第22話(今週分)
http://www.star-driver.net/story/story22.html
第23話(来週分)
http://www.star-driver.net/story/story23.html
【感想キーワード】
1)神話前夜の台本
2)台本にないアドリブ
3)眩い銀河からの訪問者
4)本土からの来客
5)再び、寝所にて
今週はもう一言ズバリ「神回」。これまでの21話、輝きのタクトを見続けてきて良かったと思える回でした。
本作は全編通じて「学園を舞台とした演劇」の趣が強い作品ではありますが(ちょっと気が早いですけど)今回はそんな本作のクライマックスにして集大成とも言うべき内容だったと思います。
1)神話前夜の台本
それにしても神話前夜は名演でした。
今回特に大活躍だったのが、青年コルムナ/スガタと魔女アイン/スガタメさん。特にスガタメさんはよく頑張ってました。
配役毎の役割で言うと、キスシーン重視の少年マルク&少女コルムナ、ストーリー牽引役の青年コルムナ&魔女アイン、って感じ。
さて、エンドウ部長の入魂の台本、取りあえず全文を起こしてみました。こちらです↓
<神話前夜台本>
神話前夜台本
各人の熱演、ところどころ散りばめられるコメディ要素も含め見どころ満載の内容ですが、中でも見逃せない部分がこちら。
・そもそもこの話、どうやら、イカ刺しサム以前のサカナの惑星での顛末を描いた内容らしい。
・シーン3より、以下のやり取り。例の「スガタのナイフ」の一件を想起させますが…?
 魔女アイン /…おや、お兄さん。物騒なもの持ってるじゃないか。
 青年コルムナ /男なら、誰でも一本のナイフを持っている!
・シーン6より『青年コルムナ
/この船がこの星で一番大きな魔力を持っているといったのはお前だ…今僕は、その船と一体化している。お前よりも大きな魔力を持っている…
』の発言の後に一瞬映る、「何者かを握りつぶしたような描写」。その姿は、地下のサイバディ遺跡の中心に位置する「握りつぶされたサイバディ」のそれに酷似していますが……?
まるで「STAR DRIVER 輝きのタクト」という壮大な演劇それ自体を示唆するような内容の数々。
果たしてこんな内容を台本として認めた、エンドウ部長の正体とは如何に……!?
そんな彼女の正体に関する衝撃の事実は、演劇のラストシーンで明らかになります。
2)台本にないアドリブ
神話前夜の最終幕。
どこからか舞台を見つめているミヤビ・レイジ/ヘッドさん。
既に舞台袖に引いているスガタ。
彼らも見守る中、エンドウ部長は台本にない芝居を始めます。恐らくタクトに向けての、彼女からのメッセージを込めて。
エントロピープル / この船はもはや何者にも破壊すること叶わず。故に封印しておくしかない。
少年マルク /
クレイスの過去にそんな事が……でもどうして、この話を僕にしてくれたの?もしかしたらあなたも魔女?それとも、やはりあのイカ大王の化身なのだろうか?
エントロピープル / 私達はエントロピープル。魔力を使わないもの。
・少年マルク /(え……私『達』?)
---(多分ここからアドリブ)---
・エントロピープル /
……君はかつてのコルムナのように、生命のオーラの輝きを持った少年だ。だからこのクレイスの姿も見えるのだ。そしてこの船を動かす力も持っている。
・少年マルク / ……え
・エントロピープル /
聞け、生命のオーラの輝きを持つ少年よ。私達エントロピープルは、魔力を使わないと決めた銀河の一族だ。巨大な魔力を持つこの船そのものの破壊…そして船に偶然接触する生命の生殺与奪の権限など、元より私達にはない。この船を君がどうするのか、私達には見守ることしか許されない……
・エントロピープル /
ただ私は君にどうしても、せめて知っておいてほしかった、この船の物語を。そして知りたい、同じようにこの船を動かせる君が、これからどうするのかを。
・??? / 君もコルムナのように、やはりナイフを持っているの? (←謎の声)
タクトも薄々は彼女の意図するところを察したのでしょう(彼にはこの「謎の声」が誰の口から出たものだったか分かっていたとすれば、尚更丸分かりでしょう)即興芝居で返して曰く。
・少年マルク /
……もし僕に命のオーラの輝きがあるなら、それは船を動かすためのものではなく、彼女の笑顔を見るためのもの。たとえナイフを持っていたとしても、それは彼女を守るためのものです。
・エントロピープル / ……そうか
(マルク、階段を昇り、クレイスのもとへ)
・少年マルク / 約束するよクレイス。僕は君が大切だと思っている全てのものを、何が何でも守ってみせるよ。
・少女クレイス / マルク……
(2人、キスシーン 閉幕)
……お分かりいただけたでしょうか?
3)眩い銀河からの訪問者
それでは決定打をもう一つ。
演劇の閉幕後、タクト、スガタ、ワコの3人を遠目に見つめながらのエンドウ部長発言。
・エンドウ部長 /さてこの星の運命は、いよいよあいつら次第だ。
・???(謎の声) /うん。他のと違って、タウバーンは地球人のために作られたサイバディだ。僕達にもどんな可能性を秘めているのか分からない…。
・エンドウ部長 /いずれにしても私達に出来ることは、見守ることだけだ
かねがね私、エンドウ部長は綺羅星のてっぺんに居座る黒幕だと思っていましたが、どうやらそれに止まらない存在だったようです。
そしてここでも出てきた謎の声。演劇の時だけなら演出の可能性もありましたが、ここでまた出てきたということは、もうこういう可能性しかないですよね。
ズバリ。
エンドウ部長はサイバディ及び地下遺跡の開発元である、外宇宙文明の出身者である
そして
キツネ副部長もまた、普通に人語を操ることのできる、エンドウ部長と同じ外宇宙文明の出身者(CV:田中冴樹)。
なるほど、部長&副部長(まさか副部長も、とは予想外でしたが…)は、タクト側か綺羅星側か、っていう次元のもう一つ上、サイバディの創世に関わった存在であると…。
タクトの発言はそんな彼ら「サイバディ創世者」に対する決意表明であったわけですね。
しかし、これほどの重要人物であるにも関わらず、ヘッド(ミヤビ・レイジ)のエンドウ部長に対する態度を見る限りにおいては、まだ彼も彼女がそのような人物であったという事実は掴んでいなかった様子。情報通の彼にしては珍しいですね。しかしだとすると、ミセスワタナベの発言、そして綺羅星の最終目的「銀河への旅立ち」などからするに、綺羅星は南十字島地下遺跡に眠っているものが外宇宙文明の所産である宇宙船だっていうこと自体は把握しているはずですが、これは彼らが独自調査の末に得た結論ということなのでしょうか。
……或いはひょっとして。
更にもう一枚裏に、未だベールに包まれた第3・第4の銀河びとが存在するのかも?と妄想してみたり。
可能性の1.もう一人、サカナの惑星の顛末を知っていた人物、サカナちゃん自身、或いは彼女の血縁者(親、祖父・祖母…)が宇宙人。
可能性の2.「人には見えない少女クレイス」が示唆するところを深読みすると……ひょっとしてこの島、ひぐらしの「羽生」的な、一般人には見えない、更には視聴者にも見えていない、しかしある特定の手段を用いる者には見えている「何か」がいるのではなかろうか(そしてその特定の手段……魔女アインの魔法の眼……そう、『アインゴットの眼』、ということでは……)
残り数話だと言うのに未だ手の打ちが完全に明かされないとは……う~む、最後まで楽しませてくれますね。
4)本土からの来客
さて上記以外のサプライズとして、お客さんにもちょっとビックリな点が。
今回の「神話前夜」を見るため、オカダ・ハナさんがまさかの再登場。
声を充てている人からするに、絶対一回こっきりの登場だと思っていたのですが……来てしまいましたね、南十字島に。
しかし、自分が恋している人とのキスシーンが目玉となっている演劇を見せるために、
島外からわざわざ自分の幼馴染(それも初恋の人!)を呼び寄せるとは、タクトは凄い勇気です。
そして、それを分かっていながら(彼女曰く「タクト君の好きな人を見に来た」)島に来てくれたハナさんもまた凄い。
これはナツオ君が死んでしまって以来、お互いの位置関係をはっきりさせる踏ん切りがつかなかった2人の、一種のけじめだったのかもしれません。
これで完全に退路を断ったタクトは、今後はワコを振り向かせるため、全身全霊をかけて取り組んでいくことになるのでしょう。
5)再び、寝所にて
そしてその一方で、対抗馬であるはずのスガタの状況にも大変化が。
ケイトさんが全裸でスガタの寝所に入るという衝撃シーンで幕を閉じた第18話以来、3話ぶりとなる再びのケイトさんのお勤めシーン。
具体的なお仕事内容としてはシルシを通じてのエネルギー補給みたいな描写になっておりまして、行為に及んでいるわけではなくざんね……ゲホン。ともかく不健全な行為ではありませんでした。まぁこの点は予想通りではありますが、しかし注目はその後。スガタが目を覚まし、自分を救ってくれていたのはケイトさん、そして彼女がヒガニシの巫女であることを把握します。
そして来週第23話のタイトルは「エンペラー」。単純に考えれば、これはスガタが「ケイトさんのために綺羅星側につく」フラグですよね。
そういえば、「第4フェイズの解放を遅らせる目的」、ヘッドのそれについては明らかになっていましたが、ケイトさん自身がなぜ解放しないのか?については、これまで具体的には言及されてきませんでした。
これ、「スガタが綺羅星側に来てくれてからでないと、第4フェイズ、そして第5フェイズ解放後にスガタが死んでしまうかもしれない」と彼女が考えていた……と考えると、いろいろと納得がいきます。そして来週のタイトルが、彼のために隊長の座が空席となっている第1隊の名称「エンペラー」。これは展開が一気に加速する臭いがプンプンです。
しかし彼女は今ではタクトのこともそれなりに気にしているわけで、その辺りとのバランスを考えると、スガタ一人が寝返ったからといって、すぐにフェイズ解放を承諾するとは考えにくいところです(……といっても、タクトにはタウバーンがあるわけだから大丈夫、という考え方も出来ますが……)。残り数話、ケイトさんの心情絡みの部分には特に注目していきたいところです。