偶然とは恐ろしいものだ。
ある婆さんは同じ車に二度跳ねられ、無事だったという。
またある人は放置した虫眼鏡で家を半焼させた。
しかしそれは一生に一度あるか無いかのことだ。
だが今起こることは偶然を遥かに超え、むしろ『必然的』に起こることだったのかもしれない。
ロンは公園にいた。この公園は彼がスタンド使いになった地でもある。
「この砂場に矢があったんだよなぁ……」
砂を優しくかます。雨があがったばかりの砂場は少しざらついている。
「なんだ……?これは?」
砂場の中から四角い物が出てきた。よく見るとそれは使い込まれた財布だった。
「砂場に財布落とすなんて……馬鹿な奴だ」
ロンはそう思いながら財布を交番に届けようと砂場を離れた。
「おい」
「?」
「おめえだよ。財布持ってるお前だ」
「何だよ?」
「渡しやがれ!」
謎の男がいきなり公園の入り口から走ってきた。その形相は鬼神のごとく凄まじい。
「この財布を渡すわけにはいかないなぜなら……」
「それが俺の正義だからだ!」
ロンVSポポソ開始
******
今日は散々だ。
俺は家賃を払おうと財布を持っていた。
やっと給料日で大好物の手羽先を買うのを我慢して家賃を払うんだ。
あれ?
財布が……
ないっ!
おかしい!
これは夢だ!確かに俺は財布をポケットに入れた。(はず)
素数を数えるんだ……いやそんな暇はねぇ。払わないと追い出されてしまう。
そうだ!
確か公園に行ったんだ!
あの公園はいい。静かで、緑にあふれてる。ってそんなことはどうでもいい。
でも何故公園だっけ?
思い出した。給料が振り込まれるまでベンチで休んでたんだ。
そして暇つぶしにブランコに乗って……
乗って……何かがポーンと……
ポーンと……
財布が飛んだ!?
こうしちゃあいられない。早く取りに行かなければ。
(省略)
やっと公園に来たぜ……何だあの男は?
いい歳こいて砂いじりか……?
あいつ……何かもってるな……見覚えがあるぞ……
俺 の 財 布 だ !
返してもらわなきゃなあ……
ここで例のやり取り
こいつ…返さない気か。
なら俺の「ソウル・オブ・テバサキ」で地獄を見せてやるよ
******
『こいつ……スタンド使いか!』
「オールド=フィ……」
「遅え!」
テバサキの拳が綺麗にロンの胸に入る。
しかしロンは素早く後ろに飛び退きダメージを軽くした。
「ぐはっ……何だ……この感じは……」
「フフフ」
「テ……手羽先を食いたいッ!」
『俺のスタンドを見て人はくだらねーと言うが、くだる・くだらねーは使い方によって変わるんだぜ』
…………
「解除してほしいならさっさと財布を……モルスァ!」
ポポソの横腹にブランコがクリーンヒット!
「オールド=フィルムズは既に“ブランコ”をさわっている……方向は“横”へと逆転した……」
「み……妙な能力使いやがって……許さねえ!」
テバサキの拳が唸る!ロンのスタンドは防ぎきれない。ガードの隙間を結うように拳がヒットしていく。
「今どんな気持だ?手羽先食いたいだろ……?え?」
「……」
「何とか言えよ!」
渾身の一撃がロンにヒットする!
ここでリタイアかぁ!?
迫りくるポポソ
身構えるロン
半径5メートル、お互いの射程距離に到達した、
ポポソ「ドラァ」
一瞬早く「ソウルオブテバサキ」の拳がロンの身体にめり込む
その衝撃でロンの手から財布がこぼれ落ちる
ポポン「お前は「名古屋の手羽先は世界一ぃぃぃ」と言う」
ロン 「名古屋の手羽先は世界一ぃぃぃ」
ロン 「ハッ」
ポポン「ふう、やれやれだぜ」
そう言って足元にある財布を拾いポポンは勝利を確信した。
しかしその瞬間にポポソの敗北は確定したのである。
ロン「まずい、ディモールトまずい、逆転しろ、オールド=フィルムズ」
オールド=フィルムズの能力発動、砂場と言うテリトリーに居ることでオールド=フィルムズレクイエム迄もが発動する
その能力は自分に起こった事情さえも逆転し相手に帰って行ってしまう
ポポソ「む、無性に手羽先が食いたくなってしまった」
ポポソ「しかしこれは家賃を払う為の金、使うわけには・・」
ポポソ「か、身体がかってに」
ポポソ「クソ、クソ、俺は認めんぞー」
全財産を使い手羽先を購入、その際折れた骨が心臓を突き破り
ポポソ死亡
しかしその表情は至福に満ち溢れていた
******
ロンは深手を負った。いや、深手のように見えないが実際肋骨が何本かいっている。
「手羽先野郎は倒した……だがこのままだと家に帰れねえ」
「そこの貴方」
「誰だ!」
「初対面の人に“誰だ”は無いでしょ。知らない者同士なんだし」
「……」
「私はぽん。ひと呼んで放浪の針師」
「……」
「その目は信用してない眼だぜ。」
「先を急ぐので失礼します。」
「まぁ待て。君の傷は普通の傷じゃあないね」
「!?」
ゴゴゴゴゴ
「君は誰かとここで殺しあったね」
「だからどうした?」
「君はそれに勝った。つまり殺したということだよな?」
「違う!自滅したんだ!」
「自滅だとしても変わりはない。」
二人の間に亜空の空気が流れる。
「貴様の汚れた魂を浄化してやる!」
「なっ……だが来るなら容赦しないぞ!」
******
「オールド=フィルムズ!」
二人は同時にスタンドを出した。
距離は五メートル。
「君は私が今やることを理解できるかな?まずはここのツボ!」
「!?」
「次はここ!」
次々と自分の体に針を刺していくぽん。
『チャンスなのか?』「今度はブランコなんてなまっちょろくないぜ……」
逆転させた範囲にあるのは滑り台。
それも象さんのプリティな代物だ!
「潰れちまえ!」
滑り台が「ぽん」を潰したかのように見えた。
しかしよく見ると潰れてなどいない!
潰れているのは象さんのほうだった。
「ドーピングコンソメ……じゃあなくて針で筋肉を増強させた。今の私はマイクタイソンもKOできるぞ」
「まさか……しかし最後の手段がある!逆転!」
手羽先戦でみせた立場を逆にする荒業である。
「筋肉を入れ換えた……ぬおッ!?」
筋肉は確かに逆転した。だが、ズイズーイよりもアンバランスな肉体になってしまった。
「馬鹿め……お前の体が増強した筋肉に耐えれるはずは無いだろうに……」
「体が……砕ける……」
「安心せえ。命までは取りはせん。ただ……」
グチッ
「全身骨折が治るのはしばらくかかるだろう」
ロン全身骨折により
リタイア
再起不能
******
ぽんはスボンについた埃を軽く払い、顔を上げて、ぎょっとした。
公園の奥から、一直線に歩いてくる者がいる。
そう、一直線に歩いてくるのだ。
木々、鉄柵、ジャングルジム、ブランコ……全ては男に道を譲るように開いている。
ぽんは生唾を飲みこんだ。
そう、物が不自然に開いていたのだ。全て、ドアノブが付いた状態で。
男には--誰かのりには理由がなかった。
ただ道は自分で作るものだと理解していたし、この能力もそのためのものだと意識していた。
だからこそ自分の進む道を遮るものは、なんであろうと、全て、開ける。
それがスタンド使いであっても。
誰かのりは、ぽんが見つめていた--今さっき自分が開けて通ってきたばかりの滑り台を振り返った。
「お前、これが見えるんだよな? あぁ、いい。答えなくくていい。オレたちの世界には有名な言葉があったよな。スタンド使いはスタンド使いと引かれあうってヤツだ。あぁ、いい。だから答えなくていい。問題なのは、お前が、オレの、目の前にいるってことだ。お前はオレの道を遮った。ドアを開けて……臓物ぶちまけてやるぜェェェッ!」
そして、誰かのりは一気に駆けだした。
向かってくる誰かのりを見、
「近距離パワー型かっ」
ぽんの判断も早かった。
迎え撃ってもいい。だが、こちらの状態もわからず向かってくる時点で、それだけパワーに自信があるという証拠だ。
「……最後の手段は」
足に針を打ちこむと、ぽんは後ろを向いて走りだした。
「足だな」
彼のスタンドも近距離型ではあるが、パワー型ではない。
一度距離をとりたかったというのもある。しかしそれ以上に、誰かのりにはドス黒い雰囲気があった。自分が白ならば、相手はハッキリと黒だとわかるほどドス黒い。
ドーピングコンソメ……じゃあなくて針で筋肉を増強させた脚力で、ぽんは公園を飛びだし、道路を駆け抜け、駅の壁を飛び越え、思わずホームにきていた電車に飛び乗ってしまった。
扉が閉まり、電車が走りだしたことで、ふぅと息を吐いた。
だが、次の瞬間、またもや、ぎょっとした。
車両と車両を繋ぐ連結部の扉に、見慣れぬ丸いドアノブが付いている。
そして『ドア』が開き、
「あぁ、いい。聞かなくていい。オレはドアを開けて最短距離できただけだ」
誰かのりが姿を現した。
「お前に言い忘れたことがあったんだ。一度でも遮ったものは、いずれまたどっかで遮ると思わないか? あぁ。いい。答えなくていい……どうせ臓物をぶちまけるんだからなッッッ!」
「やれやれ、しつこい男だ。なら相手になってやる……マッスルコーディネート!」
「ドア&モア!」
******
「おれが電車に飛び乗った理由は2つある。1つは戦わずに済ませるため。もう1つはテメーを!おびきよせるためだッ!マッスルコーディネート!」
「ああ、いい。いいぞ。とてもいい…!貴様の能力は『針』を飛ばすことなのか。私のドア&モアで叩き落とすことも可能だがわざわざ私の得意な狭い空間に逃げ込む貴様と違ってバカじゃあない・・・・・・床を『開けて』・・・・・・『防御』だ・・・・・」
「ここまで、おれの計算通りだな…。なるべく床より壁の方が子供たちには悪い影響がなかったんだがな…。お前が防いだ『針』は7本。おれが飛ばした残りの3本はどこへ行ったか。ああ、いいぜ!答えなくていいぜ!緊急停止ボタンだッ!!」
「うっ…!」
誰かのりは緊急停止でバランスをくずした
「ぐっ…ぐっちゃああああ」
「だから横がよかったんだ。横のドアから飛んでけば子供たちがみることもなかったものを…。自分で下に開けたからそうなっちまうんだぜ」
「ィイーーッ…」
誰かのりは自分で開けたドアへ落ちてしまった…!
「to be continuedか」
「待て・・・・早まるな・・・・・。ああ、やべぇ。ちょったやべぇぇえぜぇえ?新しく作ったドアノブに・・・・・手をかけてなかったら上半身も粉微塵になるとこだった…今・・・・なかなか大きな計画なんだが・・・・・・この車両を車両規模でドアにした。おれのドア&モアでな・・・・ドア&モアでドアにしたものは…破壊される…おれはもういい。もう終わりだ。だがおれの道をふさぐモノは最期まで!おれは切り開いてくんだ・・・・・・・・・・・・ドア&モア!!!!」
******
「乗客もまきこみ自爆する気かッ!『マッスルコーディネート』!」
「『ドア&モア』ァァ…!『針』を叩き落とせ!」
「残った針で
足を!
腕を!
増強させた!
テメーがドアを開く前に『マッスルコーディネート』をぶち込んでやるッ!」
ガチャ…
誰かのり━リタイア
「ギリギリ…助かったぜ…」
ぽんは最後に飛ばした『針』のうち5本を『ドア&モア』へ。そして残り3本を右腕と両足へ。最後の2本は誰かのりの捕まったドアの金具へ打ち込んだ。しかし針の力で堅い金具を破壊は不可能。だが、ドアを少し開かせることは可能!
ドアは『針』の衝撃と誰かのりの体重により開き、破壊された…。そして誰かのりは電車下に落ち車両規模のドアノブに届かない距離で息絶えた。