律「おっきろー!」
ボスッ
俺「うげっ!な・・・なんだ?」
顔めがけてなにかを投げつけられたらしい・・・
律「もう9時だぞ!早く起きて準備しろよ」
俺「もっとましな起し方ないのかよ・・・」
律「呼んでも揺すっても起きないんだもん」
俺はそんだけ疲れてれたらしい・・・そういや失恋してから、こんなにしっかり寝たのは久々かもしれない
俺「もうそんな時間か。準備するからまってろ」
昨日の約束通り10時に出発して、ツアコンりっちゃんによる札幌観光が始まった
定番の時計台に大通公園、北海道大学内なんてのもあった
部活帰りにみんなで寄る安くておいしいご飯屋や甘い物も
ひっぱりまわされた・・・言い方は悪いがそんな感じだった
ただ、決して嫌な訳じゃなく本当に楽しかった。これも律のもつ「人を巻き込んで楽しむ才能」なのかもしれない
俺「いや~疲れた」
律「いっぺんに回ったからなw」
俺「でも本当に楽しかったよ。ありがとな」
律「な~に、私ぐらいの北海道通から言わせてもらえば、まだまだ序の口よ」
俺「ほぅ。ぜひとも教えてもらいたいね」
律「じゃあさ、明日も一緒に回ろうよ」
俺「大丈夫なのか?友達との約束とかさ」
律「大丈夫大丈夫!楽しみにしてろよ」
そんな話しながら帰路についた
律といると今まで嫌な事を忘れていた
いや、むしろすごく居心地がよかった
ここまで自然体で接する事ができる相手も久々かもしれないしれない
俺「いや・・・人恋しいだけだろ」
そんな事を呟きながら明日に備えてベットに潜り込んだ
翌日からは怒涛の毎日だった
カラオケ・ゲーセン、たんなる律の買い物なんてのにも付き合わされた・・・
そんな毎日がいつまでも続く訳じゃない
北海道にいられる最終日2日の夜・・・
律「明日さ、出かけるのに友達も連れてっていいか?」
俺「いいけど・・・逆に俺がいてもいいのか?」
律「いやさ、その子がアニキに会いたいっていうからさ」
俺「そんなんだったら断る理由もないよ」
律「よかったぁ。すごく
かわいい子だから惚れるなよ?」
俺「どうだかなぁ?」
律「とりあえず、いつもの時間だからな」
俺「りょーかい」
そんな会話をしながらベットに潜り込んだ
翌日、律から紹介された子は本当ににかわいかった。
澪という子らしい。律とは正反対のようなタイプの どちらかといえば美人タイプ。
自己紹介もそこそこに、律のゴリ押しでカラオケにまた来ていた
俺と律で歌いまくってる中、澪という子は「恥ずかしい!」といって歌わなかった・・・
律いわく、上手いらしいのだが・・・
律が部屋からでてった時、不意に声を掛けられた
澪「◯◯さんは律の事、どう思ってるんですか?」
俺「どうって・・・?」
澪「あの子とは毎晩電話してるんです。でも、あなたが来てからはあなたな事ばかりなんですよ。どこに行ってきたとか、こんな事いってたとか」
俺「・・・」
澪「あんなに人ことばかり話す律は初めてなんですよ。はっきり言いますけど、あの子はあなたの事が好きなんだと思います」
俺「好きって・・・そりゃイトコだし久々にあったし・・・」
澪「律とは幼馴染ですからわかりますよ。あの子の事は。あなたはどう思ってるんんですか?明日には帰ってしまうんですよね?親友としてはっきりと聞いておきたいんです」
澪ちゃんの目は真剣だった。俺は迷っていた・・・
律に対する気持ちは失恋による人恋しさなのか・・・それとも・・・
澪「ごめんなさい・・・急にこんな事聞いてしまって・・・」
俺「いや、君のおかげではっきりと気がついたよ。俺は律の事が好きだ。イトコだからではなく、ひとりの女性として」
澪「それを聞けてよかったです。律は元気な子だけど、その分だけ脆い部分もたくさんあるんです。だけど、あなたなら大丈夫そうですね」
俺「初めてあったのにそこまで持ち上げられてもなぁ」
澪「人を見る目には定評があるんですよw」
その後もいろいろ話をしている間に律が戻ってきて歌い始めた。俺は意識しすぎてどうだった覚えてないが・・・
予定時間にもなり、そのまま解散となった
澪ちゃんには「律をお願いしますよ。悲しませたりしたら、どうなるか・・・わかってますよね?」と念を押された
何かやらかしたら、どことなく現れて背中からばさっりとやられそうな・・・
律「アニキさ、明日には帰っちゃうんだよな?」
俺「そうだな・・・。
チケットもあるし」
律「そっか・・・」
そのまま沈黙がつづく・・・
ここで告白すればよかったのかもしれない・・・
ただ、その勇気がなかった・・・
澪ちゃんには、ああ宣言したが・・・
あの失恋が俺には重くのし掛かっていた・・・
お互いに何も言えないまま、家に着いてしまった
律「明日、空港まで送ってくからさ」
そう言ったまま、部屋に入っていってしまった・・・
重苦しい空気のまま、出発の時間になってしまった
こんな時になっても言えないでいた
俺の勇気のなさに嫌気がさしていた・・・
律「もう時間だろ?いかないと・・・」
俺「そうだな・・・」
律「また遊びにこいよな・・・次は冬に来いよ。北海道らしさが味わえるぜぇ」
ムリな笑顔の律がそこにはいた・・・
俺「わかった・・・今年の冬に必ず来るよ!絶対に!」
律「本当にか?絶対にだぞ!?」
俺「ああ。約束する。絶対に」
ピンポンパンポーン
◯◯便にご搭乗のお客さまは◯◯ゲートまでおこしください
律「いかなきゃ」
俺「ああ。また冬にくるよ」
律「約束だぞ」
結局、しっかりと告白は出来なかった
ただ、お互いの気持ちは確認できたと思う・・・
それから俺は貯金を始めた。無駄遣いもやめた。ハイシーズンのチケットがあんなに高いとは思っていなかったからだ
お袋にも夏分のチケット代は返さないとな
そんな中、俺はある噂を耳にした
「大通公園で行われるイルミネーションカウントダウンで、年越しのキスをしたカップルは永遠に結ばれる」
どこにでもある噂だろう。普段なら俺も笑い飛ばしていたかもしれない・・・だが・・・
12月29日、俺は北の大地に行く
愛しのあの子が待っている・・・
最終更新:2009年09月30日 14:11