ジョエル「まあいつも通り・・・美味くもないし不味くもなかったな。
ごちそうさま。」
あの日から何日か経った。
マデン探偵事務所の中はいつも通りで、
その不変はQを安心させた。
Q「わるーござんしたね。
ジョエル、料理上手いから自分で作ればいいのに」
ジョエル「俺は金にならんことはせん」
Q「まったく・・・相も変わらず生臭いなぁ君は。」
でも・・・Qには確信していることがあった。
(あの男は絶対にまた来る。)
でもジョエルにはそのことはまだ言ってなかった。
聞いてこない限り言わないでおこうと決めていた。
(これは私たち家族の問題。)
・・・私はもうすぐ殺される
迎え撃つにもQの戦意はとっくに喪失されていて
スタンドをもう出すことができなかった。
ジョエルは巻き込みたくない・・・
だから、あの日から数日たった今、Qは事務所を後にした。
******
「だから~、今日はホント無理なんだって。
女の子とデートの予定があんの!わかる?デートよ?デート!だからお願い!ホワイトちゃんよ~」
熱弁をふるう男。だが、どうやら空回りのようである。なぜなら、すぐに冷たい返事が返ってきたからだ・・
ホワイト「駄目です。あの方の命令は絶対です。」
なんと事務的なことか
男「なら、ブラックちゃんはど~よ?ブラックちゃんならわかるだろ~?
俺が今どんだけ休みを必要としているか?」
ブラック「わからないです。早く行ってください」
こちらもきつい。
二人は同じように事務的な態度で男の要求を却下する
だが、彼女たちが同じようなのは態度だけではない。
服、声、身長、体つき、髪、顔、すべてが奇妙なまでに同じなのだ。まさに鏡でうつしたかのような。
唯一違うのは彼女たちの服の色が各自の名前と同じ色をしていることだけである
。
ホワイト「早く」 ブラック「あの方の」 ホワイト「いる場所へ」 ブラック「このまま」 二人「向ってください」
二人が同じ声で交互にしゃべりだす。知らない者が見れば度肝をぬかすだろう。
ホ「ついに」 ブ「あの方が」 ホ「みずから」 ブ「行動を」 二人「おこすのです」
ッ!?
軽い口調で話していた男の顔が一瞬で真剣な顔つきになる
「それ・・・マジで言ってるのかい?ついに、、、あのお方が、、、」
そこに今までのふざけた態度はなかった。
なにかを、なにか一つを一身に信じる、ある種の狂人の顔だった。
ホ「私たちが」 ブ「一度でも」 ホ「冗談を」 ブ「言ったこと」 二人「ありますか?」
「確かに!そりゃそうだな、ごめん!ごめん!」
初めと同じように明るくしゃべりだす男。
だが・・目だけは鈍く妖しく輝いているようだった……
男「ちぇっ!やっぱり行かなきゃだめなのか・・・。
でも、わかった!愛する二人のため俺も働こうじゃんか!」
違う!明らかに男は嘘をついている。「二人のため」などではないはずだった。なにか信じる者のために、、
ホ「ありがとう」 ブ「でも」 ホ「私たちは」 ブ「あなたのことが」 二人「大っ嫌いです」
男「あいかわらずきついね~。でも、そこがかわいいんだがね。
まぁ、いい。今すぐあの方のとこ向かうよ」
男は後ろを向き歩きだそうと、、、
男「あ、そうだ!最後にお二人に謎かけだ!
わかるかな?嫌な奴たす嫌な奴はなんになる?ってのだ?」
ホ「いやなやつ+」 ブ「いやなやつ?」 二人「興味がないわ」
男「まぁそう言いなさんな。ヒントは数字だよ。
それじゃまたね~♪」
男、ムトウアキラは歩き去る・・・ あの方、そう、「鉄雄」のいる場所へ、、、
二人「数字?」 ホ「18782+」 ブ「18782=」 ホ「37564」 ブ「なら答えは」
ホワイト&ブラック「みなごろし」
******
・・・あの時、あの女の死体にあった傷ははQのスタンドがつけたものではない。
ジョエル「第3者があの場所にいた可能性が大きいな。」
可能性のあるのは・・・組織のヤツ・・・か。
ジョエル「(・・・腹が減った)Q、たこ焼き買ってこい。」
実は言う前から気づいていたが・・・
いない・・・。
ヤバイな。
組織のものは必ず、また、あいつを狙ってくる。
やれやれ・・・
ジョエル「世話のかかるヤツだ。」
壁にかかっていたトレンチコートを取ると
ジョエルは事務所を後にした。
ジョエル「やっぱ・・・人探しの時はトレンチに限るな。」
******
ガランとしていた。
騒がしい訳じゃあない。
しかし、どこか温かみのある空間であったハズのその場所は、
今じゃあ寂しげに『ガラン』としていた。
机に一通の手紙があった。
『オレは・・・「 ヤ ツ を 討 つ 」。』
宛名はQ。
差出人は・・・ジョエル。
読まれないかも知れない。無意味な事をしたかも知れない。
だが、もし二人して戻った時。この手紙を種に笑い話にするのも悪く無い。
そして扉は閉じられた。
残されたその場は『ガラン』としていた。
******
男:「ムトウアキラよ、君は二つの平和な暴力というものをしっているかね…」
その男はゆっくりと口を開いた。
その男の声は少しテナー気味だが実に美しい声であった。
ム:「なんすか、それはぁ?平和な暴力てなんかおかしくないっすか?」
男:「その通りだ。
この答は法律と礼儀作法なんだ・・・
が、平和といっておきながら暴力という矛盾を抱えている。
ここから導きだせるものは…?」
ム:「本当の平和なんてナイって事っすか?」
男:「そういう事だ。平穏は存在しても、本当の平和は存在しないんだ。
だからこそ私は築かねばならない。
楽園を…」
そういうと男はゆっくりと立ち上がった。
******
―数年前―
とある研究所内
ザーザー
ゴロゴロ……ザーザー
どうやら外は嵐のようだ
研究員A「貴様には他の幽波紋使いにはないものが宿っている……(貴様のその人の心を読む能力はあの方に捧げることにしようそうすればあのお方と楽園で……)」
研究員B「貴様の力を私達にみせてみろっ!!(こいつ(研究員A)よりも早くこいつの内部を調べ尽くし…あのお方に…)」
研究員A・B
「さあっ!さあっ!」
研究員達がメスを手にし男へ詰め寄る
鉄雄「俺は貴様等ゲス共のモルモットじゃねぇ~(マズい!このまま俺はバラバラに切り刻まれてナマスにされたあげく、あのゲス野郎の糧に…一部にされちまうってか)」
鉄雄が絶望しあきらめかけたその刹那……
『おいおい諦めるこた~ねぇだろうによ』
一人の男の声が鉄雄に聞こえた
研究員B「さあおとなしくバラバラになれ~」
キラッ…ヒュッ!
研究員Bがメスを振り上げ突き刺そうとする
鉄雄(俺にしか聞こえていない?君は一体?)
『時間がねぇっ!早く俺を呼べっ!俺を具現化しろっ!てめえが死ねば俺も死ぬんだっ!時間がねぇんだよ!』
男が怒鳴る。
鉄雄(呼べったって見たこともないやつをどうやって…)
『俺はお前だ…お前は俺だ…何年も前から知ってるはずだ』
鉄雄「俺はお前…お前は俺…はっそうか君は!?」
ニヤリと鉄雄は笑い
鉄雄「来いっ!ニルバーナっ!」
ドドドドドドドドドドド
研究員A「何をブツブツと…気でも触れたか?(こいつ(研究員B)がさっさと済ませちまわないから…)」
スパッ!スパスパッ!
ボトっ!…ゴロゴロゴロ
20人はいたであろう研究員達全員が首が跳ね上がり、床へ転がった
ニルバーナ『サムライ・ソード…よくもまあこんなもんまだ持ってたな?』
ニルバーナは笑った
―サムライ・ソード―
鉄雄が好きなアニメであり入院しがちだった鉄雄少年が毎週欠かさず観ていたアニメでもある
鉄雄「だってこれは…両親が最後に俺に買ってくれた物だから……」
研究所の実験室の隅の方に雑巾のようにぼろぼろになった、サムライ・ソード大解剖と書かれた雑誌が落ちている
鉄雄「よくあそこまで行って雑誌に触れることができたね?」
と問い掛ける
ニルバーナ『俺様にはあれぐらい朝飯前さ。鉄雄こそよくあの一瞬で俺の能力を理解できたな?』
鉄雄「俺はお前でお前は俺だろ?」
鉄雄・ニルバーナ
【はっはっは】
2人は心の底から笑った
もう助からないと思ったあの状況から生き残ることができたのだから…
ニルバーナ
『それで鉄雄これからどうする?』
鉄雄
「ユートピア(楽園)を創るっ!まだ残ってる俺をこんな目に合わせたゲス野郎をぶっ潰してな」
ニルバーナ
『そう言うと思ったぜっ!俺も行くぜ…といっても離れられるわきゃないんだが…な』
【はっはっは】
2人はまた笑った
そして打倒あのお方を掲げ研究所を後にした(跡にした)
******
性格は慎重かつ冷静。そして無言。高い戦闘センスを持って冷酷に敵を抹殺する。
今だってそうだし・・・、これからもそうだろう。
そんな俺の中に『 暖かで確かなモノ 』ができたのは何時からだろうか?
面倒事なんて嫌いだ。
しかし、曲がったことからは目を背けられない。
何時からだろうか?
いや・・・。
どうでも良いか。
『確かな 今 が此処 に あ る 。 』
それで良いじゃないか。
「へッ!べらんめぇい!!
辛気臭ェー面(ツラ)してんじゃねぇーよ!!!
このコンコンキチがァアアアーッッ!!!」
バシィィィー!!
と背中を叩く男が一人。
・・・・。
結構痛ェ。紅葉できるぞ、モミジィッ!!
全く、細かい事を考えない男を送り込んでくれたモノだな。
ええ?『プレス・リー・3の長峰』よ。
「へっへっへ!
こちとら江戸っ子でぃ!!
ダチ公の長峰が、どぉおおおーしても、アンタと、
『決着(ケリ)』つけてぇええーって言ってんでねぃっっ!!」
「ジョエ公ッ!
アンタが死んで貰っちゃあ困るって言ってンだいィ!
泣かせるねぇえええええ~~~~ッ!クゥウウウー!!」
ありがたいとは思うが、泣かせる話なのか!?
「このジキル!そんな状況見過ごせると思うかぃ?
ここぞ!『日本男児』の心意気ってヤツだァーッッ!!」
「江戸っ子パワー携(たずさ)えて!
『あのお方』ってのを、ぶっ飛ばしてやるぜぃ!!
ケェータケタケタケタケタッッ!!(笑い声)」
い・今時「ケタケタケタ」と笑う奴が居るかァ!?
・・・
まぁ良いか。
Q。
今どこにいるのか。
何をしているのかも解らない。
戦闘中かも知れない・・・。
だがな。
Q。
『俺は 行くッ!! 』
そうする事が、今、俺に出来る事柄だからだッ!!
「そして、この『ジキル』も行くぜェーッ!
べらんめぇぇいッッ!! 」
すかさず突っ込むジョエル。
「心理描写に、相槌うたんで良いィ!!」
「ケタケタケタケタケタッッ!!(笑い声)」
「細かい事、気にすんなってのッッ!!!」
バシィィィー!!
再び背中を『バシィ』と叩くジキル。
・・・。
だから痛いってッ!
「ケッ!」
ジョエルは呟いた。
二人を先を急いだ。
******
---「そろそろ…か。」
ブラック「はい、黄金の精神を持つ可能性の有るものを誘き寄せるエサは手に入れてあります」
---「いいや、そうではない。ホワイトはわかるかね?」
ホワイト「はい、ブラックにわからないものは私にも」
---「わからないか」
闇の中で男が
---「黄金の精神だとか言うことはな。ただの火事場の馬鹿力なのではと考える事もある。
黄金の精神、それは矢の栄養、黄金の精神そのものがエサなのだ。
…………しかし、駒も減ったな。」
ブラックホワイト「テツオ様さえいれば全ては終わります。
ムトウアキラに呼ばせます――!」
ドドドドドドドドドドドド
鏡に写る自分に鏡にひきずられ、---はホワイトブラックの前にはいなくなっていた。
******
「しかし、まァーなんだ。
何考えて居たが解んねぇーけどよゥ!!
『心理描写』たァー、カッコ良ぃじゃあねぇかァ~~~~~!!」
「よし!
俺も一丁『 や っ て みるかィ!!』」
・・・・。
突っ込まんぞ!
もう『バシィィィー!!』されるのは嫌だからなッ!!
「幼少期、母国アメリカでいじめられていた所を、
通りすがりの寿司職人(江戸っ子)に助けらってから・・・よッ!
俺は日本(と言うか江戸っ子)に、憧れた過去を持ってるンでぃ!!
(スタンド能力はこのときに目覚めた)。 」
「現在、憧れの地日本で、『寿司職人』を目指し修行の日々を送ってらッ!」
「憧れが憧れなだけに!
曲がった事が大嫌ぃだ!!
細かい事は気にしないなどチャキチャキの江戸っ子になりきって・・・!
否!!
もう既に『江戸っ子そのモノ』になっているッ!!」
突っ込まんぞ、アメリカ人!!
「だから、外人として扱われる事が大嫌いだ。」
・・・・・。
「口癖は『ばかやろぅ!こちとら江戸っ子でぇい!!』だァアアーッッ!!」
「どぉおお お お お ー でぃーッ!!
見事な。心理描写だったろゥー??」
・・・・。
ダメだ、突っ込まずには入られない・・・。
ジョエルは意を決した。
「一言だけ言っておく。」
「あぁんん??」
ジキルは不思議そうだ。
ジョエルは言い放つ。
「それは只の『 自 己 紹 介 』だッ!!」
ジキルは何時もの調子で。
「細かい事、気にすんなってのッッ!!!」
バシィィィー!!の体勢。
ジョエルは嫌そうに。
「その手は止せぇええええええ!!
痛ェーんだよ、このバカがァアアアーッッ!!!」
ジキルは駄々をこねる。
「気は優しくて、力持ちって言ってくれぇえええーッッ!!」
すかさず突っ込むジョエル。
「誰が言うか!この『 コンコンキチ 』がッッ!!」
ジキルは立ち止ったッ!
「・・・・・。」
そしてジキルは無言。
ジョエルも立ち止まる。
「どうした・・・ジキル?」
「どぉおおおーにもイケねぇなァ・・・・。」
ジョエルは警戒をする。
「新手のスタンド使いか。」
「へッ!片付けてやるぜ!!
あ、スタンドゥ~~~~~(ベベンッ!!)
『デ・ジャブゥウウウウウウ ウ ウ ウ ウ ! !』」
額縁が「捻りハチマキ」の『眼鏡タイプ』のスタンドが現れた。
捻りハチマキ。それはかつて『通りすがりの寿司職人』が頭に巻いていたモノ。
スタンドは無意識の才能が故に、憧れが形となって現れたのだろう。
そして、その効力は!!?
・・・・。
「やった!『あのお方編!完ッッ!!』」
「スピードワゴンはクールに去るぜ!!」
・・・・。
何者かは、其処を立ち去った。
「江戸っ子はせっかちなんでぃ!
ちゃちゃっと片付けたぜ。行こうかぃ、ジョエ公ッ!!」
・・・・。
何だ、今のスタンドは?
新手のスタンド使いと思われる男が『任務完了をした』と思い込み、
そして、立ち去っていった・・・・。
これが。
「そう。俺のスタンド。
『デ・ジャヴ』でぃ。べらんめぃーッッ!!」
******
ザアアアァァァァァァァァァァッ
ひどい雨だ。
大粒の水滴がQの体にふりかかる。
Q「はぁ~事務所飛び出して来たはいいけど・・・
びっしょびっしょ。まさに負け犬の図やん。
マーズヴォルタも出んし。」
もう夜は更けていて駅前の広場には人がまばらだった。
広場の中央には猫のような蛙のような変な形のオブジェがある。
とりあえずQはその横に腰掛けた。
Q「よっこいしょー吉。
あ、よっこいしょー吉って言っちゃった・・・
・・・てかな、自分、ちょっと聞いてよ。
自分名前なに?何がモチーフなん?
あ、書いてあった。
どれどれ・・・ん?しょう吉・・・?・・・」
Qはオブジェ相手に語り始めた。
Q「迷惑かけたらいけないって飛び出して来たはいいけど
まぁね、勢いでこんなことしてしまったみたいなもんだからさ
行くあてがないわけよ。
まぁ、そりゃ死んでもいいって思ったし。
でもね・・・」
(お姉ちゃんが守ってくれた大切な命だし・・・)
「でさ、どうすればいいと思う、しょう吉?」
具体的にさ、
そう言って横を振りむいた
その先にいたのはしょう吉ではなかった。
ムトウ「よぉーあんた」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
ムトウ「探偵事務所のやつだよなぁ?」
Qはとっさに身構える。
Q「な・・・・誰だ!お前!!」
その男は威圧的な目つきでこちらをにらみつけてくる。
ムトウ「質問を質問で返すなァァァァッ!」
ドドドドドドドド・・・
ムトウ「お前、
問題です。1+1は?って聞かれてよぉ
何ですか?って答えるかぁ普通ッッッ!!!!」
Q「そ、それは極端すぎるだろ!
てか自分こそ、人に誰か聞くよりも先に自分で名乗るのが礼儀じゃない!」
フフフフフ・・・ハーッハッハ
その男は突然笑い出した。
ムトウ「おもしろいなぁお前。
さっきは変なオブジェに話してるし」
Q「変なオブジェじゃない!しょう吉だ!
てかこっちは意味不明で全然面白くなんかないっ!」
ムトウ「あの方のためだ。
俺は基本的に女性に手を出すのは主義じゃないんだけどよ。
勘弁してくれ。」
男の後ろにスタンドがチラッと見えた。
マーズヴォルタは出なくなった。
ここでこのままこいつに殺されるか・・・?
・・・いやだ。
死の1歩手前で私は自分がまだ生きたいと思っていることに気づいた
Q「マーズヴォルタ!!」
ムトウ「こ、こいつ!情報によればスタンドはもう・・・!」
スタンドは発現しなかった。
だが、ムトウが怯んだその隙をついてQは駆け出した。
ムトウ「ヒュ~ゥ
やるねぇ。 鬼ごっこか。
大好きだぜ、カワイコちゃんのお尻をおっかけるのはよぉ」
******
Qは全力で走った。
40mくらい走ったところでQの目の前には見覚えのあるものが
ゴロンと転がっていた。
Q「こ・・・これは・・・しょう吉ッ!」
バッ
後ろを振り向く。
中央にはしょう吉がきちんと置かれていた。
Q「なんだ、見間違え・・・」
そう言って前を向いたQの目に映ったのは
ムトウ「はろぉ~」
さっきの男がいた。
(完璧に隙をついたはず!!!)
ムトウ「俺に鬼ごっこで勝とうなんて無理な話だよ。
おとなしくつかまりなよ。
言ったろ。手は出したくないって。」
(なんなんだ・・・コイツは!!
横にしょう吉がいると思ったらコイツがいて
前にしょう吉が転がっていたと思ったらコイツは私に追いついていた!
まるで入れ替わったみたいに!!)
******
ムトウ「もう一度言ってやるよ。
『おとなしくつかまりな』」
ザザザザザァァァァァァァァァッ
雨脚が増していた。
Q「絶対にイヤ。軽い男はタイプじゃないんだ。」
グサッ
ムトウ「おおおおお・・・グレート。
あんたの言葉・・・俺の純粋な心にグサリと突き刺さったぜ」
胸を押さえて苦しそうな表情をしている。
Q「あんたの能力は物を入れ替えることができるだけ。
力ずくで連れて行かないのはスタンド自身の力が弱いから。
・・・そうだろ?」
へぇ・・・
ムトウ「な・・・なぜ・・・それを!!!?
・・・とでも言うと思った?
俺はわざとわかりやすいようにそうしたんだよ。
それに、そんなことがわかったって君にはもうどうしようもない。」
そう言うとムトウはQに笑いかけた。
その瞬間・・・
ガシャンッ!!!
Qの周りは柵に囲まれた。
Q「な・・・なんなんだ・・・いつの間にっ」
ムトウ「ちょっとそこら辺から拝借してきたんだよ。
おとなしくしないペットを入れる檻をよぉ。
閉じ込めてやったぜ。」
???「そう思ってるのはお前だけのようだがな。」
勝ち誇った顔をしていたムトウの前に2人の男が現れた。
******
Q「ジョ・・・ジョエル!」
Qはジョエルの元へ駆け出した。
ムトウ「ど・・・どういうことだ!
どうして、檻は!!?」
ジョエル「探したぞ。
(居酒屋で飲んだ後、電車で帰ろうとここに来たらたまたまいただけだが・・・
借りは作っといたほうがいいな。)」
ジキル「こいつがぁ・・・例の?」
ゴゴゴゴゴ・・・
チ・・・チクショウッ
これじゃぁ分が悪い!!!
ムトウは駅に向かって駆け出した。
ジキル「2人とも・・・ここはぁオイラにまかせてくれよっ
あのチキンガイはぁこの俺が片付けるぜぃ!」
そう言ってジキルはムトウの後を追って駅に入った。
******
ジキル「おい・・・もう逃げ場はないぜぇぇダンナ!
おとなしく俺にボコされちまいな!!」
フフフフ・・・
ジキル「気が触れちまったかぁ!!?」
ムトウ「このムトウアキラが考えなしにここまで来たと思うのか?」
あばよ。
そう言ってムトウは線路に飛び込んだ。
ファアアアアアンッ
ホームには電車が入ってきているところだった。
・・・なにかがおかしい。
なにか、ムトウは何かをたくらんでいる・・・
ジキルは辺りを見回した。
ムトウ「もう・・・遅い!
ストレンジカメレオンあんたに触れたぜぇ、外国人さんよ。」
******
37564…皆殺しか…。
あの男の残した言葉がホワイトの意識に引っかかっていた、あの男は油断できないと感覚レベルでの信号を発している。
だとしたらブラックも今同じことを考えているハズだ、この身にまとう物の色だけが正反対の私の分身は…。
そしてあのお方ももちろんムトウアキラなどを信頼しているハズはないだろう、いや自分のスタンド能力以外の全てを取るに足らないものだと思っているに違いない、だからこそ度々出向き自らの手で邪魔を排除してきたのだから。
裏切り結構、取るに足らない、そういうことだ。
しかし私は別だ、何故なら裏切る訳がない、万に一つも適わない自覚がある、私の能力をあの人が気に入らなければ私はとうに存在してなどいないのだから。
あのお方は能力はまったく圧倒的に恐ろしい、この様に私とまったく同じ存在を鏡から引きづりだしてまだ尚、余裕があるのだ。
私と同じ姿、同じ性能の存在をいとも容易く作り出された私は、その存在価値を完全に否定された、しかもその分身はおのお方の忠実な僕だ。
私が裏切れば、コピーの分際で私を即座に殺すだろう。躊躇なく。
分際もないか、同等なのだ。
私は踏みにじられた、踏みにじられ尽くした。それはもう圧倒的すぎて快感だ、私はあの人の奴隷。
そう、はじめから奴隷だった分身よりも濃厚な意味での踏みつけられた結果の従属、私は分身よりもあの方に従順であることで勝るのだ。
くふくふふひひ…。
さて、敵が迫っている、ムトウアキラも油断がならない、それはあの方には取るに足らない、しかし、これは私の妄信、もはや性癖。
手を打たねば。
二手に別れるか?いや、別れることはしない。一人では平凡なこのスタンド能力も、二人であることで圧倒的な能力と化す。
二人であることに意味がある、それが私があの人のお気に入りである所以だ。
そう、二人で行動する。問題はどう動くかだ。
******
ホワイトとブラックは“あのお方”が消えた空間を見つめながら呟いた。
ホ「私たちは」
ブ「ここを守らなければ」
ホ「いけない」
ブ「あのお方が」
ホ「夢に近づけるように」
二人は手を繋いだ。すると徐々に辺りの空間が歪み初め、形を変えていく。
「「フリー・ループ」」
同時に声をあげると二人は消えた。
部屋……いや。屋敷ごと不気味に変化していく……
フリー・ループ
二人の能力が合わさったスタンド。
現在いる地点を幻想の迷宮にする。
ケニーGと違う点は、海などを作り出すことはできないこと。
入った瞬間その人の精神が抜け、その迷宮をさ迷うことになる。
迷宮には番人がいて、入った人にとって“忘れたがっている人や物”が攻撃してくる。
その番人の攻撃を受け、動揺すると最初の場所へ戻される。
抜け出すにはゴールにある“何か”を手に入れるしか無い。
中編1