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-外伝『赤倉が酒豪』-


私は『 赤倉男平』と言う。
スピードワゴン財団、スタンド関連全般の問題解決人(トラブルシューター)。

世界各地を股に掛け。忙しい毎日を送っている。
そう誰でも・・できる仕事じゃあないからな。

そんな私ではあるが。
『休日』と言うモノも存在する。



戦士、一時の休息。

然れども、明日、再び戦場へ・・・。



そう。休日と言っても、休息の時は短い。
それが『 日本での休日』となれば尚更だ。

だから私は、必ず此処へ来るようにしている。

カリブ海で、ワイン片手に日向ぼこ洒落込むよりも。
『此処へ来る事』。それが喜ばしい事で、あるからだ。



ピン ポ ォ ~ン



彼女さながらの、間の抜けた音だな。
いや、音で、この部屋を選んだ訳ではないだろうが。



ハァ~ ~ イ。



更に間の抜けた声がした。
全く、幾つになっても・・・。



ガ チャ



ドアを開ける音までも、間が抜けている訳じゃあなしか。



「待ってたわよぉ~~。『 オ ジ サ ン』」

・・・・。
オジ・・・。

「なによぅ? 昔と違って、もーそうゆう年でしょ~?」

そーゆう君は、昔と変わらず、
すぐに頬を膨らませる。

と、感慨深ってる場合じゃあない。
もう飲んでるのか?全く、互いに酒豪なモノだ。



「フッフッフ。こぉ~んどこそ、飲み勝ぁーつッ!!」

「まだまだ負けンよ。『 赤倉 シバ美』君。」



そう。
日本で休日を得たのなら・・。

必ず『姪』に会うと決めている。
全く。何時会っても変わらぬモノだな。シバミは。

可愛いモノだ。




・赤倉男平
 スタンド名:スーパー・レッド・ダンディ・ブルース 能力:「怪力ッ!」
・シバミ
 スタンド名:シバミティア 能力:「水分」を「アルコール」へと変える。




「すぅーぐ、そうやって大人振る。
 女子高生にでも、モテたいのぉ~~~?」
シバミはフルネームで呼ばれた事に不満そうだ。

「昔と違って、もう、そうゆう年なのだろう?」
眉一つ動かさず答える、男平。


「じゃあ、やっぱオジサンじゃん。」
ニヘラと笑い、からかうシバミ。


「・・・・・。」
男平は・・・。
「ムゥ。」
少々困るモノも・・・反撃の思考ッ!!

全く。シバミと言う奴は。
だが・・・、この赤倉男平。やられっぱなしじゃあ、な いのだなぁ。


「ゴホンッ」

わざとらしい咳払いをする。
一瞬の間を作り、そして間髪入れず。

「胸ばかり、大きくなって・・・。
 大きくなるのは結構だが。ちゃぁ~んと彼氏は出来たのかい? シバミ君??」

「ッッ!?」
シバミの顔が『ガビーン』だ。
男平はとても喜ばしい。


フッフッフ。
見たまえ、シバミ君。このアダルティな返し技。
この赤倉男平。伊達に世界を股に掛ける、トラブルシューターでは無いのだよッ!!

だが、優越感は一瞬であった。


「未だ『 独 身』の、
 オジサンに言われる筋 合 いはなぁーいッッ!!」


「ッ!!?(ガァーン!!?)」


「それにオッパイって・・・。そんなに一人身生活って厳しいの~?」


「いや。職務上、いつ何時・・・」

全部言い終える前に、更にもう一発。


「『ダンペーちゃぁ~ん アタシが、お嫁さんになってあげゆぅ~~~~♪ 』」


「・・・・なッ!!?」


な・ななな!?そんな!?
君はもう、幼稚園前の子供でも無ければ、思春期前で判別がつかない年頃でもないのだぞぉおおおー!!?

硬直する赤倉男平。


「キャハハハハハハハハハ!!
 昔っから、こーゆうと、固まるよね。ダンペーちゃん。」

「今もロリコン? 胸大きくなっちゃったから、私ボール球??」


「お・大人をからかうモンじゃぁーないッ!」
男平は、必死だ。否、 必 死 過ぎる。


「でも、今は飲み勝負。

 最早ダンペーちゃんが、私に勝てるモノが、
 何一つ無いって事を、思い知らしめてやるンだからッッ!!」


「の・望むトコロだァーッッ!!」


そして、二人の飲み勝負が始まったッッ!!



横たわる数々のボトル。
モンゴル塩の袋は、テキーラに使ったモノと思われる。

チョコレートは、ウイスキー。
焼き鳥は・・・日本酒?
泡盛にも合う。

ちなみに、杜王町へ行ったならなら『日本酒・ 浦 霞』。
決して外してはならない、抑えドコロであると、理解して頂たい。

牛タンや笹カマコボを食べるよりも、それを飲む事。
それが重要な事だからだ。

さて・・・。
二人の飲み比べは・・・。



・・・・・



「オジサン帰って来るの、楽しみなのよねぇ~~~~。」
「世界各地のお酒と一緒♪ オジサン、メガネさんみたい~♪♪」

「レモンハートか?
 今何巻まで出ているんだ?」

『メガネさん』に反応する、男平。

「23巻~。置いてあるよ。読む?」
無造作に積まれた白基調の単行本を指差すシバミ。


「ああ、飲み勝ってからな。」
先の情けなさはドコへやら。
この上ない静謐と血の赤のような色を纏わせ、クールに答える赤倉男平。

「負ァーけるかァアアアー!!
 なんとかなるッ!友情ォーパワァアアアーッッ!!」
シバミは絶好調だ。



「友情パワーか。

 最近の肉二世は、初代の時代へ向かい、
 カナディアンマンが、出てきたと聞くがどうなっているんだ?」

「ゴメン。最近の知らない。」

「ま、ヘタレ役だろーがな。
 ちなみにヘタレの中で、一番カッコ良いのは『 ブロッケンJr』と思っている。
 あれは熱い。熱き血潮を燃やす『 若者ならでは熱さ』がある。」

「良いよねぇ~、ブロッケンJr。
 私、『ハンブルグの黒い霧』が好き。」

「マニアックだな。シバミ。」

「カナディアンマン好きに、言われる筋合いはなぁーい!!」





そうして、夜は更けて行き・・・。

『 朝』。

二人は・・・。




「zzzzzzzzz・・・・・。」
「スピィー・・・・スピィー・・・・。」


共に酔い潰れていた。


「どぉ~~だぁ~~~、ダンペーちゃ~~~ん・・・。」
「私の勝ちだぁああああ~~~~~~。スピィースピィー。」

夢の中でも飲み勝負のようだ。


男平は。
かすかな思考で、熟考する。



スピードワゴン財団。
スタンド関連全般の問題解決人(トラブルシューター)。

聞こえが良い。
給料も良い。何よりも・・・『自分が正しい』と思っている事をやれている。

何も・・・不満は無い。


だが。
この仕事。


いつ何時。どんな結果になろうとも・・・。
例えそれが『 己の死』であろうとも・・・。

やり遂げなければならぬ仕事であるのだ・・・。

女房は・・・。
作れぬわなぁ・・・。



男平は、シバミを見やる。



何処まで本気か知らんが・・・。
(少なくとも、私は本気にしているが)

俺のお嫁さんになるゥ~~~なんて言ってんじゃあないぞ。
早く、彼氏を作っちまいな。

お前の事だ・・・。
さぞかし。酒の強い彼氏なんだろーなぁ・・・・。

朝昼晩と酒三昧。
嫉妬の一つでも。してしまうだろーなぁ・・・。俺は。


クラリ・・・。


最早、かすかな思考も辛い。
起きたらレモンハートを読むか。

今度は、何をシバミに飲ませてやろうか・・・。


二人は、夕まで、眠り続けた。

 

外伝『 教 師・佐藤 』

最終更新:2008年02月01日 22:11