「ぃよっしゃ!あたしの勝ち!罰ゲェーム!!」
「うおぉマジかー!マジでマジかー!」
ドン☆なんて効果音がしそうな勢いで白くすべらかな指が眼前に突き出された。
今日は何故だかいつもよりテンションが高いな。つられて俺もテンションアゲアゲになってしまうのである。
「んふふー、罰ゲームはねー、なんとなんとー?」
美弥はなんとも嬉しげに顔をほころばせながら大きなバッグの中をごそごそと探りだした。
なんか荷物多いと思ったら罰ゲーム用か。準備のいいことだ。
さて、この隙にこの状況がよく理解できていないであろう読者諸君に詳しく事情を説明するとだね。
この目の前でバッグを漁りながらニヤニヤしている気持ちの悪い、でも可愛いほんと可愛いおにゃのこは俺の彼女だ。名を美弥という。ああ可愛い。
俺と美弥はまあ学生らしく普通にやらしいこともしつつお付き合いしている中で、たまに罰ゲーム付きの勝負をしたりする。
勝負の内容は様々。今日はぷ○ぷよでの勝負だったがテストの点数だったり影踏みだったりトランプだったり。
なんて可愛らしいカップルなんだろう俺たちは。
罰ゲームの内容も様々だ。肩を揉みやがれとか、まあ……俺は健全な男子だからやらしいアレも多い。
ちなみに今日俺が勝ったらプチSMをしてみようと思っていた。
ファー付きの手錠なんかも買ってベッドの下に仕込んでいたし。
「ジャーン!これなのです」
おっとどうやら罰ゲームの内容が発表され……
「え?」
「んふふふふー、可愛いでしょー?」
ニマニマと笑う美弥が手に持っているのはあの、アレだ、メイド服と呼ばれる奴。
しかもコスプレ用のピンクでやたらめったらフリフリしてる。
それが罰ゲーム?よくわからん。というか分かりたくない。違うよな、そういうアレじゃないよな。


「これを着ていただきます」
そういうアレでした。
「え、ちょ、ま、マジでかwww」
語尾に草も生えるさ。
いや俺、男だし。サイズが合わんだろJK。
確かに身長も美弥と数センチしか違わないけど。
細身なのは引き締まった肉体なだけで断じて、ええそう断じて華奢とかではないのですよ。
男にしては長めの髪はファッションですよ。あんまり短いの似合わんのですよ。
体毛薄いのは遺伝ですよ。
睫長かったり眼が大きかったりどちらかというと可愛い系なのは母親似だからですよ。
つまりちょっと女っぽくても俺は男、いや漢なので女装とか無理。マジ無理。
「……ダメ、なの?」
俺の全身から発される拒否オーラを敏感に感じとったのか、美弥が首を傾げながら俺の顔を覗き込む。
さらりと揺れた焦げ茶色をしたセミロングの髪から甘い匂いが漂った。
大きな瞳が潤んでいる。ああ、ああもう、そんな顔をされたら抵抗なんてできませんよ。
俺は美弥から一式を受け取り、深呼吸をした。




とりあえず美弥には一旦部屋から出てもらい、メイド服と向き合う。
可愛らしい丸襟の、あちらこちらにリボンやらフリフリのついたピンク色の半袖ミニ丈ワンピースに、これまたフリフリの白いエプロン。
そしてお決まりのフリフリが付いたカチューシャに、真っ白なニーソックス。
どうしよう、なんか変な汗がでてきた。
こんなの美弥が着ればいいじゃないか。きっと似合うしエロいし大興奮(←俺が)間違いナシだ。
俺が着たって気持ち悪いだけだぞ。
勇気がいる。羞恥心(けしてアホの子三人組ではない)と闘う勇気が要る。
大勢の前でネタとしてやるならなんかまだいけそうな気もするけど、好きな子にだけ見せるとか…なんかガチじゃん。
……深呼吸、深呼吸。
こうしていてもしょうがない。とりあえず潔く俺は今着ている衣服を脱ぎ捨てた。パン一だ。
うん、勝負に負けたのは俺だ。今まで俺が勝ったら美弥にご無体なことをしてきたのだ。
俺が美弥からの罰ゲームを拒否するなんてフェアじゃない。
大丈夫、彼女の好みの服を着て見せるだけ。それだけ。
そうして幾ばくか逡巡した後……俺はメイド服に手をかけた。
このワンピースは、どう、着たもののか。美弥に聞く訳にもいくまい。


ポロシャツみたいなものか?胴部分のボタンを外し、頭から被る。
ああ、服を着たはずなのに何かを脱ぎ捨てた気分だ。
頭を出し、袖を通し、ボタンをとめる。すべすべとした生地が存外肌に心地よい。
サイズがほぼぴったりなのがなんだかショックだ。
……そして予想以上にスカート丈が短い。ボクサータイプパンツの裾がギリギリ見えない程度の長さ。
股がスースーする。とりあえず最初の、一番の難関はクリアした。
フリフリのエプロンにカチューシャ、白ニーソ……それぞれの小物も躊躇いを捨てて着用する。
……完成だ。
何故だか無性に笑いだしたいような気分。
とりあえずおかしいところはないか……いや、まず男がこんな服を着るという時点でおかしいのだが、とりあえずちゃんと着れているか確認するために姿見を覗いて……、絶句した。
意外と、様になっているというか、似合っているというか……可愛い?
いやまさかそんな。男だぞ、俺は。
けれどもう一度鏡を見てもやっぱり、可愛いと感じる。
ふわりとした黒髪、白い肌、長い睫の奥のくりくりとした瞳に、ふっくらとした唇。羞恥に上気した頬は薔薇色。
鏡に映るのは…媚びたメイド服姿の可愛い女の子。
……どうしようなんで、なんか、勃起した。
今まで自分の女みたいな容姿に嫌悪しか感じていなかったというのに、こうしてみると……悪く、ない。
そろそろとスカートの中に手を入れて、いきり立った股間に触れてみる。
『どうー?着れた?』
不意のノックと美弥の声に体がびくりと跳ねた。
「あ、ああ、着れたよ!」
急いで手を離してドアへ向き直る。何をやっているんだ俺は。
『あ、ほんと?』
ガチャリ、ドアノブが捻られて美弥が顔を出す。と同時に、その顔はみるみる驚きと歓喜に満ちたものとなった。
「やーー!可愛いぃぃ!!」
赤くなった頬を押さえ、飛び跳ねるような勢いで美弥は俺へ距離を詰める。
「うわー、うわー、前からこういうの似合いそうだなぁとは思ってたんだけど、なんていうか予想以上ー!写メっていい?」
「いや写メとか無しな」


「えー?」
そういいながらも美弥はいつのまにやらスタンバってた携帯でしっかりと写メを撮る。
許可を問いながら、結局は否定したってお構いなしだ。答えは聞いてない。
俺はスカートの裾を掴んでちんこを隠そうとしていたため、美弥の鮮やかな手際には上手く抵抗出来なかった。
「おい!」
「うわぁぁ、萌えー」
しかしそんな画像を携帯に残させるわけにはいかない。
スカートから手を離し、美弥の携帯を奪うべく腕を伸ばす。
「大丈夫鍵つきフォルダにいれるから!」
「そういう問題じゃねえよ!」
しかしそれは間違った判断だったのかもしれない。
「隙有り!」
美弥の白い手が、メイド服のスカートを掴み、勢いよく捲り上げる。
一瞬、世界が止まった気がした。
「………っ!!」
急いでその手を振り払い、スカートの裾を下に引っ張り隠すが時すでに遅し。
「ねぇ……今、勃ってた?」
やはり、見られていた。顔中に血液が集まる。どうしよう、どうしようもなく恥ずかしい。
「そっかー、女装して興奮しちゃったんだー……変態さんだねぇ」
美弥はニマニマと笑いながら俺にキスをした。
「でも、あたしもなんか興奮してきちゃったー。ね、このまましようよ」
そう言ってベッドに押し倒された。美弥が俺の上にのしかかって、ついばむような可愛らしいキスを繰り返す。
普段とは立場が全く逆だ。なんかえらく気恥ずかしい。
「んふふ、緊張してる?可愛いねぇ可愛いねぇ」
オヤジみたいなことを言いながら美弥の手はメイド服のスカートの中へのばされ、色気の欠片も無いボクサーパンツの上からまるで形を確かめるように俺の勃起ちんこを撫でさする。
「あは、可愛いメイドさんなのにここにはご立派なものがついてますねぇ」
パンツがずり下ろされ、中から息子が元気よく飛び出す。
気のせいかもしれないがいつもより硬いというか……。
「うわぁ……なんか、エッチだねぇコレ。あ、ほら自分でも見てみなよ。すごくエッチぃよ」
そう言って美弥が俺の上から退くと、姿見に映った俺の姿が見えた。いや、本当にこれは俺か?
そこには少女が一人。頬を上気させ、快楽に目を潤ませる愛らしい少女。
けれど、その少女の捲れ上がったスカートからはグロテスクな男根が覗いている。
そのあまりにもエロティックな光景に、こくりと喉が鳴った。


「ね……エッチでしょ?」
再び美弥の手が勃起ちんこへと伸びる。にちゃにちゃといやらしい音を立てながら擦りあげられ、快感が背筋を這い上がる。
「おちんちん、スッゴく濡れてる。本当に女の子みたいだね。鏡見ながらこんなにお汁たらして、変態さんな女の子だね」
「あっ……美弥……」
ぐちゃぐちゃとわざと大きく音を鳴らすような手コキと、恥ずかしくて仕方のない言葉の数々に思わず喘ぎ声が漏れる。
元々あまり低くない声ではあるが、快楽で上擦ったそれはまさしく少女のようで、自分の耳を疑った。
「うふ、本当に可愛い。……ねぇ、こっちもしてみようか」
そう言って美弥は濡れ濡れちんこから手を離し、何をするかと思いきや……
カウパーにまみれたその指を俺のアナルへ挿入させた。
「あっ……!?」
異物感、としか言いようがない。細いけれど確かな質量を持ったものが流れに逆らって潜り込んでくる。
「美弥……やめっ」
「なんで?嫌?」
「嫌だよ……!そんなとこ汚いし、気持ち悪い……」
「大丈夫、汚くないし気持ち悪いのも今だけだよ!」
そう言って美弥の指はアナルの中を探るように動き始める。
今だけだよ、と言われても気持ち悪いものは気持ち悪い。
体内を這う得体の知れない感触に、俺はただ眼をぎゅっと瞑って耐える。
そして更に奥へと入り込んだ指が、ある一点にふれた時だった。
「ひあっ……!?」
体中にびくりと電流が走る。
「あ、ここなんだ」
美弥は何かを確信したように呟くと、その一点を集中して攻めだした。
「あっ、あっ!?美弥、そこ……やっ……はぁうっ」
「んふ、ここ何か知ってる?前立腺って言うんだよ。男の子が一番感じるところなんだって」
「やっ、ああぅ…!みやぁ……!!」
ぐりぐりと執拗に弄られて、堪えきれない喘ぎ声が自分の耳を犯す。おかしくなりそうだ。
あまりの快感に耐えられなくなって、だらだらと汁を垂らすエロちんこをシコろうと手を伸ばしたのだが、美弥によって俺のその願いは叩き落とされた。
「勝手に前イジるなんて、めっ!だよ?」
「あっ、だってぇ……」
「駄目なものはだーめ。そんな淫乱メイドさんのお手てはこうしちゃおうね」
カシリと軽い金属音がして、俺の手には可愛らしいファー付きの手錠がはめられた。これって。


「ふふ、君がトイレに行った際にベッドの下を漁っていて見つけたのだよ」
「み、みやぁ……っ!」
触れてほしいとびくびく跳ねるペニスちゃんの主張を完璧に無視し、美弥はひたすら前立腺へと刺激を続ける。
「んあっ、こんな……や、うそ……」
徐々に頭の芯まで登り来る快感。腰がゆらゆらと蠢く。嘘だ、そんな、前を触ってもないのに。
「あっあっ!美弥、イくっ、俺っ、イっちゃ……ぁ!!」
びくりびくりと痙攣しながら、ミルクスティックは精液を吐き出した。
ピンク色のワンピースが白く汚れる。あぁ、せっかく可愛いのに。
「すごい…本当に後ろだけでイっちゃったぁ……」
感心したような口調で、美弥はくにくにと弄ぶように俺の男の子に触れる。あ、駄目だ。イったばっかりなのに、そんな。
案の定おにんにんはむくむくと起き上がってご挨拶。
「んふふ、じゃあ、次はちゃんと淫乱メイドさんのこっちを気持ちよくしてあげるね」
そう言うと美弥は自らスカートの下のパンツを脱ぎ去り、俺の方にくぱぁとチョメチョメを開いてみせた。
「見て……あたしもぐちょぐちょなんだぁ……」
美弥の言うとおり、そこからはねっとりとした汁が溢れ、太ももをつたっている
「入れるね?」
宣言はすぐさま実行に移された。馬乗りになった美弥のナカに、俺のtelinkoが飲みこまれていく。
「み、や……ぁ」
「ん…ぁ……ふふ、女の子としてるみたい」
美弥が振り向いて姿見を見る。確かにそれはじゃれあっている少女たちのようだった。
繋がり合う性器が、その甘い幻想を打ち壊すが。
「ん……はぁっ、どうしよう、すごい興奮するぅ……っ」
上下運動を行いながら、美弥は恍惚とした表情で俺に口づけた。舌が口内に潜り込んで、どこもかしこも蹂躙する。
「可愛い、ほんとに可愛いよ……っ」
「ふ…ぁ、あんっ、美弥ぁ……」
唇が離れると唾液がねとりと糸を引いた。
普段はそんなことないのに、俺は心まで少女となってしまっているのだろうか、快感がダイレクトに喘ぎ声として発される。
「あっん、あっあっ!」
「はぁ……っん!あたし、女の子のおちんちん犯してるぅ……!
 あっ、あっ、ねぇ淫乱メイドさん、気持ちいい?おちんちん犯されるの気持ちいい?」
「あっ、気持ちいい、美弥のおまんこで淫乱おちんちん犯されるの気持ちいい……っ」
「んっ、おちんちん気持ちいいんだね、女の子なのにね……っ」


「あはぅっ、女の子なのに、女の子なのにおちんちん犯されて感じるぅ……っ!」
もう何が何だか分からない。頭の芯がしびれるくらい気持ちよくて、美弥の喘ぎ声も俺の喘ぎ声も混ざり合う。
やってることは普段と変わらなくて、ただ女性器と男性器を繋げてるだけなのに、俺が女の子になるだけでこうも違うものなのか。
「あっ、はっん、あっあっあっ」
美弥の動きが激しくなる。俺ももっと快感が欲しくて腰を上下させた。
「あっ、美弥っ!イく、イくぅ……っ!」
「いいよ、イっていいよっ!」
「あっ、イく!」
『ああああぁぁっ!!』
二人の声が重なる。同じタイミングで美弥も達したらしい。とさりと美弥が俺の上に倒れ込む。
「……可愛かったよ」
ニヤリとと笑って、美弥がまた唇を合わせる。だから、オヤジくさいって。
「またしようねぇ」
冗談じゃない。こんな恥ずかしいことそうそうしてたまるか。
と、思いつつ、今度勝負するときはちょっとだけ手加減しようかな、なんて考えた。

……おしまい!

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最終更新:2013年04月27日 20:33