ツーリング!

律「じゃーん!とっちゃた!」
俺「おお!いつのまに!?」
律「驚かせてやろうとおもってな。秘密裏に通ったのです!」

俺の目の前に差し出された律の手には、免許証があった
そこには『普自ニ』と書いてあった

律「だって○○はニケツさせてくれないじゃん。出かけた話を聞いてたら悔しくなってさ」

俺はタンデムは絶対にしない主義だ。何かあったら責任取れない
どんなに上手いやつだって逝くときは逝く
あの大ちゃんの時のように・・・

俺「取ったっても、バイクどうすんだ?」
律「そこが問題なんだよねぇ」
俺「そうだなぁ・・・とりあえず俺のを貸してやる。来週にでも出かけよう」
律「ホントにいいのか?一緒に出かけるって○○はどうすんだよ?」
俺「俺のはダートでこかしまくってるから、今更傷がついたところで大丈夫だw
  出かけるときは弟のを借りるよ」
律「傷つける前提かよ・・・。でもお出かけ・・・楽しみだな!」

俺が免許を取ったときに親父に「練習」として連れてかれた、ショートツーリングのコースに連れて行く事にした

俺は珍しく早く起きていた
出発前の点検とある秘策のために・・・

律「おっはよ~ん!」
俺「おはよう。朝から元気だなぁ」
律「だってさぁ!初めてのバイクでお出掛け・・・ツーリング!」
俺「そーいやちゃんと着て来たな」
ライディングジャケットにジーンズ、くるぶしまで隠れる靴
これだけは着てこいと念を押しておいた
メットはBucoのかわいいのがいいと譲らなかった・・・SHOEI一択だろjk
律「だって◯◯にあんだけうるさくいくぁれりゃ着てこない訳にいかないだろ」
俺「えらいぞ。さて、ここで問題です。俺はバイクに乗りながらお前と話す方法を思いつきました。いったいなんでしょ~か !?」
律「は?そんなん◯◯のキャラじゃないぞ?」
俺「いまはテンションが上がってんだ。さて、どんな方法でしょ~か!?」
律「う~ん・・・携帯電話?」
俺「いくらかかるんだバカ」
律「んなんわかる訳ないだろ・・・」
俺「降参でよろしいですか?」
律「う・・・」
俺「は~い時間切れ~。実は・・・これなのです!」
律「これって・・・」
俺「ふふふ・・・無線機なのだよ!」
律「おぉ!」
俺「しかも免許のいらない特定省電力なのです!」
律「なんか・・・テンションが高い◯◯はなんか変だな・・・」
俺「正直スマンカッタ・・・。つい・・・」
律「それだけ私とのツーリングが楽しみって事なんだよな?」
俺「そういう事だ!バイク仲間がいなくてな・・・」
律「これからは私がいるだろ?」
俺「うぅ・・・わるいねぇ」
律「そんな事ないよお前さん。◯◯と出かける為に取ったんだから・・・///」
俺「え?」
律「なんでもない!さっさと行こうぜ!」
俺「そうそう、無線の話すスイッチはハンドルに付てあるから。無理に話そうとしなくていいからな」
律「どうせ危ないからっていうんだろ?」
俺「当たり前だ!じゃあいくか!」
律「だな!」

俺は弟のホーネット、律は俺のトリッカー
アンバランスな2台のツーリングのはじまり

俺「聞こえるか~?」
律「ばっちりだぞ!」
俺「ゆっくりいくから、落ち着いてついて来いよ」

距離にして100キロ弱。ワインディングや軽い峠道があるショートツーリングにはもってこいのコースだ

俺「次のコーナーで砂利が浮いてるから気をつけろよ」
もちろん返事は帰ってこない
信号はほとんどない田舎道とはいえ、初めての公道だし運転でいっぱいだろう
俺「そろそろ休憩するから」

行程の半分ぐらいのところにある見晴らしがいい高台で休憩する事にした
もちろんある計画があったのだが・・・

律「ぷっはぁ!つかれた~」
俺「まだ半分ちょっとだぞ」
律「だって飛ばすんだもん」
俺「何言ってんだ?いつもなら半分の時間でココについてるぞ」
律「ほんとかよ・・・ところでなんでカバンをガサゴソしてんだ?」
俺「とある儀式だよ」
頭の周りが「?」でいっぱいな律を無視しつつ準備をした

コーヒー豆・キャンプ用コーヒーミルにドリッパーとカップ
そう、挽きたてのコーヒーを飲むのだ
ツーリングに行った時の決まりごとだからしかたない

律「家だと缶コーヒーなのに似合わねー」
俺「雰囲気は大切なのだよ」
律「だからにあわないっつーの」
俺「あまりのうまさに驚くぞ」
いれたてのコーヒーを手渡した
フーフー…ゴク
律「うめー!ブラックなのに・・・」
俺「だろ?」

15分ぐらいだったが、初歩的な話をして出発した

行程も半分すぎ、休憩した事もあってか、律からの無線もいく入るようになってきた

律「知らないライダーがピースしてきたぞ?」
俺「むっかしからのサインだよ。ライダーっての仲間意識が強いんだ」
律「なんかいいな!そういうのって」
俺「道の駅とか高速のパーキングで、見ず知らずの人とよく話すようになるぞ。特にトリッカーみたいな不人気車のオーナー同士はw」
律「自分で不人気とかいうなよw」
俺「実際そうなんだからしかたないんだよ・・・」

そんな他愛もない事を話していると、楽しかった
普段ソロツーばかりだからなぁ・・・俺
もうちょっとでツーリングも終了という時にちょっとした問題がおきた

律「エンジンがかからなくなっちゃったよ!どうしよう!」
俺「とりあえず落ち着け。今いくから路肩によせてまってろ」

原因の予想はだいたいできていた。

俺「ガス欠だ」
律「へ?」
俺「予備タンクにすれば大丈夫。このコックを回してエンジンかけてみ」
キュルルル・・・ブオン!
律「おお!」
俺「100キロぐらいで予備タンクにはいるんだ。こいつ」
律「先にいえよなぁ」
俺「すまんすまん。大丈夫だと思ったんだけどなぁ」
律「むぅ」

家に近くてよかった。それ以外は問題なく初ツーリングが終了した

律「たった半日なのにすんごい疲れた」
俺「最初はそんなもんだ。そいつで400キロのツーリングならちょうど1日コースだ」
律「400キロ・・・考えただけでクラクラするけど、なんだかワクワクするな!」
俺「慣れたらつれてってやるよ。うまい飯屋もあるしな」
律「うまい・・・ご飯!今すぐいく!」
俺「まずはなれろw近いうちな」
律「絶対だぞ!」
俺「当たり前だ。それまでにしっかり練習しとけよ」
律「まっかせとけぇ!」

連れてくにきまってるだろ。こんな楽しいツーリング仲間なら
最終更新:2009年10月01日 11:05
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