ごっこ遊び


 僕は今、親戚の家に泊まりで遊びに来ている。
 11歳になる従兄妹の舞桜(まお)ちゃんはとても僕に懐いていて、僕にべったりだ。
 3歳下の小学5年生の子供だけど僕も悪い気はしない。

 そして今日は舞桜ちゃんの強い要望で僕は舞桜ちゃんの部屋で一緒に眠る事になった。
 これは一隅のチャンスだと思う。

 実は僕には女装癖と言うか女の子の服を着たいと思う趣味があったからだ。
 もちろんそんな事はみんなには内緒だし、そんな機会なんてそうあるものじゃない。
 せいぜいこっそり女子の上靴を履いて見たり忘れ物の手袋をはめて見るぐらいしかした事が無い。

 もともと舞桜ちゃんの家に遊びに来たのも、もしかしたら女の子の服を着る機会が出来るんじゃないかと思っての事で、叔父さんと叔母さんに今度遊びに来なさいと言われたのは渡りに船な出来事だったのだ。

 だけどそう思い通りには行かないもので、舞桜ちゃんの服を着る機会はなかなか無くて、最初に考えていた舞桜ちゃんの後にお風呂に入って舞桜ちゃんの脱いだ服を着ると言う計画は、お風呂は最後で良いと言う僕の申し出に遠慮しないでお客さんだからと言う事で一番に使わされて失敗に終わってしまっていた。

 こうなったら夜にこっそり抜け出して、洗濯機の乾燥から舞桜ちゃんの服を取り出して着ようかと考えていたところに舞桜ちゃんが自分の部屋で僕と一緒に寝ると言って来たものだから、仕方の無いふりをしてその話に乗ったのだ。


「嬉しいな。今日はお兄ちゃんと一緒だ」
「うん、よろしくね」

 舞桜ちゃんは女の子らしい可愛いパジャマ姿で上機嫌で僕に話し掛けてくる。
 パステルカラーな淡いピンクに白と黄色の星模様でチュニックの様に裾はスカート状になってフリルになっており袖も同様だ。
 首元のリボンは女の子のパジャマの特権で、セットの7分丈ズボンも含めてまさに女の子している。
 対する僕のパジャマはお母さんが買って来た紺色の開襟シャツパジャマで面白みも何もない。

「そのパジャマかわいいね」
「うん、私のお気に入りなの。こればっかり着るからママに違うのも着なさいって言われたりするんだ」
「そうなんだ。かわいいから良いのにね」
「私も思う。お兄ちゃんのパジャマもカッコイイよね」
「あはは、ありがとう」
「やっぱりお兄ちゃんって良いなぁ」

 僕は格好良いとか思わないんだけどね。
 舞桜ちゃんは僕の事を憧れ的に見ているから何でも良く見えるんだろうな。
 悪い気分じゃないけど。


 こんな感じだから僕が何かを提案したら絶対のって来ると思う。
 そう考えて僕はある提案をして見る。
 それはちょっとした賭けと言うか、一か八かの勝負。

「ねえ舞桜ちゃん、ちょっとしたごっこ遊びしようか?」
「えー、なになに?どんなの?」
「今から僕が舞桜ちゃんになるんだ」
「お兄ちゃんが私になるの?」
「そう僕が舞桜ちゃんになりきっておしゃべりしたりするの」
「え~面白そう。私のまねして遊ぶんだ」

 よし、反応は良好だ。
 ここで一気に本命の提案に持って行ければ。
 ちょっとドキドキが止まらない。

「うん、だからさ、なりきるのに舞桜ちゃんの服を貸してくれるかな? 服も全部舞桜ちゃんになるから」

 少し声が上ずったけど切り出せたぞ。
 どう返事が返ってくるだろう。


「お兄ちゃんが私の服を着るの?何それ面白そう。いーよ」

 やった~!
 OKが出たぞ。
 女の子の服が着られる!やった~!
 少し顔に出たかもしれないけど、声には出さないで心の中で小躍りして喜んでしまう。

「でしょ?じゃあ早速服を貸してね」
「うーんでも、お兄ちゃんだけじゃなく私もやりたいな」

 おや?のってくれたのは良いけど舞桜ちゃんもやりたいってどうする気だろ?

「ねえ、お兄ちゃん。お兄ちゃんが私になるなら私はお兄ちゃんになって良い?」
「え?」
「私もお兄ちゃんの服着たい」

 おっと、まさかこう来るとは思わなかった。
 でも憧れている人の服を着て見たいってあるかもしれないよな。
 女の子の服を借りられるんだから僕の服を貸すのなんて全然問題ないし、これはこれで面白そう。


「うん、分かったよ。僕の服貸してあげる。そして僕が舞ちゃんで舞ちゃんは僕にお互いなりきって遊ぶんだね」
「うん」

 すごく良い笑顔で返事をする舞桜ちゃん。
 ここまで上手く行くとこっちも嬉しい。

「じゃあ、着ているもの取り替えっこしよ。お兄ちゃんちょっと向こう向いていてね」

 舞桜ちゃんはそう言うといきなりパジャマを脱ぎ出した。
 反射的に僕は慌てて壁の方を見たけど、いきなりだったのでちょっと驚いた。
 まさか人前で脱ぐとは思わなかった。

 しばらく時間がたち舞桜ちゃんは脱ぎ終わった様で、今度は僕の服を着る為に服を取りに来たんだろうか、僕に近くに寄って来る。

「はい、お兄ちゃんこれ」

舞桜ちゃんはそう言って僕に何かを渡して来た。


「え?これは?」

 渡されたもの
 それは先ほどまで舞桜ちゃんが着ていたかわいいパジャマと女児ショーツにスリーマーだった。
 思わず舞桜ちゃんを見ると、ベッドのタオルケットを身体に巻いた格好で笑顔を浮かべている。

「だってお兄ちゃんは私になるんだから、もう寝る時間だしパジャマ着ないと」
「でもパンツとか良いの?」

 ショーツを見て思わずドキドキしてしまう。
 女の子の服を着たいとは思っているけど、まさか下着まで着る事が出来るとは思っていなかった。
 いや、洗濯物を着ようと思っていた時に考えていなかった訳じゃないけど、こうして実現してしまうと思うと興奮しない訳が無い。

「お兄ちゃんは私になるんだからパンツも全部だよ全部」

 ちょっと悪戯っぽい顔になる舞桜ちゃん。
 男の僕が女の子のパンツを履くのが面白いらしい。
 こっちとしては願ったり叶ったりなんだけど。

「そっか、じゃあ仕方が無いか」

 仕方が無いなんて言って見たけどちょっとわざとらしかったかな?
 興奮でちょっと表情が変になりそうだから顔を伏せて舞桜ちゃんには見えないようにしたんだけど、そうすると恥ずかしがっている様に見えるのか舞桜ちゃんはますます面白そうにしている。
 取り敢えずはやる気持ちを抑えつつ、僕は自分が着ているパジャマを脱ぎ舞桜ちゃんに背を向けて自分のボクサーパンツも脱ぐ。


「じゃあ、着るよ」

 舞桜ちゃんの女児ショーツを手に取り足を通す。
 僕は体格が良い方じゃないけどこれでも中学生だ。
 小さいかとも思ったけど子供用のショーツはよく伸びて僕の大事な所もしっかり包んですっぽりと穿く事が出来た。

 う、何かまだこのショーツ温かくて舞桜ちゃんの温もりがそのまま伝わってくるような気がする。

 舞桜ちゃんのショーツを穿いた僕の下半身が温かさに包まれて、そのまま女の子に変わっていく様なそんな変な事を考えてしまったけど、それとは別にムクムクと元気になって来た僕の大事な股間のものが女の子とは違う事を思い起こさせて、男の僕が女の子のショーツを穿いていると言う興奮を身体中に感じさせた。

「お兄ちゃん私のパンツはいてる~」

 そこに透かさず舞桜ちゃんが囃し立てるものだから、それに反応して恥ずかしいやら嬉しいやらでゾクゾクとした痺れる様な浮遊感に苛まされ軽く行きそうになってしまった。


 興奮のし過ぎで舞桜ちゃんに言葉を返す事も出来ず僕は次にスリーマーを手に取る。
 スリーマーと言うけど要するに女の子用のインナーシャツのことで、キャミソールの様に肩紐じゃなくてランニングシャツ見たいだったり袖があったりするものの事なんだ。

 ただ襟ぐりや袖ぐりにフリルの飾りが付いていたり、かわいいプリントがしてあったりとすごく女の子らしいデザインで、いま僕が手にしている舞桜ちゃんのスリーマーも小さなイチゴが沢山プリントされている。

 このスリーマーもやっぱり舞桜ちゃんの温もりが残っていて、僕を興奮させる。
 興奮に流されるままにそのスリーマーを頭からすっぽりかぶって着ると、一瞬にして舞桜ちゃんの女の子の匂いに包まれる。
 洗いたてのさらっとした着心地じゃなく、優しくしっとりと肌に馴染む感覚と伝わってくる温もり。

 僕はもう昇天しそうだった。

「うわ~兄ちゃん女の子みたい~」

 僕の後姿を見て舞桜ちゃんは言う。
 でも前はあまり見せられないよな。
 ショーツの中が大変な事になって盛り上がっちゃってるから。


「舞桜ちゃんも僕のを着なよ。取り替えっこなんだし」
「うん、分かった~」

 あまり見られていてもやり辛いので、僕は舞桜ちゃんに僕の下着とパジャマを着る様に促して見ると二つ返事で素直に従ってくれた。

 だけど僕のパジャマと下着を持って向こうに行くかと思ったけど、舞桜ちゃんは身体に巻いていたタオルケットを取るとその場で僕の下着を着始めてしまったのだ。

 別に不都合はないけど全裸の姿が見えちゃってる。
 この遊びに夢中で人に見られない様に着替えをするの忘れちゃってるんだろうな。

「あはは、私お兄ちゃんのパンツはいちゃった。
 男の子ってここの所からおしっこするんでしょ?変なの~」

 舞桜ちゃんは僕のボクサーパンツを穿いて、前開きの所をつまんでみたりして御満悦だ。
 女の子も男のパンツに興味があるものなんだろうか?
 楽しんでいる見たいだから良いけど、その隙に僕は残りのパジャマも着てしまおう。


 7分丈のパジャマズボンに足を通し腰まで引き上げる。
 少し短くて7分丈が6分丈になっているけど、元々そう言う感じのだし変じゃない。
 このふわっとした広がった感じに裾を絞ってリボンが付いているのが女の子って感じで良いよね。

 でも良く見たら左足のももの所シミが付いてる。
 舞桜ちゃんジュースでもこぼしたのかな?
 このパジャマのズボン、普段から舞桜ちゃんが着ているのなんだな。

 そう思うと女の子が普段から使っているものを着ていると言う感覚が余計強く感じてなんか嬉しくなる。
 ずっと同じのを着ていると言っていたけど、パジャマからの柔軟剤の匂いは薄くなっていて、この家の匂いと言うか舞桜ちゃんの匂いが強くしていた。

 その事を考えると、また僕の股間のあれが元気になって来たのでパジャマの上を急いでかぶって着る。
 良い匂いに女の子のパジャマの着心地にうっとりして、ますますあれも元気になるけど上を着てしまえば安心だ。
 チュニックの様にスカート状に長く広がる裾が覆い隠してくれるからだ。

「はは、全部着ちゃった」

 念願かなって女の子の衣類を着る事が出来た僕は感動に痺れて浸っていた。
 下着も含めて全部舞桜ちゃんのものを着た僕からは舞桜ちゃんと同じ匂いがしており、この部屋に違和感なく溶け込んでいる。
 僕がこの家の舞桜ちゃんになった気分だ。

 すごく嬉しい。


 本物の舞桜ちゃんを見て見るとシャツを着終り僕のパジャマのズボンを穿いている所だった。
 裾がちょっと余っている。

「ちょっとズボン長いね」

 僕は声をかけて丁度良い長さに裾を折り込んであげた。

「ありがとうお兄ちゃん」

 上のパジャマも着るのを手伝ってあげたけど、やっぱり袖が少し長い。
 指先がちょんと出ていてこれはこれで可愛いんだけど、舞桜ちゃんは気になる様だ。
 ズボンの裾見たく折り込んでもいんだけど、そうすると腕まくり見たいでなんか違う感じがする。
 何かないかと見渡して見ると、小物を置いてある棚に良いものを見つけた。

「あ、舞桜ちゃん。ちょっとこのヘアポニー使って良い?」
「うん良いよ。何に使うの?」
「こうするの。ちょっと腕かしてね」

 僕はヘアポニーを舞桜ちゃんの腕に通すと二の腕辺りで留めて巻き込む様にして袖をたくし上げた。
 すると袖は丁度良い長さになり舞桜ちゃんにぴったりになる。

 これはお母さんが洗い物をする時、ブラウスの袖をゴムを使って上げていたのを思い出してやってみたんだけど上手く出来た。


「お兄ちゃんすご~い」
「いや、凄いのかな?」

 舞桜ちゃんに感心されてしまって少し照れくさい。
 でも女の子が男物を着ているのってなんか逆に可愛いな。

 もともと舞桜ちゃんが女の子らしい容姿をしているのもあるかも知れないけど、男物を着ても可愛いなんて女の子って羨ましい。

 男は女の子の服着ていると直ぐに変だって事になるし。

「ねえ、お兄ちゃんのパジャマ着た私どう?」
「うん、似合ってるよ」
「ほんと?お兄ちゃんも私のパジャマすっごくかわいい」

 可愛いと言われるとつい嬉しくなってしまう。
 僕はいま、女の子の格好をしているんだった。
 下着もパジャマも全部女の子の。

 僕はこれから舞桜ちゃんになるんだよね。
 女の子の服を着て女の子気分になれるなんて、凄くワクワクして本当に嬉しくてたまらない。

 でも、その前に大事な事を舞桜ちゃんと約束しておかなくちゃ。


「ねえ、舞桜ちゃん。一つだけ僕と約束してくれて良い?」
「うん?なあにお兄ちゃん」
「この遊びの事は絶対誰にも秘密だよ?絶対誰にも言ったらダメだからね」
「うん。分かった。絶対秘密にする」
「絶対だよ?」
「うん、絶対誰にも言わない」
「じゃあ、約束」
「うん、約束!」
「二人だけの秘密だからね」
「お兄ちゃんと私だけの秘密!」

 舞桜ちゃんなんか秘密って言うのに凄く嬉しそうだけど、女の子でも秘密とかって好きなのかな?
 そう言えばないしょ話って女の子の方が好きだったっけ。

「それじゃ、着てるものの取り替えっこも終わった事だし、今から僕が舞桜ちゃんで舞桜ちゃんが僕になろうか?」
「うん、やろうやろう!」

 舞桜ちゃんの服を着る為のきっかけのつもりで提案した遊びだったけど、思いきり女の子になれると言うのは楽しみで仕方が無い。


 舞桜ちゃんを演じて思いっきり女の子気分になると言うのは普段出来ない事だから特にだ。
 そう思った矢先だ。

 コンコン

 ドアがノックされた。
 まずい!舞桜ちゃんのお母さんだ。
 今この状況を見られる訳にはいかない。

「舞桜ちゃんベッドの中に隠れて!」

 僕は慌てて舞桜ちゃんをベッドに寝かせ掛け布団をかぶせると、自分も敷いてある布団の中に潜り込む。

 ガチャ

 間一髪。
 ドアが開く前に何とか身を隠すのに成功した。

「あらあら、そんなに慌てて寝たふりをしなくても良いのよ。ふふふ、でもあまり夜更かししてはダメよ。じゃあ、おやすみなさい」

 舞桜のお母さんはそう言うとドアを閉じて行ってしまったようだ。
 助かった~。


「ママ行っちゃったね」
「うん、秘密がばれる所だったよ」
「お兄ちゃんがいきなり隠れてって言うからビックリしちゃった」
「あはは、ゴメンゴメン」
「じゃ、続きやろう」
「いや、今日はもう止めておこう。叔母さんも夜更かしはダメだって言ってたし」
「そっか~、残念」

 また見に来られたら困るし。
 パジャマだけど舞桜ちゃんの服を着られただけで満足しておこう。
 それに下着だって着る事が出来た訳だし大収穫だよ。

「それじゃ、着てるものも元に戻そうか」
「え~、お兄ちゃんのもっと着ていたい」
「でもごっこ遊びは止めて寝ないと怒られるよ?」

 出来れば僕ももう少し舞桜ちゃんの女の子のものを着て居たいけど、騒いで叔母さんに見に来られるのは困るし。

「じゃあ、このまま寝よ。私はお兄ちゃんのままでお兄ちゃんは私のままで寝るの」
「それって取り替えっこしたまま寝るって言う事?」
「うん、そうだよ。うるさくしなかったら大丈夫だよね」


 なるほど。
 それなら問題無いね。
 と言うか舞桜ちゃんの方からそういう提案がくるとは思っていなかった。
 そう言う話しなら一も二も無く賛成だよ。
 こっちからお願いしたい話しだ。

「良いよ。寝るだけなら大丈夫そうだし」
「やった~!」
「ほら、静かにしないと」
「あ、ごめんなさ~い」

 朝までこの女の子の格好か。
 ちょっと嬉しくて寝れないかも。
 そんな事を考えて布団に入ろうとしたんだけど、そこで舞桜ちゃんの制止が入った。

「あ、お兄ちゃんは私なんだからベッドで寝るんだよ」

 そうか取り替えっこで僕が舞桜ちゃんなんだから僕が舞桜ちゃんのベッドで寝るのか。
 舞桜ちゃんのベッドもシーツや枕がピンクのサクランボ柄でフリルがあって女の子らしい可愛いものだ。
 枕元にロップイヤーのうさぎのぬいぐるみなんかが置いてあって、いかにもな女の子雰囲気が僕には嬉しい。

「うん、分かったよ」

 僕は言われた通りさっそく舞桜ちゃんのベッドに入る。
 こんな可愛いベッドで寝ると本当に女の子になった気分だ。
 それにシーツも掛け布団も枕も全部女の子の良い匂い。
 これじゃ興奮して寝られないんじゃないかな? 

 舞桜ちゃんの方を見るともう布団に潜り込んでいた。 


「うわー、お客さん用の布団ふっかふっか~」

 舞桜ちゃんは舞桜ちゃんで楽しんでるみたいだ。

「じゃあ、もう明かり消して寝ようか?」
「うん」

 舞桜ちゃんはリモコンで明かりを小さな電灯に切り替えると、ちょっとはにかんだ様な笑顔を浮かべ僕に向って言ったんだ。

「じゃあ、おやすみ舞桜ちゃん」

 僕は最初きょとんとしてしまったけど、その意味が分かるとこう返した。

「おやすみ、お兄ちゃん」
「えへへ」

 そうすると舞桜ちゃんは照れ笑いを嬉しそうにして布団を掛け直して眠る体勢に入った様だ。
 僕はと言うと舞桜ちゃんのベッドの中で一度大きく息を吸うと、女の子の格好をして女の子ベッドで眠る嬉しさをかみしめていた。

 なにせパジャマはもちろん下着も全部女の子の可愛い衣類。
 眠るベッドも可愛い女の子のもので舞桜ちゃんの匂いに包まれる。
 何から何まで女の子。

 こんな嬉しい事態そうあるものじゃない。

 本当に自分はいま舞桜ちゃんになっているんだとすら錯覚しそうだ。


 そう思っているうちいつの間にか僕は眠りに落ちた。
 夢の中で僕は舞桜ちゃんになっていた。
 良く覚えていないけどきっとそんな夢を見ていた気がする。

 ここまでだったら「良い体験をしたなー」で終わった所なんだけど、翌日目を覚ました僕はとんでもない事態に陥っていたりしたんだ。

 それはね。

 僕の下着とパジャマを着て布団で寝た舞桜ちゃんが『おねしょ』をしちゃったんだよね。

 これ、どうしよう?

 素直に取り替えっこをして遊んだ事を告白するべきか、僕がおねしょをしてしまったとして申し出るか。
 世の中嬉しい事ばかりにはならないものなんだね。

 そろそろ叔母さんが起こしに来るころかな?
 さてさて…。


~おわり?~

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最終更新:2013年04月28日 00:18