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-外伝-

【幽霊?】○○市廃マソショソ爆発【DQN?】
まだニュースには流れてないけど、○○市の廃マソショソで爆発事故が起きた模様。マソショソはバブル時代に建設中断されてるから住人はいないけど、中に人がいたらしい。


 ノートパソコンのモニタに表示された掲示板のスレッド。
 そこに表示されていたのは、この居酒屋から車で数十分の地点で起きた出来事だった。スレッドが立った時刻は19時頃。
 コウはノートパソコンをテーブルの上で反転させ、シバミに見せる。
「この書き込みどう思う? 今の時間になってもまだニュースに流れてないあたり、かなり怪しいと思うけど」
「ん~? シバミ酔っ払ってて字ぃ読めな~い」
「……ったくこの酔っぱらいはぁッ!! さっきの勢いはどこ行ったのッ!」
「ええー、だってそれとこれとは別でしょー。お酒がこんなにあるのにぃー」
 くだを巻くシバミとあきれるコウ。諦めて話の矛先を変える。
「ヒデエモン、あなたはどう?」
 問われて曖昧な表情を浮かべる
「さあ、どうっすかねぇ。クサイっちゃクサイっすけど、こういうのって結構ガセネタとか多いんすよね? あそこまで行って何もありませんでしたじゃ困るし。それにシバミの姉御がこれっすからねぇー」
「わかったわ。『情報』が足りないって言うのね。ワールド・ワイド・ウェブ!!」
 コウの指先から常人には見えないケーブルが、ノートパソコンに打ち込まれる。そして、コウの目に危険な光が宿る。
「私のスタンドが直接攻撃できないからってみんな馬鹿にしやがってッッ! 今の世の中金も権力もすべて『情報』でどうにでもなるのよッッ!! 私のスタンドは『地上最弱』だけど『地上最強』のスタンド、WWWッッ!! 面倒だけどやってあげようじゃないのッッ!!」
「……あ、姐さん? 結構酒回ってます……?」
「うるさいんだよ黙ってなこのダボがぁぁッッ!! 最高にハイってやつなんだから邪魔するんじゃねえよトンチキめ! ハイテンションで廃マンションを検索しつくしてやるぜぇッッ!!」
「……別人だ。もう完全に別人だ。……何で俺こんな人たちと飲んでんだろ……」
「出なさい『情報』!! ブロブロブロブロブロブロブロブロォォォドバンドォォォォッッ!!(広帯域幅)」
 指先からのケーブルと、指先そのものが異常なまでの速度でパソコンを操作する。画面は早送りの様に切り替わり、ヒデエモンにはまるでサウナの中にいるかのような熱気が伝わってくる。
「ハァハァハァハァッ……間違いない、スタンド使いね……。しかも」
 もったいぶって、汗だくで前髪を額に張り付かせたコウが、上目づかいにヒデエモンを見上げる。
「しかも……何です?(貞子みてぇだ……こいつはヤベェぜ)」
「この廃マンション。スタンド能力があることで社会に適合できなかった若者の掃きだめみたいになってたらしいわ。それと、周りにも建設途中でバブル期に捨てられた廃ビルがいっぱいあったみたいね。そのうちの一つは……深夜には暴走族の溜まり場になっていた……」
 潰れていたシバミが、それを聞いて飛び起きる。その表情は、先ほどまでのシバミではなく、あの時見せた覚悟が瞳には光っていた。
「ナガセかッッ!! ナガセがあんな風にならなきゃいけなかった原因がそこにあるって言うのかッッ!!!」
 あまりの勢いに、店内の客がシバミを振り返る。だがシバミは気にせず、飛び起きた勢いのままコウの胸倉をつかみ、席から無理やり立たせる。
「落ち着きなさい。確証が取れるほどのデータはなかったし、あくまでも怪しい、という範囲でしかない。でも行ってみる価値はあるんじゃないかしら?」
「アタシが、アタシが殺したんだよ……? それにスタンド使いがいるって言うなら、必ずあの男も来る。ムトウタチバナもね。……迷う余地なんかビール1滴分もあるわけない。……でも」
 視線を落とすシバミ。シバミを見つめるコウとヒデエモン。
「お財布が思ったより軽いな、って♪ こう見えても花の女子大生だし♪」

 居酒屋の夜は更けていく……。

 

第4話「ゴースト インザ マンション オブ ラブ」

最終更新:2008年01月31日 11:54