-外伝『信頼』-
とある教会。
最近ケイちゃんが部屋にこもりっぱなしだ。
あの男、クツケイとかいう男がケイちゃんに再び矢をさしてからというもの様子がおかしい。
以前は自分から動き、仲間を増やしていっていたのに…。
「おい、茜」
「…私、今機嫌わるいのよ、ハイネちゃん」
「にらむなよ、それよりも、ほら。」
携帯にメールが届いていた。
「私が寝てる横でずっとなってて、五月蝿かったんだよ」
ありがとう、小さく呟き携帯を受け取る。
『茜。
一人で私の部屋に入ってきてくれ』
ケイちゃんからのメールだった。
急いで私は部屋へと向かう勿論部屋に入る前にノックをするのは忘れない。
「…入ってくれ」
久々に入るケイちゃんの部屋。
いつもソファに座っているケイちゃんが――いない?
不意に頭に手を載せられる、この感触この香り……ケイちゃんだッ
―おかしい、私はドアから、入ってきた。
そのドアから、ケイちゃんが入ってくるのは。
「茜、考え事をしているな」
「ケイちゃんにはなんでもお見通しだねッ☆」
新しい能力を手に入れたのかな?
「茜にしか頼めないことがある、茜の――」
「いいよッケイちゃん☆
ケイちゃんのすることならなんでも受け入れるよ。
今までも、これからも」
話途中で遮る、ケイちゃんのすることはなんでも受け入れる、これはホント。
私とケイちゃんは小さい頃からずっと(ケイちゃんが神学校の時を除いて)一緒だ。
人は少しずつ変わる、けど思い出は変わらない。
変わらないものがあるからこそ私とケイちゃんはここにいる。
「茜を“信頼”しているよ」
ゴスペル・オブ・シンが私に触れる。
1、2、3、4、5、6、7、8、9……。
「…ケイちゃん、私も信頼してるよ」
10回触れると同時に破裂する、それがゴスペル・オブ・シンの能力(テン・コマンドメンツ)
10
目の前にケイちゃんがいた。
おかしいな、後ろから触られていたはずなのに…。
「茜、これからもよろしく頼むよ」
言うとケイちゃんは頭に手を載せてよしよししてくれた。
変わらない、子どもの頃から…、私が泣くとこうしてくれた。
帰ってきてケイちゃんは少し変わっていた、でも昔と変わらないところもちゃんと、ある。私がケイちゃんを想う気持は、変わらない。
その後ケイちゃんに世界の真実についての話を聞いた。