最近、私の親が再婚しました。
それと同時に、一人っ子だった私に可愛い妹ができました。
小柄で、目がパッチリしていて、髪はショートだけどサラサラで、しかもツンデレで……。
きっとこれは、ふしだらな親の代わりに神様がくれたプレゼントです。
今日は幸いにも日曜日。しかも、邪魔っ気な両親は昨日からお出かけしているので二人っきりです。
姉としても、今日は精一杯かわいがってあげないとね。
*
午前7時。休日は何故か平日より、何故か朝の目覚めがいいです。
背をグーッと伸ばし、ベッドから身を起こすと真っ先に洗面台へと向かいます。
歯を磨き、顔を洗い、そして髪のお手入れをします。
時間を気にしなくて良い分、丁寧に手入れが出来るところがいいですね。
最近は、髪がようやくセミロングまでの長さまで伸びて、髪のお手入れも楽しくなってきました。
両親は「早く切れ」と五月蠅いですが……ショートが好みなのでしょうか?
洗面台への用事が済むと、部屋へと戻りお化粧と着替えです。
お化粧は、厚ぼったいメイクは嫌いなのでナチュラルメイクを施します。
初めての頃はずいぶん苦労しましたが、今では慣れたモノです。
もちろん、妹にもしてあげているのですが……あまりお化粧は好きじゃ無いみたいです。
後は着替え……ですが、これが一番悩みます。あーでもない、こーでもないと悩みまくりです。
結局、袖の長いボーダー柄のTシャツと、タイツを履いた上にショートパンツという、
どちらかというと、動きやすさを優先したような服装になりました。
だって、今日は妹と出かける可能性が大きいですからね。
そんなこんなしていたら、午前8時半になっていました。
私は、着替えるとキッチンに向かい朝食の準備をします。
メニューは、定番ですがハムエッグとトーストした食パンです。
後は、妹が起きるのを待つだけ……ですが、いくら待っても降りてきません。
仕方なく、妹を起に部屋へと向かいました。
午前9時。まだ起きてきそうも無いお寝坊さんな妹を仕方なく起こしにきました。
ホント、私がいないと何も出来ないんだから……でも、そこが可愛いんだけどね。
私は妹の部屋をノックします。
「アキちゃん、まだ寝ているの? もう9時よ」
そう言っても起きてくる気配はありません。まだ寝てるのでしょうね。
私は、少しため息をついて部屋に入ります。
見ると……やはり、ベッドの上で可愛い寝息を立てていました。
「アキちゃん、起きて。日曜日だからっていつまでも寝てないの」
何とか起こそうと、アキちゃんの体を揺らします。
「う……うぅん……眠いんだよ……起こすなよ……」
寝惚け眼の目をこすり、私の存在を確認します。
起きると思いきや、恨みがましい視線を向けられた挙げ句、私に背を向けました。
……ちょっとイラッときました。
私は体をガシッと掴むと、強引にこちら側へと向けさせます。
アキちゃんは、何のことかと驚き可愛い瞳をパッチリと開けて、私を見つめていました。
何も言わず、ジッと睨み付けます。そうすると、アキちゃんの綺麗な唇がプルプルと震えだしました。
「わ、わかった。起きるからそう睨むなよ……」
アキちゃんは目をそらし「はぁ」と気怠くため息を吐くと、布団から身体を起こそうとします。
しかし、そうはさせません。いや、最初はそうさせるつもりだったんですが……予定は変更です。
私は、アキちゃんの肩を強く掴むとベッドに押さえ込みます。
その突拍子も無い行動に、軽くパニックになってるようです。
いつものような憎まれ口をたたけず、困惑した表情を浮かべて黙ってます。
ただ……相変わらず震えていることだけは解ります。臆病な子ですね。
私はニッと怪しげな笑みを浮かべると、何も言わず妹の唇を奪いました。
「!? んっ……んんぅ……!!」
舌を使ってキュッと閉じているアキちゃんの唇をこじ開けて、私の舌を侵入させます。
……はぁ、妹の唾液ってなんでこんなに美味しいんでしょうか。
見ると、目をギュッとつむりながら首を横に振ってます。ツンデレってやつですね。
そんな妹をお構いなしに、私はじっくりと朝のキスを楽しみます。
「んっ……はぁ……んぅ……あにぃ……や、やらぁ……」
アキちゃんが顔を赤くしつつ恨みがましい視線を向けながら、私に何か言ってきます。
やらぁ? お姉ちゃん、そんな言葉知りません。それに「あにぃ」って何ですか? 英語?
「んふ……かわひぃ子……」
私も釣られてよくわからない言葉を使ってしましました。姉としてちょっと失格です。
ピチャピチャと、時にはジュルジュルと何ともイヤらしい音が妹の部屋に響き渡ります。
3分ぐらいたったでしょうか。十分に堪能した私は、満足げに唇を離しました。
ツーッと、私とアキちゃんの間に出来た透明な液体が線を描いてアキちゃんの唇へと落ちていきます。
その本人はというと……あらら、目がトロンと蕩けています。それに、どこか息も荒い気がします。
「はぁ、はぁ……んっ。朝から何するんだよ、馬鹿兄! このホモっ! 変態!」
妹は一息つくと、私を押しのけて身を起こし、一気に罵倒の言葉を投げつけます。
兄貴?? 私は姉ですが……。あとホモじゃないですよ。レズかもしれませんが。
というか、そんな汚い言葉どこで覚えたんでしょう……お姉ちゃん不安です。
ともかく、年上に向かってこういうのはいけないですね。
本位ではありませんが、躾も大事です。
「!?」
私は妹の胸ぐらを掴むと、一気に自分の顔へと引き寄せます。
「お姉ちゃん……でしょ? 兄貴って……なぁに?」
私は冷めた目で、アキちゃんの可愛いお顔をジッと見つめます。
さっきの威勢はどこへやら。
アキちゃんの表情は見る見るうちに怯えた表情へと変わっていき、縮こまって答えようとしません。
「……答えて」
私は、もう一度聞き直しました。
すると、アキちゃんは可愛いお口を開き、涙を目にためて小さな声を何とか絞り出して言いました。
「ぁ……おれ……あたしの言い間違いです……おねえちゃん……ごめんなさい」
何か聞き慣れない一人称が聞こえた気がしますが……まぁ、良いでしょう。
それにしても、泣きそうな顔も可愛い。しかし、躾は躾。
ここで許しては、また汚い言葉を使う悪い子になっちゃいます。
私は心を鬼にして、表情一つ変えずに躾を続けます。
「あとね……ホモとか、レズとか、変態とか、そんな言葉は使ったらいけないでしょ。
今日は許してあげるけど、今度そんな言葉使ったら……」
私は、アキちゃんの胸ぐらを掴んでいる手を、少しギュッと力を入れました。
すると、アキちゃんは少し苦しそうな表情を浮かべました。
「……許しませんからね」
私は、出せるだけ一杯のドスのきいた声を出してアキちゃんを叱りました。
正直、こんな声は出したくないです。出しづらいですし。でも、仕方ありません。
そのおかげもあってか、アキちゃんはコクコクと壊れた人形のように首を立てに振ります。
わかってくれたようです。私は、パッと表情を明るくすると、ゆっくりと手を離します。
アキちゃんは苦しかったのか、少し咳き込んでいます。
「ごめんね、きついことして。でも、これもアキちゃんが良い子になるための躾なの。解ってね」
相変わらず泣きそうな顔をしながら、コクコクと頷きます。
そんなアキちゃんが愛らしくて、つい頭を撫で撫でしてしまいます。
「よしよし、えらいえらい。それじゃあ、着替えてキッチンにいらっしゃい。もう朝食できてるから」
私はベッドから降りると、部屋からでようと……おっと、伝え忘れたことがありました。
「言って置くけど……また、男の子みたいな服着たらお説教ですからね。
……前に買ってあげたワンピース着てくれたら、お姉ちゃんとっても嬉しいんだけどな」
ちょっと期待を込めつつ、そんなことを言い残しアキちゃんの部屋を後にしました。
さて、今日はどんな楽しい一日になるのかしら♪
『おしまい』
最終更新:2014年01月19日 22:46