「え……は?」
とりあえず。予想範囲外だったので私は唖然としてしまった。
弟が私の部屋へ無断で入る。オーケー。別に問題はない。いや色々と問題はある
けどそれは目を瞑れる。
私の衣服が床に散らばってる。ノープロブレム。別に良い。昨日は眠かったし寝
ぼけてそんなことにしてたかもしれない。
我が弟が私の服を着て、私を見て凍っている。ノー。あり得ない。なんだこの静
寂は。
「えっと……アーユーマイブラザー?」
気が動転して訳が分からない言葉を発してしまった。
「い、イエス……」
何で英語で返ってくるのか。日本人は日本語喋れ。
「……何してるの?」
「あ、アイウェアーマイシスターズ……えーっとぉ……」
悩むところはそこじゃないだろ。服はクローズだ因みに複数形はクロージーズ。
お前それでもN高の学生か。ああ。某人風に言うなら私は賢いからT大で、弟は頭
が悪いからN高なんだな、よく分かった。
そんな、頭が悪く、姉のことを鵜呑みにし、挙げ句の果てに訳の分からんことを
してくれた弟の罪を暴き裁いてくれようではないか。
弟は既に涙目だが、弟の道を正すのも私の役目だ。少しの我慢だ許せ。
「で、何してるの?」
「えっと……えっとぉ……」
ぐすっ、と鼻水をすう音を聞いた。騙されんぞっ! 貴様は既に(まだ高いけ
ど)声変わりが済んいでる。……しかし髭や色んなモノが生えてこないのはどうい
う事か。ニュータイプか。
って危うく主題がずれるところだ。
「お、お姉ちゃんの、服着たら、成績伸びるって……」
「オーケー。で、誰に吹き込まれたの?」
「お……」
「お?」
私は吹き込んで無いはずだが。お酒を飲むようになってからは断定出来ないのが
恐ろしい。
「……お母さん」
ねーよ。
最終更新:2013年04月27日 18:09