ザキ(…よけてる…、この人が助けてくれ)
シバミ「お酒ぇ…」
シバミの目には涙が溢れそうな程たまっていた
ザキ(…………そんなわけないか)
ザキは顔を上げた、見れば見るほど正義の味方にしか見えない姿がそこにある
しかし、そいつは
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
ザキ(…敵だな
だが、まずはこの人を…眠らせる!)
“ショット”!!
超至近距離で放った睡眠効果付きのショットをシバミはかわしてカウンターを叩き込んだ
ザキ「なにするんですかっ!」
シバミ「あなたが何するつもりよ!そんなの頭に撃たないでよ…私はお酒が飲みたいだけなの!痛いことしないで!」
ザキ「痛くないです!
お酒もあげます!
だからおとなしくして下さい!」
シバミは満面の笑みを浮かべ
シバミ「は~い♪」
ショットを受けた
そして寝た
「クズだクズだと思ってがよぉ・・・。
お前。オレの攻撃を避けさせてくれた、『女』を・・・。」
「いわば『命の恩人』を・・・ッ。」
「その蛙の小便にも劣る『ドグサレ弾丸』でッ!
眉間目掛けて『 ぶ っ 放 し や が っ た 』ってぇええーのかぁああ あ あ あ ? ?」
ナガセは雄叫んだ。
其処に『正義の憤り』があったからだ。
だが、ナガセは『 勘違い』をしていた。
ザキがシバミに打ち込んだ『スタンド弾(ガン)』は、
シバミに、危険が及ばぬように行った『善意』の処置であるのだ。
パニくりがちなシバミに眠って貰う事で、
目の前の現れた害敵たる『ナガセ』に、対抗を試みようとしている訳なのである。
だがッ!
そんな事を知らぬナガセとって、ザキの姿は『 正 に 外 道 ッ ! 』
しかも、女は『酔っていたッ!』
酔ってる女にどうこうするってヤツにぃー?
良いヤツなんて、居るかぁ~~~?
常識的に考えて、痴漢とかの類じゃあねぇーのぉおおーー??
だからこそ、ナガセは雄叫んだのだ!!
「聞こえなかったかッ!この『 うじ虫分際』めがッッ!
俺はお前を! 『クズ』だと言ったんだぜぇええええええーッ!!
『 このドクサレがぁあああ あ あ あ あ あ あ ! ! ! ! 』」
こ・このオマッ!!?
ッッッ!!!
ッッ!!
ワ・ワナワナして来たぞ!
ワナワナしてきたぞ、このトンチキがッ!!
ワナワナワナワナワナワナッッッ!!
ザキは憤りを覚えたッ!!
スタンドの攻撃で、ピンチに喘(あえ)ぐ、女を見・・。
オレはアメリカンヒーローの如く、ジャジャーンと現れ、女を助け・・。
『俺って、コブラみてぇーにカッコ良い!!』と調子こいてた事は認めよう。
ああ・・、認めてやろうッ。
ついで言うと、『女は俺に惚れちゃったり』して、
あわよくば、『 夜のお付き合い 』も行けちゃうんじゃね・・・?
とか、考えて事も『 この際、認めようッ!』
だがな・・・。
だがなぁ・・・ッ!!
『これって、 あ ん ま り じゃないのぉ~~~?』
ここまで言われて黙ってられるぅ?
俺はァー今!熱した鉄よりも熱く燃え盛る、『 ムカっ腹と言う憎悪』を持って!
このライダー風情と戦う『決意』をしたぞ!!
思い切り、凄まじい程に『決意をしたからなぁああああああああ!!!』
ザキは、熱した鉄の如きに『熱き瞳』で持って!
ナガセを強くに見据え、憎んだッッ!!
そして・・・。
そんな状況を見つめるモノが・・・。
一つ。
「・・・・。」
「あれは特殊なんだと思っていたんだ。」
「のっぴきならない状況だったし、1個のケモノとして、
そうそう間違った行動じゃあない。」
「だから、特殊だと思ってたんだ。」
「だが・・・。これは。」
「俺の主人もそうだったが・・・。」
そいつは確信したッ!
「『人間って 馬 鹿 か ! ! ? 』」
「『 馬 鹿 しか居ないのかぁあああ あ あ あ あ ! ! ? 』」
パンクな洋服に、身を包むブチ猫。
そう。彼こそは、船上の窮地から、必死の思いで、本土に戻った『スーパーキャット』。
『ドルチ』と言う名の『猫』であった。
―――しばらく前。
俺は、飼い主である一級建築士・愛子雅吾(あやしまさご)とヨットでのクルージングに出ていた。
その日、雅吾は上機嫌だった。
俺の知らない、人間からすれば美人らしい女がついてきたからだ。
だが、ヨットは暗礁に激突し、遭難。
俺と雅吾は死と隣り合わせの時間を過ごしたが、とうとう雅吾がおかしくなりやがった。あろうことかこの俺のグレートな毛並みを、人間なんぞと同じような衣装で包み(しかしながらセンスは悪くない。今では結構気に入っている)、さらにはこの俺様を取って食おうとしやがった。
…世の中ってやつは弱肉強食だ。人間だって動物だからな。行動として間違ってたわけじゃない。ひとつだけ雅吾が間違いを犯したとすれば、それは相手が俺だってことだ。
雅吾のやつを返り討ちにした俺は、甲板に降りてきたウミネコの背中に乗って、どうにか港までたどり着いた。
腹が減っていた俺は、何か食うものがないかと港町をぶらついたが、あのクソ雅吾の作ったくそったれな服のせいで目立って仕方がない。この際残飯でも食えればいいか、とレストランの裏路地に入ったときに、俺は出会ったんだ。
あの奇妙な男に。
男は、サトヨシと言った。
サトヨシは俺に魚を放って投げた。
俺がサトヨシを見上げると、食っていいぞ、と言ったが、人間なんてものは信用できない。食わずにクンクンやっている俺を、心配そうにサトヨシが見る。
「なんだ? 腹減ってないのか?」
「フゥゥゥッ」
そんな俺を見て、仕方ねえなあ、と言いながら、投げた魚をつまみあげ、地面についていなかった方を少しかじった。
「ほら、大丈夫だからお前も食え」
再度魚をこちらに寄越すサトヨシ。
俺は迷わずかぶりつく。
「何だよ、腹減ってるんじゃねーか。これ一匹じゃ足りねーかな。食い終わったらうちのアパートに連れてくか。まだ昨日買ったサンマがあるしな。ってでもコイツこんなの来てるし飼い猫かなー?」
魚からいったん顔を離し、首を振る俺。
「違うの? って頭いいなお前。じゃあ俺は…」
ごみ箱に腰かけるサトヨシ。カバンからスケッチブックと鉛筆を取り出す。
「お前の絵でも描いてることにするよ。次のサークルの展示会で何出すか迷ってたからな」
―――
(3)へ…