もない。
同級生の恋人ができて、普通の女子高生らしく過ごす。

オッケー、付き合いましょう、良いことあるじゃーん。

でも返事を返す前に田中が「大丈夫か?」と聞いてきて、
私は自分の目からボロボロ涙が流れ落ちていることに気がついた。

だって、だってさ、今まで私は、
「何ができるか?」とか「何になりたいか?」とか考えないで生きてきた。
「楽しい」「めんどくさい」判断の基準がそれしかなかった。
あの人はあんなに!命だって投げ出せるのに!私は情けないよっ!

田中は慰めてくれて、「好きな人いるの?」とそれだけ聞いてきた。
私は「うん」と答えた。
あの優しい佐藤先生や、あの人が大好きなサトヨシさんが命の危険にさらされてるのに、
私は今までみたいにダラダラ昼寝して、携帯いじって、スナック菓子食べて、カラオケなんて言ってられない。
田中はいつもみたいに笑って見送ってくれた。
私、アンタをちょっと尊敬するよ。

あー、泣いちまった、恥ずかしい、死にたい。
私は佐藤先生が迎えに来てくれる予定の場所に行くと、変わりに土星さんが来ていた。

「私、やっぱりそっち側に行くよ」

あの人の代わりにはなれないだろうけど、見て見ぬフリはしないことに決めた。
あの人を見習って一分一秒をちゃんと生きる!…努力はする……多分する。

「ぽえ~ん」

土星さんは少し悲しそうな顔をした。


さて、ここで僕、土星さんからの問題。
これまでの流れから、レッドとは別にスタンド使いを皆殺しにしたい人物がいます。
当然、強すぎるレッドは邪魔なので、死ぬように手引きしたことでしょう。
誰もが知ってる訳じゃないシバミ達の情報を隕鉄にリークした人物がいます。
同じく佐藤先生の情報もツチノコスターにリークした人物がいます。

それができた人物は誰でしょう?

結果、最強のスタンド使いレッドとその部下を一網打尽にした上に、、邪魔者タチバナまでも始末できた。嬉しい悲鳴だね。
今回シバミ達の壊滅を目的のように見せて、メインのサトヨシを孤立させる作戦は完了してるんだよね。

「土星さん電話?」
可愛そうな杏子さん、可愛そうな杏子さんは、僕が携帯を持っていることが意外そうだ。

僕は電話に出る、表示はツチノコスター。
「こんぷりーと もどって せいかん」

結果は上々、あとは我が強くて作戦に組み込み難い隕鉄と、それに依存しすぎのウェイは、
シバミ達も含めてできるだけ多く潰しあってくれたら最高。
だから僕らはしばらく隠れて様子見に徹しようじゃないか。

さあ、隕鉄、ハデに暴れるんだね。全員死んだらベストなんだから。


第6話「螺旋花」
to be continued...

最終更新:2007年06月23日 01:24