579 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/10(月) 22:26:19.44 ID:yHTP8dDI0 
第2話 「ハワイ?グアム?春合宿はリゾート気分!?」 
次の日 
終業式が終わり、5人はまたいつもと同じように音楽室に集まっていた 
「春合宿、どこに行こうか」 
「夏は海だったから、今度は山にしようぜっ!」 
律は元気まんまんだ 
「りっちゃん、どうせならハワイに行かないっ?」 
「唯先輩っ、話が飛躍しすぎですっ!」 
梓は唯のボケに真面目に突っ込んだ 
「あら、ちょうどハワイの別荘が空いてるのよ。よかったら行きましょうよ」 
「ムギ・・・マジなのか?」 
「えぇ、あそこなら一年中温かいですから、海で遊べますし」 
「ありがとムギっ!よしっ、そこで決定だっ!」 
律の頭の中はもうハワイでいっぱいのようだ 
580 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/10(月) 22:27:11.37 ID:yHTP8dDI0 
だが、それを澪が制した 
「落ち着け律。海外に行くとなると手続きがいろいろと面倒だろ」 
「え~」 
「ただでさえ短い春休みなんだ、もっと手近なところのほうがいいだろ」 
「やっぱり、山にしませんか」 
「山も空いてますよ。この近くなら・・・ほら、あそこのふもとの!」 
そう言ってムギは窓の外を指差した 
「ムギちゃん!どのへん?どのへんっ?」 
唯が窓を覗き込む 
「ほら、あそこですわ」 
「わかんないよ~」 
唯は窓から身を乗り出している 
「危ないですっ!唯先輩。落っこちちゃいますよ」 
「落ち着け唯。まぁ、とりあえず場所は決まりだな」 
「え~、やっぱり海外がいいなぁ」 
律はまだまだ納得していなさそうだった 
581 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/10(月) 22:27:52.25 ID:yHTP8dDI0 
「おい律。まだ武道館ライブも実現しないうちに海外進出か?YMOじゃあるまいし笑わせるなよ」 
「げ、さわちゃん・・・」 
「い、いつのまにっ」 
5人は全く気づかなかったが、さわ子は確かに音楽室の中にいた 
それにしても恐ろしいほどの素早さである 
「わいえむおーってなに~?」 
唯はさわ子が現れたことなど気にもとめていない 
「テクノポップってジャンルをはやらせたグループよ」 
「テクノポップってPerfumeみたいな?」 
「ん~、まぁそんな感じかな」 
「日本のポップス界に大きな影響を与えたんですよ」 
梓が付け加えた 
「あずにゃん、詳しいんだねっ」 
「お父さんがファンだったんで」 
「なるほど~」 
584 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/10(月) 22:37:33.94 ID:iSl3DN99O 
どすん、とさわ子はソファーに腰を下ろした 
「とにかく、合宿で海外に行こうなんていくらなんでも無理があるわ」 
「お、さわちゃんが先生らしいこと言ってる」 
「・・・・・・・ブチ」 
「あ、いや、わかりました~っ!」 
「それに・・・近いところじゃないと私も行けないし」 
「あ・・・やっぱり来るんだ」 
律はため息をもらした 
「あたしがあんたたちに特訓してあげるから、覚悟しなさい!」 
ビシッと音がしたような気がした。さわ子は決めポーズをとっている 
「じゃ、お仕事があるから。バイバ~イ」 
そう言ってさわ子は音楽室から出ていった 
585 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/10(月) 22:46:04.97 ID:iSl3DN99O 
音楽室にご無沙汰の静寂が訪れると、梓が口を開いた 
「ふぅ・・そういえば、最近楽器屋さんに行ってませんでしたよね。 
今日で学校も終わりですし、よかったらみんなで行きませんか?」 
「確かにっ!ギー太も最近見てもらってなかったし」 
唯はケースの上からギー太をなでていた 
「そうだな。もしかしたら新しい楽器とか楽譜が入荷してるかも」 
「じゃあ、行きましょうか」 
5人は音楽室を後にした 
最終更新:2009年08月19日 22:55