師弟密戯

初出:エロパロ板「男の娘でエロパロ!」スレッド 45

「和尚様、翠蓮と申します。お世話になります。どうぞよろしくお願いします」
 翠蓮と名乗った、見目麗しい色白の少年は、いまどきの若者には珍しく礼儀正しかった。その態度を見ただけで、彼の両親の人となりがうかがい知れた。
 ぺこりと下げた頭にはしなやかな黒髪がなびいており、この場所に似つかわしくない柔らかな雰囲気を醸し出していた。
「わしは良慶と申す。この度のことは、わしもたいそう心を痛めている。お前の父上や母上があのようなことに関わっているなどとは信じられぬ。きっと、何かの間違いに違いない」
 良慶は、眼下にかしこまっている少年に慈しみのまなざしを向けた。
「だが、わしは一介の僧侶に過ぎぬ。官憲の判断に異議を申し立てる立場にはない。わしにできることは、お前を預かり、世話をすることくらいだ。ただし、ここにいる限りは、衣食住のことは心配せんでもよい」
 禅宗の僧侶らしくストイックで引き締まった肉体を誇る彼に少年は畏敬の念を抱いているのだろう。
 自分の身の上に起こった突然の不幸に、少年は不安を隠せない様子だ。すがるような目を自分に向けている。二重まぶたの大きな瞳がまっすぐにこちらを見ている。
 歳は十四と聞いていた。まだ男とも女とも区別のつかない中性的な顔立ちである。寺院の子息とはいえ、まだ正式に僧侶になったわけではない。
 だが、たとえ剃髪したとしても少年の発する妖しい魅力が損なわれるとは思えなかった。
 むしろ、この少年が頭を丸めた姿を想像するだけで、女人禁制のこの寺にあっては危ない存在となるのではないかとさえ思われた。
「はい、和尚様。ボクはこちらにおいていただけるだけで感謝しております。和尚様のおっしゃることなら何でもいたします。お務めも一生懸命頑張ります」
 翠蓮が言葉を発するたびに、桜色した唇がぷるんと弾けるのだった。
 美しい顔立ちの少年が口にした言葉に妙ななまめかしさを感じて、煩悩を振り切るように良慶は務めて平静を装い、少年から視線をそらした。
 翠蓮の両親は、身に覚えのない罪で逮捕され、起訴された。結果は有罪。二人は投獄された。
 一人息子の翠蓮は他に身寄りもなかったため、彼の父親と旧知の仲であった良慶が引き取ることにしたのだった。

 寺での暮らしは、天涯孤独となった翠蓮にとって決して悪いものではなかった。師匠の良慶は優しかった。兄弟子たちも年下の翠蓮を可愛がってくれた。
 しかし、両親のいない寂しさからか、翠蓮はいつしか秘密のひとり遊びをするようになった。

 夜になると、ひととおり寺の務めを終えて自室に戻った翠蓮は、作務衣を脱ぎ始めた。
 部屋には大きな姿見が置かれていた。
 一糸もまとわない姿になって、押入れの中から行李を引っ張り出す。
 ふたを開けると、衣類がぎっしりと詰まっていた。
 翠蓮はその中から下着を取り出す。少年が手に持っているのは、トランクスでもブリーフでもなかった。
 それは、女物のショーツだった。淡いピンク色の下着を手にすると、片足ずつ通していく。膝の上あたりまで両脚を通すと、両手で一息に引き上げた。
 続いて、同色のブラジャーを取り出して、ぺったんこの胸にあてる。正面でホックを留めると、翠蓮は姿見の前に立って、自分の姿を確認した。
 男の子にしては長めの髪は、ショートヘアの女性と見間違えるほど、翠蓮の顔は女の子っぽい顔立ちをしていた。
 腕も細く、体躯も華奢だった。スラリと伸びた長い脚には体毛もなく、化粧する必要もないくらい女の子そのものだった。
 ただ一箇所を除いては。
 それは、ショーツの前が少し盛り上がっている部分だった。この控えめなモッコリ感がかろうじて彼が男の子であることを証明していた。
 翠蓮は鏡の中の自分に向かって微笑んでみた。
 写真で見た、若いころの母に似ていた。
 両腕を自分の体に回して、自分自身を抱きしめる。
 すると、なんだか気持ちが落ち着くのであった。
 ふうっ、と深呼吸する。
 今度は白いブラウスと紺色のスカートを行李から取り出した。
 下着姿から洋服姿に変わって、ますます女性らしくなった。もはや、彼が男の子であるという証拠も隠れてしまった。
 翠蓮は鏡の前でくるっと回ってみた。
 スカートがひらりと風を孕んだ。
「お母さん……」
 消え入るような声で、ひとことつぶやいた。
 全身の力が抜けたように膝から崩れて、畳の上に倒れこむ。そのまま、うつぶせになって下腹部を畳に押し当てたまま腰を上下左右にゆっくりと動かしていく。
「はぁ、はぁ」
 翠蓮の息が少し荒くなる。奇妙な感覚が下腹部に起こった。
「うう。ああ」
 心地よい疲労感が翠蓮を襲った。
 いつもなら、ここでやめて着替えてから眠るのだが、今夜はそのまま眠り込んでしまった。
 このことが、翠蓮のその後の人生を大きく変えることになろうとは、このときの彼には知る由もなかった。

「翠蓮、これ、翠蓮。起きなさい」
 翠蓮は、自分の名前を呼ぶ声で目を覚ました。
 目の前がかすんで見える。もう朝が来たのだろうか。慌てて飛び起きる。
「はいっ。ごめんなさい。つい、寝過ごしてしまいました」
 翠蓮はきっと自分が寝過ごしてしまったから、兄弟子が起こしにやってきたのだろうと思った。
 しかし、声の主はどうやら兄弟子ではなかったようだ。
 眠い目をこすって、声の聞こえた方向を見た。
 師匠である良慶だった。
「和尚様が、どうしてここに?」
 朝寝坊をしたくらいで、良慶自らが自分を起こしにやってくるとは考えられなかった。
 なにかとてつもない粗相をしでかしたのではないかと、翠蓮は急に不安になった。
 とにかく寝巻きを着替えて支度をしようと、自分の着衣に手をかけた瞬間、血の気が失せる。あわてて自分の姿を確認した。
「あっ」
 小さな驚嘆を漏らした翠蓮は、師匠の顔を恐る恐る窺った。
「なぜそのような格好をしておるのか? 翠蓮」
 良慶はまっすぐに自分の目を見ていた。怒っているわけでもなく、蔑んでいるわけでもない。かといって、翠蓮の意思を量りかねているといった様でもなかった。すべて分かっていて、あえて訊いているようにも思えた。
 しかし、翠蓮は師匠の問いかけに答えることができなかった。
「そ、それは……」
 部屋の外に兄弟子たちの気配を感じる。
 もし、ここで正直に理由を答えれば、みんなに知られてしまう。
 寂しさを紛らわすために母の格好をして、自分を慰めていたなどということを口にしたくはなかった。
「まだ、夜中だ。あまりここでうるさくすると、他の者たちに迷惑がかかる。とにかく話はわしの部屋で聞こう。支度ができたら来なさい」
 うまく理由を説明できないままもじもじとする翠蓮に良慶は慇懃に言い放つ。
「分かりました。和尚様」
 翠蓮の言葉を聞くか聞かないかのうちに良慶は、戸をぴしゃりと閉めて出て行ってしまった。
 部屋にひとり残された翠蓮の頭の中をさまざまな不安がグルグルと駆け巡る。
 良慶の部屋は翠蓮たちとは別の棟にあったため、翠蓮の痴態を偶然発見することは考えられなかった。
 だとすれば、だれか別の者が翠蓮の部屋を訪ねてきて、この恥ずかしい姿を見つけたのだろう。そして、師匠に告げた。
 誰だか知らないけど、内密にして自分を起こしてくれればよかったのに、と思わずにはいられなかった。
 でも、自分だったらどうするだろうか。女装して眠りこくっている弟弟子を発見して、そのままで済ませるだろうか。
 そんなことを考えているうちに、ずいぶんと時間が経過していたように思われた。和尚様の部屋に行かなくっちゃ、という思いが翠蓮を突き動かす。
 あわてて翠蓮は部屋を飛び出して、廊下を足早に進んだ。
 一旦、下履きを履いて、屋外へ出る。
 夜風が冷たい。股のあたりがスースーする。
 ハッと我に返る。女装を見咎められたにもかかわらず、そのままの姿で師匠の部屋へ赴くなんて、なんという愚行だろう。
 けれども、今から戻って着替えていては、さらに遅くなる。これ以上真夜中に和尚様を待たせるわけにはいかなかった。
 結局翠蓮は女装姿のままで、良慶の住居がある棟の勝手口から中へ入っていった。

 電灯も点けずに、蝋燭の灯りだけの薄暗い部屋の中で良慶は座禅を組んでいた。
 背後に人の気配を感じた。
「翠蓮です。和尚様」
 襖の向こうで、澄んだ声が響く。
「入りなさい」
 良慶の許しを得て、翠蓮が部屋の中に入ってきた。
「失礼します。和尚様」
 襖で隔てていない分、先ほどより一層透き通った翠蓮の声を背後に聞いた。
 良慶は思った。
 姿かたちも美しいが、翠蓮は声まで美しい。
 まるで、少女のようだ。否、生身の女以上に美しい。
 その翠蓮があのような女の格好をするとは。
 純情そうなあの少年に女装癖があるとは考えられなかった。きっと、なにか理由があってのことなのだ。
 それにしても、良慶はいまだかつてあれほど女装が自然に見える美少年を見たことがなかった。女装者というものは、たいていはどこか違和感が見出されるものなのだ。
 良慶は今、なんとかして少年の中の違和感を探し出そうとしていた。そうでなければ、あの妖しい魅力に引きずり込まれそうだった。
 魔が差す、というのはこのようなことを言うのだろうか。
 だが、今の自分は若いころとは違う。責任ある立場なのだ。魔が差した、で済む話ではない。ましてや翠蓮は自分の旧友の息子だ。自分のことを慕っている少年に欲情することなど許されることではない。
 自分自身をそう戒めて、翠蓮に向き直った良慶は自分の目を疑った。
 目の前でちょこんと正座している翠蓮は、まだ女装を解いていなかったのだ。というよりもむしろ、翠蓮は本当は女の子だったのではないかと思わせるほど自然な装いであった。
「和尚様、ごめんなさい。どうか許してください」
 両手を着いて、翠蓮が額を畳にこすり付けていた。
 いったい何を許せというのだろう。
 女装することへの許しなのだろうか。女装そのものを恥じているのなら、このような格好のまま許しを請うはずもない。
 良慶は少年の中の異性装願望を認めるべきか迷った。
 部屋の灯りを点けて、もう一度翠蓮の姿をよく観察する。
 一度限りの過ちで済ませて、少年を叱って部屋に帰すはずだった。
 だが、こうなってしまった以上、このまま少年を帰すわけにはいかない。寺の風紀を守るためには、良慶が少年の性癖を認める代りに、少年が他の修行僧の妨げにならないようにしっかりと目を光らせなくてはならない。
 そのためには翠蓮を自分のもとに侍らせておくのが一番よい方法だと良慶は考えた。
 本当のことを言えば、それは体の良い口実である。翠蓮に女装癖があるのなら、なにも遠慮することはない。良慶の心の中の葛藤は雲散霧消した。
「分かった。お前を許そう。本来なら直ちに追放してもよかったのだが……」
 良慶はわざと勿体つけた言い方をした。
 稀代の美少年を我が物にできる幸運が訪れたのだ。高鳴る鼓動が静かな夜に木霊したかのような錯覚にとらわれた。
 少年は目をギュッとつむって小さくなった。
「お願いですから、ここにおいてください。なんでもします。和尚様の言いつけになんでも従いますから」
 小刻みに震える少年の肩に、良慶はそっと手を置いた。

「和尚様……」
 涙を目に浮かべながら、自分を上目遣いに見つめる翠蓮の仕草が、良慶の理性をついに崩壊させた。
「翠蓮っ」
 少年の名を呼びながら、良慶は翠蓮の体を抱きしめる。そしてそのまま押し倒した。
「和尚様、いったい何を……」
 大きな瞳をより一層大きく見開いて、翠蓮は言葉を続けようとした。
 が、良慶がいち早く少年の桜色した唇に自分の唇を押し当てたため、最後まで続けることはできなかった。
「うぐっ、ふむむ」
 突然唇を塞がれて驚く美少年の口の中に舌を押し込む。翠蓮の無防備な舌に螺旋を描くように自分の舌を巻きつけた。そして、ちゅうちゅうと美貌の魔少年の唾液を吸う。
 甘い香りが口中に広がった。
 巻きつけている舌を少し緩めてやると、今度は翠蓮の方から良慶の舌に自分の舌を遠慮がちに絡めてくる。
 少年は整った鼻から熱い吐息を吐いた。
 翠蓮の顔が上気しているのが分かると、良慶は少年の穿いているスカートの中へと手を伸ばす。太腿をさすりあげて、次第に股間へと指先を這わす。
 目当てのふくらみに到達した。二つの玉を包含する袋を掌で揉みこむようにさする。続いてそろえた指の腹で少年の小棒を下から上へと擦り上げる。小ぶりの肉茎が屹立して、女物の下着からはみ出ていた。
 皮で覆われたそれは、先っぽだけが可愛らしく剥けているようだった。
 良慶は少年のスカートの中がどうなっているのか早く見たくて仕方がなかった。
 翠蓮の唇を自由に解放してやると、自らの唇も自由に言葉を発することができた。
「さあ、スカートを自分の手で捲り上げるんだ。ずいぶんとおち○ちんが大きくなっているようだ。どれだけ大きくなったのか、わしによく見せてくれないか」
「は、恥ずかしいです。和尚様」
 頬を紅潮させて、生娘のように恥らう翠蓮の仕草は良慶の嗜虐心に火を点けた。
「いやか? 先ほどわしの言いつけならなんでも聞くと言ったのは、嘘だったのか?」
 少し怒気を含んだ良慶の言葉に、翠蓮は慌てた。
「嘘ではありません。和尚様。言うとおりにしますから、気を悪くしないでください」
 そう言うと、自ら両手でスカートを捲り上げた。薄桃色のショーツから可愛い陰茎が顔をのぞかせていた。包皮が少し剥けて、ピンク色の亀頭が見えた。
「わしとの接吻でここがこんなになったのか? お前は男との口づけで興奮する変態なのか?」
 翠蓮が女装癖だけではなく、男色の素質も持ち合わせていたことを知ると、うれしさからか良慶はそばに侍る純真な少年の羞恥心を煽る言葉を口にした。
「言わないでください。和尚様。ボクはただ……」
 顔を横に背けて恥らう様子が初々しい。
「ただ、なんだ?」
 固唾を呑んで、良慶は翠蓮の言葉の続きを促した。

「あの、その、き、き、気持ちよかったから。男の人だったからとかじゃないんです」
 その言葉は半分真実で、半分虚偽であろうことは明白だった。
 体格もよく、ルックスには多少自信を持っていた良慶は、若い僧侶から特別な好意を寄せられることもしばしばであった。相手を気持ちよくさせる術は心得ている。
 それに思春期の少年が自分は男が好きであるなんて簡単には認めたくないのだろう。
「そうか。気持ちいいことは好きか?」
 虚偽と思われる部分には触れずに、翠蓮の真実を語っている部分にのみ会話を繋ぐ。
「はい、和尚様」
 予想は的中した。嘘を咎められなかった翠蓮は安堵したのか、良慶の質問に素直に答えた。
「ならば、もっと気持ちよくしてやろう。パンツを脱げ」
 少女のような姿態に控えめな男性器を生やした美少年の隠された秘部が目の前に晒されるときがついにやってきた。
 良慶の思惑通りに事は運んでいた。
「は、はい」
 上体を起こした翠蓮は、ショーツに手をかける。腰を少し浮かせたかと思ったら、器用に淡い桃色の下着を足首あたりまで下ろした。
 片方の足を抜いた後、もう一方の足首に下着を通したまま引っ掛けていた。
「そうしたら、両手で脚を抱えて、尻をよく見せるんだ」
 下着を完全に脱ぎ捨てなかった翠蓮の所作に、良慶は嗜虐心を掻き立てられた。
「えっ。そ、そんな恥ずかしい格好、どうしてもしなくちゃいけませんか?」
 麗しい美貌をもつ、この少年にこの上ない恥ずかしい格好をさせてみたい。
 そんな気持ちが良慶を非情にした。
 眉根が寄って、八の字になっている翠蓮の困惑した表情を見ても翻意することはなかった。
「どうしても、だ」
 可愛そうな仔鹿のような少年にきっぱりと言い放った。
「わ、分かりました」
 師匠の断固とした言葉に、翠蓮は観念した。
「どおれ、ケツの穴まで丸見えじゃないか。翠蓮、穴がヒクヒクしているぞ」
 わざと下卑た表現で、恥ずかしい穴を師匠の前に晒している女装少年の羞恥心を抉った。
「ああ」
 少女のような美少年は短い息を漏らした。
 陰茎が固さを増すと同時に下腹部の方へと反りあがる。陰嚢の中で二つ玉が妖しく蠢いた。
「見られて興奮しているんだな。さっきよりもち○ぽが大きくてビンビンに勃ってきたじゃないか」
 性器と肛門との両方を人前に晒すという行為は、恐らく少年の今までの短い生涯の中では、赤ん坊のとき以来ではないかと思われた。
 しかも、性的な興奮状態の只中での行為は、これが初めての経験であったに違いない。
 にもかかわらず、揶揄されればされるほど、翠蓮の興奮は高まる一方であった。
 続いて、さらなる羞恥が哀れな女装の美少年を襲った。
 翠蓮の恥ずかしい姿を観察しているだけでは飽き足らない良慶は、ひと舐めした自分の右手の人差し指を興奮でヒクついた少年の菊門を柔らかく揉み始めたのだ。
「ひやあ。や、やめてください。そんなところ、汚いです」
 初めての感覚に戦きながら、翠蓮は師匠の行為を止めさせようと試みた。
 だが、それは逆効果だった。

「汚い? よく拭いていないのか?」
 いとも簡単に返り討ちに遭った。
 自ら墓穴を掘る形で羞恥心を煽られた。
「うう。そんなこと……ありません」
 翠蓮は、絶句した。
 そして、消え入るような声で否定するのが精一杯だった。
「なら、大丈夫だ。さあ、挿れるぞ」
 翠蓮が抵抗するの諦めたと見て取るや否や、良慶は満足げに宣言した。
 菊座をゆっくりと円を描くように揉み込むと、螺旋状に指を動かしてじわじわと肛中へと人差し指の第一関節まで沈めていく。
 翠蓮の後門はまるで鯉が餌を飲み込むように良慶の人差し指を貪欲にくわえ込んだ。
「ああ、んん。なんかヘンな感じです」
 排泄の用にしか使ったことのない穴に指を入れられた清楚な美少年は、忌憚のない感想を述べた。もちろん快感を得ようと務めていることは、少年が尻を淫らに動かしていることからも明らかである。
 しかし、慣れないせいか余計な力が入っているようだ。指を食いちぎらんばかりに締め付けてくる。
「力が入りすぎだ。もっと楽にしろ。息を吐け」
 このままでは、少年の可憐なアナルへの本番行為などまだまだ先の話になりそうだ。
 なんとしても、今夜中に翠蓮を自分の情婦にと企む良慶は、後ろで快感を得るためにリラックスさせようと試みる。
「はい。ふううぅ」
 素直な翠蓮は、師匠の言いつけどおりに大きく息を吐いた。
「そうだ。ようし、中をかき回してやろう」
 挿入した指先を鉤形に折り曲げて、女装少年のウブな腸内をえぐり回す。
「ああ。だ、ダメです。う、動かさないでください。ヘンになっちゃいます」
 体を反らせながら腰を上げると、翠蓮はビンビンに勃ったペニスを良慶の目の前に突き出した。
 それを見た良慶はほくそえんだ。
「構わん。ヘンになれ。なってしまえ」
 少年の麗棒は今、ギンギンに膨らんではちきれそうになっていた。だが、良慶はそれには触れずに、肛内へ差し込んだ指で恥骨の裏辺りを探っていた。
「あっ、あっ。だ、ダメ。そ、そこ。グリグリしないで。それ以上されたら……」
 お尻への愛撫だけで感じている少女少年は、身悶えしながら嬌声をあげた。
「これ以上したら、どうなるのかな?」
 美少年が期待以上の反応を示したことに満足した良慶は、意地悪く口の端を片方だけ吊り上げた。
「も、漏れちゃいそうです」
 少女のような可憐な声で告白する。
「何が? 漏れるんだ。ウ○コか?」
 良慶はさらに意地悪く焦らした。しかも初心な美少年の羞恥心に鞭を打つように下品な言葉を浴びせかける。
「ち、ち、違います! おち○ちんから、なんか……」
 肛門を弄ばれている純情な少年にとって驚愕するような言葉を、翠蓮は慌てて打ち消した。
「小便か?」
 少年の反応を確かめるように良慶は言った。

「おしっこ、みたいな。なにか」
 尿意とは違う感覚が女装少年を襲っているのだろう。
 反りあがった美茎の先端にある鈴口から透明な液体がとめどなくあふれ出して、少年の下腹へと滴り落ちて糸を引く。
「何が出るのか楽しみだな。さあ、出して見せろ」
 前立腺への刺激で、少年はピンク色の可愛らしい陰茎をビクンビクンさせている。
 羞恥心に心を焦がされたかのように、からだじゅうをくねらせた。
「や、やあ。ダメ。ホントにダメです。あっ、で、でちゃっ……うっ」
 鼻にかかった艶やかな声が、最初の絶頂の時を告げた。
 びゅくん、びゅくんと勢いよく透明な液体が翠蓮の尿道口から噴出した。
 美少年はからだを大きく痙攣させる。
「ほお。潮を吹いたか。そんなに気持ちがよかったのか」
 アヌスの快感だけで、アクメを迎えた翠蓮の素質に良慶は胸を躍らせた。
「潮?」
 自分のからだになにが起こったのかも分からずに、翠蓮はきょとんとしている。
「どうやらお前は素質があるようだ。もっと気持ちよくしてやる」
 こんなにも反応がよい美少年を、良慶は見たことがなかった。こうなれば、翠蓮の感度を高めて、自分だけのモノにしなければ、と気持ちが高揚していくのを覚えた。
 腸内で動かす指を巧みに操る。
「あっ、また…… 落ちて行きそうな。ああ、落ちる。落ちていく。落ちて……いく。イクぅ。イ……ク……」
 頭をふりながら、淫らな嬌声をあげる翠蓮は、この世のものとも思えない美しさを帯びていた。
「はあ、はあ、お、和尚様。おち○ちん触りたい。触ってもいいですか?」
 肛門への愛撫だけでは、翠蓮の男の子としての本能が満足しなかったのだろう。
 肛門アクメで逝った美少年は、自らのペニスをしごきたがる。
「だめだ。自分で触ってはいかん」
 無情にも良慶は少年の要求を却下した。
 そして、なおも翠蓮の潮吹きスイッチを押しまくった。
「そんな。もう、ボク、頭がヘンになりそうです。お願いですから触らせて。あ、またイクイク」
 びゅくびゅくと陰部の先から愛液を溢れ出させながら、女装の美少年は師に哀願する。
「さあ、そろそろ、わしのち○ぽを挿れさせてもらうぞ。いつまでも指では物足りなかろう」
 翠蓮に牡の快感を与えてはならない。この稀有な美少年を自分好みの牝に仕上げなくてはならないのだ。
「ええっ? 和尚様のおち○ぽをボクのお尻に?」
 驚きのあまり翠蓮は、言葉遣いが乱れてきた。
 ただでさえ大きな瞳をより一層大きく見開いて良慶の顔を見つめている。

「お尻ではない。『ケツま○こ』と言うんだ」
 良慶は下品な言葉で翠蓮の尻の穴を表現した。
 美しくて清らかな美少年を貶めるには、生々しい表現こそふさわしい。
「ケ、ケツ……ま○こ、ですか?」
 泣きそうな顔で、どうにか口にすることができた。
「そうだ。いいぞ。これからはお前のケツの穴はそう呼ぶんだ。いいな」
 一度だけで許されると思わせないように念を押す。
 今後は単なる師弟関係だけではなく、愛欲に満ち満ちた淫猥な関係を結んでいくのだ。
「は、はい」
 しおらしく返事をする翠蓮を見て、良慶は美少年の女っぽさが増したように感じた。
「それでは、『和尚様のぶっといち○ぽをアタシのケツま○こにブチ込んで』って言うんだ」
 翠蓮を必ず自分の女にする。
 邪悪な欲望に駆られた高僧は、もう少しでその望みが叶うと確信していた。
 美少年に自らお尻を犯して欲しいと懇願させることさえできれば。
「ボク、女じゃないもん。アタシ、なんて言えません」
 翠蓮は泣いていた。
越えてはならない瀬戸際に立たされていたのだ。
 だが、もはや逃げ道はなかった。
「翠蓮、女装趣味のお前がしらばっくれても無駄だ。お前はわしにケツの穴をいじくられて感じるド変態だ。観念してわしの女になれ。これからずっとわしの側において可愛がってやる。だからわしと二人きりのときだけ自分のことを『アタシ』って呼ぶんだ」
 良慶は戸惑う翠蓮を禁断の彼方へと押し切った。
「そんな…… 分かりました。言います。お、和尚様の… …ぶ、ぶっといち○ぽを…… ア、ア、アタシの、ケ、ケツま○こにブチ込んでぇっ!」
 訳あってのこととはいえ、自ら進んで女装したことには変わりはない。
 そして、師匠に恥ずかしいことをされて興奮したのも事実だ。
 自分は師匠の言うとおり、変態なのかも知れない。
 それに師に見捨てられたら、身寄りのない自分は行く場所がない。
 そう。師の望みどおり女になればいいんだ。
 そうすれば、楽になれる。
 哀れな翠蓮は、決心した。
「よし。望みどおり、ブチ込んでやる」
 仰向けになっていた翠蓮は、良慶にからだを起こされて、四つんばいにさせられた。
 背後から良慶の勃起した肉棒があてがわれる。
 先ほどまでとは比べ物にならない太さのモノが、翠蓮の肛門をめりめりと侵入してきた。
「ひぃっ! はあぁぁ。ふ、太い。お腹の中がいっぱい……」
 息も絶え絶えになりながら、美少年は恍惚の表情を浮かべる。
 腸内にギチギチに詰まった良慶の肉茎は、まるで腸詰そのものだった。
 体内の腸詰に興奮して、美少年は上品なペニスが再び勃ち始めた。
「ダメ。そこ突っつかないで。また、イッちゃうから。イクぅ」
 怒張の先端がまたしても翠蓮の腸内の敏感な箇所を刺激した。
 良慶が肉棒の抜き差しを繰り返すと、翠蓮の控えめな美茎の先からまるでところてんのように透明な粘液が大量にしぶいた。
「わしもイカせてもらおうかな」

 その言葉に続いて、堰を切ったような荒々しいピストン運動が腹の中で展開されるのを感じた。
「ああ、激しい。ああ」
 バックから強烈な刺激を受けて、女装の美少年の腹の中に灼熱感が広がっていく。
「もう十分だな。お前も出させてやる」
 背後で良慶が言った言葉に不安を感じた。
「え? 出させるって何を?」
 今度はいったい何が出るというのだろう。
「ふっふっふ。気持ちいいものが出てくるぞ」
 不気味に笑った良慶が、翠蓮の敏感な牡茎を握り始めた。
「ああ、アタシのおち○ちん触っちゃダメ」
 自分のことを忠実に『アタシ』と呼んだ翠蓮に良慶は再び言い直しを命じる。
「お前のはおち○ちんではない。『クリち○ぽ』って呼ぶんだ」
 初めて聞く表現だったが、いやらしいニュアンスを感じた。
 師匠の女になりきる覚悟をした翠蓮は、思い切り淫らに叫んだ。
「ク、ク、クリち○ぽ、触っちゃダメぇっ!」
「そうだ。いいぞ。だんだん、わし好みになってきたな」
 良慶は満足げな声でそう言うと、美少年の屹立した小肉茎を搾乳するがごとく握り込んできた。。
「や、やだ。ダメ。またなんか出る……あ、熱い。出るぅっ!」
 お尻の穴で何度もイカされたときに出てきたモノとは違う何かが翠蓮の性器から放出されようとしていた。
 下腹に切ない感覚を覚えた。
 その瞬間、熱い何かが尿道を通過した。
「な、なにこれぇっ?」
 びゅる、びゅると断続的に放出される白い粘液は勢いよく飛んで、翠蓮の目の前の畳に溜まりを作った。
「ザーメンだよ。知らないのか? ひょっとして、お前、初めての精通か」
 背後で良慶が言った。優しく諭すような声だ。
「ザーメン? せいつう?」
 生まれて初めて精を放った美少年は、あまりの気持ちよさに放心状態だった。
「ほう。本当に初めてのようだな。初物をいただけてうれしいぞ。それはいわゆる『子種』というやつだ」
 翠蓮の初めてをすべて自分のものにしたいらしく、良慶は嬉々として言った。
「子種……」
 翠蓮はその言葉をぼんやりとした頭の中で反芻した。そして、ようやく意味を理解し始めたときに再び良慶は、翠蓮を驚愕させる言葉を放った。
「そろそろわしもお前の中にザーメンをブチまけてやるとするか」
 そう言うと、翠蓮のお尻をがっしりと両手で掴んだ。
 まるで翠蓮を逃がさないようにするかのようだ。
 再び激しく肛門を突いてきた。
 パンパンという肉と肉がぶつかり合う音が響く。
 師匠の陰嚢が揺れるたびに翠蓮の秘玉の袋に当たる。
「アタシの中に……子種を……?」
 射精して少しクリアになってきた頭脳が良慶の言った言葉を理解した。
「そうだ。妊娠するかも? な」
 性に関して無知な翠蓮に、良慶は意地悪くからかった。
「い、いや。やめて! 妊娠しちゃうぅぅっ!」
 可憐な美少年は、おなかいっぱいになるまで師匠の精液を腸内に注ぎ込まれるのだった。

 おわり


師弟密戯2


「それでは、参るぞ。俊慶や、留守を頼んだぞ」
「はい、和尚様。いってらっしゃいませ」
 俊慶と呼ばれた背の高い青年僧は、師匠にお辞儀をした。
 住職の良慶は一番弟子の俊慶に留守を任せて出かけていった。

 師匠の後姿が見えなくなるまでじっと見送り続けた俊慶は、ようやく寺の中へと戻っていく。
 ついに待ち望んだ日がやってきた。
 彼は心の中で小躍りしていた。
 あの夜、翠蓮の女装遊戯を目撃して気が動転していた俊慶は、師匠にすぐさま報告した。
 しかし、そのあと翠蓮は長い間師匠の部屋に行ったまま帰ってこなかった。
 それ以来、翠蓮が夜になると時折り師匠の部屋を訪れているという話を聞いていた。
 師の部屋で二人がいったい何をしているのかは分からなかった。
 ただ、ひとつだけ言えることは、あの日以来翠蓮が妙に色っぽく見えるようになったのだ。
 もともと、女の子と見間違えるような外見を持っていた翠蓮であった。表現はおかしいかも知れないが、最近女らしさを増してきたように俊慶は感じていた。
 いけないと知りつつも師匠と美貌の弟弟子との間になにか淫靡な関係があるのではないかと疑わずにはおれなかった。
 男ばかりの禁欲生活を送っている彼にとって、翠蓮のような妖しい魅力を備えた少年は格好の性欲の捌け口となる存在だった。
 師匠である良慶は色男で鍛え上げられた肉体の持ち主である。
 一方、翠蓮はしなやかな肢体を持ち、艶やかで少女のような顔立ちの色白の美少年である。
 そんな二人が夜な夜な密やかな逢瀬を愉しんでいるとなれば、そこで行われていることはただひとつしか考えられなかった。
 そんな風に翠蓮たちのことを考えながら廊下を歩いていた俊慶の目の前に突然誰かが現れた。
「おはようございます。俊慶さん」
 透き通るような声だ。翠蓮である。
 やはり、綺麗な顔立ちだ。ぷるんとした水饅頭のような唇がなまめかしい。
「ああ、お、おはよう」
 不意を衝かれたような形で俊慶は少し頬を赤らめた。
 翠蓮に対する自分の心のうちを見抜かれないように、俊慶は急いで翠蓮の前を通り過ぎようとした。
 ふわりと、甘い香りが俊慶の鼻腔をくすぐった。
 男のものとは思えないその芳香に、思わず歩みを止めて呼びかけた。
「翠蓮」
「はい、何でしょうか。俊慶さん」
 翠蓮はくるりと俊慶の方を振り返った。
 今朝は作務衣姿ではなく、白いTシャツに淡い空色のジャージのズボン姿だった。
 少しでも胸が膨らんでいたなら、女子中学生かと思うようないでたちだ。だが、できれば、翠蓮にはジャージのズボンよりもブルマを穿かせてみたいものだ。
 先日の夜、女装していた少年の姿を思い出した俊慶は袴の前が硬くなってくるのを覚えた。
「おまえは香水でも付けているのか?」
 だしぬけに場違いな質問をされて、翠蓮はきょとんとした顔で俊慶を見つめている。
「えっ? 何でしょう?」
 まっすぐなその眼は無垢なようでもあり、妖艶なようでもあった。
「い、いや。何でもないのだ。冗談だ」
 美しい顔立ちの少年に凝視されて、慌ててしまった。我ながらくだらない質問をしたと反省する。
「冗談ですか。あはは。びっくりしました。ボク、てっきり何か粗相をやらかしたんじゃないかって……、心配しました」
 目の前に立っている美少年は白い歯を見せて可愛らしく笑った。
 そして、すぐに胸の前で両手を組んで、上目遣いに俊慶をちらりと見ると、すぐに視線を反らして不安げな表情をみせた。
 翠蓮の一連の仕草に、俊慶の胸の鼓動が激しくなる。
「ははは。冗談だ。今日は和尚様が一日中いらっしゃらないので、何かあればわたしのところへ来なさい。よいですね」
 そう言うと、翠蓮の返事も待たずに立ち去った。
「はい。俊慶さん。ありがとうございます」
 健気な弟弟子の声を俊慶は背中で聞いた。
 このとき彼の胸中で煮えたぎるような欲望が渦巻いているとは、翠蓮はまだ知る由もなかった。

 作務衣に着替えた翠蓮は、朝のお勤めを終えて本堂で写経をする準備をしていた。
「ああ、お掃除も終わったし、今日はしっかり写経をしようっと。ええっと、硯に筆と……。んーー、なんかいい香りだな」
 先ほどから甘い香りが本堂内に漂っていた。
 いつものお香とは種類が違うのだろうか。
 なぜか胸がときめくような不思議な感覚に捉われる匂いだった。
「翠蓮、写経か? 今日は休みだというのに、精が出るな」
 写経の準備を整えていると、不意に俊慶が現れた。白い法衣が映える若い僧だ。
「はい。今日はみなさんはいらっしゃらないんですか」
 微笑みながら翠蓮は問いかけた。
「ああ、ひとりは和尚様に同行しているが、あとの者は、せっかくだから下山してもよいとのことだったからな」
 先ほど翠蓮の前で慌てていたことが嘘のように、俊慶は落ち着き払って言った。
「じゃあ、いまこのお寺の中いるのは、ボクと俊慶さんの二人きりってことですか?」
 大きな瞳をクリクリさせながら、美少年は真剣な眼差しを向けてきた。
「ああ、そうだ。怖いか?」
 今度は翠蓮の視線にもたじろぐことはなかった。
「もう。俊慶さん、また何か冗談ですか」
 美貌の弟弟子は、少し頬を膨らませて口を尖らせた。その仕草が俊慶の胸を躍らせた。
「わたしが襲い掛かってきたらどうする?」
 真顔で言う俊慶に、翠蓮は冗談めかした。
「俊慶さんがもし鬼に変わったとしても、ボク怖くありませんから。平気です」
「はっはっは。わたしが鬼か。それもいいかもな」
 そう言うと、俊慶は本堂から出て行った。
「ヘンな俊慶さん」
 翠蓮はひとりつぶやいた。
 そして、心を鎮めて写経を始めた。
 しばらくして、俊慶が箱を手に持って戻ってきた。
「どれ、ちゃんと写経できているかみてやろう」
 卓上に和紙を敷いて、筆を構える翠蓮の背後に回りこみながら、美少年の肩越しに長身の兄弟子がからだをかがめて覗き込む。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
 指導してもらえるとあって、かしこまっている可愛らしい少年は、兄弟子が吐息のかかる距離まで顔を近づけているためさらに緊張を深める。
「翠蓮」
 突然耳元で呼びかけられて、翠蓮はビクッとした。
「はい、何でしょう?」
 顔は前を向いたまま、美少年は背後の兄弟子を窺った。
「おまえは、夜になると時折り、和尚様の部屋に赴いているとのことだが、いったい何の用なのだ?」
 俊慶は低い声で訊いた。
「あ、あの。その。せ、説法を拝聴しているのです」
 突然の問いに明らかに狼狽しているようだ。
「説法? いったいどんな?」
 さらに追求する俊慶に対して答えに窮した。
「あまり、よく覚えていないんです。ありがたいけれど、夜遅いから眠くって」
 翠蓮の細い肩が微かに震えている。
「嘘をつくものではないぞ。御仏の前だぞ。夜な夜な、離れにある和尚様の部屋から、誰かが淫らに喘ぐ声が聞こえると、もっぱらの噂だが」
 いつの間にか俊慶は、乾いた毛筆を一本手に持っていた。筆先を翠蓮の首筋にあてると、ゆっくりと動かし始めた。
「ひっ。や、止めてください。俊慶さん、悪い冗談は」
 ゾクゾクとした感覚が翠蓮の全身に走る。
「どうだ、気持ちいいだろう。こんな風にされるのは嫌か?」
 意地悪く尋ねる二枚目の僧侶に、翠蓮は先ほどまでの張り詰めた緊張感が、風船から空気が抜けていくときのようにしぼんでいくのを感じた。
「そ、そんな。気持ちいいか、だなんて。ボクは写経をしたいんです。戯れなら、あとでお願いします」
 筆先は翠蓮の首筋からうなじへ、続いて耳の後ろへと這い回る。
 さらにもう一本の筆を持った俊慶は、筆の柄を正座する翠蓮のお尻の下へと滑り込ませた。
「ひゃっ。な、何をするんですか。冗談が過ぎます」

 筆の柄でお尻の割れ目あたりを衣の上からなぞると、美少年は思わず腰を浮かせた。
 そのまま、柄の先で少年の陰嚢の裏あたりを突いてみる。
「あっ。くぅっ。お願いです、俊慶さん、もう止めてください」
 少女のような面立ちの美少年が俊慶を振り返った。眉根にしわを寄せて哀願している。
 尻の下に差し込まれた筆を制しようとして、左手で筆を持つ俊慶の手首を掴む。
「感じているんだろう? 止める必要はない。いまこの寺にはおまえとわたしの二人しかいないんだ。誰にも遠慮は要らない。気持ちがいいのなら思い切り声を出しても構わないんだぞ」
 そう言うと、振り返った美貌の少年の唇に自分の唇を重ねる。
 そのまま唇を這わせて、翠蓮の首筋あたりまで滑らせていく。
 可憐な美少年のプルプルした耳たぶが眼に入ると、俊慶は迷わずその柔らかそうな耳たぶを口に含んだ。そして、前歯で甘噛みする。
「ああ! 俊慶さんっ! そんなとこ、噛まないで!」
 思わず大きな声を出した翠蓮は首をすくめるようにして、耳たぶへの愛撫を避けようとした。
「耳が感じるのか。可愛い奴だ」
 華奢な体型をした美少年の身悶える姿を目の当たりにした青年僧は満足げだった。
 少年の手に持つ筆が乱れて、つやつやした和紙の上で墨が奇怪な模様を描く。
 俊慶は翠蓮の懐に筆を差し入れて、美少年の乳首を筆先で撫で回した。
「あっ、ああっ! ま、待ってください。そ、そんな」
 可愛らしい作務衣姿の男の子の手から筆がコトリと落ちた。
 快感に仰け反りながら、ついに翠蓮は正座を崩した。
 横座りになって、からだを捻るような格好で半身を俊慶に向けた翠蓮は、懐の筆を引き抜こうとした。
 はだけた作務衣の間から、翠蓮の白い肌が露になる。平板な胸に小さな両の乳首がのぞいた。
 そのときだった。
 俊慶は筆を放り出すと、勢いに任せて少女のような容姿をした弟弟子を押し倒した。
 長身の俊慶のからだが、華奢な翠蓮のからだの上に覆いかぶさる。
 蕾のような初々しい翠蓮の乳首に舌先を当てる。小刻みに舌を振るわせる。
「あああ。しゅ、俊慶さん。うくぅっ。はあぁぁ」
 顎を上げて、からだを仰け反らせる翠蓮は、おそらくこの世で一番甘美で、妖艶な生き物だろう。俊慶はそう思った。
 さらにこの美少年の下半身はいったいどんな反応を見せるのか、俊慶は早く見たかった。
 乱暴に作務衣の下を脱がせた。
 翠蓮の性器は健気にそそり立って上を向いていた。
「ああ。見ないで」
 両手で顔を覆う仕草が、俊慶の嗜虐心に火を点けた。
「翠蓮、おまえは男にからだを弄ばれるのが、そんなにうれしいのか? 男であるこのわたしにからだじゅうをいじくられて、ここをこんなに大きくしているなんて」
 少年の上に跨った兄弟子は、眼下に屹立する少年の無垢な陰茎を鷲掴みにした。
 もう一方の手で毛筆を拾い上げると、水差しに筆の先を浸した。
 哀れな美少年が身動きできないようにしっかりと小肉茎を掴んだままで、濡れた筆の先で美少年の陰嚢を撫で上げる。
「ひゃっ! 冷たい」
 翠蓮は思わず腰を引いた。
 だが、俊慶にしっかりとペニスを掴まれているため、水に濡れた毛筆から逃れることはできなかった。
 筆先は陰嚢の表面で弧を描いていたが、やがて会陰部へと移っていった。
「あふぅ。く、くすぐったいです」
 美貌の少年は円を描くように腰をくねらせた。
 依然として陰茎は俊慶に握られたままだ。
「もっと股を広げなさい」
 俊慶に命じられるままに翠蓮は股を開く。
 筆が会陰部をなぞるたびに可憐な肛門が収縮する。菊のしわ一本一本がとても美しい。
「この穴で和尚様を夜な夜な誘惑しているんだな。どのように和尚様をよろこばせているんだい?」
 俊慶はヒクヒクと蠢く菊門に筆先を当てると興味深く観察した。
「ゆ、誘惑だなんて、違います。ボクはただ……」
 目を閉じてイヤイヤをするように頭を振る翠蓮に、俊慶は胸の中が熱く燃えたぎるのだった。

「ただ、何だ?」
 答えるまで許さないと、俊慶の目が語っている。
「お、和尚様の方から……、その、あの……」
 困惑したように眉根を寄せて頬を染める紅顔の美少年は、兄弟子に許しを請うような目を向けた。
「それで、和尚様にからだを許したわけだな。だが、その後も足繁く和尚様の部屋に通いつめているとは。内心では抱かれるのを望んでいたのであろう。そんなに良慶師のイチモツは気持ちがよかったのか?」
 こんなにも可憐な美少年を毎夜のように独り占めしていた師匠に、俊慶は嫉妬せずにはおれなかった。
 翠蓮が男であるという唯一の大切な証拠に俊慶は握りつぶさんばかりに力を込めた。
「ああっ。俊慶さん。痛い。そんなに乱暴にしないで、お願いですから」
 今にも泣きそうになって翠蓮は哀願していた。
 可愛らしい顔が苦痛に歪んでいる。
 俊慶は黙って少年の小肉茎を握る手の力を抜いた。
 毛筆を乱暴に投げ捨てた俊慶は、怒りが収まらない様子で首に下げている大きな念珠に手を掛ける。
 念珠の玉を数個握ると、唸り声を上げて念珠を引きちぎった。
 外れた玉が音を立てて床に零れ落ちた。
 続いて俊慶の首から念珠が床に落ちる。
 玉は半分くらい紐から外れてなくなっていたが、まだ十数個の玉に紐が通ったままになっていた。
 陰茎を握りつぶされずに済んで、翠蓮は放心状態で兄弟子を見つめている。
 下半身に何も衣を纏っていない少年の陰部や肛門と一緒に解けた念珠の残骸が俊慶の目に映った。
 青々とした剃り跡を残した頭の青年僧は、ゆっくりとその場にしゃがみこんだ。
 環が解けて一本の紐状になった念珠の両端から玉が零れ落ちないように紐の両端を幾重にも結んだ。
 それを指先でつまんでぶら下げて揺すってみる。
 玉が落ちないのを確認すると、俊慶は尻を床に着けて座り込んでいる翠蓮の股の間に歩み寄った。
「四つんばいになって、尻をこちらに向けるんだ」
 兄弟子の端正な顔が淫らな欲望に歪んでいた。
 美少年は青年僧に言われたとおり、四つんばいになって淫靡な双臀を突き出した。
「な、何をするんですか、いったい」
「おまえのこの淫らな穴に良いものをくれてやろう」
 衣の袂から油の小瓶を取り出し、ふたを開けると指先でたっぷりと掬って、翠蓮の肛門に塗り込めた。
 そして、さらに念珠の玉にも油を塗る。
 端の玉をつまんで翠蓮の美しい肛門に押し当てる。
「あっ」
 美貌の弟弟子は小さく声をあげた。
「ゆっくり息を吐くんだ」
「はい」
 ふうう、と大きな吐息を漏らした瞬間、玉が翠蓮の肛内に挿入された。
「あっ。ああっ」
 四つんばいの美少年が仰け反りながら、甘美な吐息を漏らす。
「どうした?」
 白くてすべすべの尻を撫で回しながら、俊慶は白々しく尋ねてみせた。
「入ってます。な、何かが」
 突然肛門内にねじ込まれた異物は、繊細な美少年の性感帯をくすぐっていた。
「どこにだ?」
 可愛らしい少年は、菊門までもが可憐であった。
 いま目の当たりにしている光景を少年に言葉にさせてみたい、と俊慶は思った。
「お尻の穴にです」
 色っぽいからだをした美少年にしては、あまりにも普通の表現だった。
「ほう。お尻の穴か。いつもはなんと呼んでいるのだ? この淫らな穴のことを」
 翠蓮にはこれからもっと淫らに悶え苦しんでもらわなくてはならない。そんなありきたりの言い方を許すわけにはいかないのだ。
 淫猥な欲望に支配された破戒僧と化した俊慶は、尻を嬲られている哀れな美少年にさらなる羞恥を強いる

「えっ?」
 乙女のように恥らう少年は、兄弟子の意図を理解したのか、顔を赤らめる。
「和尚様とセックスしているんだろ? そのときも『お尻の穴』などと無粋な呼び方をしているのか?」
 俊慶はさらに翠蓮を問い詰める。
「いえ……、違います」
 精悍な顔立ちの長身の若い僧にお尻を責められながら、翠蓮は答えるのを躊躇った。
「では、いつもと同じように呼んでみろ。どこに入っているんだって?」
 美しい唇から淫らな言葉がつむぎだされる瞬間を待ちわびるかのように、俊慶は翠蓮を執拗に責め立てる。
「……」
 艶かしい唇を噛んで必死に堪える美少年の姿には、いじらしいものがあった。
「言わないのなら、もうひとつくれてやろう」
 痺れを切らしたのは俊慶の方であった。
 念珠の玉を翠蓮のひくつく肛内へと押し込んだ。
「ああ。また、入ってきた」
 尻を振り、腰をくねらす様は、淫靡で華麗であった。
 この美尻には、なんとしても辱めてやりたいと思わせる何かがある。
「どこにだ? 翠蓮」
 俊慶は翠蓮に観念させようと声を低めて言った。
「そ、それは……」
 この期に及んでまだなお美貌の少年は躊躇していた。
「ならば、もうひとつ」
 美少年に心を奪われた青年僧は、頑なにこだわった。
 三つ目の玉がにゅるりと、翠蓮の腸内に飲み込まれていく。
「ああっ。止めてください。俊慶さん」
 お尻だけでなく、からだ全体を震わせて翠蓮は抵抗した。
「ちゃんとどこに入ってきたの言えたら止めてやる」
 どうあっても兄弟子は、自分にあの言葉を言わせるつもりなのだ。
 そう考えると、翠蓮は観念した。
「け、けつ……」
 師との間で交わされる愛の行為で強いられる、あの言葉を口にしかけて、途中で声が出なくなる。
「『けつ』? ずいぶんと下品な言い方だな。そういう悪い子にはお仕置きをしなくてはいけないな。それ、もうひとつだ」
 俊慶の機嫌を損ねて、さらに玉が体内に注送されてくる。
「ご、ごめんなさい。俊慶さん。『けつ』じゃありません」
 翠蓮は、最後まで言葉を言えなかった自分を呪った。
 またしても、腸内の念珠の玉が増えたのだ。
「では、何とよんでいるのか?」
 もはや、観念してあの言葉を発するしかなかった。
「ケ、ケ、ケツま○こです!」
 のどからふりしぼるような声だった。
 美少年は自分の言葉に羞恥して、耳たぶまで赤くなっていくのを感じていた。
「なんと! いやらしい呼び方だ。あまりにも下品でいかがわしいので、残りの玉も全部、おまえの『ケツま○こ』に入れてやる」
 恥ずかしい秘密を吐露したにも関わらず、俊慶は翠蓮の肛門に玉を押し込んできた。
 腸内で玉同士が擦れ合いながら、会陰部から陰嚢にかけての奥深くを刺激する。
 下腹部に疼痛のような快感のような、得体の知れない感覚を感じて、翠蓮は大きな声をあげる。
「ひいぃぃっ。ダメです。もう入れないで」
 これ以上入れられたら頭がどうにかなりそうだった。
 尿道口から液体が滴り落ちる。
 漏尿したのだろうか。美少年は自分のからだが自分の理性で制御できなくなるのが怖かった。
「何個入ったか数えろ。既に四個入っている。さあ、今から数えろ」
 俊慶の声音が満足げな色合いを帯びてきた。

 肛門の括約筋を緩めるとまたしても玉が侵入してくる。
「うっ。っくぅっ。ご、五個です」
 腸内でゴリゴリと玉が擦れるたびに翠蓮は腰が砕けそうになった。
 思わず喘ぎ声が漏れてしまう。
「はぁぁっ。ろ、ろ、六個目です」
 半勃ちになった陰茎から、不随意にトロトロと粘液が漏れ出てきた。
 ビクンビクンと痙攣しながら、翠蓮は自分のペニスがさらに硬度を増していくのを覚えた。
「いいぞ。おおっ。ち○ぽもおっ勃ってきたじゃないか! 『ケツま○こ』を責められるのがそんなにうれしいのか」
 端正な容貌の兄弟子が自分の勃起した陰茎を見つめている。
 そう考えただけで、睾丸の奥深くが熱くなるのだった。
「ち、違います! これは……、ああっ、七個です」
 そんな淫らな自分を、翠蓮は認めたくなくて否定した。
 しかし、玉を腸内に埋め込まれていくたびに、泣きたくなるような牝の悦びを感じずにはおれないのだった。
「ようし。それでは、今度は引き算だ。それ」
 ひとしきり念珠の玉を翠蓮の腸内に注入し終えた俊慶は、今度は肛門の外にだらりとぶら下がっている念珠の端をつまみあげた。
 そして、ゆっくりと引っ張り出していく。
「あっくっ。ダメ。引っ張らないで。ううああっ」
 直腸の奥に一箇所だけ非常に敏感な部分があった。その部分に玉が擦れるたびに背筋がゾクゾクした。
「いま何個だ?」
 不意に質問されて、意識が大脳皮質に集中する。
「えっ? ええっと……」
 必死に個数を思い出そうとしている隙に、俊慶に念珠を腸内からズルズルと引き出されて、翠蓮は少女のような叫び声をあげる。
「いやっ。で、出ちゃう。出ちゃいそう。お願いですから、やめて……」
 蕩けるような快感を下腹部に受けて、下の穴という穴すべてが解放されそうな錯覚に捉われる。
 もしかすると、錯覚ではないのかも知れない。
「何が出そうなんだ?」
 意地悪く兄弟子は翠蓮に尋ねる。
「……」
 再び黙り込んでしまう可憐な美少年に俊慶は冷たく言い放つ。
「言わないなら、構わんさ。出てくれば何か分かる」
 下の穴からあらゆるものが体内から出て行きそうになる感覚に恐怖を覚えた翠蓮は哀願した。
「ああっ! 言います。言いますからお願いします」
「何だ?」
「う、う……」
 羞恥心が翠蓮の全身を包み込んだ。
「はっきり言うんだ」
 俊慶は言葉の鞭で翠蓮を打ち据えた。
「う、う○ちです。う○ちが出そうで、怖いんです」
 自分ではどうすることもできなくて、粗相をしてしまうのではないかという恐怖だった。
「う○ちが出るのが怖いだって? おかしなことを言うやつだな、おまえは。この穴はそのためにあるんだ。何が怖いというのか」
 美しい顔立ちの年頃の少年にとって、人前での脱糞など考えられないことだった。
「だ、だって、俊慶さんにう○ちが出るところを見られたくないんです! 恥ずかしいから」
 いま翠蓮を支配しているのは、脱糞してしまうのではないかという恐怖だった。
「そう言われると余計見たくなるものだ。構わんぞ、出しても」
 兄弟子の俊慶は、弟弟子が目の前で粗相をするのを心待ちにしているようだった。
「ああっ! お腹の中がヘン」
 幸いにも翠蓮の心配は杞憂に終わった。
 しかし、先ほどから陰嚢の裏あたりで生じている不思議な快感が大きな波のようにうねりながら、反復するのであった。
「ふっふっふ。う○ちは出てこないが、別のものが前から滴ってきているぞ」
 何度も何度も、翠蓮の小肉茎の先から透明な液体がしぶいていた。
 逝っても、逝っても収まることを知らない快感が、うねりながら美少年の下腹部に襲い掛かってくるのだ。
「ヤ、ヤダ。クリち○ぽ触っちゃダメ!」

 ビクビクと潮を吹く翠蓮の陰茎に俊慶の魔の手が忍び寄る。
「ほほう。和尚様との乳繰り合いでは、そう呼んでいるんだな」
 俊慶はほくそえんだ。
 愛くるしいまでの美しさを持つ翠蓮が、めくるめく快感に我を忘れているさまが手に取るように分かったからだ。
「ああ。俊慶さん。ボク、もうおかしくなっちゃいそうです」
 告白する美少年の傍らに片膝をついて、俊慶は翠蓮の肩に右腕を回すと、左手でそっと少年のあごを持ち上げた。
「おかしくなっても構わん。わたしにすべてを任せろ。翠蓮」
 四つんばいの美少年は、俊慶の方に顔を向けると目を閉じた。
「しゅ、俊慶さん……」
 眉根を寄せて目を閉じたままの翠蓮は実にたおやかだった。
 その乙女のような少年の顔をじっと見つめて俊慶は、桜色した唇に自分の唇を押し当てる。
 俊慶の唇が重ねられると、翠蓮はからだを起こして俊慶の背中に腕を回した。
 俊慶もまた翠蓮のからだを上から抱えるようにしてしっかりと支えた。
 二人は膝立ちの格好でお互いに抱擁しあった。
 自ら唇を半開きにして、兄弟子の舌を進んで受け入れようとした翠蓮に応えるように俊慶は、舌先を少女のような美少年の口中に差し入れる。
 待ち望んでいたかのように翠蓮の舌が兄弟子の舌に絡みついた。
 俊慶は舌を絡ませながら、翠蓮の作務衣の上衣をスルスルと脱がせる。
 全裸になった妖艶な弟弟子をより一層ギュッと抱きしめる。
 すると、ちょうど俊慶の睾丸あたりを翠蓮の勃起した性器の先が当たった。
 俊慶の右手は、翠蓮の背中からゆっくりと滑っていき、臀部で止まった。
 そのまま翠蓮の丸くて柔らかな双臀を撫で回す。
「むぅ。むほわっ」
 翠蓮が何かを言おうとして呻いた。
 けれども、俊慶の舌が絡み付いてうまくしゃべれなかった。
 綺麗な口元からあふれ出た唾液がつーっと糸を引く。
 俊慶は舌を外して唇を離した。
「何か言ったか? 翠蓮」
「お尻を撫でられると、ゾクゾクしちゃいます」
 潤んだ目で俊慶を見つめながら、翠蓮は答えた。
「そうか。ならばここはどうだ?」
 左手の指先で翠蓮の乳首をつまんでコリコリと弄ぶ。
「あっ! くうっ。そ、そこもいいっ」
 翠蓮が快感に仰け反ったため、乳首が引っ張られて伸びる。
 すかさず伸びた乳首をコリコリとひねり回す。
「あっ。ち、乳首もいいです。はああ」
 目を固く閉じて翠蓮は甘くて熱い吐息を漏らした。
「乳首とお尻と、どっちが感じるんだ?」
 そういうや否や俊慶は、左手で乳首をつまみながら、右手の指先を翠蓮の尻の割れ目に滑らした。
「はうっ! ど、どっちもいいですぅ」
 翠蓮のからだが大きくビクンと跳ねた。
「どっちもだと? 淫らなやつめ」
 からだから力が抜けて膝で立っていられなくなった美少年のからだを抱きかかえると、俊慶は本堂から隣の部屋へと移動した。

 板張りの床から畳の部屋へ移った後、俊慶は座布団をいくつか敷き詰めて、その上に翠蓮のからだを横たわらせた。
 自分も白衣を脱いで裸になると、横になったままの翠蓮に促す。
「さあ、いつまで寝ているんだ? わたしが裸になっているというのに知らん顔か? いつも和尚様にしているようにわたしにもやってみせなさい」
「えっ?」
 戸惑うような素振りを見せながらも、美貌の乙女少年の目は俊慶の股の間に屹立している雄雄しい肉棒に釘付けになっていた。
「い、いつものようにですか?」
 恥じらいを隠せない様子の美少年の顔に自分のイチモツを近づけて、俊慶はきっぱりと言い放つ。
「いつものように、だ」
 兄弟子の股座の間に跪いた可憐な弟弟子は、両手を俊慶の性器に添えると、その柔らかな唇でかっぽりと咥え込んだ。
 頭を前後させて、上下の唇で陰茎をしごきながら、舌先を螺旋状に亀頭に巻きつけていた。
「くぅっ。いいぞ。翠蓮。上手いぞ」
 続いて、顔を横に向けて、ハーモニカを吹くような要領で俊慶の肉茎をしゃぶり始める。
 そのまま、玉の袋まで口に含んで、軽く歯を立てるようにコリコリと睾丸を刺激してくる。
「はうっ。こ、これはっ。なんとも……」
 翠蓮の積極的な口淫に、俊慶は驚いていた。
 女にしてもらうよりも気持ちがよかった。実際、心がこもっていると思った。
 翠蓮を師匠に独り占めさせるのは勿体ないと感じた。
「わたしのち○ぽはおいしいか?」
 兄弟子の言いつけに従っているとはいえ、あまりに熱心に自分の性器を舐りまわしている弟弟子に俊慶はくだらないとは思いながらも訊いてみた。
「はい。俊慶さん。おいしいです!」
 舌なめずりしながら、にこやかに答えた翠蓮が愛おしい、と俊慶は心から思った。
 女装をしたり、師匠と夜な夜な密会している翠蓮を辱めてやろうという考えから始めたはずだった。
 しかし、それは偽りだったと初めて知った。
 俊慶は自分の本心に気付いてしまった。
 そして、股間の肉棒に全身の血液が流れ込むのではないかと思えるほど、勃起してくるのだった。
「そうか。ならば、感度の良い、おまえのケツま○こにも味わわせてやろう。どうだ? うれしいか?」
 翠蓮の妖艶な秘貝のような口の中で果てるのもいいと思ったが、やはり先ほどからじっくりと解しておいた菊穴をみすみす放っておく手はないと思った。
 それにこの愛らしい美少年の敏感な穴に己の分身をねじ込んでみたい、と切実に感じていた。
「はい。うれしいです。ボク、俊慶さんのち○ぽ、入れてほしいです」
 翠蓮の目は、もはや牝のそれだった。
 普段の利口そうな翠蓮からは想像できない答えだった。
 あの師匠が純真なこの美少年をこのような淫乱に仕立て上げたのだろうか。
 それとも、この美少年にもともとこのような性癖が隠れていたのだろうか。
 しかし、いまの俊慶にとってそんなことはどうでも良いことだった。
 初めて会ったときから、この美少年に心を惹かれていたことに気付いたのだ。
 一度でいいから翠蓮を抱いてみたかった。
 そして、ついにそのときがやってきたのだ。
 もう後には引けない。たとえこの少年が危険な毒婦だったとしても。
 毒を食らわば皿まで、とも言うではないか。
 この少年は師匠の寵愛を受けている。翠蓮に手を出したことが師に知れたらどうなるか分からない。
 だが、たとえ師に破門されたとしても構わないと思えるほど、目の前の美少年は俊慶の心を捉えて離さなかった。
 気がつくと、翠蓮は仰向けになっていた。
 牝の目が俊慶を誘っている。美少年は膝を抱えるようにして股を開いていて、股の間には愛くるしい性器が半分だけ勃っていて、いやらしい肛門は牡を迎え入れるときを待っていた。
 俊慶はそそり勃つ自分の肉茎に油を塗りたくって、さらに翠蓮のひくつく肛門にも塗り込めた。
 乱暴に扱って、傷つけないように丁寧に指先で菊門を揉み解す。
「ああ。俊慶さん。き、気持ちいいです。あふう」
 翠蓮の肛門が吸い付くようにして、俊慶の指を中に飲み込んでいく。
「おまえのケツま○こは、もう待ちきれないようだな。いまからわたしのち○ぽを中にブチ込んでやるから。存分に味わえ」
 俊慶は自分の陰茎に右手を添えると、左手で翠蓮の尻を開くようにして、亀頭の先端を肛門にあてがった。

「ふううう」
 大きく息を吐く可憐な美少年を眼下に見ると、俊慶はそのまま体重を翠蓮の尻に預ける。
「あはぁぁあん」
 少女が身悶えしているのではないかと見間違えるような反応だった。
 明らかに少女と違うのは、この少女の股間には男性器が付いていることだった。
「入ったな。奥まで入れるからな」

 翠蓮はついに師匠以外の男と関係を持ってしまった。
 兄弟子の俊慶は、師匠とは違った理知的な二枚目だった。いつも冷静で、頼れる兄のような存在だと感じていた。
 その俊慶に敏感なお尻を弄ばれて、衝撃を受けた。
 しかも、不覚にも感じてしまった自分を情けなく思っていた。
 けれども、兄のように慕っていた俊慶との情事は、自分の中で何かを目覚めさせてくれた。
 師匠との間の関係では感じられなかった何かだ。
(ボクは俊慶さんのことが好き。その俊慶さんになら、何をされたって構わない)
 心の中でそう思った。
 そして、今、その俊慶の肉棒に肛門を貫かれて、ひとつに繋がっている。
「あふう。い、入れてください。奥まで」
 智慧と慈悲に満ち溢れた菩薩様のような顔立ちの兄弟子が腰を動かすたびに、肉茎の先端が腸内の敏感で繊細な部分に時折り当たるのを感じて、翠蓮は腰が蕩けてしまいそうだった。
「ああ。当たってる。当たってます。あっ」
 勃茎で恥骨を突き上げるように俊慶が動く。
 腸内の敏感な部分は、言うなれば、美少年のGスポットである。
 腸壁を隔てて、向こう側には前立腺が控えている。そこをぐいぐいと押されるのだから堪らない。
「どこにだ? どこに当たってる?」
 さほど勃ってもいない翠蓮のペニスから無意識に、断続的に透明な液体が噴出した。
「い、いちばん感じるあそこに当たってるの!」
 牝と化した者にしか感じることのできない、悩ましくて狂おしい快感が翠蓮の腹腔内に広がる。
「はくっ。で、で、でちゃ……。ああっ!」
 泣きそうになるくらい気持ちよくなって、翠蓮は俊慶のからだにしがみついた。
 脊髄を通って、淫らな悦楽が脳天へと駆け上ってくる。
「い、い、いくぅ。いっちゃうぅ」
 頭の中が真っ白になっていく。
 腰を中心に下半身が妖しく痺れていく。
「逝け! 何度でも逝かせてやるからな」
 淫らに腰を動かす菩薩様は、少し乱暴な言葉を発しながらも優しい目で翠蓮を見つめていた。
「ああああ。もっと、もっと突いてください。もっといかせてぇ」
 俊慶の怒張の先端が腸内のGスポットにもっとよく当たるようにと、翠蓮は自ら腰を縦横無尽に動かす。
「ああっ。また……いくっ、いぐぅっ。くはっ」
 またしても、潮を吹いた。俊慶の下腹に吹いた潮がかかった。翠蓮は恥ずかしさのあまり耳たぶまで熱くなるのを感じた。
 それでも、恍惚とした快感をさらに得ようとして尻を振り続けた。肛門の括約筋が牡の精を搾り取るために淫猥な収縮を繰り返す。
「うおお。締まる。締まってるぞ。ち○ぽが食いちぎられそうだ!」
 からだの上で俊慶が雄たけびをあげる。
「も、もう、逝きそうだ。翠蓮、中に、中に出すぞ!」
「出して、俊慶さん、中に思い切り出してぇっ!」
 何度も快感を得て、蕩けきった翠蓮が腰で大きく円を描く。
「逝くっ! 逝くぞっ!」
 びゅるびゅると、勢い良く腸内に精が放たれた。敏感なところに射精されて、その刺激で翠蓮はまたしても潮をしぶかせた。
「ボ、ボクもいくぅっ! 好きぃっ! 俊慶さん、離さない! お願い、キスして! ああっ!」
 アクメに達してビクンビクンと痙攣する翠蓮のからだを、俊慶はしっかりと抱きしめて、優しく口付けた。
 翠蓮は全身が菩薩様の愛に包まれたように幸せだった。

 しばらく二人は繋がったまま抱き合っていた。
 満ち足りた時間が二人の間をゆっくりと流れた。

師弟密戯2 おわり

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最終更新:2013年05月04日 14:07