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黄金の風を纏った男
空間に渦を作れる男
二人は『正義』のために動き出した。
スタンド使いは危険である。
殺すのもやむをえない。
大を生かすため小をつぶすのは仕方が――――ない。
それが『正義』だと信じて。
そして、
二人は二人を見つけた。






夕暮れにはまだ少し早い時間、学生達が歩いている。
「ねー、デュカ。たまには遊んで帰ろうよー」
「彼氏だって私たちと一緒だったら、許してくれるって!」
デュカと呼ばれた少女は曖昧な笑顔で切り返す
デュカ「んー・・・、でもー・・・。」
彼女の中で答えは決まっていた。

答えは“NO”だ

-そりゃね友達と遊ぶのはもちろん楽しいよ?
でもさやっぱり“好きな人”ってのとは比べ物にならないのよねぇ。

デュカ、本名 逅歌 望(ぐか のぞみ)
小中高と一貫である学校で、初等部の頃に自分の名前を間違えてDucaと書いてしまった事から、いまだにその名で呼ばれている。

デュカ「んー・・・やっぱりやめとくよ。ごめんねっ」
「相っ変わらずラブラブだねー」
「ホントあんなキタロウヘアーの男のどこがいいんだか」
「しかも授業中、絵ばっかかいてんしキモくね?」
「明日がデュカの誕生日って事わすれてたりしてねー」
デュカ「どこが、いい・・・かぁ。わっかんないんだよね・・・、甘えさせてくれるところかな?」
「えー?デュカ甘えキャラじゃないじゃん」
友人達は大きく口を開け、笑った。

デュカ(甘えキャラってのは本当なんだけどね・・・、まぁそこに気づいてくれるってのが好きなとこの一つなんだよね、きっと。)
たわいもない話をし、駅前でみんなと別れた後“廃マンション”へと向かう。
この街には未だにバブル後期の頃に造りかけたまま放置された施設が多数残っている。
その一つがシンとデュカの場所だった。


シン「あー?・・・オレのいいところねぇ」
何かをあたりながら返事をする
デュカ「うん・・・、ってなにしてるの」
シン「ん・・・あー・・・オレが昨日造ってたの覚えてるか?」
デュカ「え?うん、プラモデルでしょ?」
シン「あー・・・“キャラメル・ミルク”を使って壁を溶かしてくれないか?」
デュカ(何してたんだろ?)
『本体:Duca/スタンド名:キャラメル・ミルク』
言われるまま壁を液化させ、シンの指示した部分を固定していく
デュカ「サーフボード?」
出来上がったものは人が二人は乗れそうな大きさの、サーフボードのようなものだった
シン「これはリフボードってーんだけどな、あーこないだ造ってたロボットが乗ってるんだよ。
で、まぁ、トラパーってヤツの上に・・・ってわかんねーよな」
デュカ「さっぱり」
『本体:シン/スタンド名:JITTERIN’JINN』
“JITTERIN’JINN”をボードに憑依させる


シン「あー、“JITTERIN’JINN”はフィギュアを動かすスタンドだと思ってたんだが、どうも違うようなんだ。
こいつは空を飛ぶボードなんだが。あー・・・。やっぱり浮いたな。
スタンドっていうのは才能だろ、才能の可能性を目覚めさせるか自分で決めることができる。
自分の目で効果が分るなんて、判りやすい才能だよな」
くっくっくともらすように笑うシンをみてデュカはいつも思う。
デュカ(・・・あんまりわかんないけど楽しそうだからいっか)
二人の毎日はそうやって過ぎていく。
たまに出会うスタンド使いは二人で退けて。

挿絵



とある日
廃マンションの一室に
二人は二人を見つけた。

*******

知っているかい?
あの『廃マンション』の噂。

知っているゥ?
いいや、それはウソだね。

知っているハズが無い。知る由も無い。
俺のダチ公が、命を賭けて知らせてくれたんだぜ?

だから、知っている訳がない。
俺のダチ公よりも、アンタが『信じられるヤツ』だってぇーのかい?
あぁあああああ~~~~ん???



・・・・。



ハタチ前後。
この世の中の社会・世間に絶望をした不良少年。
俺の名は『ジョーイ』。
そうだな・・・『黄金の風を纏った男』。と、でも呼んでもらおうか?

俺達の聖域(サンクチュアリ)は何者か達に奪われた。
全ての発端はあの場所。『廃マンション』だったンだよ。

数年前の話だ。
絶望の淵、弱い者が傷を舐め合うように、俺達はあの『廃マンション』に集まった。
そう、重力がリンゴを大地に引き寄せるかのようにな。


俺達は、皆、『不思議な力を持っていた。』
俺達は、皆、『力の使いドコロが解らず、悶々としていた。』

この力、誰に訴えかければ良い?
この力、誰にも見せず知らせる事無く、生きてけって言うのか?

こんな力要らなかった。
世の中に容認されない力を持つ事など『不幸!』

俺はいつだって好きな時に『風を起こせるんだぜ!!』


『ソイツは奇跡じゃああないッ!!

 俺 だ ! こ の 俺 の 力 な ん だ ぜ ッ ! ! 』



『誰に訴えかければ良い! 一 体 誰 に ッ ! ! 』




皆、同じ気持ちを持っていた。
そして俺達は『 ロックバンドを結成した。 』

この気持ち。
鬱屈したままじゃあいけないッ!
派手に、派手に、ど派手に『ブチかまさなきゃあいけないッ!ってねッ!!』

そう思ったからだッ!!

『世の中に壊されてたまるかァアアア ア ア ー ッ !
 俺達の叫びを受け取りやがれぇええ え え え え え え え ! ! 』

俺達は、何度も挫折した。
その度、俺達は立ち上がった。

俺達は『スタンド(立ち上がる者)』だ。
何時だって立ち上がり、そして叫び続けるのさ!とびっきりなメロディーと共になぁッ!!



「それで?
 話が長くて眠っちまいそうだぜ??」

「二十歳前後の 不 良 少 年 ・ ・ ・ 。 」
空間に渦を作れる男は、退屈そうだ。



『 殺 さ れ た ん だ よ ぉ お お お お お お お ! ! ! ! 』


ジョーイは続けるッ!

アイツも!ソイツも!取り合ったあの娘もッ!!
俺の『誕生日パーティをする予定だったんだッッ!!』

俺達の聖域ッ!聖域(サンクチュアリ)でッッ!!

そこで!ダチ公達は、無残にも殺されたッ!!
ある者はドロドロに溶かされッ!ある者は『銃撃でもされたかのように』、穴ぼこだらけになった死んだッ!!

取り合ったあの娘の顔は・・・。
『人か獣か解らないぐらい、 酷 い 顔 に な っ た と言うぜッッ!!』


そして、それを伝えたダチ公も死んだッ!
『テレパシー』。それがダチ公の能力だったッッ!!

ずっと聞いてたンだぜ!アイツの叫びをッ!『助けてくれって叫びをッッ!!』
解るか!『 お前に解るかッ!!』


『 答 え ろ ぉ お お お お お お お お お お お お ! ! ! 』



空間に渦を作れる男は・・・。

答える。



「解った・・・。と安っぽく答える気も無いし。

 災難だったな・・・と。優しく慰める気も無い。」



て・てめぇッッ!!



「だが、アンタが今しようと思っている事の、手助けならしてやっても良い。」

「ジョーイだっけ?」

「俺の名は『隕鉄』。」


「悪漢どもに、御仏の慈悲はいらぬ。」

「そして・・・。」


『 正 義 は 勝 つ ッ ! 』



・黄金の風を纏った男
『本体:ジョーイ/スタンド名:ブローウィン インザ ウインド』
・空間に渦を作れる男
『本体:隕鉄/スタンド名:ツイスター』


*******


隕鉄の言葉に、ジョーイの中で何かが弾ける。
「へえ……正義は勝つってか。その理論は納得できねえな。負けた俺のダチ公は悪だってことか? そんなテメエをこの俺は信用できねえ。手伝いたければテメエの強さを見せてみやがれッ!! ブローウィン インザ ウィンドォォッッ!」
 ジョーイは叫んで走りだす。
「いいだろう、ならば力ずくで思い知らせてやる、くらえツイスター!!」
 隕鉄のスタンド・ツイスターは本人がキレた時、最終形態・ツイスター・レヴォリューショナリー・レヴォリューションとして発現する! その圧倒的な捩じ切る能力で、ツイスターRRは足もとの床を殴りつけ、廃マンションの床を『捩じ切る』!
 衝撃と共に崩れ落ちる一室。土煙と轟音があたりを包む。
 隕鉄は壁を捩じ切り、隣の部屋へと避難する。
「終わりだな……行動を共にするには値しなかったか」

――――――

「ねえシン、何か物音しない?」
「俺の心臓の音が聞こえちゃったか?」
「ばか。そうじゃなくて、遠くから何かぶつけたみたいな……」
 不安そうな表情のデュカ。
「そういやそうだな。誰か戦ってるのかな? でも俺たちには関係ないか。それよりこのリフボードいい出来じゃない?」
「よくわかんないけど……、でもそうやって一生懸命になってるシンは嫌いじゃないかな。……だけど本当に大丈夫かな」
 デュカの不安を紛らわそうと、シンは話を変えようと思ったが失敗したらしい。それならば、とシンは不安要素を含んだ別の話を切り出す。
「大丈夫じゃないかもな……知ってる? この廃マンションの噂」
「……何か聞いたことあるよ。物が勝手に動いたりするんでしょ? でもシンの能力だって、人形とか勝手に動くし……」
「俺が聞いたのはそうじゃなかったけど? 何しろ本当に見た人いるらしいから、幽霊ってヤツ」
「やだッ! 絶対やだッ!! そしたらシン守ってくれるよね!?」
 シンは本気で怖がっているデュカを見て思う。デュカの頭をなでながら。
「お前やっぱり可愛いなあ」


――――――


「やはり、正義は俺ひと……グバァッ!!」
 後ろからの強烈な衝撃に、顔から思い切り倒れこむ隕鉄。
「てめぇ脳みそ間抜けか? 俺が正義だと言ったはずだぜ」
 後ろにはジョーイが立っていた。服の右そでが強風にさらされたように、いや事実強風で破れている。
「…貴様、貴様、貴様ァァァッ!! 背後からの不意打ちとはまさに卑怯ッ!! この隕鉄、己の正義のため、断じて貴様に勝つッッ!!」
「そうかい。だが俺もダチ公の魂を背負っている。あいつらの魂は黄金の風となって勝利を後押ししてくれるだろうぜ」
 そう言ったジョーイの背後にヴィジョンが現れる。ブローウィン インザ ウィンド、『風を操るスタンド』。床の崩れ落ちる衝撃が巻き起こした風を利用し、空中を高速飛行した勢いで、風のコークスクリューを叩き込んだ右の拳を、ジョーイは再び握りしめる。
「貴様はここで捩じ切られて死ぬのだッ! 臓物ぶちまけてくたばりやがれッッ!!」
 怒りで空間すらゆがませながら、ツイスターのパンチがジョーイを狙う。その圧倒的破壊空間はまさに真空の歯車的小宇宙!!
「テメェがキレた時、テメェの能力は空間を歪ませる。実に恐ろしいスタンドだ……。だが、空間が歪めば『風』が起きる。その能力は俺の『風』の前ではむしろ好都合だぜッ!!」
 隕鉄の突進とツイスターの能力。だが、その二つによって起きた暴力的なまでの『風』を利用して、隕鉄自身を動かし、ジョーイは攻撃をかわす。そしてすり抜けざまに、風のコークスクリューが隕鉄の脇腹を痛烈にヒットするッ!
「ガァァァァァッ!!」
 カウンターで決まったコークスクリューの衝撃で、隕鉄は反対側の壁まで吹っ飛ぶ。さらにブローウィン インザ ウィンドを利用し、吹っ飛んだ際の風を強化。衝撃で壁をぶち抜いて隣の部屋へ。
「危ないところだった……。だがテメエが頼りになることはよくわかったぜ。立ちな、信用はしねえが協力はしてやる」

「キャアァァァッ!! 悪霊退散悪霊退散ーッ!! ってあれ?」
「デュカ、違うみたいだぞ。もっとわかりやすいけどヤバそうな奴らだ……」
 拳を振りぬいた姿勢のジョーイと、その前で倒れている隕鉄からデュカをかばうように、シンが立ちはだかった。

 それに反応するように、小さな箱がカタリと音を立てた。
 デュカと、新たに来ていたもう一人の男にしか聞こえない音が。
「幽霊が出るって聞いて調べに来たら……とんでもないことになっているみたいだね。ところで君、霊感強い方かい?」

ゴゴゴゴゴゴ……

《D・M・Q/シックスセンス》
《秀丸/suite Yoshitsune(組曲義経)》 


*******


ジョーイ「おもしれえ…おもしれ~な~ッ

集まってやがる…
この廃マンションに…再び…『力』を持つ者達がよォ~~~」

ジョーイはにやりと不敵な笑みを浮かべる

ジョーイ「そこのガキども…見えてるんだろ?俺の『ブローウィン インザ ウインド』が…

今来たお前もだ…

持っているんだろ?『力』を…

このマンションに『五人』も集まってくるなんてよ!『偶然』なんてチャチなもんじゃあねーよなァ~~~~ッッッ

…訴えてみせろよ…お前らの『力』を!

その力の中に黄金の『光』が見えたなら…お前らのことを認めようッッ
黄金の光はすなわち正義の光ッ!
もし『光』が見えなければ…

そのまま ぶ ち 殺 し て や る 」

ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド

シンは考える
(ヤバイ…ヤバイぞこの状況はッ!
何がなんだかわからないが…とにかくヤバイッッ!
黄金の光?ぶち殺す?なんなんだこの男はッッ!!)

ジョーイ「俺の名前はジョーイ!!この背中にはいつだって黄金の風が吹く…
喰らえ俺の疾風を!!!そして聞かせてみせろお前らのメロディを!!!」

ジョーイがシンとデュカに向かって身構え、戦闘態勢に入る

シンは先ほどこのジョーイと名乗る男がもう一人の男を吹っ飛ばしたのを見ている。その男は気絶しているのか、はたまた絶命しているのか、未だ起き上がってはこない。
おそらく、このジョーイは相当強いだろう。
シンのスタンドは接近戦向きではない…
今ここで戦闘に入ったとして、勝てるだろうか?

シン(…いや、必要なのは、勝つことじゃない。デュカを守り、二人で生きることだ…逃げる…ここは逃げるしかない…)

シンはデュカの肩を引き寄せ、どう逃げるかということに頭を巡らす

唐突に、さきほどから突っ立っていた男が喋りだした

秀丸「黄金の風ねえ…」

三人は一斉にその男に目をやる

秀丸「『黄金』っていうか…『小便臭い黄色』って感じじゃあないかなァ~、アンタ」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ジョーイ「なんだと…?」

秀丸「正義がどうとか…認めるとかなんとか…
アンタ言ってたけどね~
この世界はそんな単純なものじゃないだろう?
少なくともアンタの頭よりは…さ」

ジョーイの頭に血が昇っていくのが目で見てわかる…
な…なんだァこいつはッ!挑発してやがる…
さっきのジョーイの強さを見ていなかったのかッ?

ジョーイ「この…野郎ォォッッ!!!」

怒りに震えるジョーイが秀丸に向きなおり、再び拳を構える

秀丸「ふ~ん…拳を向けるわけかい…この秀丸に向かって」

秀丸は身構えることもせず、口の端には笑みさえ浮かべている

シン(よ…余裕シャクシャク?

何故なんだ…『自信』が…『自信』があるのか?
絶対に負けないという…自分の強さへの『自信』がッ!

そうでなければ!こんなに余裕ではいられないッ!)

秀丸「それに…アンタ…ジョーイって言ったっけ?さっき五人って言ったけど、正確には六…」

ジョーイ「うるセェェェェェェーーーーーーーーーッ!!!!

死ねェェェッッッッ!!!!!!!『ブローウィン インザ ウィンド』ッッ!!!!!!」


ゴッシャアアアアアアアアッッッッ


ジョーイの拳が秀丸の顔面を激しく打つ

「ヤッダバァァァァーーーーッ!!!」

秀丸の体は壁を破壊し、隣の部屋までぶっ飛んだ


シン(よ…

よええ…



はッ!も…もしかすると、ジョーイの怒りの矛先は今度はこっちに向かってくるんじゃあないかッッ!?

あの秀丸とかいうやつめ…余計状況を悪くしやがったッ)


デュカの『キャラメル・ミルク』で床と同化し逃げる、ということも考えたが、デュカはさっきからシンの腕にしがみ付き、震えている。怯えきっているのだ、これではまともにスタンドは操れないだろう。

絶 体 絶 命

そんな言葉がシンの頭をよぎったそのとき

パチン

と指を弾く音がした

ジョーイが振り返ると、そこにはもうシン達の姿はなかった

ジョーイ「なッ…何ぃーッどこへ消えたッ!?」



シンとデュカは全く状況が飲み込めない。
二人は、同じ廃マンションの、先ほどの場所とは離れた部屋にいた。

秀丸「殴られたのは俺の『ドッペルゲンガー』さ」

気が付けば、さきほど派手にぶっ飛ばされていた秀丸が無傷で立っている。

秀丸「で、ジョーイが気を取られている隙に君たちを『神隠し』したんだ」

この男…何を言ってるんだ?
もう今日はわけのわからないことばかりだ。

秀丸「なんで俺が君たちを助けたかって思ってるのか?
それはね、あいつに頼まれたからなんだ」

そう言って秀丸は部屋の隅にある小さな箱を指差した。


******


「箱」、秀丸は確かにあれを「あいつ」と呼んだ。

シンには気づいていた・・・中に何かがいる。

箱に気を取られていたシンが秀丸のほうに目を向けると、そこに秀丸の姿はなく、隣にいるデュカに話しかけていた。

秀丸「大丈夫かい?これを食べて落ち着くといい。チョコレートさ・・・。別に君のために持ってきたわけではないけどね。」

デュカはそのチョコレートを一口かじり深く息を吸った。

秀丸「震えはとまったようだね。君たちに大事な話があるんだ。とてもだいじな・・・ね。だがここで話しづらい。」

秀丸は胸元から一枚の紙を二人に差し出した。

秀丸「そこに隠れていてくれ。日没までにそこに来なかったら、俺は死んだと思っていい。その時はその番号に電話をしてくれれば、電話の相手はきっと力になってくれる。」

シンはデュカを見つめた。

シン「デュカ・・・今まで俺たちは2人で力をあわせて何とかやってきた。今までもそしてこれからも・・・ずっと・・・」

デュカ「シン・・・。・・・とにかくこの場を離れなきゃ・・・。」

『キャラメルミルク』は周囲を液体にして2人を外へと無事脱出させた。秀丸が外を見たときには2人はビルの向こうへと消えていった。

ジョーイ「逃がすわけにはいかねえぇーーー!!!」

ジョーイは窓をぶち破り飛び降りた。

ジョーイ「『ブローウィン インザ ウインド』!!!周囲の風を集めて『道』をつくれ!!滞るものは何もなく滑らかに回転するかのように俺だけが『なじむ道』をだァァーーー!!!」

ジョーイの足元に彼のみが見える『空の道』が生まれた。

その道を風を纏ったジョーイは滑空するかのように走り2人を追跡した。

ジョーイ「隕鉄!!!そいつらは任せた!!!」

秀丸がジョーイをとめられなかった理由。それは隕鉄が動き出したからであった。

ジョーイがいなくなったのを確認してから隕鉄はけだるそうに話し出した。

隕鉄「あいつは・・・親友を殺したやつを探しているようだが・・・まあそんなことはどうでもいいか。お前、こいつを知っているか?」

隕鉄は写真を取り出した。

隕鉄「名前は・・・『佐藤』」

秀丸「・・・なぜそいつを探しているんだ?」

隕鉄「邪魔なんだよ。俺の『正義』を貫くためには・・・
だから『始末』しようと思っている。」

秀丸「ふざけるな!そんな『正義』があってたまるか!!!」

秀丸は隕鉄の襟をつかみ絶叫した。

隕鉄「お前たちは勘違いをしている。『正義』とは・・・。いいか『正義』とは・・・普遍的なものではなく善には善の悪には悪の『正義』が存在する。俺にとって『正義』とは悪であることだ・・・。」

隕鉄は無理やり秀丸の腕を引き剥がし蹴り飛ばした。

隕鉄「それで・・・知っているのか?教えてくれたら無傷で返してやろう・・・。」

秀丸はゆっくりと起き上がりポケットから落ちたチョコレートを拾った。

秀丸「無駄だね・・・。」

隕鉄「何?」

秀丸「知ってても教えないし、どこにいるかわかっても意味はない・・・。 なぜなら・・・今ここでお前は再起不能になるからだ。」

部屋の片隅で『箱』がカタカタと揺れた。



後編

最終更新:2007年06月27日 12:35