夜は娼婦。昼は……?
「遠藤……先生?」
「僕もびっくりしたよ。君がこんなことしてただなんてね……久住百合香さん」
自分の勤めるお嬢様学園。その制服を一分の隙もなく校則通りに着こなした清純な美少女。
その瞳が驚愕に見開かれる。
「大丈夫だよ。今日は僕は客として来たんだ。誰にも口外したりしない。──きちんと誠心誠意、サービスをしてくれるならね。さあ、こっちへ来て」
学内では常に控えめで目立とうとしないけど、品行方正の優等生として知られ、良家の子女に相応しい佇まいと容姿を備えた彼女は、少なからず一目置かれる存在ではあった。
白いセーラー服を着た、ほっそりとした身体のその少女が、おずおずと僕の隣に腰掛ける。
「うん。それでいい。……まずは持ち物検査しようか」
僕はそう言って、校則通りの丈の、彼女の穿いたプリーツスカートを左手でめくり上げた。
肉付きの薄いほっそりとした両脚の付け根に、飾りのない白いショーツが見える。
その様子は可憐な少女そのままで(やっぱり担がれたのかな?)という考えが脳裏を過る。
「先生、駄目です……」
首を振ると、首筋までの長さできちんと切り揃えた艶やかな黒髪から、甘い芳香が漂う。
柔らかな産毛の生えた滑らかな白い頬が、だんだんと羞恥に赤く染まる様子に見とれる。
「『先生』なんて呼ばないで。……そうだね。〝隆志さん”って呼んでくれると嬉しい」
「隆志さん、やめてください……」
生娘の反応そのままに、恥ずかしがる様子。これは演技なのだろうか?
判断がつかないまま、彼女が身に着けるショーツを右手で引き下ろす。
「やあ、びっくりしたよ。まさかあの久住さんが、こんな秘密を隠しているだなんてね」
「い、いやあああぁぁっ!」
そこにあるのは、うちの生徒には決してないはずの器官。同じ年頃の少年と比べるとひどく小さくて形も可愛らしく、『大きめのクリトリスなんです』といえば通りそうな存在。
女の子のショーツに、窮屈そうに収まっていたそれは、空気に直接さらされた解放感からか、内心の興奮を反映してか、むくむくと大きさを増していく。
──それでも、僕の通常時よりもずっと小さなものだったけれども。
「指でスカートを摘み上げていてね」
と、『彼女』にお願いしてベッドを降り、可憐なその蕾を咥える。
いい加減見慣れすぎて食傷気味だったセーラー服。でもそれを纏っているのが少年だと認識したとたんに、こうも興奮を覚える自分の性癖に内心苦笑する。
最大サイズでも口の中でなお余りのある小さな器官。舌を伸ばし、竿の根本から玉袋までを丹念に丹念になぞる。
そのたびに少女そのままの姿で身体をくねらせ、少女そのままの声で喘ぎ声をあげる。
登り詰めそうになったら緩め、落ち着いてきたら強め。
そんな時間をたっぷり楽しんだのち、彼女の発したたっぷりの精液を口の中に含んだまま、ほっそりとした身体をベッドの上に押し倒し接吻をする。
本気で抵抗しかけた手足を押さえつけ、半ば無理やり彼の体液と自分の唾液とを流し込む。
深く唇同士を重ね合わせたまま、至近距離から顔を観察する。
長く濃い睫毛が、皮膚の薄そうな白い頬に影を落とす。
ニキビのない、同じ年齢の少女たちと比べてもずっと滑らかな肌。あどけなさを残した、上品な端正な顔立ち。
その美少女の股間にある器官が、さっきあれほどまでに放出したにも拘わらず、スカートを押し上げて硬直しているのを微かに感じる。
キャミソールを引き出し、セーラー服の隙間から腕を潜り込ませる。ブラに直接取り付けたパッドが作る控えめな胸。でも実際には膨らみの兆しもない平らな胸。
その筋肉を感じさせないすべすべした平原の上、左手の指を走らせて、小さな小さな乳首の周辺をそっと丁寧になぞる。
同時にプリーツスカートを捲りあげる形でお尻の割れ目を執拗に責める。
唇と乳首とアヌスの3点責め。
股間のものが刺激を求めてひくつくけれど、そこには決して刺激を与えないように注意しながら、穢れを知らない清楚で可憐な美少女以外には決して見えない少年の心と体に、『女としての快楽』を教え込んでいく。
長いキスを終え、今度は自分のペニスを黒髪のセーラー少年に咥えさせる。
そこで漸く、確信に至る。
恥ずかしがっているふり、慣れていないふりを演出しているけれども、この子は恐ろしいほどの訓練と実践を重ねた存在なのだ。
良家の子女が通うことで有名なお嬢様学園である、自分の勤め先。
その学園の中でも、優れた容姿と優しい物腰、折り目正しい楚々とした仕草で、密かな尊敬を同級生の少女たちや教師たちからも集める、セーラー服の美しい少女。
それが実は少年だというのも驚きなのに、夜な夜な身体を男たちにひさぐ娼婦なのだ。
自分でも可笑しいくらいに、容易く心と体が快楽に支配される。
キスの味すら知らないような可憐な唇が、器用に動く長い舌が、ありえないくらいの精度で雄としての自分を覚醒させる。
気が付いたときにはもう、彼女の細い体を後ろから一心不乱に突き上げていた。
『年端もいかない少女を犯している』
『教え子を犯している』
『同性の少年を犯している』
3つのタブーを同時に犯す背徳感が自分の興奮を否が応でも煽り立てる。
アヌスの具合も抜群にいい。入口だけでなく、奥まで自分の分身を締め上げてくる。
その晩、僕はこの『少女』の身体に、それから4回の精液を注ぎ込んで果てたのだった。
「ごめんなさいね。あなた」
「……しょうがないことは分かってるんだ。百合香。気をつけてね」
土曜夕方の玄関先、清楚なワンピースに身を包んだ愛しい〝妻”にキスをして見送る。
あの『初めての晩』から3年後、『彼女』が高校を出るなり僕たちは結婚式を挙げた。
昼の間は〝若々しく貞淑な新妻”として近所でも評判な彼女だけど、一週間に一度の夜には未だにこうして娼婦を続けている。
それが少し、僕をやるせない気持ちにさせるのだった。
最終更新:2013年06月12日 20:58