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2007年、Japan(日本)

ニュース番組はある大事故の話題で持ち切りになっている。その、暴走族が全滅するほどの交通事故の原因は暴走中の一団に射られた「矢」だ。
凶器の「矢」は回収されなかったが、少年たちの体には矢で射られた傷後が確かにあったのだ。
死者35名、軽傷1名。
ゴゴゴゴゴ……。

軽・傷・1・名!?

「ヒーロー見参!」
偶然見かけたオカルト雑誌のバカげた見出しをナガセは鼻で笑った。
ナガセが毎月購読している単車の雑誌の横になければ、そんな暇な雑誌に彼が興味を示すこともなかったのだが、表紙を飾る写真に彼は雑誌を手に取らずにはいられない。

紙面には、ヒーローが戦った形跡だというコンクリの残骸、叩き割られた道路、そして怪人が遥か遠くを跳躍する姿。
その姿はナガセが小さい頃に憧れたスーパーヒーローの姿に告示していて、月夜に映えるその怪人を記者は「ムーンライダー」と呼んだ。
ムーンライダーはコンクリートを拳で砕き、三階建てのビルより高く跳躍し、彼の乗るバイクは時速300キロで走ると書いている。
そして彼が戦ったらしき痕跡が見つかった後には、いくつかの怪奇事件が起きなくなったという偶然を雑誌はしきりに結びつけていた。
誰が見てもヤラセ臭のプンプンする内容だ。

「こんなもの、誰が本気にするかね?」
イカレてるぜ、そうこぼしてナガセは単車の雑誌だけを購入すると、バイクに跨り街を疾走する。

「馬鹿らしい記事だよなぁ」それでもネーミングは気に入っていた。
「ムーンライダー…せいぜい250キロくらいしか出しちゃあいないぜ」

『ナガセ/スタンド名:ムーンライダー』

ナガセは仲間を皆殺しにしたあの事故、それを起こした犯人である矢の持ち主を探して毎晩街中を走り廻っていた。
復讐を誓って、それを必ず成し遂げる。
怪奇事件が起きなくなった?
ちげぇねぇ、オレのスタンド…いいだろう、ムーンライダーは特定の条件を満たした人間を始末する。
特定の条件、そう、スタンド使いをぶっ殺す。

ムーンライダーは今日もスタンド使いを始末する。
泣いて命ごいをする相手の胴体にライダーキックでブチュリと風穴を空け、腕を千切り、首をもぎ取り、内臓を引き吊り出してグチャグチャ食らう!
爪の先も残さずグチャングチャンに食らい尽くすっぜっ!!


怨みはねぇ、殺したスタンド使いが悪者か良い者かも関係ねぇ、ただ、ムーンライダーはオレの意思じゃあ止まらねぇ、見つけたスタンド使いはブチ殺しさ。

ヒーロー見参っ!だっ!!

挿絵


その頃、次にムーンライダーと接触する運命の女は怒り狂っていた。
「畜生っ!あのヤブ医者、禁酒をしろだとっ!この私に禁酒をしろって言いやがったのか!?」

つい数時間前に病院で診察を受けた女の肝臓は、絶え間なく流し込むアルコールのせいでズタズタになっていたため、
「禁酒してください、でないと命にかかわりますよ」と医者は厳しく念を押した。
命という言葉に驚いた女は「先生、助けてください!私、死にたくありません!」と泣き喚きながら懇願し、
「禁酒します!もう二度と酒は飲みません!ええいっ、この恐ろしい悪魔の水めっ!!」
と言って、一生分の覚悟と勇気を振り絞って、心に強く禁酒を誓ったのだが、
「なんで…なんで、このvolvicのボトルの中身がテキーラに変わってんだよぉ!!」

『シバミ/スタンド名:シバミティア 能力:触れた水分を酒に変える』

「なんて、なんて意思が弱いんだ…死にたくなるぜ!」そう言いながら女はテキーラを胃に流し込むと、「うまいっ!神の水よっ!幸せすぎるわっ!」と叫んだ。
女は大学生で、飲みすぎで死の宣告をされたことと、就職活動に嫌気がさしている以外には順調な人生を歩んできた。
スタンド能力にしても自分だけに与えられた才能だと気に入り、研究を重ね、完璧に使いこなせている。
しかし、彼女は知らない、似た才能を持つ存在がこの世界には自分以外にもいることを、そして中でも危険な存在が自分に近づいていることを。

すでにその影はシバミの背後に迫っていた。
この直後に出会うことになるムーンライダーとは違う、その前に出会う厄介ごと。
「見ぃぃつぅけぇたぁ~っ」 


不気味な声が響く。
聞く人の神経を逆撫でするような、軽蔑のこもった声。
「誰よ……私の聖なる時を邪魔しないで……」
「アル中が何言ってるのぉ~?ここは貴方だけの場所じゃあ無いでしょお~?」

いちいちイライラする言葉の響き。
思わずシバミは言ってしまった。

「貴方には分からないでしょう。この甘美な味、淫らな香り、全てガキの貴方には分からないでしょ……」
「分からなくて良いわょ~。だぁけどぉ……」

水がシバミの足元を満たしていく。

「な……何なのこれ!?」
「あはははははは。溺れ死んじゃえ!!」

<シルビア/スタンド名:マンガニーズ・ブルーノーバ>

「やだ……酒にできない……何なのこの水……痛ッ」

シバミの足元にエビの群れがいる。足に群がり、どんどん肉を千切っていく。

「何なのよぉ!?一旦何なのよ!?」
「クスッ……そろそろシャコガイの出番かしら……」

水位は膝まで達している。エビの群れの他に貝まで集まって来た。それぞれがシバミに攻撃を加えている。

「嫌だぁ!!まだ飲んで無い酒が有りすぎる!!ポートエレン、レモンハート、シュタインベルガ……」
「天国で飲みなさぁい。」
水位は胸元まで達している。シバミが見たのは、映画ジョーンズで良く見て、恐怖した悪魔のセビレ。
『私……死ぬんだ……最後に呑みたかったなぁ……ボンベイサファイア……薬草の匂いが……』

「ショット!!」

「!?」

シバミの持っていたボトルを“弾”のような物が貫いた。

「な……何なの」
「離すなそこの人!!」

離すわけがない。シバミにとって命より大切な酒を離すわけが無い。

「るおおおおお!?」
シバミの体が引っ張られ、あっと言う間にマンガニーの射程距離から出てしまった。

「これで多分逃げれただろ」

つまりワイヤー両側に弾を付けて、ボトルに当てた後、くくりつけたもう一発の弾を撃ったのだ。

〈ザキ/スタンド名:N.A〉

「そこを俺が……キャッチ!!」

予め場所を予想していたザキは上手くシバミをキャッチした。

「大丈夫ですかお嬢さん?お怪我は無いですか?」

『決まったぜぇ!今の俺はコブラよりかっちょいいぜ……』

「私の……酒になんてことをしてくれるの……」

「へ?」

「貴方のせいで、私の酒が台無しになったのよスカタン!」

『そりゃあ無いよ……!?』

ザキは感じ取った。鋭い殺気を……

怒りに燃えるナガセの姿を

ナガセ「こんなところにいやがったかぁ……ウジ虫ども……」
赤いオーラを体に纏い正義の味方が空を舞う。

ザキ(か、仮面ライダー??)
シバミ「お酒ぇ…」
ザキ(また酒か!
ってあのライダーこっちに…)

空中で回転し
ナガセ「ライダァァァキィッックッ!!」
高速でナガセの方に降ってくる

ザキ「こっちにくるのか!」
シバミ「お酒かえしてぇ…」
ザキ「力強っ!押さえ込まないで下さい!
避けられないっ!」
シバミ「…え?」

シバミが振り向くと同時に
ムーンライダーは地面を揺らし砂煙を立てる

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
ナガセ「…ウジ虫如きが生意気によけてんじゃねぇ!」


 (2)へ…

最終更新:2008年06月18日 22:36