私は・・ここを知っていた。
ここまでどうやってきたか思い出せない。
気づいた時は研究所だった場所の前に私は来ていた。
Q「う、薄気味悪いところね。
いかにも廃墟って感じだわ。」
マーズ「ムカーシムカーシ ソコデワ アルジンタイジッケンガオコナワレテイタ。
カレラノ オンネンガ シニンノタマシイヲ トドマラセ・・・
ソコワ アクリョウノソウクツニナッテイタノダッ!!!!!」
Q「ひゃぁっ!
ちょちょちょちょちょちょっと怖がらせないでよ!!
だだだだ大体・・・霊なんているわけが・・・」
???「たすけて・・・おねえちゃん・・・怖いよ。」
声の先には2人のそっくりな女の子が座っていた。
Q「ひぃ!」
思わず声を上げたが向こうはこちらに気づいていないようだ。
Q「大丈夫?」
???「だいじょうぶだよ。お父さんを信じて、リーフ。」
リーフと呼ばれたほうは泣きじゃくっている。
Q「これは・・・」
Qが見ていたのは幼いころの自分の姿だった。
Q「わたしは・・・ここに来たことがあるの・・・?」
リーフ「・・・うん。がんばる。」
ウッド「行くよ。」
2人は手をつないで研究所の奥へと消えていった。
******
ジョエル「お前の不運は・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・
ジョエル「今この時この場所に
この俺がいた事だ。」
ジョエルはテツオの足元に横たわっているムトウの死体を見る。
テツオ「・・・なんのマネだ?」
そして顔を上げたジョエルの目からは戸惑いの色は消えうせていた。
ジョエル「観念しろ。
犯人は・・・
お前だ。」
ドドドドドドドド・・・
テツオ「探偵が・・・でしゃばり過ぎです。
浮気調査でもしてればよかったものを・・・
すぐにあなたもこいつのようにしてあげますよ。」
テツオはムトウを蹴っ飛ばして脇にやった。
ジョエル「・・・てめぇ」
******
Q「なななななんなんあの子達!
人のこと完璧無視じゃん!」
Qは今見たものが信じられなかった。
幼いころの自分と姉。
こんな記憶は自分のなかになかった。
マーズ「JEEZ。オイマショウ。ナニカワカルカモシレマセン。」
マーズの方を見る
Q「あなたは・・・この頃の私を知っているの?」
マーズ「マダシリマセン。マダデス。モウスコシデスガ・・・」
Q「まだ・・・?き・・・気になる。。
て・・・置いて行かないでよ!!」
怖いんじゃぁないよ。怖くなんかぁない。
自分に言い聞かせながら先に進む。
???「いい子にしてるんだ。2人とも。
さぁ、目をつぶって。一瞬で終わるから。」
そう言うとその男は近くに置いてあった矢を取り・・・
Q「父さんっ!!」
2人に突き刺した。
Q「なにしてるんだァァァッ!!」
父「あの2人にスタンド能力が目覚めれば・・・
フフフ・・・楽園へまた1歩近づける。」
Q「う・・・うそだっ!
記憶の中の父さんは・・・私たちに優しくしてくれた!
こんなの父さんじゃァないッ!」
人がささやき合ってる声が聞こえる。
「まったく。所長も狂ってるよ。
研究のために施設から子供を引き取ったんだろ。
かわいそうに。あの子達も。」
「でもあの子達はあの人のことを
"今までずっと育ててくれた優しいお父さん"だって思ってるのよね。」
「記憶を捏造するスタンドかぁ。
怖い能力だね。所長のスタンドは。」
Q「そ・・・そんなばかな。
全部・・・全部嘘だったのかァァァ!!!?」
******
鉄雄はジョエルを挑発し、少しでも優位に立とうと策謀を張り巡らせていた。
1対1になった。
だがそれでも鉄雄が絶対的に有利に立ったわけではない。
"ジ・アンセム"。
その能力は「王」の能力。
スタンドを統べる力。
スタンド能力を消滅させる力。
鉄雄はその能力を知っていた。
それはこの廃墟(研究所)で産まれた能力だった。
"ジ・アンセム"は宿主を持たないスタンド。
さまようスタンド。
何者にも憑かず、関わらないスタンドだった。
はずだった・・・。
鉄雄「その男を選んだワケか・・・。いいだろう"ジ・アンセム"!!お前を超えて!!私は真の"王"になる!!!!!」
******
その光景は消えた。
残ったのは廃墟だけだった。
マーズ「ジッケンワ セイコウシタ。
ソシテ、ニルヴァーナガウマレタ」
Q「嘘よ!だって・・・
記憶を書き換えられたんでしょ!だったら覚えてるはずが・・・」
マーズ「キオクハナクナリマセン。
ワスレルコトワ アリマスガ、ソレワ キオクガ "オクニ シマワレテシマウ"カラデス。」
じゃぁ・・・
そのときQはあることに気がついた。
放置されていた実験道具の何個かは埃がまったくかぶっていなかったのだ。
マーズ「JEEZ。コレハ タイヘン WEIRD(ヘン)デスネ」
Q「不自然だわ。」
これが意味することは・・・
今も誰かがここを使っている。
ゴゴゴゴゴゴ・・・
******
鉄雄「お前の右腕、アンセムの力を見せてもらおう
シルバーチャリオッツ!!」
白銀のナイトのようなスタンドがジョエルを襲う、が
ジョエル「グッドシャーロット!」
ジョエルの右腕に殴られ消えていく
ジョエル「コピーが本物を越えるなんて有り得ない!本体のいないスタンドなんて張り子だっ!
グッドシャーロット!」
一瞬
一瞬だった
ジョエルが鉄雄のを射程に入れた
ジョエル「オラオラオラオラオラ!!
オラー―――!!
こいつは、ムトウの分だぁぁぁぁぁぁ!!!!
もいっぱぁぁぁぁぁつッッッ!!!!
ダラァ!!!!!」
鉄雄は骨の砕ける音と供に吹っ飛んだ。
鉄雄(な、なんだと………完璧にアンセムが発動している!!)
******
???「もう、いやだったんだ」
後方から声がした。
???「ここのやつらはクソばっかでよぉ
ニルヴァーナが出来たとたん"自分の物だって"でしゃばりやがって。
ブッ殺してやりたくなったよ。」
Q「でもあなたは悪にはなりたくなかった。
そうでしょ、父さん。」
父「その通りだ。平和にすごしたかったんだよ。私は。
だから」
Q「テツオにニルヴァーナをつけた。」
父「ああ。でもさぁ・・・見てると欲しくなるんだよ。
最強の力が。だから、お前をここに連れてきた。」
全部罠だったのだ。
ウィィィィィン
機械が起動する音がする。
Qはいつの間にか箱の中に閉じ込められていた。
******
鉄雄「やるじゃあないか…ジョエル…
だがな…勝つのは私だ…『楽園』の完成は…もうそこまで来ているのだッッ」
鉄雄は体を起こし、立ち上がった
ジョエル「…完璧に骨を砕く感触があったぜ…そんなことを言ってられるのか…?俺は…自分自身に…勝った…
そして…貴様に勝つッッ!!!」
鉄雄「フン…忘れたのか…?ここは精神のみの迷宮世界…
お前はまだここから出られるかどうかもわからないのだぞ…?」」
フリー・ループで作られた迷宮世界から出るには、その奥にある『何か』を手に入れなければならない。
その『何か』とは何なのか。
それは手に入れてみなければわからない。
ジョエル「確かに…俺はまだその『何か』ってやつが見当もつかない…
だが…俺は生きる…
俺の中にあるムトウとジキルの『意志』と共にッッッ!!!!」
そうジョエルが叫んだ瞬間、辺りがまばゆい光に包み込まれた
頭の中に鉄雄の声が響く
『さすがだなジョエル…それでこそ我が『楽園』への挑戦者だ…
最後のステージに…お前を案内しよう…』
気がつくと、そこはどこかの研究室のようであった。
埃をかぶった実験器具がいくつもならべられている。
ジョエル「抜け出したのか…俺は…」
手に入れなければならない『何か』
それは、すべての人間のすぐそばにいつも存在する
だがそれは簡単には手に入らない
ジョエル「理解したぜ…
手に入れなければいけなかったものは…
『希望』
なんじゃあないか…
どんな最悪な状況でもあきらめない心の『強さ』…
真っ暗な闇の中にある一筋の光…それが『希望』なんだ…
どうしようも無い状況に陥ると、人間ってやつは色々なモノを見失ってしまう…
困難や、強い敵を前にして、少しでもあきらめの気持ちを持つこと…それが『弱さ』…
この『グッド・シャーロット・ジ・アンセム』はその『弱さ』を打ち消す『希望』の光なんだ…
いつの世でもッ!絶対に見失うことのない『希望』こそが最強の武器なんだッッ!!!
鉄雄…どこにいる…?
最後の勝負をしようじゃないか…」
そしてジョエルは走り出した
******
ジョエル「ここは…何かの研究所なのか…?実験室みたいなものがたくさんあるな…」
ジョエルは長い廊下を駆けていた
…遠くで何か機械が作動しているような音が聞こえる気がする
ジョエル「荒れっぷりから廃墟かと思ったが…まだ使われているのか?」
目の前に、二人の何者かが立っていることに気がついた。
ジョエル「お前達は…」
そこに立っていたのはホワイトと、ブラックであった。
ジョエル「鉄雄は…鉄雄はどこにいるッ!」
ブラックとホワイトは何も言わず、ただ二人同時に、階段を指差した。
ジョエル「あの上か…!」
二人は言葉を発することなく、ジョエルに道を開けた。
ジョエル「じゃあな…行くぜ」
ただ黙ったまま、二人はジョエルを見送った。
ジョエル「この階段をあがれば…やつが…鉄雄が待っている!」
ジョエルは全身に感じていた
鉄雄の強大なエネルギーを
そしてまた、鉄雄も読み取っていた
ジョエルの揺ぎ無い意志を…
長い階段を昇り終えると、そこには大きな扉があった。
この先は屋上のようだ
ジョエルは確信した。この扉を開ければ、鉄雄との最後の戦いがはじまる。
鉄雄を許しはしない。
あいつは自分の大切な多くのものを踏みにじった。
ジョエルはゆっくりと、扉に手をかけた
ドドドドドドドドドドドドドドドドド
******
--引かれ合っている。
確かにジョエルはそう感じていた。
『ニルヴァーナ』は支配するスタンド。
『グッド・シャーロット・ジ・アンセム』は王として存在するスタンド。
似ているのだ。似ているからこそ、引かれ合っていることが意識できた。
そして、だからこそ--反発しているのだ。世界は王を二人も必要としない。支配する者も、二人も必要ない。
恐怖がないと言えば嘘になる。
だが、ジョエルの覚悟はすでに決まっていた。
自分の背後には、グット・シャーロットがいる。
そして、ジキルとムトウアキラの魂を背負う。
扉を……引いた。
******
******
そこは屋上であった
見上げれば、夜空が広がっている
果ての無い、深い闇の中に星々が散りばめられている
鉄雄「やあジョエル…」
ジョエル「鉄雄…ここを貴様の墓場に変えてやる…」
鉄雄の冷たい視線がジョエルに投げかけられる
鉄雄「墓場…?
違うなァ~…………
ここがッ!我が『楽園』の始まりとなるのだッッ!!!」
先に動いたのは鉄雄だった
鉄雄「『ニルヴァーナ』ァァッッ!!!」
ジョエル「させるかッ『G・C・ジ・アンセム』ッ!!」
次の瞬間、ジョエルが吹っ飛んだ
ドッグシャァァァッ
ジョエル「ゴフッ………
まさか…直接殴ってくるとは…」
ジョエルの口の端から出血していた
鉄雄「写真から実物を取り出す能力しか使えないと思ったかァ?
思ったんだよなァ~?だから反応が遅れたのだ…」
ジョエル「歯が一本折れたよ…せっかくの男前のツラなのによォ…」
ズドッッ
ジョエルは鉄雄に向かって猛進した
ジョエル「パワーならグッド・シャーロットは負けないッッ」
その拳は鉄雄を捕らえた
はずだったが、そこには鉄雄の姿はなく、虚しく空を切るだけだった
ジョエルの背後から鉄雄の声がした
鉄雄「これは…『リンキン・パーク』の能力だ…
ジョエル…
遅すぎるぞ…くっくっく…
せっかくの『ジ・アンセム』も台無しだなァァ~」
ズガァァァァッッッッ
激しく背中を殴られ、またも吹っ飛ぶジョエル
鉄雄「貴様は…この私には勝てない…
さあ、わが『楽園』のために死ぬが良い…」
鉄雄が倒れこむジョエルに歩み寄ってくる
ジョエル「気になっていたんだ……………」
鉄雄「…?」
ジョエル「この『ジ・アンセム』の能力…
グッド・シャーロットの元からあったものが目覚めたものだと思っていた…
だが…貴様の言うことがなんだかかみ合わないじゃあないか…
『ジ・アンセム』は俺を選んだと…貴様はそう言った…
さっぱり意味がわからない…わからないが…
つまりこいつは元々このグッドシャーロットにあったものじゃあないんだな…?」
鉄雄「ああ…その通りだ…
『ジ・アンセム』は一つのスタンド…
『ジ・アンセム』自身が選んだ人間に宿り、そのスタンドと融合する……
その『ジ・アンセム』もここでお前とともに朽ちることになるがなァ…」
ジョエル「なるほどね…それで納得した…」
鉄雄「納得…?」
ジョエルの鋭い眼光が鉄雄を射る
ジョエル「さっきから…不思議だったんだ…
一体のスタンドには一つの能力しか無いはずだろ…?
だから、『グッドシャーロット・ジ・アンセム』の相手スタンドの能力を無効にする力がそれだと思っていた…
だけど…
さっきから感じるんだ…
グッド・シャーロットの中に潜むもう一つの『力』を…
どういうことかわからなかったが…
その話を聞いてはっきりと確信したッッ
グッド・シャーロットの真の『光』をッ!」
鉄雄「なんだと…そんなことが…」
ジョエルは静かに立ち上がり
叫んだ
ジョエル「『グッド・シャーロット』ッッッッッ!!!!!」
******
俺の父親は刑務所で生まれたらしい。
俺がその話をすると、
みんな"そんなことがあるわけない!"
って鼻っから信じてくれないが、
本人が言ってたんだからそうだと思う。
父は信じれる人だったし、
なにより、父がそこで受け継いだという
"黄金の精神"
が今自分の中にも生まれているのがわかるからだ。
俺がそれを受け継げたのは
俺と一緒に戦ってくれたやつらがいるからだ。
やつらは今も俺と一緒に戦ってくれている。
『GOOD CHARLOTTE・GHOST OF YOU(消えない絆)』
「鉄雄、お前を倒すのは俺じゃない。
"俺達"だッッッ!!!」
******
鉄雄「こッ…これはァッッ!?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
そこには、ジキルがいた。ムトウがいた。
鉄雄「馬鹿なッッ…こんな幻覚ッ…!!
はッ!!!」
鉄雄の脳にしっかりと伝わってくる。
ジキルとムトウの思いが。
彼らの『黄金の精神』と
絶対に崩れることのない『希望』がッッ!!
鉄雄「これは…一体どういうことだッッ死者が生き返るなど…ッッ」
現れたのはジキルとムトウだけではなかった
『黄金の精神』を持ちながらも、今までの戦いで散って行った者達が鉄雄の前に姿をあらわしていた
ド ド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
鉄雄「う…やめろ…こっちへ来るな…」
鉄雄の頭に様々な思いが伝わってくる
だがそのどれもが『黄金』に輝いていた
鉄雄「あ…頭が痛い…くそッくそッ…
この…死人どもがァァァッッ…ハァー…ハァーッ…
寄るなッ寄るんじゃないッッ!!!
くそ…くそがああァァァァァァァッッッッッッ
ら…楽園…我が『楽園』は…あと少しだというのにッッ…」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
鉄雄「ハァーッ…ハァーッ…
二…『ニルヴァァァァァァ…」
ジョエル「無 駄 だ」
鉄雄「はッ!!」
鉄雄の目の前に立っていたのは
ジョエル一人だった
ジョエル「伝わったか?皆の思いが…『黄金の意志』が…
それにくらべたら…お前のその『楽園』なんてものは、
ちっぽけな存在なんだッッ!!!」
鉄雄「黙れェェェェェェェェッッッ!!!!!」
ジョエル「これで…終わりだ…
UUUUUORYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴォォォォォーーーーーーーーッッ!!
鉄雄「ぐああああああああああああああああああ
GUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」
鉄雄は大量の血を吐きながら吹っ飛び
動かなくなった
ジョエルはただ黙り、鉄雄を見つめていた。
――――――――――――
ホワイト「終わったみたいね」
ブラック「ええ」
下の階にいた二人は、戦いの終わりを感じ取った
ホワイト「鉄雄様が負けた」
ブラック「…ええ」
かつて鉄雄がホワイトを鏡に映し、その鏡から取り出した存在、それがブラックだ。
なら、鉄雄が負けた今…ブラックはどうなる?
ホワイト「ねえブラッ…」
ホワイトが話しかけた場所には、誰もいなかった。
ホワイトは薄暗い廊下の中にただ一人立ち尽くしていた
******
父「心配するな。死にはしない。
お前を大切に育ててきた私の頼みだ。聞いてくれるよな?
お前のスタンドパワーを使って
最強のスタンド、『パラダイス(楽園)』をっ・・・グホォッ」
ゴツッ鈍い音がして男は吹っ飛んだ。
ジョエル「うるさい。疲れてるんだ。」
ジョエルはQに手を差し出す。
そして前と同じ言葉をかけた。
ジョエル「帰るぞ。飯だ。」
まだこのままでいい。
このままがいい。
Q「うん。」
ジョエル「まったく。
全然金にならんのにこんなに疲れるのはもうこりごりだ。」
Q「相変わらず生臭いなぁ。
せっかく大事件解決したんだしもっとこう名探偵っぽくさぁ・・・
ってちょっとジョエル聞いてる?」
ジョエル「ん・・あぁ"ちょっとジョエル"くらいからなら」
Q「ぜ・・・ぜんぜん聞いてない・・・」
信じていたものが全てなくなったと思った。
あの箱に閉じ込められた時、
私の心は絶望の中に閉じ込められた。
でも・・・
あの時差し伸べられた手は
私に光をくれた。
Q「ありがとう。」
******
エピローグ
「報酬はこれぐらいだ。ビタ一文まけねぇ
……っておい!」
ジョエルは以前と変わらず探偵稼業を続けている。
しかし、今日も依頼人は怒って帰ってしまった。
「ケッ……しけた依頼に……ゴフッ」
ジョエルの頭にQのフライパンが命中する。
「ジョエル!また依頼人怒らせて!来なくなったらどうするのよ!!」
「知らねぇよ……
第一これぐらいの料金を払えないやつは依頼人じゃあ無えよ……」
「吹っ掛ける方はただの“ボッタクリ”よ……」
「俺の頭には“情け”って文字は無いの。
“金を払う奴が客”、“払わない奴は邪魔なだけ”こちらとちゃあボランティアじゃあ無いんだから」
ジョエルは一頻り自説を唱えると、机に座った。
「腹減った。飯作れ」
「えー!またぁ。作っても文句言うくせに!!」
「そりゃああれだろ。批評は人を強くするんまぜ。」
「ジョエルが言うのは批評の“批”だけじゃない……」
「いいから作れ。俺は忙しいんだ」
「はいはい」
いつもと同じようだけど、何処かが違うことを二人は感じていた。
彼らにとって、失った物は大きいが、得たものも大きい。
「Q…あ……あのな」
「何?」
「うっ……何でもねぇ!」
「何よお!言ってよ!!」
「……料理。上手くなったな」
「ほ……本当!?」
「ああ……本当さ」
二人の時間は少しずつ刻まれて行く。
二人がどうなるかは
二人しか知らない
第二部~受け継がれる物、希望の光~
完