前から自分の気持ちの違和感に気がついていた…
だが今の関係を壊したくなかった…
振られればもうあの笑いあう仲には戻れない…
わかっていたはずだった…
ーーー数分前ーーー
私は文化祭の事で友達の家に来ていた
友達の親に軽く会釈をして部屋に向かう
部屋からは澪達の声が聞こえる
澪「…ら!早く決めるんだろ!」
男「え~めんどくさいよ~」
俺「っていうかなんで実行委員でもない俺ん家で会議やってるんだよ…」
男「文句なら律に言えよ…学校に一番近いって理由でお前ん家にしたんだから」
俺「ったく…お前らは俺ん家をファミレスの代わりにしやがって…」
男「どうせ暇なんだろ?…それよりさっきから眺めてる写真はなんだ?」
俺「ああこれか?…どうだ?いいスタイルだろ?」
男「おおっ!確かにいいスタイルだ!」
俺「三浦の事が10年ぐらい前からずっと好きなんだ…」
まさか○○に好きな人がいるとは思わなかった…
しかも相当好きらしい…
みんなに気づかれないように笑顔を作りドアを開ける
ガチャ
律「よう!みんな会議は終わったかな?」
澪「お前もちょっとは仕事しろ!」ガッ
律「いってぇ…冗談だって…」
俺「…冗談には見えなかったぞ…ん?律どうしたんだ?」
澪「ゴメンッ!ちょっと強すぎたか?」
律「何が?」
気づいたら泣いていた…
我慢していたはずなのに…
○○の顔をみた瞬間に流れ出た…
律「…何でもない!…何でもない…とりあえず今日は調子が悪いから帰る……」
澪「本当にゴメンッ今日はやりすぎた!」
俺「ほら…澪も反省してるんだから許してやれよ!」
ガシッ
捕まれた腕を振りほどき勢い余ってついに言ってしまった
律「○○を好きな気持ちを抑えようとしてるんだから邪魔すんなよ!」
俺「俺だって好きな奴に泣かれたくないんだよ…」
律「嘘だっ!○○は三浦って人の事が好きなんだろ!」
俺「……三浦ってまさかこれのことか?」
指を指したのは一冊の車雑誌だった
ランボルギーニ ミウラ
デザイン:マルチェロ・ガンディーニ
当時はV型12気筒を搭載した車は珍しく……
律「……………」
まさか喧嘩で恋人へ進展するとは思わなかった…
ー数日後ー
男「俺…光岡の事が好きなんだ…」
俺「そこには大きな独り言を言う男の姿がっ!」
男「俺にもきっと○○と律みたいな関係になれる人がいると信じているんだ…」
律「世界まる見えかよ…」
ーENDー
最終更新:2009年10月12日 13:48