さらり
しゅっ
かさ、かさかさ
墨痕鮮やかに。
筆が、疾る。
【外伝/Letters:x Twister!】
『一筆啓上仕り候う
寒風肌をさす、今日この頃。
元気でやっているだろうか。
変わらずあるだろうか。
己の焦がれた、美しき世界よ。
己の愛した、輝かしい仇敵達よ。
お前たちは、変わらず健やかだろうか―』
ひた、と筆を停める。
上空遥かに流れる雲。
激動の日々を懐かしみ
ゆるり螺旋を刻み、変化を愉しむ。
『こちらは穏やかだ。
あれほどの喧騒に満ちた日々が、今は夢のようで。
己は、信じられないほど穏やかな心持ちで、日々を送っている。』
ゆら、と、風に揺られて、一輪の花が揺れる。
己の墓に添えられた、一輪の花。
『墓に添えてくれた花。
嬉しかった。
あの戦いも、もはや忘れがたい、思い出となった。
己は、まだ生きているだろうか。
今では友と呼べる、お前達の心の中に。
―――最後に。
己は、感謝している。
あの崩壊しかかった世界に。
幾度も繰り返した、己にとっての夢幻地獄に。
友となった、お前達に。
いずれ、縁あればまたどこかで逢えるだろう。
…では、また逢おう。
我が友よ。』
終わることのない螺旋を生きた一人の修羅は。
一時の安らぎを、友の中に得た。
分かっていることだ。
これは気休め。
いずれまた始まる、終わりなき地獄までの。
―――――それでいい。
己が得たものは、かけがえのないものだ。
胸に秘めて。礎として、これから歩いてゆける。
――――――それまでは。
―――――――少しばかり、ここで微睡んでいよう。
穏やかな笑みをその花弁に浮かべ。
一輪の螺旋花は
慎ましやかに花を咲かせる。