黄金の風を纏った男
空間に渦を作れる男
二人は『正義』のために動き出した。
スタンド使いは危険である。
殺すのもやむをえない。
大を生かすため小をつぶすのは仕方が――――ない。
それが『正義』だと信じて。
そして、
二人は二人を見つけた。
夕暮れにはまだ少し早い時間、学生達が歩いている。
「ねー、デュカ。たまには遊んで帰ろうよー」
「彼氏だって私たちと一緒だったら、許してくれるって!」
デュカと呼ばれた少女は曖昧な笑顔で切り返す
デュカ「んー・・・、でもー・・・。」
彼女の中で答えは決まっていた。
答えは“NO”だ
-そりゃね友達と遊ぶのはもちろん楽しいよ?
でもさやっぱり“好きな人”ってのとは比べ物にならないのよねぇ。
デュカ、本名 逅歌 望(ぐか のぞみ)
小中高と一貫である学校で、初等部の頃に自分の名前を間違えてDucaと書いてしまった事から、いまだにその名で呼ばれている。
デュカ「んー・・・やっぱりやめとくよ。ごめんねっ」
「相っ変わらずラブラブだねー」
「ホントあんなキタロウヘアーの男のどこがいいんだか」
「しかも授業中、絵ばっかかいてんしキモくね?」
「明日がデュカの誕生日って事わすれてたりしてねー」
デュカ「どこが、いい・・・かぁ。わっかんないんだよね・・・、甘えさせてくれるところかな?」
「えー?デュカ甘えキャラじゃないじゃん」
友人達は大きく口を開け、笑った。
デュカ(甘えキャラってのは本当なんだけどね・・・、まぁそこに気づいてくれるってのが好きなとこの一つなんだよね、きっと。)
たわいもない話をし、駅前でみんなと別れた後“廃マンション”へと向かう。
この街には未だにバブル後期の頃に造りかけたまま放置された施設が多数残っている。
その一つがシンとデュカの場所だった。
シン「あー?・・・オレのいいところねぇ」
何かをあたりながら返事をする
デュカ「うん・・・、ってなにしてるの」
シン「ん・・・あー・・・オレが昨日造ってたの覚えてるか?」
デュカ「え?うん、プラモデルでしょ?」
シン「あー・・・“キャラメル・ミルク”を使って壁を溶かしてくれないか?」
デュカ(何してたんだろ?)
『本体:Duca/スタンド名:キャラメル・ミルク』
言われるまま壁を液化させ、シンの指示した部分を固定していく
デュカ「サーフボード?」
出来上がったものは人が二人は乗れそうな大きさの、サーフボードのようなものだった
シン「これはリフボードってーんだけどな、あーこないだ造ってたロボットが乗ってるんだよ。
で、まぁ、トラパーってヤツの上に・・・ってわかんねーよな」
デュカ「さっぱり」
『本体:シン/スタンド名:JITTERIN’JINN』
“JITTERIN’JINN”をボードに憑依させる
シン「あー、“JITTERIN’JINN”はフィギュアを動かすスタンドだと思ってたんだが、どうも違うようなんだ。
こいつは空を飛ぶボードなんだが。あー・・・。やっぱり浮いたな。
スタンドっていうのは才能だろ、才能の可能性を目覚めさせるか自分で決めることができる。
自分の目で効果が分るなんて、判りやすい才能だよな」
くっくっくともらすように笑うシンをみてデュカはいつも思う。
デュカ(・・・あんまりわかんないけど楽しそうだからいっか)
二人の毎日はそうやって過ぎていく。
たまに出会うスタンド使いは二人で退けて。
とある日
廃マンションの一室に
二人は二人を見つけた。
*******
知っているかい?
あの『廃マンション』の噂。
知っているゥ?
いいや、それはウソだね。
知っているハズが無い。知る由も無い。
俺のダチ公が、命を賭けて知らせてくれたんだぜ?
だから、知っている訳がない。
俺のダチ公よりも、アンタが『信じられるヤツ』だってぇーのかい?
あぁあああああ~~~~ん???
・・・・。
ハタチ前後。
この世の中の社会・世間に絶望をした不良少年。
俺の名は『ジョーイ』。
そうだな・・・『黄金の風を纏った男』。と、でも呼んでもらおうか?
俺達の聖域(サンクチュアリ)は何者か達に奪われた。
全ての発端はあの場所。『廃マンション』だったンだよ。
数年前の話だ。
絶望の淵、弱い者が傷を舐め合うように、俺達はあの『廃マンション』に集まった。
そう、重力がリンゴを大地に引き寄せるかのようにな。
俺達は、皆、『不思議な力を持っていた。』
俺達は、皆、『力の使いドコロが解らず、悶々としていた。』
この力、誰に訴えかければ良い?
この力、誰にも見せず知らせる事無く、生きてけって言うのか?
こんな力要らなかった。
世の中に容認されない力を持つ事など『不幸!』
俺はいつだって好きな時に『風を起こせるんだぜ!!』
『ソイツは奇跡じゃああないッ!!
俺 だ ! こ の 俺 の 力 な ん だ ぜ ッ ! ! 』
『誰に訴えかければ良い! 一 体 誰 に ッ ! ! 』
皆、同じ気持ちを持っていた。
そして俺達は『 ロックバンドを結成した。 』
この気持ち。
鬱屈したままじゃあいけないッ!
派手に、派手に、ど派手に『ブチかまさなきゃあいけないッ!ってねッ!!』
そう思ったからだッ!!
『世の中に壊されてたまるかァアアア ア ア ー ッ !
俺達の叫びを受け取りやがれぇええ え え え え え え え ! ! 』
俺達は、何度も挫折した。
その度、俺達は立ち上がった。
俺達は『スタンド(立ち上がる者)』だ。
何時だって立ち上がり、そして叫び続けるのさ!とびっきりなメロディーと共になぁッ!!
「それで?
話が長くて眠っちまいそうだぜ??」
「二十歳前後の 不 良 少 年 ・ ・ ・ 。 」
空間に渦を作れる男は、退屈そうだ。
『 殺 さ れ た ん だ よ ぉ お お お お お お お ! ! ! ! 』
ジョーイは続けるッ!
アイツも!ソイツも!取り合ったあの娘もッ!!
俺の『誕生日パーティをする予定だったんだッッ!!』
俺達の聖域ッ!聖域(サンクチュアリ)でッッ!!
そこで!ダチ公達は、無残にも殺されたッ!!
ある者はドロドロに溶かされッ!ある者は『銃撃でもされたかのように』、穴ぼこだらけになった死んだッ!!
取り合ったあの娘の顔は・・・。
『人か獣か解らないぐらい、 酷 い 顔 に な っ た と言うぜッッ!!』
そして、それを伝えたダチ公も死んだッ!
『テレパシー』。それがダチ公の能力だったッッ!!
ずっと聞いてたンだぜ!アイツの叫びをッ!『助けてくれって叫びをッッ!!』
解るか!『 お前に解るかッ!!』
『 答 え ろ ぉ お お お お お お お お お お お お ! ! ! 』
空間に渦を作れる男は・・・。
答える。
「解った・・・。と安っぽく答える気も無いし。
災難だったな・・・と。優しく慰める気も無い。」
て・てめぇッッ!!
「だが、アンタが今しようと思っている事の、手助けならしてやっても良い。」
「ジョーイだっけ?」
「俺の名は『隕鉄』。」
「悪漢どもに、御仏の慈悲はいらぬ。」
「そして・・・。」
『 正 義 は 勝 つ ッ ! 』
・黄金の風を纏った男
『本体:ジョーイ/スタンド名:ブローウィン インザ ウインド』
・空間に渦を作れる男
『本体:隕鉄/スタンド名:ツイスター』
*******
隕鉄の言葉に、ジョーイの中で何かが弾ける。
「へえ……正義は勝つってか。その理論は納得できねえな。負けた俺のダチ公は悪だってことか? そんなテメエをこの俺は信用できねえ。手伝いたければテメエの強さを見せてみやがれッ!! ブローウィン インザ ウィンドォォッッ!」
ジョーイは叫んで走りだす。
「いいだろう、ならば力ずくで思い知らせてやる、くらえツイスター!!」
隕鉄のスタンド・ツイスターは本人がキレた時、最終形態・ツイスター・レヴォリューショナリー・レヴォリューションとして発現する! その圧倒的な捩じ切る能力で、ツイスターRRは足もとの床を殴りつけ、廃マンションの床を『捩じ切る』!
衝撃と共に崩れ落ちる一室。土煙と轟音があたりを包む。
隕鉄は壁を捩じ切り、隣の部屋へと避難する。
「終わりだな……行動を共にするには値しなかったか」
――――――
「ねえシン、何か物音しない?」
「俺の心臓の音が聞こえちゃったか?」
「ばか。そうじゃなくて、遠くから何かぶつけたみたいな……」
不安そうな表情のデュカ。
「そういやそうだな。誰か戦ってるのかな? でも俺たちには関係ないか。それよりこのリフボードいい出来じゃない?」
「よくわかんないけど……、でもそうやって一生懸命になってるシンは嫌いじゃないかな。……だけど本当に大丈夫かな」
デュカの不安を紛らわそうと、シンは話を変えようと思ったが失敗したらしい。それならば、とシンは不安要素を含んだ別の話を切り出す。
「大丈夫じゃないかもな……知ってる? この廃マンションの噂」
「……何か聞いたことあるよ。物が勝手に動いたりするんでしょ? でもシンの能力だって、人形とか勝手に動くし……」
「俺が聞いたのはそうじゃなかったけど? 何しろ本当に見た人いるらしいから、幽霊ってヤツ」
「やだッ! 絶対やだッ!! そしたらシン守ってくれるよね!?」
シンは本気で怖がっているデュカを見て思う。デュカの頭をなでながら。
「お前やっぱり可愛いなあ」
――――――
「やはり、正義は俺ひと……グバァッ!!」
後ろからの強烈な衝撃に、顔から思い切り倒れこむ隕鉄。
「てめぇ脳みそ間抜けか? 俺が正義だと言ったはずだぜ」
後ろにはジョーイが立っていた。服の右そでが強風にさらされたように、いや事実強風で破れている。
「…貴様、貴様、貴様ァァァッ!! 背後からの不意打ちとはまさに卑怯ッ!! この隕鉄、己の正義のため、断じて貴様に勝つッッ!!」
「そうかい。だが俺もダチ公の魂を背負っている。あいつらの魂は黄金の風となって勝利を後押ししてくれるだろうぜ」
そう言ったジョーイの背後にヴィジョンが現れる。ブローウィン インザ ウィンド、『風を操るスタンド』。床の崩れ落ちる衝撃が巻き起こした風を利用し、空中を高速飛行した勢いで、風のコークスクリューを叩き込んだ右の拳を、ジョーイは再び握りしめる。
「貴様はここで捩じ切られて死ぬのだッ! 臓物ぶちまけてくたばりやがれッッ!!」
怒りで空間すらゆがませながら、ツイスターのパンチがジョーイを狙う。その圧倒的破壊空間はまさに真空の歯車的小宇宙!!
「テメェがキレた時、テメェの能力は空間を歪ませる。実に恐ろしいスタンドだ……。だが、空間が歪めば『風』が起きる。その能力は俺の『風』の前ではむしろ好都合だぜッ!!」
隕鉄の突進とツイスターの能力。だが、その二つによって起きた暴力的なまでの『風』を利用して、隕鉄自身を動かし、ジョーイは攻撃をかわす。そしてすり抜けざまに、風のコークスクリューが隕鉄の脇腹を痛烈にヒットするッ!
「ガァァァァァッ!!」
カウンターで決まったコークスクリューの衝撃で、隕鉄は反対側の壁まで吹っ飛ぶ。さらにブローウィン インザ ウィンドを利用し、吹っ飛んだ際の風を強化。衝撃で壁をぶち抜いて隣の部屋へ。
「危ないところだった……。だがテメエが頼りになることはよくわかったぜ。立ちな、信用はしねえが協力はしてやる」
「キャアァァァッ!! 悪霊退散悪霊退散ーッ!! ってあれ?」
「デュカ、違うみたいだぞ。もっとわかりやすいけどヤバそうな奴らだ……」
拳を振りぬいた姿勢のジョーイと、その前で倒れている隕鉄からデュカをかばうように、シンが立ちはだかった。
それに反応するように、小さな箱がカタリと音を立てた。
デュカと、新たに来ていたもう一人の男にしか聞こえない音が。
「幽霊が出るって聞いて調べに来たら……とんでもないことになっているみたいだね。ところで君、霊感強い方かい?」
ゴゴゴゴゴゴ……
《D・M・Q/シックスセンス》
《秀丸/suite Yoshitsune(組曲義経)》
*******
ジョーイ「おもしれえ…おもしれ~な~ッ
集まってやがる…
この廃マンションに…再び…『力』を持つ者達がよォ~~~」
ジョーイはにやりと不敵な笑みを浮かべる
ジョーイ「そこのガキども…見えてるんだろ?俺の『ブローウィン インザ ウインド』が…
今来たお前もだ…
持っているんだろ?『力』を…
このマンションに『五人』も集まってくるなんてよ!『偶然』なんてチャチなもんじゃあねーよなァ~~~~ッッッ
…訴えてみせろよ…お前らの『力』を!
その力の中に黄金の『光』が見えたなら…お前らのことを認めようッッ
黄金の光はすなわち正義の光ッ!
もし『光』が見えなければ…
そのまま ぶ ち 殺 し て や る 」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
シンは考える
(ヤバイ…ヤバイぞこの状況はッ!
何がなんだかわからないが…とにかくヤバイッッ!
黄金の光?ぶち殺す?なんなんだこの男はッッ!!)
ジョーイ「俺の名前はジョーイ!!この背中にはいつだって黄金の風が吹く…
喰らえ俺の疾風を!!!そして聞かせてみせろお前らのメロディを!!!」
ジョーイがシンとデュカに向かって身構え、戦闘態勢に入る
シンは先ほどこのジョーイと名乗る男がもう一人の男を吹っ飛ばしたのを見ている。その男は気絶しているのか、はたまた絶命しているのか、未だ起き上がってはこない。
おそらく、このジョーイは相当強いだろう。
シンのスタンドは接近戦向きではない…
今ここで戦闘に入ったとして、勝てるだろうか?
シン(…いや、必要なのは、勝つことじゃない。デュカを守り、二人で生きることだ…逃げる…ここは逃げるしかない…)
シンはデュカの肩を引き寄せ、どう逃げるかということに頭を巡らす
唐突に、さきほどから突っ立っていた男が喋りだした
秀丸「黄金の風ねえ…」
三人は一斉にその男に目をやる
秀丸「『黄金』っていうか…『小便臭い黄色』って感じじゃあないかなァ~、アンタ」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ジョーイ「なんだと…?」
秀丸「正義がどうとか…認めるとかなんとか…
アンタ言ってたけどね~
この世界はそんな単純なものじゃないだろう?
少なくともアンタの頭よりは…さ」
ジョーイの頭に血が昇っていくのが目で見てわかる…
な…なんだァこいつはッ!挑発してやがる…
さっきのジョーイの強さを見ていなかったのかッ?
ジョーイ「この…野郎ォォッッ!!!」
怒りに震えるジョーイが秀丸に向きなおり、再び拳を構える
秀丸「ふ~ん…拳を向けるわけかい…この秀丸に向かって」
秀丸は身構えることもせず、口の端には笑みさえ浮かべている
シン(よ…余裕シャクシャク?
何故なんだ…『自信』が…『自信』があるのか?
絶対に負けないという…自分の強さへの『自信』がッ!
そうでなければ!こんなに余裕ではいられないッ!)
秀丸「それに…アンタ…ジョーイって言ったっけ?さっき五人って言ったけど、正確には六…」
ジョーイ「うるセェェェェェェーーーーーーーーーッ!!!!
死ねェェェッッッッ!!!!!!!『ブローウィン インザ ウィンド』ッッ!!!!!!」
ゴッシャアアアアアアアアッッッッ
ジョーイの拳が秀丸の顔面を激しく打つ
「ヤッダバァァァァーーーーッ!!!」
秀丸の体は壁を破壊し、隣の部屋までぶっ飛んだ
シン(よ…
よええ…
はッ!も…もしかすると、ジョーイの怒りの矛先は今度はこっちに向かってくるんじゃあないかッッ!?
あの秀丸とかいうやつめ…余計状況を悪くしやがったッ)
デュカの『キャラメル・ミルク』で床と同化し逃げる、ということも考えたが、デュカはさっきからシンの腕にしがみ付き、震えている。怯えきっているのだ、これではまともにスタンドは操れないだろう。
絶 体 絶 命
そんな言葉がシンの頭をよぎったそのとき
パチン
と指を弾く音がした
ジョーイが振り返ると、そこにはもうシン達の姿はなかった
ジョーイ「なッ…何ぃーッどこへ消えたッ!?」
シンとデュカは全く状況が飲み込めない。
二人は、同じ廃マンションの、先ほどの場所とは離れた部屋にいた。
秀丸「殴られたのは俺の『ドッペルゲンガー』さ」
気が付けば、さきほど派手にぶっ飛ばされていた秀丸が無傷で立っている。
秀丸「で、ジョーイが気を取られている隙に君たちを『神隠し』したんだ」
この男…何を言ってるんだ?
もう今日はわけのわからないことばかりだ。
秀丸「なんで俺が君たちを助けたかって思ってるのか?
それはね、あいつに頼まれたからなんだ」
そう言って秀丸は部屋の隅にある小さな箱を指差した。
******
「箱」、秀丸は確かにあれを「あいつ」と呼んだ。
シンには気づいていた・・・中に何かがいる。
箱に気を取られていたシンが秀丸のほうに目を向けると、そこに秀丸の姿はなく、隣にいるデュカに話しかけていた。
秀丸「大丈夫かい?これを食べて落ち着くといい。チョコレートさ・・・。別に君のために持ってきたわけではないけどね。」
デュカはそのチョコレートを一口かじり深く息を吸った。
秀丸「震えはとまったようだね。君たちに大事な話があるんだ。とてもだいじな・・・ね。だがここで話しづらい。」
秀丸は胸元から一枚の紙を二人に差し出した。
秀丸「そこに隠れていてくれ。日没までにそこに来なかったら、俺は死んだと思っていい。その時はその番号に電話をしてくれれば、電話の相手はきっと力になってくれる。」
シンはデュカを見つめた。
シン「デュカ・・・今まで俺たちは2人で力をあわせて何とかやってきた。今までもそしてこれからも・・・ずっと・・・」
デュカ「シン・・・。・・・とにかくこの場を離れなきゃ・・・。」
『キャラメルミルク』は周囲を液体にして2人を外へと無事脱出させた。秀丸が外を見たときには2人はビルの向こうへと消えていった。
ジョーイ「逃がすわけにはいかねえぇーーー!!!」
ジョーイは窓をぶち破り飛び降りた。
ジョーイ「『ブローウィン
インザウインド』!!!周囲の風を集めて『道』をつくれ!!滞るものは何もなく滑らかに回転するかのように俺だけが『なじむ道』をだァァーーー!!!」
ジョーイの足元に彼のみが見える『空の道』が生まれた。
その道を風を纏ったジョーイは滑空するかのように走り2人を追跡した。
ジョーイ「隕鉄!!!そいつらは任せた!!!」
秀丸がジョーイをとめられなかった理由。それは隕鉄が動き出したからであった。
ジョーイがいなくなったのを確認してから隕鉄はけだるそうに話し出した。
隕鉄「あいつは・・・親友を殺したやつを探しているようだが・・・まあそんなことはどうでもいいか。お前、こいつを知っているか?」
隕鉄は写真を取り出した。
隕鉄「名前は・・・『佐藤』」
秀丸「・・・なぜそいつを探しているんだ?」
隕鉄「邪魔なんだよ。俺の『正義』を貫くためには・・・
だから『始末』しようと思っている。」
秀丸「ふざけるな!そんな『正義』があってたまるか!!!」
秀丸は隕鉄の襟をつかみ絶叫した。
隕鉄「お前たちは勘違いをしている。『正義』とは・・・。いいか『正義』とは・・・普遍的なものではなく善には善の悪には悪の『正義』が存在する。俺にとって『正義』とは悪であることだ・・・。」
隕鉄は無理やり秀丸の腕を引き剥がし蹴り飛ばした。
隕鉄「それで・・・知っているのか?教えてくれたら無傷で返してやろう・・・。」
秀丸はゆっくりと起き上がりポケットから落ちたチョコレートを拾った。
秀丸「無駄だね・・・。」
隕鉄「何?」
秀丸「知ってても教えないし、どこにいるかわかっても意味はない・・・。 なぜなら・・・今ここでお前は再起不能になるからだ。」
部屋の片隅で『箱』がカタカタと揺れた。
デュカ「シン!・・・シンってば!」
シン「ん?あー・・・どした?」
先ほどの場所から少し離れ廃棄されたマンションの1つに身を隠す二人
デュカ(何か考え事してるのね・・・)
シンはデュカを一度見て、また考え事をし始めたようだ
考えているときに話しを振ると、いつも『あー・・・』といってしまう癖がシンにはあった。
デュカ「何を考えてるの」
シン「あー・・・、まぁさっきの連中の事とか、だな」
デュカ「これからどうするの?」
シン「それも考えてるところだ・・・ん、一人きちまったみたいだな」
ジョーイ「“ビル風”っていうのはいいな、人工的でありながら自然的な風だ。
自然にある風よりも、強く早くオレの背を押してくれる・・・今のオレは最強・・・だな」
空中を走るように降りてきたジョーイは二人を探していた。
ジョーイは空中を飛べるわけではない、自分の周りにある空気の流れ“風”を操りかっこよく落ちてきたワケだ。
ド ド ド ド ド ド ド ド
風の中、何かが風を切りながら近づいてくる。
ジョーイ「なんだありゃ?」
デュカ「え?もう倒してきちゃったの?あの人強いんだねっ♪」
シン「違う、風を使うスタンド使いの方だ」
デュカ「えええっ!じゃぁやられちゃったのあの人?」
シン(あの人あの人うるせえな・・・そんなにチョコがうまかったのかよ)
デュカに対して苛立ちを感じながらシンは攻撃を仕掛けた。
ジョーイ「なんだおもちゃかよ」
飛んでくる物がスタンドではなく玩具であることに気づいたジョーイだったが無視はしなかった。
ジョーイ「・・・どっちかのスタンド攻撃な気がするな・・・“ブローウィン インザ ウインド”!!」
強烈なビル風を受けた玩具は、枯葉の様に舞い堕ちるか、砕けると考えていたが
ジョーイ「風に、乗りやがった!?」
玩具は風に乗り、ジョーイの真上で何かを出した。
ジョーイ「風よっ、護れ!!」
頭上で爆発が起きる
ジョーイ「ッ!!熱ぃ!!」
風で爆発からは身を護ったジョーイだったが、熱は完全に遮断できなかった
ジョーイ「本物のミサイルかよっ!“ブローウィン インザ ウインド”!!」
隕鉄を吹っ飛ばしたコークスクリューブローによって玩具は粉々に砕けて散った。
ジョーイ「・・・ここじゃぁオレは最強なんだよっ!!!」
シン「・・・最強かよ、最強ねぇ」
ニヤニヤしながらシンは小声でつぶやいていた。
自分のスタンドがやられたにも関らず。
デュカ「どうしたの?シン?」
シン「“JITTERIN’JINN”がやられた、だが」
デュカ「・・・うん」(嫌な予感・・・)
シン「あいつだけは倒しておかねえと、気がすまなくなっちまった」
デュカ「・・・うん」
シン「いいのか?」
デュカ「もう決めちゃってるじゃん。で、私はどうしたらいいの?相手はさっきみた強い人なんだよね」
シン「あぁ、だがあの時とは違って“強い”なんて思わねぇがな。
自分を最強なんていうやつはぶちのめしてやんねーと、気がすまねぇ
“キャラメル・ミルク”でさっき作ったやつをもう一度作ってくれ」
デュカは安心していた。
この状態になったシンに敵う者はいない。
今までもそうだった、どんなきつい戦いでもシンの前で“最強”と名乗るやつは皆二人にやられていたからだ。
シン「スタンドっていうのはよぉ、立ち止まる者じゃねぇ・・・そこを理解させてやる」
二人はリフボードの上に立つ。
“JITTERIN’JINN”
それは夕暮れの中で空を舞う。
*******
「デュカ・・・。
一つお願いがあるんだ。」
シンは神妙にデュカに話しかける。
「なぁに?」
デュカもまた神妙な顔をしている。
「この『リフボート』に乗っている時は、デュカ。
できるだけ無表情な顔して、俺の事を『 レ ン ト ン 』と呼んでくれ。
俺もデュカを『 エ ウ レ カ 』と呼ぶ。
良いかい?できるだけ、感情乏しく抑制的に呼ぶんだぞ。デュカ。」
・・・・・。
デュカは。
「また、その手の『プレイ』」なのねと思ったが。
そんなシンが『 可 愛 い 』と思えるので、
できるだけ無表情な顔して、感情乏しく抑制的に呼んで挙げた。
「解ったわ。 『 レ ン ト ン 』。」
シンは感じた。
交響詩篇エウレカセブン第1話にて、
ヒロインこと『エウレカ』が座り込んだ時、
スカートの隙間から『チラリと見えたモノ』を目撃した時の感情をッ!
「萌ぇぇぇ・・・・ッッ!」
シンはこの上無く嬉しそうだッ。
デュカは続ける。
「私の事、『エウレカ』と呼んで・・・。 『レントン』。」
・・・・・
「『リフボート』かぃ。
エウレカセブンとは恐れ入っちまう。俺も見てたぜ。
1期エンディングテーマが好きなんでね。」
意外とジョーイも知っていた。
そしてジョーイは口ずさむ。
生身のリフボート。生身の自身を風に乗せ。
「♪あの頃の小ィさなァー 僕が見上げるゥー
♪空はほんとォーオに広(ヒィーロ) ォオかァーったァーアー」
シンも口ずさむ
「♪好きな人(ヒィート)をー こーの手ェーで
♪守れるとォー思ォーってーた 本(ホォン)気ィーでェー」
ジョーイとシンの声は重なり合った。
「「 ど う し て 背 が 伸 び な い そ れ が 悔 し か っ た 」」
ジョーイが動いたッ!!
「派手に派手にド派手に行くぜぇえええええええ!!!」
「テメェー!レントンッ!!
キチンとリフボートを『使いこなせるか ァ ア ア ー ッ ! ! 』」
スタンド・ブローウィン インザ ウインド
能力・風が味方してくれる
風は、シン達付近の風を『荒っぽく』した。
「キャアアアア! レントンッッ!!」
デュカは震えて、怯える。
「違うな、デュカ。それじゃあ『萌えない』。」
シンは冷静だ。
「シン!『エウレカと呼ばなきゃッ!!』」
「もう良いンだ。デュカ、あの不良にレントンと呼ばれるのは不愉快だ。
だから、デュカ。俺の事を『 シ ン 』と呼んでくれ・・ッ。」
シンはデュカを抱き寄せる。
「解ったわ!『 シ ン ! ! 』」
デュカは幸せそうだ。
スタンド・JITTERIN’JINN (ジッタリンジン)
フィギュアにスタンドを憑依させ、自由に操る事が出来る。
そして、デュカと協力して作り上げたフィギュア『リフボート』は、
この程度の風でビクつく事はない。
「余裕ッ!
その余裕で、困難にビクつかない様に、『毛の生えた心臓』を感じたぜ!!」
「そして、許しを求めねぇーその姿勢ッ!
脱出時のドロドロと溶かしたスタンド能力ッ!
先に俺を攻撃した『ミサイル』での兵器攻撃ッッ!!」
「お前等が互いを愛するように、互い互いを愛し合った仲間をッ!
『俺 の ダ チ 公 達 を 殺 し た 奴 等 』と受け止めたぜぇええーッッ!!」
蛮声ッ!
ジョーイは絶叫甚だしく叫び声を挙げるッッ!!
「「ッッッ!!!!」」
シンとデュカは驚愕した。
このおっかない不良は『 復 讐 の 為 』に此処まで来たのかッ!
そしてッッ!!
「ソイツも。
俺達を殺しに来ているのか?不良・・・。」
なんだとッ!?
シンの声に後を振り向くジョーイッ!!
・・・・・。
「『 う わ あ ぉ お お オ オ オ オ オ オ オ オ オ ! ! ! 』」
夕暮れの空の上。
ソイツは宙空していた。
ソイツは空に浮いていた。
そしてソイツは『半透明であったッ!』
「貴方達が誰なのか解らないし・・・。
興味もあまり無い・・。
でも、これだけは解るのよね。そして言いたくて此処に来た。
『貴方達3人は 私 を 殺 し て い な い 。』」
D・M・Q。
かつてジョーイが『仲間と 取 り 合 っ た あ の 娘 』。
『 死んだバンド仲間の一人』であった。
*******
俺はこの娘を知っている。
いや、忘れるはずもない。
今まで一度だって忘れたことはなかった。
ボロボロの廃マンションで、こいつはいつだって輝いてた。
こいつのスタンドはシックスセンス。殴ったものを箱の中に閉じ込める能力だ。だがあの時、こいつはギリシア神話の「パンドラの箱」みたいに、絶望で詰まった廃マンションという箱の中で、こいつ自身が俺たちに残された唯一の『希望』だったんだ。しかし。
「何でお前、ここにいるんだよ……」
ジョーイの動きが止まる。
「ゆ、ゆ、ゆ、幽霊だあッッ!! シン、幽霊、幽霊出ちゃったよォォォッ!!」
「あー……、とりあえず落ち着け、デュカ。あとで服買ってやるから」
「うん……。でもシンが買ってくれる服っていつも……」
「ああ、次はエウレカのコス。カツラとヘアピンも付けるから」
少しあきれながらも微笑むデュカ。
「えっと……、どこから突っ込めばいいか困るけど、とりあえず少し落ち着いたよ。ありがとう、シン」
そしてもう一人。目の前の幽霊も寂しそうに微笑む。
「ごめんなさいねジョーイ。バンド、できなくなっちゃった……」
「なんだよ……。そんなこともういいんだよ……。でも、俺はお前たちとセッションしてる時が一番楽しかったんだ。あの時が一番楽しかったんだ……。だから、その大切な時間を、大切な場所を、何よりお前をあんな目に合わせたやつをぶっ殺さなきゃいけねェんだよォォォッ!!」
寂しそうな微笑みのまま、D・M・Qは言葉を返す。
「私も楽しかった。ジョーイを止める気もない。でも、もう一度言う。『貴方達3人は私を殺していない』」
「そう、か。じゃあ俺がこいつらと戦う理由はないってわけか……」
「あー……要するに勘違い野郎だったってことな」
「デュカが人殺しなんてするわけないでしょ! そんなことしてシンに嫌われたくないんだから!」
「でも、『あの男はこの街にいる』。だから、早く行って。あなたたちまで、あの男に踊らされる必要はないから」
「隕鉄!!」
「あの人達戦わなくていいんだッ! 止めに行かなきゃッ!! チョコ食べられなくなっちゃうよーッ!!」
(……またあの人かよ。チョコくらい食玩とかビックリマンとかいつもあげてるのに……)
「ジョーイ、最高のステージを期待してるから。大丈夫、あなたならやれる」
暮れゆく空の下、D・M・Qは上り来る星のように静かに笑った。ステージに上がる前、気分が乗らない時に励ましてくれたのと同じ笑顔で、眩しく笑った。
「二人とも、ジョーイをよろしくね。私からのささやかな贈り物、受け取ってくれるかしら」
そう言って『箱』を差し出し、能力を解除する。
箱から出てきたのは……チョコレートだった。
――――――
「私を再起不能にする、だと? それは面白い。でもよぉ、知ってるか? 『正義は勝つ』ッッ!!」
「甘いね。実に甘い。甘すぎてとけちゃいそうだね。僕の組曲は……」
「『正 義 は 勝 つ』ッッ!!!」
問答無用で殴りかかる隕鉄のツイスター。
だが突如、隕鉄の視界が遮られ、拳は宙を切る。
「鬼火っていうのは突然どこからともなく現れるんだ。そして、この世からあの世へと生きているものを誘う」
一歩下がって間合いを取った隕鉄の目の前を漂っていたのは、薄暗く光る球体。一瞬強く光ったかと思うと、宵闇の中に溶けるように消えた。
「そういえば僕も聞きたいことがあったんだ。君、霊感は強い方かい?」
「くだらん。そんなに霊が好きなら貴様も冥土に送ってくれる。……心配するな。三途の川の渡し賃はきっちり俺の拳で払ってやる」
「答えになってないよ、ウスノロクン」
秀丸の周りを、鬼火がいくつも浮かび上がる。
気がつけば、あたりはこの世のものとは思えぬ光景と化していた。
「どう? 一足お先に地獄に案内してみたんだけど」
組曲義経の幻。だが、暗い荒野に針の山、空はどんよりと得体の知れない雲がたなびき、どこからともなく低く唸るような呪詛の声が響く。
「なるほど。地獄に行く手間が省けたか。もちろん死ぬのは貴様の方だが」
「君の単純な攻撃でそれは無理だね。じゃあ、そろそろ僕も行かせてもらおうかッッ!!」
鎧武者のヴィジョンが刀を抜く。
「貴様を殺すのは私だと言ったァァッ!!!」
ツイスターが拳を構える。
二体のスタンド、二人のスタンド使いが、それぞれの目的のためにぶつかり合う。
*******
D・M・Q「私は、私の命が終わったあの日から、ずっとあの廃マンションにいたわ…
最初はわけがわからなかった
私ね、殺された瞬間のこと覚えてないの
気が付けば、私の周りには誰一人いなかった
そしてずっと…ずっとあの場所にいた…
孤独だったわ…誰もあの廃マンションに近寄らない…
でもある日ね、男の子と女の子が入り込んできたのよ」
そういいながらD・M・Qはシンとデュカにウインクした
D・M・Q「それから毎日彼らを見ていたわ…私達が過ごした雰囲気とはまるで違っていたけど、それでも昔を思い出してとても懐かしい気分だった…
本当はね、二人の前に姿を現そうと思ったんだけど、とても邪魔はできなくて…ね」
D・M・Qは少し顔を赤らめながら笑った
シン(じゃ…じゃあデュカにコスプレさせて『萌えェェッ!』とか言ったり二人でじゃれて遊んで『も~デュカってば可愛いなぁっこいつめっ』コツ~ン『てへっ』みたいな感じのやりとりも全部見られていたのかぁぁぁぁ~~~~~~~)
シンとデュカは穴があったらというか掘ってでも入りたい気分だったが、空中なので掘れなかった
D・M・Q「そして今日…ジョーイ、あなたが現れた
と思ったらいきなりケンカしてるんだもんなぁー
その次にこの子達を襲おうとするしさ…」
ジョーイ「それは、拳を交えてみねェーと相手がどんな奴かわからねえからッッ…」
D・M・Q「わかるわよ…少なくとも、私達を襲った犯人はね…
その瞬間は覚えていないけれど…あのドス黒い感じ…まさに『悪』の塊のような…
だから、ね、ジョーイ、そうやたらにあなたの『力』を訴えかけちゃあダメよ?」
ジョーイ「俺は…俺は…その…」
D・M・Qは愛おしそうにジョーイの顔を見つめる
この二人は付き合っていたのだろうか?D・M・Qのジョーイを見る眼は、デュカが俺を見る眼に似ている気がする
シンはそんなことを思った
D・M・Q「そろそろ私も行かなくちゃ…」
ジョーイ「行く?行くって…どこに行くって?」
D・M・Qはただ黙って空を見上げた
すでに日は落ち、星が輝き始めていた
ジョーイ「そんな…やめろ…行くな…行かないでくれッ
幽霊だって良い…俺のそばにいてくれ…」
D・M・Q「だめよ…私は本当はもうここにいてはならない人間だもの…
これで良いの…
だって、ジョーイに会えたんだもん」
D・M・Qはそう言ってニコリと微笑んだ
ジョーイ「D・M・Q…」
D・M・Q「さようなら…ジョーイ…」
そしてD・M・Qは、星空の中に静かに、
溶けるように消えていった
ジョーイは泣いていた
サングラスで眼は隠れているものの、頬を涙が伝っていくのをシンとデュカには見て取れた
その涙と一緒に、知らず知らずのうちに自分の溜まっていた『黒いもの』が洗い流されていくのを、ジョーイは感じた
しばらくして3人が元の廃マンションに戻ると、そこには呑気にチョコを頬張る秀丸と、倒れて気絶している隕鉄がいた
秀丸「やあ、すまないね、本当は俺が迎えにいくはずだったのにな」
秀丸はD・M・Qからいくらか話を聞いていたのだろうか、シンとデュカがジョーイと一緒に帰ってきた理由を理解しているようだった
秀丸「ええと…シンとデュカ…だったかな?僕が渡した電話番号の相手に電話をかけたかい?
…かけてないようだねェ~
よし、今からその人のところに会いにいこうッ
二人とも、まだ門限って時間じゃないだろう?
・・・それと、ジョーイ、アンタも来てもらうよ」
そして、4人は廃マンションをあとにした
*******
4人がマンションから離れて数分後…静寂を破り携帯が鳴った。
隕鉄は仰向けのまま電話にでた。
隕鉄「…ああ…俺だ…。いや…負けてはいない…スタンドが消滅したわけではないからな…」
隕鉄は額から滲む血を拭った。
隕鉄「…一つだけ…わかったことがある…。…この町で…スタンド使いを増やしているヤツはいなかった…。もちろんそれは俺でもないしお前でもない…。」
隕鉄はゆっくりと起き上がる。
隕鉄「ああ…見つけだすさ…俺の『正義』を貫くために…。スタンド使いは…皆殺しだ…。」
隕鉄もまた4人のように町へと消えていった…。
そのころマンションの屋上よりも遥かな上空。
D・M・Qは気まずそうに宙に浮いていた。
D・M・Q「やれやれだわ…。忘れていた…『犯人』を見つけるまで成仏できないんだった…」
…。
D・M・Q「気まずいわ…」
第4話『ゴースト インザ マンション オブ ラブ』
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