「あ! お兄ちゃん、見て見て~」
この学園に来て以来、パーティを組んでいるクラッズ(小人族)の同級生(ただし、年齢は確かひとつ下)が、うれしそうな顔でトテトテと駆け寄って来た。
「おぅ、おはよう。どうしたんだ、ソレ」
いつもとはまったく違う格好に、さすがに驚いた。
魔女っ子のぼうしに魔女っ子ローブ、足元も魔女っ子ブーツで固めた、魔女っ子3点セットだ。念が入ったことに手にはクリスタルマイク。
「どっかの魔女っ子アイドルかよ……」
「どう、似合う? 知り合いの子に借りて着てみたんだけど……」
目の前でクルンと一回転してみせると、短めのローブの裾がヒラリと翻り、一瞬だけパンチラする。
む、今日は水色と白のストライプか……ぢゃなくて!
「──まぁ、確かに似合っていると認めるコトはやぶさかじゃない」
本来、16歳という年齢は魔女っ子としては微妙だろうが、クラッズという種族は、俺達ヒューマンから見ると童顔かつ小柄で、コイツも12、3歳にしか見えないからな。
とくにコイツの場合、顔も声もかなり可愛いからなおさらだ。
しかし……。
「お前さん、性別は男だろーが!」
「ぷうっ、お兄ちゃん、それは言わない約束だよぉ」
名前:クラリオ、種族:クラッズ 職業:盗賊、年齢:16歳、性別:♂
備考:ヒューンお兄ちゃん大好き♪ 将来の夢:お兄ちゃんのお嫁さん
なまじ盗賊として優秀で、かつ性格自体も決して悪くない(そして容姿も女の子にしか見えない)ため、邪険にもできず、ゴロゴロとすり寄ってくる「妹分」に溜め息をつくしかない少年(人間・普通科)なのだった。
#以上
。ゲーム「ととモノ3」がらみで妄想。このあと、クラッズは妹学科へ転科申請しに行きます。
最終更新:2013年04月27日 23:01