「晶~、ちょっと頼みがあるんだけど」
「え、頼みって…何かな?」
 放課後。授業が終わり続々と教室にいた生徒達が部活や家に帰るため教室を出て行く。
その中で、光二は、鞄に教科書を詰めている晶の机に寄り、なにやら話している。
「何って…わかってんだろ~。ちょっと金、貸してくんない?」
「え~…もう僕、お金ないよ~…。」
「頼むよ。な?俺達友達だろ~」
 光二は友達と言うが、実際のところ本当に友達だった時は中学までだった。高校に入ってからは、
殆ど晶との付き合いはなく、どちらかというと『知り合い』のような関係だった。
現に光二は、なよなよして何処となく女々しい晶のことを高校から付き合い始めた友人には、
友達であったことを悟られたくなかった。
そんな晶も、光二の心境を察してか高校になると殆ど光二と話すことはなかった。光二が金を借りに来る以外は。
「都合がいいときだけ友達のフリしないでよ。」
「つめてーなぁ。いいじゃん。お前ん家金持ちなんだろ?頼むよ。」
「金持ちなんかじゃないよ。それに、今月はもう貸したじゃん…」
「ちょっと金が必要なんだよ。頼むよ。な?俺達親友だろ~?」
 光二が手を合わせて晶にねだる。晶は、都合がいいときだけに光二が『親友』という言葉を使うのはわかっていた。
本当ならば、もう貸したくなかったが、今日は『特別に』貸すことにした。
「わかったよ。じゃあ…これで最後なんだからね。」
「ありがと~!やっぱ晶君は優しいなぁ。じゃ、早速、2万たのむわ。」
「え~…二万なんて、今ないよ…」
「じゃあ家いってとってくれば。」
 晶が金を貸すと決まったとたん、急に光二が生意気になる。
「そ、そんな…勝手なこと言わないでよ。第一、家にあるかどうかもわかないのに…」
「うるせぇなぁ!とっとと金かせばいいんだよ!」
 晶が金を貸すのを渋っていると、急に光二が逆切れする。晶は金を貸す側なのに、日頃
大人しいせいか、喧嘩沙汰になりそうになると、真っ先に暴力が起きない方向に納めようとする。
光二はそれを知っていて(晶がいつまでもウジウジしているせいもあるが)金が早く欲しかったため
大声を出して、晶を威嚇した。晶は光二が思っている通り、素直に金を貸すことを光二に伝える。
「わ、わかったよ…わかったから、そんなに怒鳴らないで。じゃあ、お金とりに家まで着てよ。
…多分ないと思うけど。」
「わかりゃいいんだよ。じゃ、晶の家行こうぜ。」
(ちょろいやつ…いい金蔓がいてよかったわ。)
 二人は無言のまま教室を出ると、一緒に晶の家に向かう。


向かう途中、晶が光二に話しかける。
「久しぶりだね。こうやって、二人一緒に帰宅するのって。」
「そうだな。」
 光二は素っ気無く答える。正直、晶の話なんか耳に入っていなく、晶から借りた金で遊びに行くことで
頭がいっぱいだった。
(一万は、予約したゲーム買って…後の一万は誰か呼んでゲーセンでも行くか)
 その時、晶が少し申し訳なさそうに光二に聞く。
「ね、ねぇ…お金…いつになったら返してくれるのかな?…そろそろ貸し始めて1年たつんだけど…」
 晶は光二に金をせびられたのは、つい最近ではない。高校一年の6月から、今現在(高校2年の6月)
まで、晶はずっと光二に金を貸していた。しかしながら、光二は一向に返す気配がなかった。
「ん?あぁ、今度返すよ。」
「今度って何時?もう待てないよ…」
「うるせーなぁ!今度っていってんだろが!」
光二が再び怒鳴ると、晶は黙り込む。
「…返してもらうよ…どんな形でもね…」
 晶がボソッとつぶやく。しかし、光二には聞こえていなかった。光二が怒鳴った後は、二人とも
無言のまま歩く。しばらく歩くと、晶の家に着いた。晶は光二だけ自分の部屋に行くように言うと、
自分は台所へと消えていった。そして、晶の部屋に光二が入る。その部屋にはぬいぐるみや本が、
ずらっと並んでおり綺麗に整理整頓されていた。
「ホントに…女みてぇな部屋だな…」
光二がしばらく晶の部屋で待っていると、晶がジュースの入ったコップを二つ持ってきてテーブルの上に置く。
「ちょっとまっててね。」
「おう」
 晶が自分の机の引き出しを開けて、光二に貸す為の金を探す。毎月貸しているため当然のことながら、
2万円などと言う金はあるはずなかった。
「あれぇ~…ないなぁ…ねぇ、ホントに貸さなきゃだめ?」
「ん?なんかいった?」
 光二が少し強い口調で言う。光二の思想通り、晶は再び引き出しを漁って金を探す『フリ』をする。
探すフリをしながら晶は、こっそりと不適な笑みを浮かべる。光二はその表情に気づくことはなかった。


「ごめん、ちょっとないみたいだから…下にいってくる。」
「ん。早くしろよ。」
 相変わらず生意気な態度をとる光二。晶が部屋に出て行き、階段を下りる音を聞くと光二はテーブル
に置いてあったジュースに気がつき、それを飲みながら部屋にあった一人用の小さめのテレビをつける。
「早くしろよ~金蔓晶ちゃん♪」
 テレビを見ながら、小声で少しバカにしたように独り言をつぶやく光二。しばらく経ってジュースも飲み干し、
テレビを見てると、晶が帰ってくるのがずいぶん遅いことに気がつく。
時計を見たら晶が部屋を出て、もう30分も経っていた。光二は、どうせ親からの金を取ってくると思い、
10分ぐらいでかえってくると思っていた。
呼びにいこうかと思ったが別に今日は、特に用事もなく急いでいるわけでもなかったので、そのままテレビを見ていた。
しかし、そんな光二に少し異変が出始める。
(なんか眠くなってきたな…昨日は別に夜更かししているわけでもなかったのに…まぁ晶もしばらく戻ってきそうもないし
ちょっと横になるか…。)
 光二はテーブルのそばにあった座布団を二つ折りにたたむと、それを枕にして寝っ転がる。
しばらくして、晶が寝ている光二を起こさないようにそっと部屋に入ってくる。その寝顔を覗き込み、起こさないように小声でつぶやく。
「ふふ…お金、払ってもらうからね…。」
 晶が不適に笑みを浮かべる。しかし、光二にはその言葉も、晶の表情にも気づかず幸せそうに寝息を立てて寝ていた。
「んん…あ…俺寝てたのか…」
 あの時から一時間ほど経っただろうか。光二が目を覚ます。しかし、何か違和感が光二の体全体に伝わる。
それに手を動かそうとしても、何かに縛られているように自由が効かない。
光二が横を向くと、そこには先ほどまで自分が寝ていた場所が見える。そこでようやく自分がベットの上に寝かされていることに気づく。
そして、少し視線をずらした所に、先ほどまで来ていた自分の制服が脱ぎ散らかされている。よくみると下着もあった。
しかし、光二には衣服を着ている感触があったので全裸ではないという自覚はあった。
「なんで俺の服が…それに手が…うごかねぇ…」
 何度も手を動かそうとしても動かない。それもそのはずだった。光二が腕の付け根から目をたどらせていくと、そこには自分の手首がロープでがっちりと縛り付けられていた。その異様な光景に少し顔を青くする。
「な、なんだよ…これ…」
 光二は先ほどから燻っている体全体の感触が気になり、仰向けのまま自分の体を見ようとする。そこには、よく夕方ニュースの特集でやっているようなメイド喫茶の店員が着ているような、派手なメイド服が見えた。それを自分が着ていると思うと、なんでこんな状態になっているのか分けがわからなくなってきて、頭がパニックになりそうだった。


「ゆ…夢だよな…。ちょっと悪い夢を見ているだけだ…」
 理不尽な状況下故、光二は今起きていることを夢としか思えなかった。しかし、その思いもすぐに崩れる。
「あ、おはよう。ずいぶん寝てたね。」
 晶が部屋に入ってくる。そして、ベットの上で寝かされている光二の顔を覗き込む。
「よく似合ってるよ。そのメイド服。」
「っ!!」
 その言葉に光二は晶を思いっきり睨み付ける。しかし、当の晶は全く答えていないようだった。晶の言う通り、
メイド服を着せた光二は、髪は短いものの中学まで陸上していたこともあって余計な肉が殆ど無く、顔もどこか
晶に似て女っぽい顔つきだったため、ボーイッシュな女性がメイド服を着ているような感じだった。
「お前か?こんなことしたのは?」
「そうだよ。それにこの家、今僕と光二しかいないよ。それにしてもよく寝てたね。僕が着替えさせてる時も、
手首を縛ってる時も、全然気づかないんだもん。…ココも可愛かったよ。」
 晶がそういうと、クスッと笑い光二の膝に座り股を擦る。光二は必死に抵抗するが、手首を縛られている上、
晶が自分の膝に座っている状態では、まったく無意味な抵抗だった。
「くっ…この変態!とっとと縄を解け!」
「いやだよ。解いたら逃げる気でしょ。それに、今日から光二は、僕から借りたお金返すまで僕のメイドさん
になってもらうんだからね。だから、僕の言うことは絶対だよ。」
「ふ…ふざけるな!誰がお前なんかの言いなりになるんだよ!」
「じゃあ、今すぐ返せるの?借りた合計と利息合わせて…100万ぐらいね。さ、返して。」
「ひゃ…百万!?それに利息ってなんだよ!そんな金なんてねーよ!」
 光二は最初から晶に金なんて返す気なんて全く無かった。もちろんその金は、湯水のように使っていたので金な
どごくわずかしか残っていなかった。晶もそのことはわかっていて、実際は光二の借金が100万もなかったが適
当に水増しして請求したのだった。
「え~こまるなぁ~。光二く~ん。借りたものは返さなきゃねぇ~。それに、先輩からもいくらか借りちゃったし。
じゃあ…体で、返してね。」
 晶はわざとらしく言うと、小刻みに震えている光二に覆いかぶさり、そのまま光二にキスをする。光二は心底
嫌そうに首を振る。そんな光二の首を首で押さえて、無理やりキスする晶。


「じっとしてて。」
「や、やめろ…うぐっ…」
 しばらくして、晶が唇を離す。そして、笑みを浮かべながら光二に話す。
「ふふ…顔、真っ赤だね。もしかして光二、初キス?」
「っ!!」
 その言葉に、顔を真っ赤にする光二。
「やっぱり。遊び人だからもうやってたりしたかと思いきや、まだ童貞さんか~。」
「っ!!…ぺっ」
 光二の顔をのぞきながら話しかける晶に、光二は思いっきりつばを吐きかける。
「わっ。汚いなぁ~。ご主人様にそんなことしちゃ駄目だよ~。」
「うるせーよ!このホモ野朗!!とっとと縄解けよ!じゃないと、お前がホモだってこと学校中に広げるぞ!」
「あっそう。じゃあ、僕は光二が女装趣味のある変態さんってことも学校中に広げてもいいってことだよね?」
 晶はそういうと、ポケットからデジカメを取り出し、メイド服を着たまま寝ている光二の写真を見せる。
「な…なんだよこれ…」
「見てお分かりの通り、光二のメイド姿だよ。ほら、これなんか見てよ。なかなか可愛く取れてるでしょ」
 光二の顔がどんどん青くなっていく。晶は更に追い討ちをかけるように話す。
「みんなどっち信じると思う?口だけで証拠がない光二の話と、写真って言う証拠がある僕の話。まぁ普通は
僕のほう信じると思うけどね。」
 光二はどうなるかは容易に想像できた。容易に想像できるが故に、晶の言ってることがますます恐ろしく思
えてくる。
「や、やめてくれ……」
「じゃあ、僕のメイドさんになってね。」
「あ…いや…金なら近日中に絶対返すよ。だから、今日のところは…」
 本当を言うと光二には返す当てなどない。とにかくココから逃げたい一心だった。縄を解ければ腕力で晶から
写真が入ったデジカメを無理やり奪って、逃走できる自信も十分あった。しかし、約一年もの間金を返さなかっ
た光二の言うことをすんなり信じるほど、晶はお人よしではなかった。
「まだそんなこと言ってるの?そんな悪いメイドはちょっとお仕置きしなきゃね。」
「え、おしおきって…何を…」
 晶は徐に光二が着ている、メイド服のスカートを捲り上げる。そして、下にはいているショーツを一気にズリ
降ろす。そこには、恐怖で縮こまっている光二のペニスがあらわになる。
「ちょ…何するんだよっ!」
「だから言ってるでしょ。お仕置きだって。」
 晶が光二のペニスを触ろうとする。しかし光二はそれをさせまいと必死に足をバタつかせ、それを阻止しよう
とする。


「やめろ!やめろよ!」
「あぁもう!おとなしくしなさい!」
 光二が何度も足をバタつかせ抵抗する。晶は仕方なく、光二のペニスを思いっきり握る。
「えっ、な…うぎゃああああああああ」
「ほら、大人しくしないと光二の大事なところ潰しちゃうよ?…でもまぁメイド服に合ってるしちょうどいいかも
潰しちゃおっか。」
 晶の腕力で光二の睾丸がつぶれるなどということは考えられなかったが、如何せん敏感な部分だったのでそれこ
そ本当につぶれるかと思えるほどの痛みが光二の体全体に走る。
「ぎゃああああああ!やめてぇえええええ!」
「じゃあ抵抗しない?大人しくする?」
「わ、わかった、大人しくするから、やめて、おねがいぃ」
 光二の顔に先ほどのような、強気の表情はどこにもない。その顔は何処から見ても恐怖におびえる情けない表情
だった。
「仕方ないなぁ…離してあげる。」
 晶がパッと手を離す。光二はあまりの痛さからか、小刻みに振るえ、うっすら涙を溜めている。晶はそんな光二
が本当に愛くるしいと思えてくると同時に、次第にゾクゾクとした感情があらわになる。
「はっ…はっ……はぁぁ……」
「かわいい…撮っちゃお。」
『パシャッ』
「うわっ…撮るなぁ…撮るなよぉ……」)
 光二は涙目になりながら必死に顔を晶から背ける。光二とってこれ以上ない屈辱だった。しかし、こんなことは
単に序の口だったことを知らされることになる。
「ふぅ…お仕置きしようと思ったけど…十分反省したみたいだからいっか。」
 そう言うと晶は徐に、着ていた制服を脱ぎ全裸になる。その裸体は、女性の衣服を身に着けていれば見間違えるほ
どの華奢で色白の体だった。晶の裸を見て興奮したのか、顔を赤くして急いで目を反らす。その表情を晶は見逃さな
かった。晶が全裸のまま、光二を覗き込むようにして話しかける。
「あれぇ?どうしたの?顔赤くして。…もしかして、興奮しちゃった?」
「そ、そんなんじゃ…そんなんじゃねーよ…」
 晶は光二が無理して突っ張っている様子が見て取れた。光二には、それが自分の威厳を見せる最後の砦でもあった。
「無理しなくていいのに…ねぇ、僕も光二のしぐさ見てたらなんだか興奮してきちゃった。」
 晶は光二の顔に自分の勃起したペニスを押し付ける。


「な…なにを…」
「なにをって、わかってるくせに。ご主人様のここを気持ちよくするにはどうしたらいいか、賢いメイドさんだったら
わかるよね?」
 そういいながら、晶は光二の口元にペニスをグイグイ押し付ける。そのペニスからは、興奮しているのか少し透明な
液体が出ていた。それでも、光二は必死に顔を背けて抵抗する。
「うぅ…い、いやだ…」
「まだ言うの?また潰されたいの?」
 晶がそういうと、相当痛かったのか光二の顔が青くなる。光二は仕方なしに晶のペニスを咥えることにした。
「うぅ…」
 光二が目をつむり口を開く。しかし、晶がやり直しを命じる。
「やり直し。光二はメイドさんなんだから、『ご主人様のおちんちん、このはしたないメイドにください』って言わなきゃ。」
「そ、そんなこと…いえな…」
「いえるよね?」
「ぅ…」
「ほら、デジカメの動画モードでばっちり撮っといてあげるから。ちゃーんと言って。」
 光二は穴があれば入りたくなるほど恥ずかしかった。しかし、ここで拒んだら今度こそ何されるかわからないところが本気で怖かった。しかし、撮られていることもあって中々口に出せる台詞ではなかった。そんなモジモジして恥ずかしがる光二を見て、晶の加虐心が更に掻き立てられる。
「ほら、はやくいってよ。言わないと……」
 晶が右手を後ろに回し、光二の半立ちになっているペニスを撫で回す。光二のペニスに先ほどやられた痛みが、頭の中でフラッシュバックされる。
「わ、わかった。言うよ。言うから…」
「じゃあ早く言って。」
 晶はカメラを構えて、光二の顔を映し始める。光二は顔を真っ赤にしながら言い始める。
「…ご…ご主人様の…お…お……ね、ねぇ、やっぱりやめ…ぎゃあああ!」
「言・う・の」
 晶が光二を睨みつけながら思いっきりペニスを握る。そして、晶は少し強めの口調で改めて言うことを強調する。
「いいますっ!いいますからぁ!!離して!!」
 光二がそういうと、晶は手をパッと離す。
「あんまりふざけてると、本気で潰しちゃうよ??いいの?」
「ご、ごめん。言うから…それだけはやめて…。」
 光二はもうこれ以上晶に逆らうことなどできなかった。その姿は、金を借りる時に見せていた光二とはまるで別人みたいに弱弱しい姿だった。


「ご…ご主人…様の…ぉ…ぉちんちん……このはしたない……メイドに…くださいっ…!」
 光二は恥ずかしさからか顔を真っ赤にしながら、自分の出せる精一杯の声で何とか言った。しかし、やはり声が小さかったのか晶は不満そうな顔を浮かべる。
「う~ん…もう少し大きな声で言ってよ。そうじゃないと、デジカメに音が入らないからね。」
 晶は案の定やり直しを命じる。実際にはデジカメにはちゃんと音は入っているし、晶の耳にもしっかり聞こえた。ただ晶は、光二を辱めたいだけだった。
「も…もういっかい……?」
「そう。もう一回。今度ははっきりというんだよ~。」
 光二の顔に絶望感が浮かぶ。しかし、立場が逆転している今は逆らおうとしても、逆らえない。
「ご主人様の……ぉ…おちんちん…このはしたないメイドにくださいっ!」
 半ばやけになって言い捨てる光二。晶は満足したのかニヤっと笑みを浮かべて、今撮ったデジカメの動画を再生する。その画面には顔を真っ赤にしながら半ばやけになって台詞を言っている光二の姿が映し出される。
『ご主人様の……ぉ…おちんちん…このはしたないメイドにくださいっ!』
「光二クンは女装趣味のホモだったんだ~。僕はノンケだけど、ここまで言われたら『親友』として無視できないよね~」
「くっ…!」
 晶がここまで証拠を作れば、誰だって光二が女装して男のモノを欲しがっていると信じてしまうだろう。これで、光二がどれだけ晶をホモ扱いしようとも、だれも信じなくなった。
「ほら、早く口あけてよ。じゃないと、光二君の大好きなおちんちん咥えられないよ~??」
(こいつ……初めからこのつもりで…)
 光二が口を開いたと思ったら、晶に向かって睨みながら言い放す。
「お前…後で絶対とっちめてやるからな…。今自分でやったこと後悔させてやるからな!」
「まだそんなこといってるの?ホントに頭悪いね。…まぁそこが可愛いんだけど。帰るときには、僕のメイドさんになってるから心配しなくていいよ。…それとも、また潰されたいのかなぁ?」
 光二はもうあの痛みに耐えられるほど気力など残っていない。今度やられたら間違いなく失神してしまうかもしれない。その怖さから仕方なく言うことを聞くことにした。
(なにが『僕のメイドさん』だ!この変態野郎が!…今だけ、今だけの我慢だ…耐えろ俺…)
 光二は自分に言い聞かせると、思い切って晶のペニスを咥えるために口を開く。


「ようやく素直になったね。じゃあ、可愛いメイドさんのご希望通り、おちんちん咥えさせてあげる」
 晶は興奮しているのか、荒い息をつきながら光二の口にカチカチに勃起した自分のペニスを、突き刺すように挿入する。
その瞬間、光二の口の中いっぱいに、思わず吐き出しそうになるくらいの、青臭さが広がる。光二は必死に首を後ろに引き、自分の口から晶のペニスを引き抜こうとするが、晶が両手で光二の頭を強く抑えていたので、無駄な抵抗に終わった。
「んぅ~~~!!んっ、んんっ!」
 光二は目を丸く見開き、必死に唸って『やめろ』と目で訴える。晶は気づいていたが、そんな要求に応えるわけもなかった。
「嫌じゃないでしょっ……あぁ…きもちいい…」
 晶が光二の抵抗にもお構いなしに、ガンガン光二の口内を犯していく。抵抗しなくなったかと思うと、光二は目をつむり少し涙を流していた。今までいつも自分を上から目線で見ていた光二を、無理やり女装させて泣くまで犯している姿を見ているとますます苛めたくなる。
「はぁ…はぁっ…あれぇ?光二泣いてるのぉ?…そうだよねぇ、金蔓に無理やり女装させられて、おちんちんまで咥えさせられた上に、一気に借金までできたしねぇ。…でも、こういうのなんていうかわかるかなぁ?……自業自得って言うんだよっ!」
「うぅ…んっ…んぐぅ……!」
 晶はそういうと、今までの恨みからか定かではないが、今まで以上に激しく光二の口を犯していく。その間も光二はまるで嵐が過ぎ去るのを待つかのように、何も抵抗せず目をつむったままだった。その間も、耐え切れないほどの屈辱からか涙が絶え間なく出てくる。晶はそんな光二を見て、一旦動きを止める。そして、またも辱めるようなことを要求する。
「ほら…目つぶってないであけてよ。それと…舌ぐらい動かして少しは僕のココも気持ちよくしてよっ!」
「んん~っ!」
 晶が光二の下に無理やり自分のペニスを擦り付ける。光二は、舌がペニスにつかないようにできるだけ避けるように舌を動かしていたが、そんなささやかな抵抗すら晶は見逃すことはなかった。晶が舌にペニスを擦り付けると、ペニスから出ているカウパー液が嫌でも舌に付着し、青臭さと共になんともいえないほどの苦い味が舌全体を覆いつくす。


(もう嫌だ…こんなの……)
「んんっ…やはぁ……」
 光二がペニスから何とか舌を避けて、殆ど日本語になっていないが何とか声を出し、無駄だとわかっていても抵抗する。
「ほら、早く舐めてよ。それと目開けろっていわなかったっけ?」
 とたんに晶の声が冷たくなる。光二は諦めたのか目をおそるおそる開ける。そこには全裸で自分の胸にまたがり、荒い息をつきながら自分を見下している晶の顔が見える。その表情は、まるで新しい玩具を手に入れた子供のような表情だった。
「あ…やっと開けたね。ふふ…目少し赤いよ。どうしたの~?怖い夢でもみたのかな~??ほら泣かないで~。いいこでちゅよ~」
「うぅ…くぅ…」
「それじゃあ、僕のおちんちん、可愛い舌でなめようね~。賢い光二ちゃんだったらできまちゅよね~。」
 晶がニヤニヤしながら、幼児に話しかけてるように光二に話しかける。光二は、今まで一喝すれば何でも言うことを聞いていた晶に、今ではただ晶の言うことを聞くしかない自分の姿が情けなかった。光二はおそるおそる、晶のペニスを舌で舐める。吐き出しそうだったが嫌でも耐えるしかなかった。
「うぐっ…ぐぅ…んんっ…」
「はぁぁ…やれば…んっ…できるじゃん……じゃあ舌をそのままにしておくんだよっ…」
 晶はそのまま再び腰を激しくグラインドさせて、光二の口内を犯していく。光二の口には、舌で直接ペニスを舐めていたためか、今まで以上に苦さや青臭さがダイレクトに脳に伝わってくる。光二には、もう抵抗する気力など残ってなくただ涙を流すだけだった。晶はそんな光二を見て、ますます愛らしく感じると同時に、めちゃくちゃにしたいという異常な性欲がむき出しになる。
「んんっ…ひっ…ふぐっ…ひっ…」
「あぁ…きもちいいよぉ……その顔も…体も…全部……はぁっ…」
 晶が限界が来たのか、とたんに足をピクピクと痙攣させる。
「はぁ…はぁ…あっ…もう出そう…。素直だったご褒美に、たっぷり僕の精液飲ませてあげる…。はぁ…あぁ…だすよっ!あぁ!うっ!イクっ!」
 光二はわずかに首を振って、必死にやめろとアピールする。しかし、既に手遅れだった。
「んん~!うぅっ…んぐっ!?んんんっ――!!!」
 光二の口の中に、大量の晶の精液が放出される。その瞬間、先ほどとは比べものにならないほどの、青臭さと吐き出しそうになるほどの苦味が、光二の口に広がっていく。


「うぇっ…ごほっ…ごほっ…ぺっ…」
「あ…駄目じゃない。ちゃんと御褒美のジュース飲まなくちゃ。まぁ初めてだから良いか…はぁ―はぁ―はぁっ……気持ちよかったよ…光二くん。」
「うぅ…ぐすっ…ひどい…こんなこと…ひっ…するなんて……」
 よっぽど嫌だったのか小刻みに震えながら、細い声を絞り出して晶に言う光二。プライドも威厳もズタズタに引き裂かれそこにあるのは、女々しく非力な晶よりも弱々しい姿の光二だった。
「何がひどいの?今まで散々お金貸してきて、一銭も返さない光二の方がひどいんじゃないのかなぁ?」
 晶は全く悪びれる様子もなく、光二を攻める。しかし、光二もそれを言われては返す言葉がなかった。
「うぅ……で、でも…」
「クスッ…ごめん。ちょっと言いすぎちゃったね。じゃあ、気持ちよくさせてもらったお礼に、今度は雇い主の僕が気持ちよくしてあげるね。」
 晶はそういうと、光二の腰をわずかに上げてアナルが見えるようにすると、自分の指を舐めてその指を、光二の入り口に持っていく。光二は今まで感じたこともない不思議な快感に少し声を上げて驚く。
「ひゃっ!な…なにを…」
「何って、気持ちよくさせてあげるんだよ。たぶん、光二のココはまだ処女だろうから、まずは指で慣らしてからね。」
 晶が、人差し指と中指に丹念に唾液をつけると、その指を光二のアナルにゆっくり挿入する。光二は、普段感じることはまずない変な異物感に悲鳴をあげる。
「あぁぁぁっ!だめぇ!抜いて…抜けよぉ!!」
「だーめ。しばらくすれば気持ちよくなるから。力抜いて。」
 晶は光二の言うことに聞き耳を持たず、指をゆっくり動かす。光二は力を抜いたのか、少しアナルが緩くなる。しばらく動かしていると、段々と痛がっていた光二に少し変化が見られる。
「あぁ…やめっ……あっ…」
「あれ?どうしたの?感じてきちゃったのかな?」
「ち…ちが…そんなこと……あぁっ!」
 光二が感じていることを否定すると、晶は突然指の動きを早める。
「あっ…だめっ……あぅ…はぁっ……」
「可愛い喘ぎ声だね。それでも感じてないって言うの?」
「んっ…感じてなんか…あぅっ……ないっ…!」
「あっそう。じゃあ、これはどう説明するのかな?」
 晶はそういうと、光二の勃起したペニスを空いた手で荒々しく握り上下に動かす。光二は、体では感じていても、まだ頭の中でその現実を受け入れられなかった。


「あああっ!ちがうっ!それは…あっ…だめぇ…触らな…さ、触るなぁっ!」
 顔を真っ赤にして、体を晶の手から逃れようと腰を引き、感じているのか小刻みに震えながら必死に抵抗する。
「ふふ…そうやって強がっていたら、僕が止めると思ってるの?そんな、可愛いお顔で言われても全然怖くないよ~」
「やぁ…やめ…や、やめろよぉ……!」
 光二は無駄だとわかっていても、こういえば少しでも自分の言うことを聞き入れると未だに思っていた。しかし、晶は止めるどころか、手の動きを速めていく。
「まだ言うの?そんなに嫌なら、僕を蹴り飛ばせば良いじゃん。それとも、気持ちよすぎて力はいらないのかなぁ?」
 光二は全身に感じる、性的な気持ちよさを抑えるので精一杯だった。そのため、非力な晶を蹴飛ばす力さえも残っていなかった。
「あっ…ああぁっ…!やぁ…もうやだぁっ……!あぅっ…」
「光二君、気持ちよさそうだね。イキそうになったら、大きな声でイクーって言うんだよ。」
「そんなこと…あぁっ…誰が…あっ…やめっ…」
「あれ?イきそうなの?じゃあ、イクーって言わなきゃ。」
 光二の息遣いが段々荒くなっていくと共に、晶の手の動きも早まる。もう射精が近いことは、本人も晶もわかっていた。光二は覚悟を決めて晶の言う通りにすることにした。
「あぁ…もうだめ…い、イクッ!」
「はいよくできました。」
 晶はそういうと、光二のペニスの根元を思いっきり握り射精を阻止する。光二のペニスは波打つもののカウパー液が出るだけで射精はできなかった。精液が逆流するような不思議な体感に光二は悲鳴をあげる。
「ふあぁああああ!?な、何これぇ!?イかせてよぉ!」
 光二が目を丸く見開き晶に抗議する。性欲が抑えられない光二には、もう恥ずかしさなんて構っていられなかった。
「ふふ…もちろんイかせてあげるよ。…ここでねっ!」
 晶はそういうと、ペニスの根元を握りながらアナルに入れていた指を半分まで引き抜くと、一気に指を挿れる。
「ひゃぁっ!…そ、それってもしかして……」
 光二が震える声で言う。晶はその言葉を聞いてニヤけながら答える。
「わかってるじゃん。光二が大好きな、僕のおちんちんでイかせてあげる。」
 晶が、光二のアナル周辺を自分のペニスで撫でながら話す。光二の顔が少し青くなる。
「う…うそ…や、やめて…お願い…やめてぇ!」
「駄目だよ~。光二があんまり可愛いから、僕もまた興奮してきちゃった。それに、光二には拒否権はないはずだよ。」
「そ、そんな……でも、俺にだって…ふあぁあああ!?」
 光二が晶に抗議しようとしたとたん、晶がペニスを光二のアナルに挿入する。晶のペニス自体は、もうカウパー液でべとべとだった為、案外すんなりと挿入できた。光二があまりの突然のことに大声をだして驚く。


「駄目でしょ~。メイドさんが『俺』なんて言葉使っちゃ。『私』って言わなきゃ…ねっ!」
 晶がそういうと、一旦ペニスを引き抜くフリをすると、また思いっきり挿入する。それにあわせて、光二も反応する。
「ふわぁっ!だ、だめぇ…や、やめて…お願い…あきらぁ…ああっ!」
「僕のことは『ご主人様』でしょ~?ちゃ~んとできるようになるまで、射精はおあずけ。」
 そういうと、晶は一旦動きを止め自分の制服のポケットからハンカチを取り出したと思うと、それを光二のペニスの根元に射精できない程度に縛り付ける。そして、再びゆっくり腰を動かし始める。
「あぁぁぁ…そんなぁ…イかせてぇ……あっ…ああっ…」
「だーめ…んっ…イきたいんなら、ちゃーんと『お願いです。この淫乱で変態なメイドに射精させてください。射精させてくれたら私は貴方のメイドになります』ってお願いしなきゃ。」
「そ…そんなぁ……あぅっ!」
 それは、光二自ら晶の手に堕ちることを宣告させるものだった。そう言ったら、もう晶に逆らうことなどできない。しかし、射精する方法はもうそれ以外なく、光二もこれ以上射精を耐え切れなかった。その証拠に、光二のペニスからはどんどんカウパー液が流れている。
「ほらぁ…もういきたいんでしょ…言ってよぉ~。ちゃーんと、これに撮っといてあげるから。」
「と…撮らないで…お願い……あっ…いやっ……」
「はーい。今僕は、女装趣味の変態光二君に頼まれて仕方なくセックスしてまーす。光二君気持ち良いですかー?」
「ふぅ……はぁっ…………はっ…………」
 そういうと、晶は持っているデジカメを光二の顔のほうに向ける。光二はカメラに写らないように、首を横に向いて、喘ぎ声を必死に殺す。晶はそんな光二の態度が気に入らなかったのか、急にペニスを抜いて動きを止める。あまりの突然のことに、光二はぽかんとする。
「ぇ……なんで……」
「光二君が素直じゃないので、ここで終了しまーす。」
 晶がわざとらしく言う。ペニスで散々前立腺を犯された光二が射精もできなく中途半端に放置される。光二はそれに耐え切れなくなり自らの太ももをペニスで扱こうとするが、ペニスの根元にしっかりハンカチで巻かれており、第一太ももでペニスを刺激しても到底射精することなどできなかった。光二は、段々と我慢できなくなっていく。
「お…お願い……あきらぁ…お…俺を犯して…」
 光二が横に首を背けながら細い声で何とか晶に言う。晶が光二の顔を撮影しながら尋ねる。
「俺ってだれですかぁー?それに、何処犯して欲しいの?あと、人と話すときは顔を見ながら話すもんですよー。」
「うぅ……」
 晶が無理やり自分からカメラに写ることを強要する。光二が恐る恐る晶の顔を見ると、そこには案の定、手にデジタルカメラを構え、ニヤけながら、見下ろす晶の姿が見えた。光二はもう射精したい気持ちでいっぱいだったので、形振りかまっていられなかった。


「ぁ…あの…わ、私の…お尻…ご、ご主人様の……ぉ…おちんちんで…犯してください…。お願いです……。」
 顔を真っ赤にして何とか言う光二。
「素直になったね。じゃあ、ご褒美に光二の大好きな僕のおちんちんで犯してあげる。」
 晶は一気に光二のアナルに挿入する。光二が気持ちよさそうな声をあげる。
「あぁぁぁっ!」
「気持ちよさそうだね。じゃあ、今度はガンガン前立腺犯してあげる。」
 晶は先ほどよりも、激しく腰を振る。いつの間にか、光二もその快感を少しでも高めようと、自らの腰も晶の腰の動きにあわせて振る。
「あれ~?光二君、腰が動いてるよー?どうしてかなぁー?言ってごらん?」
「あぁ…いや…ちがう……」
「何が違うのかなぁ?また止めちゃうよぉ?」
 その言葉に、射精寸前の光二は逆らえなかった。
「だめっ…やめないで…言うから…」
「じゃあ…早く言って……んっ…」
「ああっ…ご、ご主人様のぉ…おちんちんが…気持ちいいんですっ!だ、だから…イかせてぇ…お願いぃ…」
「ちゃんと答えたのはえらいけど、さっき言ったこと言わなきゃ…イかせないよっ」
 晶の腰の動きに合わせて、光二のペニスが何回も射精しようとするが、根元をハンカチで縛られているため、射精できずカウパー液が大量に流れ出す。光二のペニスは精液がたまっているのか真っ赤にはれて、パンパンになっていた。光二はもう射精のことしか頭になく、後の事など考えている余裕すらなかった。
(も…もう…限界……)
「ぉ…お願い…です……この…い…淫乱で…へ…変態なメイドに…射精させてくださぃ…。しゃ…射精させてくれたら…わ…私は……貴方の…うぅ……」
 光二が最後のところで詰まってしまう。その様子をみて、晶は一旦動きを止めたかと思うと、ペニスを半分抜く。もうすぐでイけそうなところで中途半端に止めさせられることは、今の光二にとって耐えがたい事だった。
「あぁ……ぬかないでぇ……」
「抜いて欲しくなかったら…ちゃーんと言ってよ。ほーら、もうすぐ全部抜けちゃうぞ?」
 晶がどんどん光二のアナルからペニスを引き抜くそぶりを見せる。光二にはもう選択する余地などなかった。
「うぅ……貴方の…メイドになりますっ!!だ、だからイかせて!お願い!!」
「はーい。よくできましたっ」
「あぁぁあああああっ!!!」
 晶がそういうと、勢いよくペニスを光二のアナルに挿入し、再び腰を激しく動かし始める。


「あぁ……もうだめぇ……射精させてぇ…!お願いぃ…!」
「ふふ…ホントに淫乱なメイドさんだね。もっと苛めたいけど…僕も…あっ…限界だから……んっ…とってあげるっ」
 晶はそういうと、光二の射精を止めていた原因となっていたハンカチを解く。すると、瞬く間に光二のペニスから大量の精液が放出される。
「やぁああああっ!!だめぇ!イクッ――――!!」
「はぁ………あぁ…僕も……出すよ……光二のアナルにいっぱい……あぁっ!!でるっ!ああぁぁあぁっ!!!」
 光二の射精に続き、晶も光二のアナルに大量の精液を放出する。そして、晶がペニスを抜くと光二のアナルから精液が流れ出してくる。
「はぁ…はぁ……わ…私…犯されちゃった……はぁっ……」
「はぁ…はぁ…気持ちよかったよ…僕の可愛いメイドさん……」
 晶が、半ば放心状態の光二の頬に軽くキスをすると、光二の手を縛っている縄に手をかける。
「もう…縄なんて、必要……ないよね……」
 晶は、息が荒いまま光二の手を縛っている縄を解く。光二にはもう晶を抑えられるほどの力も、逃げようとする気力も持ち合わせていなかった。そして、晶が先ほど撮ったデジカメの動画を見ながら光二に話しかける。
「光二って…本当に淫乱だね。デジカメで撮ってるのに、『イかせて!お願い!』だって。」
「…あぁ…い、言わないで……」
 光二が顔を真っ赤にすると、恥ずかしいのか顔を手で覆い隠す。
「本当に女の子みたい…でも、女の子なのに光二って名前はおかしいよね。それじゃあ……僕といる時は生意気で野蛮な『光二』じゃなくて可愛い女の子の『光』ね。わかった?」
「は…はい…」
「じゃあ、今度からは『私』じゃなくて『光』ね。そっちの方が可愛いよ。」
「か…可愛いだなんて…そんな…」
 光二は照れているのか顔を赤くする。そんな光二を見て、晶が悪戯したくなる気持ちをグッと堪える。
「可愛いなぁ…光ちゃんは。もうすっかり僕のメイドさんだね。さっき自分で言ってたもんね。」
「は…はぃ……光は…ご主人様の…メイドですっ…」
「素直になったね…。また昔みたいに…ううん、昔以上に…仲良くしようね…」
 晶が光二の顔を見下ろしながら、優しく話しかける。その言葉に、光二は心底嬉しそうな顔をする。
「は…はいっ…ご…ご主人さまぁ」
「ふふ…可愛いんだ…キスしちゃお。」
「へ?…あぅ!?…んっ…」
 光二が、気持ちよさからか次第に目がトロンとなる。晶はその表情を見て、光二が完全に自分の手に堕ちたことを確信する。
(ふふ…これで、光二は僕の物…もう絶対、離さないんだから…)


                          *   *   *

 次の日の放課後、光二がいつも晶の金で遊んでいる不良仲間に呼び止められる。
「おい光二ー!暇だからゲーセンでも行こうぜ~」
「もちろん、あいつの金でな。お前もいいよなあんな金蔓がいてよぉ」
 男がそういうと、晶のほうに目を向ける。光二はその男に向かって思いっきり睨み付ける。男は、光二のいつもと違う態度に慌てる。
「な…なんだよ。さっさといこうぜ。金あるんだろ?」
「もう、晶には金借りてないから。わかったらとっとと失せろ。どうせ、俺をいつも誘ってるのは遊ぶための金目当てなんだろ。」
 男達は図星をつかれたが、全く悪びれる様子もなく開き直る。
「なっ…そうだよ。お前の金目当てだよ。今頃気づいたのか。金なしのお前なんかにもう用なんかないから消えろよ。いこうぜ。」
 そう言い捨てると、男達は教室を去っていった。そして、光二一人になると、晶が後ろから声をかける。
「かっこよかったよ。でも、こんなことしたら、光ちゃんの友達減っちゃうんじゃないの?」
 わかっていたとしても本音を言われて少しショックを受けて、俯いている光二の顔を覗き込むように晶が話しかける。
「あんなの友達でも何でもない。…それに、光には大切な人もできたし…」
「それって誰?」
 晶が惚けたように言う。
「そ、それは…ご主人様…晶様ですっ…」
 光二が、顔を赤く染めて告白する。晶は当然わかっていたがそれでも嬉しかった。
「ふふ…ありがとう、可愛いメイドさん。さ、帰ろうか。」
「は…はい…ご主人様…」
 二人は手をつなぐと一緒に教室を出て行った。晶は、今度はどうやって光二を辱めようかと考えることで、頭がいっぱいだった。

(終わり)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年04月27日 18:11