-外伝-
雨。
古く寂れた教会で、修道服の男がつぶやく。
「しかし、困ったものですね・・・・・・。どうも今回はイレギュラーが多すぎる。部下は全部やられ、欲しかった『おもちゃ』も壊れてしまった。『愛を教えてくれたあの人』の消滅し、サトヨシは暴走気味だ。
全く、やれやれ、です」
つぶやき、深くため息をつく修道服の男、ケイ。
「だよねー。でも、何でだろうねー。『前』に起きなかった事が起きすぎてるしー。ハイネちゃんどう思うー?」
ケイの横にいた少女、茜の問いに、呼ばれた半陰陽のハイネが答える。
「わからん・・・・・・。だが、気になることはいくつかある。ケイ、貴方の失敗も含めて、だ」
その言葉に、ケイは表情を曇らせる。
「神の代行者である私が、『失敗』を犯した、そう言いたいのですか・・・・・・?」
「別に責めたつもりはない。ただ、『前にはいなかったスタンド使い』が増えすぎた。『矢』を使いすぎたのではないか、そう思っただけだ。これだけ状況が変わってしまえば、当然予測しきれない事態も起きるだろう。ケイ、貴方の『アルターコール』も含めて」
「つまり? 私が『矢』を多用したために、『前の世界』ではあり得なかった『イレギュラー』が多発しているのだ、とそう言いたいのですか?」
「『そういうことができるスタンド使い』が生まれてるかも知れないよねー」
黙っていた茜がつぶやく。
『!』
ケイとハイネが同時に茜を見る。
「どういう、意味です・・・・・・!?」
「『イレギュラー』を起こす『能力』を持ったスタンド使いがいれば、もちろん『イレギュラー』がいっぱい起きるでしょ?
ケイとハイネちゃんが言ってたのってそういうことかなー、って思ったんだけどー」
今まで茜とコンビを組んできたハイネだが、相変わらず茜の思考には付いていけない。
・・・・・・だからこそ、頼りになる時もある。
「面白いですね。あくまでも推測の域は出ていませんが、視野に入れておく必要がありそうです。しかし・・・・・・、もし実在するとしたら・・・・・・引き入れるべきか消すべきか。少し『神』との対話を行う必要がありそうですね・・・・・・。
ハイネ、茜。私は少し奥に篭ります。もしもの『来客』の際は、丁重におもてなしして下さい。私が戻るまではここを動かないように。何か面倒があったら松葉に動いてもらってください」
二人がうなずく。それを見てケイは、奥の巨大な扉の向こうへと姿を消した。