「嫌だっつ~の!俺は誰にも従わない主義なんでね!」
その部屋に明かりはない。あるのは二人の人間の話し声だけ。二人からは気配すらも感じられなかった……
「何が不満なんだ…?金なら腐るほどやろう。
しつこく付き纏うという警察とやらも消してやろうというのだぞ?」
人間?
一瞬迷ってしまうような感覚を覚えるほど、何か人間場慣れした「魅力」を感じる声が語りかける。
「金や宝は盗んでこそ価値があるんだぜ(世間的には違うかもな)?
それに相手がおっさんでもライバルは必要だ。
なにより俺は誰にも従わないんだよ!
え?あのお方と呼ばれてるお人さんよッ!」
バッ! パリーン!
男--るぱんは窓を割って逃げ出す・・・必死に、、、全力で、、、
るぱん「ふ~、ありえない魅力に圧倒的なパワーを持ってる奴だったな。
うまく、スキをついて逃げてなけりゃどうなってたか、、、命があってよかった!」
******
---「またやられたか……」
桜川「あの町は今スタンド使いで溢れています……、---様の考える世界にするにはまだ時間がかかるかと……」
---「……とはいえこうも失敗してはな、'例の矢'の在りかを先にしられるわけにはいかないのだよ………私はお前ほど辛抱強いわけではない………」
桜川「…では私がまいりましょう」
---「……、ではおにゃをこぽんもつれていけ……、お前の役に立つはずだ」
桜川「わかりました、しかしあいつはまた敵を助ける行動をとるかもしれません、……その時は」
---「まかせる」
桜川「…では」
桜川は夢を見た、そして夢の指示通りに動き出す
******
昨日は変な夢を見た。
旅行先の旅館で枕が寝苦しかったからだ。
頭も痛いし。
今回の旅行は徒労に終わりそうだ。
謎の男「・・・。」
桜川「あなたは?」
謎の男「スタンド…使いの…においがするなァ…」
バリッ!謎の男は顔をはぐ…
すると世界一有名な大泥棒とそっくりだ。
るぱん「おれはるぱん。覚えておきな。あんたを殺す・男の名前だ。」
今回の旅行は徒労に終わりそうだ。
******
るぱん「おれは誰にも従わないッ!気まぐれな雲のようにな!「バ・ガ・ブー」ッ!」
桜川「ナイトメアトレ・・・・-・・・・ス・・・・」
桜川の動きが遅くなる。
これがるぱんの能力なのだ。
るぱん「そのままッ!「空気を遅くするッ」窒息死だッ!!」
桜川「か・・・ハ…(おにゃこぽんとも連絡をとりたい…とりたいのだが…)」
フッ…
その男は突然現れた。
隻腕の男。
名をあけばという。
あけばはるぱんに一撃を入れ、同時に桜川を「結界」で縛り上げた。
あけば「どちらかが『組織』の一員だな…?答えてもらおう…「あの方」について…」
桜川は気を失った・・・。
******
――桜川
その男の本当の恐ろしさは、本人が意識を失った後にこそ発揮される。
人間は意識がある時よりも、無意識である時の方が恐ろしいことがある。
理性というブレーキがかからないからだ。
…ナイトメア・トレース
「ッタクヨォォ、マタブットビヤガッタヨ…、ヤレヤレセワノヤケルヤローダ」
悪夢はこれからはじまる…
******
「あの方? 知ってるっちゃー、知ってるぜ」
るぱんは軽く笑った。
「ただ、話を聞きたいってなんら、俺を喋らせてみな」
望み通りに進まないから世界とは楽しいのだ。
欲しい物があれば奪い取る。見たい物は盗み見る。聞きたいことは……無理やりでも喋らせろ!
それが、るぱんの理念であり、生き方だ。押し付けであろうと、曲げるつもりは一切ない。
「バ・ガ・ブー」
叫ぶと同時にバ・ガ・ブーが、あけばの周囲を回り始める。
「かかってきやがれって手招きでもしたやりたいとこだが……ははっ、ノロノロかかってきやがれ」
「あぁ、そうしよう」
あけばの声は、るぱんの背後から聞こえていた。
「!?」
振り向いた瞬間には鳩尾に拳が刺さり、思わず膝をついていた。
「どうやらお前のスタンドとは相性が良いらしい。囲むタイプのスタンドは、もっとも得意な相手だからな」
「アイショーガイイーッ、トクイダーッ!」
見上げれば、あけばとリンキンパークが酷薄な瞳で見下ろしている。
その目は、喋らなければ無理やりでも話させる……そう雄弁に語っていた。
だからこそ……。
るぱんは、唇に笑みを刻んだ。
「生きてて良かった……。これだから、やめんねぇんだ。そうだ、何かしたいなら、自分の力で奪い取りな!」
だが次の瞬間--隻腕のあけばと、るぱんは同時に壁まで叩きつけられるはめになった。
意識が朦朧とするが、二人はなんとか殴られた方向を見る。
桜川のそばに、黒い影が立っていた。
スタンドだというのに口から涎をたらし、それを手で拭いている。
「イライライライライライラ、スル。ナンデナンデナンデ、ヨダレガテニツクンダヨ! ……ソウダソウダソウダ、ナグッタカラヨダレガツクンダヨ。ソウカソウカソウカ、ブチコロセバイインジャネェカ。ブチブチブチ、ブチコロスゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」
思わず、るぱんは唾を飲みこんだ。
「無理やりすぎやしねぇか……」
ただ、泣き言を口にしている暇はなく、突進してくるナイトメア・トレースにバ・カ・ブーを備えるしかなかった。
******
白に近いほど染められた金髪を高く編んだ女--おにゃんこぽんはため息をついた。
隣の部屋が騒がしい。桜川が暴れているのだろう。もしかしたらナイトメア・トレースが出現しているのかもしれない。
よく耳を澄ませば、なにやら声も聞こえてくる。
もう一度、鼻から大きく嘆息した。
もしかしたら目的のスタンド使いと遭遇しているのかもしれない。
しかし隣の部屋に慌てて行き「大丈夫、桜川!?」なんてアメリカンコミックのように助ける気はなかった。
あの方のご命令でもなければ、一緒に動きたいなどとは思わない。いや、あの方を護るのは自分だけで充分なのだ。
壁に何かが叩きつけられる音がした。振動でかすかに壁が震えている。
「いっそ殺されていればいいのに……」
くすっと、小さく笑い、レース地のスカートをつまんだ。
「そういえば桜川が死んだら……ナイトメア・トレースはどうなるのかしら? 本体の意識がない時に動くのだから、死んだらずっと動き続けるのかしら?」
また、壁が揺れている。
「そっちの方が、あの方のお役に立てるのにね……」
どれだけ激しい戦闘が行われていようと、助けに行くつもりはなかった。桜川が傷ついていれば、彼女はきっと助けてしまう。どれだけ否定した人物であっても、自分は助けてしまう……そういう性格なのだ。
だから、ドアを開け、廊下を渡り、隣の部屋へ行くつもりはない。
いっそ死んでいてくれたら、助けなくてもいい。
「勝ってたら……」
カバンからお気に入りの人形をだし、胸に抱き寄せる。
「つまらないわよねぇ、クマさん」
継ぎ接ぎだらけのクマの人形に頬ずりし、おにゃんこぽんは時間を潰した。
早く死んでいてほしい。
******
桜川は…
東京ネズミーランドにいた。
桜川「なんだあ~?エメラルドスプラッシュマウンテン二時間待ちだとッ!?舐めやがって…!」
ネズミー「やあ!桜川くん!(かん高い声で)」
桜川「お、おまえはネズミーランドのマスコット・ネズミー!」
ネズミー「君に特別にエメラルドスプラッシュマウンテンに乗せてあげよう!ついておいで!」
桜川「マジで!?やっほうついてるなッ!
……ハッ」
桜川はエメラルドスプラッシュマウンテンの先端にくくりつけられていた。
チッチッチッチッ…
コースターは上がっていく。
桜川「なにぃいい!!ネズミー!これは一体どういう……」
ネズミー「グッバイ。」
ガチャン!
コースターは猛スピードで水の中へと突っ込んだ。
桜川「ギャアアアアアアア!!」
ボッチャーン
るぱん「くらえッ!」
るぱんは二つの球を放った。
が。
ナイトメア「ギャアアアアアアア!!」
ナイトメアは空高く飛び上がった。
るぱん「避けたかッ!」
ナイトメア「ネズミーテメエエエエ!!ギャアアアアアアア!」
るぱん「い、一体なんなん……ぐえッ!?」
ナイトメアはエメラルドスプラッシュマウンテンと同じ速度でるぱんに突っ込んだ。
桜川「う~んネズミー………むにゃむにゃ」
******
あけばは舌を鳴らした。
ナイトメア・トレースが異常なほどパワーを持つからだ。いくら近距離パワー型といっても、強すぎる。
「スプスプスプ、スプラッシュガ……ニゲテンジャネェゾ、ネズミィィィィィィッ!」
るぱんを蹴り飛ばしたナイトメア・トレースが彼に振り向き、一足飛びで跳躍してくる。
「オミオミオミ、オミヤゲガイッコモウッテネェジャネェカァァァァッ! ソンナンダカラチュウゴクニマネサレルンダヨッッッ!」
繰りだされる連打を防ぎ、瞬間移動で少しでもいいから距離をとる--つもりだったが、ナイトメア・トレースの背後に瞬間移動した直後、身体全体を回した裏拳に鼻を砕かれていた。そのまま壁に弾き飛ばされ、さらに肩から体当たりをくらう。
「パレパレパレ、パレードニフミツブサレルゥゥゥッ!」
ミシ--そんな音があけばの耳元で鳴り、彼とナイトメア・トレースは壁を破壊して隣の部屋に転がりこんでいた。
粉塵が舞い飛び、彼に馬乗りになったナイトメア・トレースは悲鳴だか雄叫びだかわからない絶叫を上げ、幾度となく拳を振り下ろしてくる。
だが、永遠に続くように感じられた拳の嵐は突如として止んだ。
「この……っ」
全身に薔薇ををとった人型のスタンドが、茨の巻きつく手でナイトメア・トレースの腕を掴んでいる。
「ダボスケがッ! 何を下敷きにしてのうのうと格闘ゴッコなんてしてやがんだ! ドライバーで顔が変形するまで殴った後、鉛筆で鼻の穴四つにされてぇのかッッッ!」
よく見ればナイトメア・トレースの膝の下に、継ぎ接ぎだらけの悪趣味な人形が落ちていた。そのそばには全身を黒一色ゴシックロリータで着飾った少女が立っている。
「悪夢を見ないようにぶっ殺してやるよ、チンカスヤロウ! 私のローゼス・デッドでなッッッ!」
ナイトメア・トレースの顔面に回し蹴りが打ちこまれる。さらに倒れたところに少女とローゼス・デッドは、なんの躊躇もなく踵を踏み下ろした。
遠くなりつつある意識をなんとか繋ぎとめ、あけばはゆっくりと立ち上がった。
歯が何本も抜け、口の中で血の味がする。
「スタンド使いと引かれすぎだな。ただ、何もせず逃げるってのは性に合わないんだ……そうは思わないか、るぱん?」
ぽっかり穴の開いた部屋の向こうでは、すでにるぱんも立っていた。唇の血を拭っている。
「やられっぱなしってのは嫌いでね。今はやり返してから逃げることにしようか」
「その意見に賛成だ」
「となると、今はひとまず……」
「……協力ってヤツだな」
二人は、同時にスタンドを具現化させた。
******
おにゃんこぽんは数えられないほど踵でナイトメア・トレースを蹴りつけ--違和感を感じた。
感覚がおかしい。自分の認識している速度と、踏みつける速度が明らかに違う。
顔を上げれば、自分の周りを丸い球体が飛び、目の前には指先のような物が浮いている。
気づいた時には、目前にあけばが『移動』していた。
「先に謝っておく、すまん」
ローゼス・デッドで防御する暇もなく、腹を打ち抜かれた。壁に開いた穴から隣の部屋まで殴り飛ばされ、床に身体を叩きつける。
「どうにも……本当に相性がいいらしいね、ウチらは」
相変わらず笑ったまま、るぱんはあけばにウインクした。
「あぁ、お前が遅くした空間に、俺が攻撃しながらメテオラで移動する。実質、防ぎようがない」
「アイショー、イイィィィーッ、ムテキィィィーッ」
「終わったら、また敵同士だけどね」
ししし……と喉を鳴らさずに、るぱんは笑い、肩をすくめた。
「ま、油断せずにいきましょうや。タイマン同士だと相性が悪いしね」
「そうだな」
そのままミもフタもないコンボ攻撃にやられ、おにゃんこぽんことローゼス・デッド、リタイヤ。
OH MY GOD~
「ところで気になってたんだが、なんでナイトメア・トレースは動かなくなったんで?」
注意深く距離をとりながら、るぱんは息を荒くして倒れているスタンドを見つめた。
「踏まれすぎて気分悪いんじゃないか? 本体らしき奴も頬がこけてるしな」
「キブン、ワリィィィーッ。ヤセスギーッ」
ナイトメア・トレース、ローゼス・デッドに生命力を吸われたまま蹴られ続けたため、本体の桜川がブドウ糖が必要なほど衰弱。よってそのままリタイヤ。
------------------------------------
******
____________________
あけば「さて、邪魔者は消えたな。」
るぱん「さっき一緒に戦ってるときもよ・・『誰に強制されるでもなくコイツとやり合いたい』って思ってたぜ」
あげは「どっちが勝っても恨みっこ無しだ!いけっ!ワイヤーマザー・イン・リンキンパーク!」
るぱん「もちろんだ!抑えろ!バ・ガ・ブー!」
リンキンパークのするどい攻撃がるぱんに襲い掛かる!
しかし拳を遅くして攻撃を牽制したるぱん。
るぱん「(さて・・凌ぐことはできるかもしれないがどう攻撃に転じるかな。それにあの瞬間移動は厄介だぜ)」
何度かの攻防が続き、再びリンキンパークの拳がるぱんに襲い掛かる!
身をかわするぱん。
あけば「かかったっ!そのリンキンパークはワイヤーで作った偽者だぜ!」
目立たないよう後ろに配置しておいたメテオラに瞬間移動し、背後からリンキンパークがるぱんに襲い掛かる!
るぱん「後ろ・・だろ?」
!!
あけばは自分の体に違和感を感じた。
あけば「こ、これはっ・・・『遅い』っ・・!!」
そこでようやくあけばは気づかれないよう配置したはずのメテオラの周りに、球体が2つ浮かんでいることに気づいたのだった。
あけば「何ィィィィ!!」
るぱん「あんたは一流のファイターであり、ハンターだ。しかしどんなハンターも、獲物を仕留める瞬間には油断するもんなんだぜ。」
あけば「マズいッ!もう一度瞬間移動で逃げなければ・・!しかし、リンキンパークは既に攻撃態勢に入ってしまっている!『遅い』が確実に!これが終わらなければ次の能力を発動させることができないッ!」
るぱん「・・楽しかったぜ」
オラァァァァァ!!
バ・ガ・ブーの攻撃がクリーンヒットし、あけばは壁まで吹き飛ばされた。
あけば「・・負けだ。」
るぱん「あんたの攻撃は天才的なタイミングだった。紙一重だったよ。またいつかやり合いたいもんだ。」
あけば「俺を再起不能にしないのか?」
るぱん「俺のスタンドは殺傷には向いてねぇんだ。それに人の人生なんか盗んでも何もいい事はねぇよ。命があることが・・良いことなんだからな。」
そういい残すとるぱんは部屋を出ていった。
あけば「すまないざっき・・負けちまったぜ・・これ以上ないくらい気持ちよくな・・」
あけばはその場で倒れこんだまま目を閉じた。
あけば、負けを認めてリアイア。
______________________