-外伝『マンガニーズ・ブルーノーバ』-
屈託の無い『 笑顔』。
シルビアは、忘れられなかった。
あの屈託の無い『 笑顔』を。
支離滅裂な事、言ってるクセに、
私がずっと忘れていた『 暖かさ』を持った女性。
シバミ の事を考えると、胸が痛くなって仕方が無い・・・。
会いたい・・・。シバミに。
でも、入って行けないの。
シバミの周りには暖かな『 友達』が大勢いる。
頬を伝うは、一筋の涙。
同じように、塩辛いのに・・・。
涙は『 飲み込んで、消しさってくれない のよね』。
何時も、貴方を見ているの・・・。
シバミ・・・。
貴方を見ているの・・。
貴方と話をしたい事が、一杯あるの・・・。
シルビアは、『 悲しい 』。
・『本体:シルビア/スタンド名:マンガニーズ・ブルーノーバ 能力:空間に「海中」を作り出す。』
・・・・・
可哀想・・・。
私はこの言葉が『 嫌い』だ。
口では、そう言うのよね。
それは『 同情』から言っている言葉。
けれども、それは『 同情なんかじゃない』。
私は『 愛している』のだから。
『 お父さん』を・・。
『 お母さん』を・・・・。
『 可 哀 想 』。
誰かが、私に話をかける時。
誰もが、私に対して持つ『 感情』がある。
『 あんな父親と母親に、養われていて可哀想ね。』
『 何時も同じ格好。せっかくの美人さんが台無し。』
『 親は一体、何をしているの?』
『 事情は解るけど。』
『 子供だけには、苦労をかけていけない。』
『 それが、親の「 愛情」と言うモノでは、無いかしら?』
『 貧しき事は罪では無い。 しかし、心が貧しい事は「 罪」ではないだろうか?』
誰もが、両親を『 見下していた。』
子供に、ひもじい思いをさせる親。
それは、世間体良くないモノなのかも知れない。
けれども。私は、両親を愛しているし。
そして『 不幸』だと思った事なんて、1度も無かった。
言われる度に、『 悔しかった。』
人から見て、『不幸せに見える事』。
それだけで『 可哀想と、受け取って良いの?』
生活は苦しかった。
それは、確かかも知れない。
でも。
苦しいことは、『 不幸な事ではない。』
そんな生活。
そんな中・・・。
お父さんとお母さんは、早くに死んでしまった。
「 シルビア、貴方だけは幸せを掴むのよ。」
両親、共に。
そう言い残して・・・。
・・・・・
「 海は全てを飲み込んで、そして消してくれる。 」
私は、消してしまいたかった。
積み上げられた 古ぼけた昨日。
積み上げられていく 無計画な明日。
そして・・・。
染まり行く 無秩序な『 今日』。
憎いとか。気に入らないとか。そう言った事じゃないの。
飲み込んで、消し去ってしまいたいの。
無秩序に飲み込み。
無計画に積み上げられ。
そして、古ぼけていく・・・。
繰り返し・・・。
繰り返し・・・・・。
でも。
あの日。
私は『 思い 出 して しまった』。
『 この世に。 暖かで、 確かな モノ が あったと言う事を。 』
シバミ・・・。
シバミ・・・・・ッ!!
こんな私に、すがってくれたシバミッ!
こんな私に、微笑みかけてくれたシバミッ!!
そして、私は思い出してしまったッ!!
あの日ッ!!
お父さんと、お母さんは溺れ行く、私を助けッ、
増し行く水位の中、死んで行ったッッ!!
『 それは スタンドの暴走ッッ!! 』
私はッ!
何者かに、矢に撃たれッ!
そしてッ、誰も彼をも憎む余り『 発現をしてしまったスタンドでッッ!!』
『 お父さん と お母さん を 殺してしまったンだッッ!! 』
こ の 手 で ッ ッ ッ ッ ッ ! ! !
何て、無秩序なの!!
こんなのにも、無計画だったの!?
どうして、古ぼけさせてきたのッッ!!?
憎しみばかりが募る・・ッ。
そう、それは自分への憎しみ・・・ッッ。
私はッ、愛される資格も『 愛する資格も 無 い ッ! ! 』
でも・・・。
でも・・・・・ッ!!
『 シバミ の 側に 居たい ・・ ・ ・ ッッ! ! 』
『 シバミ の 役に 立ち た い ・・ ・ ・ ッ ッ ! ! 』
う・・・・ううッ!!
うわぁあああああああ あ あ あ あ あ あ あ あ あ っ っ っ ! ! !
・・・・・・
シルビアの悲しみに付け込む気なんて、更々無いんだよ。
Dr.ERは思考する。
俺は・・・。スケベだ。
それを、否定するつもりは無いし。
それを言われる事で、『俺に気があるんじゃね?』と思ってしまう『 自惚れ屋』だし。
そんな生き方が楽しいと思っている。
けどさ。
『 情 に 付 け 込む 事 だけは、したくないんだよ。』
どんな美人を救ったとしても・・・。
救った恩が、縁での付き合いは絶対にしない。
『 情』と言うのは。
この世のどんなよりも『 暖かく』。
そして・・・。『 尊いモノ』と信じるからだ。
それを・・・。
遊び半分のふざけた気持ちで、扱っちゃあいけない。
堅苦しいかも知れない。
だが。それが『 義理』であり『 人情』であると信じて疑わないんだ。
シルビア。
誰が何と言おうと・・・。
『 お前は 、 間違っちゃあいない。』
お前が泣き。
お前が哀しむのは・・・。
『 情 によるモノ』なのだから・・・ッッ。
そして。
それを教えるのは、俺でもない。
シバミでもない。
『 お前だ。 シ ル ビ ア 。』
『 お前が、 気付く ん だ ッ ッ 。』
大丈夫だよ・・・。
できるさ、シルビア。
お前、大好きなんだろう?
シバミ の 事がさァ・・・・ッッ。
信じているぜ。
お前が。『自分の意思で、その部屋から、出て行く そ の 日』を・・・。
・・・・・
いつの日か。
運命の扉、開かれる日を信じて・・・ッ。