薄いワンピースに包まれた細い脚の間に割り込んだ俺の膝。
ぁー、こいつは満員電車の宿命ってやつで決してやましい気持ちなんか
……と脳裏に言い訳が流れるうち、否応無しに押しつける形になっている
俺の太ももが、なにやらコリっとした感触をふにぐりし始めた。
暑い車内にぼんやりとしつつ、それまで意識的に逸らしていた視線を、
軽い疑問に押されるように、鼻先の可愛いショートカットに向けてみる。
上目遣い。目が逢う。慌てて逸らされる。さらにコリっとする。
やばい、いい匂いがする。
状況を意識した途端、俺のゴリゴリが夏の生地を隔てて柔らかなおなかに
ゆるやかなビートを刻んでいることに気づいた。
硬いモノに圧迫されるたび、単に恥ずかしげだった赤い顔が次第に
鼻にかかった吐息を漏らすようになる。俺、こらえろ俺。
無理。
太ももで小さな悪戯を仕掛けると、訴えるような上目遣い。
下唇をきゅっと噛んで、眉根を寄せて、切なげに瞳を潤ませる。

扉が開いた。隠れた陵辱に夢中になってるうちに駅に着いてたらしい。
何か言いたげな視線を残してワンピースがふわりと列車を降り、
別の出口から出てきたらしい別のコと合流する。
「……どしたの?」
「……ばれちゃった……」
さりげない風を装い、トイレに向かう俺になんか聞こえてくる。
横目には湿ったふくらみを手で隠しているようにも見えたし、
おなかもなんかシミっぽいのがあるように見えた。
おーけい。感触から言って俺の方は割と手遅れなんだが。

しばらく個室に行ってくる。来週またこの電車で会おう。

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最終更新:2013年04月27日 21:04