-外伝『灰色の光』-
寺院であった。
薄暗い雨上がり。
街灯薄暗く、月と星の光のみが、
この世の煌めきの全てと、受け止めてしまいたくなるような
『 灰 色 の 光 』
納骨堂を見据える男。
『 隕鉄』は、過去は噛み締める。
・『本体:隕鉄/スタンド名:ツイスター 能力:あらゆるモノを「捻じ切る」。』
俺の名は『 隕鉄』。
19歳。
『推定』の年齢だ。
天涯孤独の身。俺は1歳の頃から孤児院で暮らしてきた。
1歳。それは『推定』だ。
体格が1歳程度であったから、1歳と定められたに過ぎない。
定め方も『いい加減なモノ』でな・・。
発見当時、『 衰弱をしていた』と言う話だ。
その『衰弱した体』から判断して『1歳』。
『いい加減なモノ』だろう?
2歳かも知れない。3歳かも知れない。
いいや・・・、5歳児だった可能性だって捨て切れぬのだ。
『 いい加減モノ』だぜ。
『 南無阿弥陀仏』を唱えれば、何でも御仏が適えてくれると思う・・・。
『 虫の良い信心』だって・・・。
『 必死に、現状を打破したい』と言う、心根が込められているだろうさ。
『いい加減なモノ』だ・・。
そしてオレは。『 い い 加 減 な 母親』から生まれたのだ。
隕鉄は『 納骨堂』を見据えている。
俺は施設に入る前の事を何も知らない。
だがなァ。母親が『この中に居る』と言う事だけは知っているんだ・・ッ。
酷い女だったそうだぜ?
近隣の者からは、煙たがられ。
親類の者からは、絶縁され。
誰からも愛される事無く、首を吊り孤独に死んだのだ・・・。
息子の俺を、置いてな・・・。
皆がこう言った。
「酷い母親だった。」
「隕鉄。君の出生届けも出していなければ・・・。」
「君の事を衰弱死寸前まで、ほっぽいて居る。」
「母親の事は忘れなさい。」
「君の人生は辛いモノかも知れない。」
「けれども。」
「『忘れる事』で・・・。」
「『希望ある人生』を歩む事ができるだろう。」
皆がそう言ったよ。
その通りだ。
酷い母親だ。
ロクでも無い母親だ。
とんでもない母親だ。
許し難い母親だ。
だがなァ・・・・。
そ ん な 母 親 ッ !
こ の 俺 以 外 ッ !
誰 が 愛 し て や れ る と 言 う の だ ッ ッ ! !
余りに酷い母親では無いかッ!
近隣の者から、煙たがられッ!
親類の者から、絶縁されッ!
その行いは酷くッ!
俺の出生届けも出していなければッ!
俺の事を衰弱死寸前まで、ほっぽいて居るッ!
誰からも愛される事無く、首を吊り孤独に死んだ『 母親ッ!!』
死後すら、皆から『忘れる事で、希望ある人生を歩む事ができる』と言われる『 母親ッ!!』
そんな『 母親ッ!!』
この俺以外ッ!
『 誰が愛して や れ る 言 う の だ ァ ア ア ア ア ア ー ー ッ ッ ! ! 』
隕鉄は踵(きびす)を返すッ。
解りやしないッ!
この世の中、何が正しいのかッッ?
何が『正義だッ?』
正しいのは、『皆かッ?』
それとも、『 俺なのかッ?』
今をもって、尚解らぬッッ!!
生涯捧げてすら、解らぬかも知れぬッッ!!
だがこの隕鉄ッ!
『 正 し く 生 き る と誓い立てた』のだッッ!!
な ぜ な ら ・ ・ ・ ッ
『 俺 の 母 親 の 名 は 、 「正」 岡 「義」 子 ッ ! 』
『 だ か ら こ そ 、 こ の 隕 鉄 は 言 い 放 つ の だ ッ ッ ! ! 』
『 正 義 は 勝 つ ッ ! 』
とな・・ッ。
刻みし誓いを新たにし・・、
隕鉄は寺院を 後 に し た ・ ・ ・ 。