かりかり
麗らかな陽射し
かつかつかつ
優しく流れるそよ風
かりかりかり
手紙を、したためる
【外伝/Letters:1 to My...】
筆が進む、停まる。
思いをしたためるのは、こうも思い通りにいかないものか。
『―親愛なる貴方へ。
俺が愛した、俺を眠らせてくれた貴方へ。
そちらはどうですか。
元気でやっていますか。
飲み過ぎていませんか。
…今日も、笑えていますか。
俺は元気です。
貴方のお陰で、俺は健やかでいます。
覚えていますか?初めて会った日を。
思えばあの時から、俺は貴方に(塗りつぶしてあって読めない)
ともあれ、俺は元気です。
残念なのは、お前の笑顔が見れないことかな。
長いようで短かったあの日々。
貴方のお陰で、俺は幸せでした。
―願わくば』
そこまで書いて、筆が止まる。
傍らで見守っていた愛犬が、怪訝そうに首をかしげる。
「いや、やっぱやめとこ。ガラじゃねえや」
筆を放り出す。
果ての見えない空を仰ぐ。
「―願わくば、貴方が幸せに生きられますように―」
口許に微笑を浮かべ
黒い腕の青年は、止どめた最後の言の葉を
流れるそよ風に乗せる。
「―ああ、今日も、いい天気だ」
永劫曇ることのないこの世界で。
俺は書き続ける。
貴方を思う、永劫届かぬ手紙。
寂しくはない。
親友(とも)がいる。
仲間(とも)がいる。
愛犬(とも)がいる。
そして何より、お前との思い出がある。
だから
――だから――