<リンク集>
位置づけとしては「教科書・参考書」。
<作品概要>
- <◆基本情報>
- 著者:アーシュラ・K・ル・グィン
- 訳者:小尾芙佐・他(ハヤカワSF文庫)
- 収録作品
- セムリの首飾り / Semley's Necklace
- 四月は巴里 / April in Paris
- マスターズ / The Masters
- 暗闇の箱 / Darkness Box
- 解放の呪文 / The Word of Unbinding
- 名前の掟 / The Rule of Names
- 冬の王 / Winter's King
- グッド・トリップ / The Good Trip
- 九つのいのち / Nine Lives
- もの / Things
- 記憶への旅 / A Trip to the Head
- 帝国よりも大きくゆるやかに / Vaster than Empires and More Slow
- 地底の星 / The Stars Below
- 視野 / The Field of Vision
- 相対性 / Direction of the Road
- オメラスから歩み去る人々 / The Ones Who Walk Away from Omelas
- 革命前夜 / The Day Before the Revolution
- 主な受賞歴
- <◆あらすじ一覧>
- セムリの首飾り / Semley's Necklace(1964) / 小尾芙佐訳
- (あらすじ)フォーマルハウト第2惑星の生命体「リュアール」の貴族(=「アンギャール」)の娘・セムリは、かつて一族が保有していた宝物の宝石を求めて「グデミアール」のもとを尋ねたが、彼ら種族はその宝石を「星の君」に売り渡してしまっていた。それを聞いたセムリは、「星の君」の下へ行くことを決意する。
- 四月は巴里 / April in Paris (1962)/ 小尾芙佐訳
- (あらすじ)1961年のフランス。自身の仕事を認めてもらえないバリイ・ペニイウイザー博士は屋根裏部屋で一人やさぐれていた。しかしそんな彼の目の前に突然、見た事のない本、見た事のない部屋、そしてジャン・ルノワールと名乗る人物が姿を現す。
- マスターズ / The Masters(1963) / 小尾芙佐訳
- (あらすじ)学寮の修士となるため、「機械の秘跡」を異教徒に漏らさないことを誓わされたガニルであったが、そのことに釈然としない思いを抱いていた。そんな彼に、同輩のミード・フェアマンは、「数字」と「数学」の秘密と魅力を語る。
- 暗闇の箱 / Darkness Box(1963) / 佐藤高子訳
- (あらすじ)王位継承権の返還を要求する兄との戦いを続けているリカード王子。彼は海辺での戦闘の後、一人の少年から、中身が「まっくらやみ」の小箱を受け取る。
- 解放の呪文 / The Word of Unbinding(1964) / 浅倉久志訳
- (あらすじ)魔法使いのフェスティンは冷たい土牢で目を覚ました。残忍な魔法使いのヴォールを倒そうとして、逆にその虜囚になってしまったのである。彼は目的を果たすべく、土牢の中から再び行動を開始する。
- 名前の掟 / The Rule of Names(1964) / 小尾芙佐訳
- (あらすじ)サティンズ島には一人の魔法使いが住んでいる。丘のふもとの洞穴に暮らす、気のいい小太りの中年男性、ミスタ・アンダーヒルだ。しかし島に流れ着いたもう一人の魔法使い「黒ひげ」は、彼の正体と「真の名前」に興味を持つ。
- 冬の王 / Winter's King(1969) / 小尾芙佐訳
- (あらすじ)惑星「冬」の国家・カルハイドの王であるアルガーベン・ハルジは、精神的に不安定な状態に陥り、衰弱していた。何者かに精神操作を受けたことが原因である。彼ないし彼女(※王は両性具有の民である)は、周囲の者たちと共に、自身の取るべき行動を模索する……
- グッド・トリップ / The Good Trip(1970) / 佐藤高子訳
- (あらすじ)ヤク中の青年、ルイス・シドニー・デヴィッド。彼は妻に「旅立たれた」ショックを和らげるため、幻覚の虜になることを望み、LSD漬けの日々を過ごしていた…
- 九つのいのち / Nine Lives(1969) / 浅倉久志訳
- (あらすじ)辺境惑星の探査任務についていたビュー大尉とマルティン中尉の二人の下に、半年ぶりの他人……応援部隊の10名が到着した。彼らは、自分達10名全員が「ジョン・チャウ」のクローンであると語る。
- もの / Things(1970) / 浅倉久志訳
- (あらすじ)家を建てるのが仕事のリフは絶望に打ちひしがれていた。目の前の海を渡れなければ、自分は遠からず命を落とす。しかし手元にあるのは、水に浮きもしない煉瓦だけ。一体どうすればいいのか。
- 記憶への旅 / A Trip to the Head(1970) / 小尾芙佐訳
- (あらすじ)何もかも記憶を失った「彼」。自分の名前も、周囲のものの名前も、ここが地球であったのかどうかすら、分からなくなってしまっていた。彼は目の前の「相手」と共に、自分が何者かを思い出そうと試みる。
- 帝国よりも大きくゆるやかに / Vaster than Empires and More Slow(1971) / 小尾芙佐訳
- (あらすじ)極地調査隊の一員、「感覚担当」のオスデンは、チームの和を乱す鼻つまみ者だった。そんな彼が、新惑星の森での単独調査中、何者かに殴り倒され重傷を負う。一切動物がいないはずの惑星の上で、一体何が彼をそのような目にあわせたのだろうか?
- 地底の星 / The Stars Below(1974) / 小尾芙佐訳
- (あらすじ)天文学者のグエンナールは、異端狩りから逃れるため、地下の坑道へ身を隠す。空の見えない世界での暮らしに苦悶する彼だったが、数日を過ごすうち、彼は天空の営みに勝るとも劣らないあるものを発見する。
- 視野 / The Field of Vision(1973) / 浅倉久志訳
- (あらすじ)サイキ宇宙船からの生還者は2名、どちらも異常な状態であった。空軍大尉のテムスキーは何を語りかけてもうんともすんとも反応を示さない。一方物理学者のヒューズ博士は「異様に眩しい光」の存在を訴えて聞かなかった。そこが文字の判別にも不自由する暗室であるにも関わらず、である。
- 相対性 / Direction of the Road(1973) / 佐藤高子訳
- (あらすじ)ある道路の脇で長い年月を生き続けてきた「樫の木」。彼は人間に対し、樹木としての視点から、ある事を訴えたがっていた。
- オメラスから歩み去る人々 / The Ones Who Walk Away from Omelas(1973) / 浅倉久志訳
- (あらすじ)オメラスの都では、あらゆる人々が幸福な日々を謳歌している。住民の表情は、幸福に満ち喜ばしげであった。しかしその輝かしい生活には、ある一つの源泉が存在する……
- 革命前夜 / The Day Before the Revolution(1974) / 佐藤高子訳
- (あらすじ)無政府主義を掲げる夫「タヴィリ・オドー・アシエオ」の妻として、若かりし日に活動家として活躍したライア。現在のスー国では、ソイネヘ州が分離独立を宣言、いよいよ革命の気運が高まりつつあった。しかし今の彼女は、自身の身体の制御もままならぬ一人の老婆に過ぎなかった。
<その他雑感、関連情報>
- 雑多キーワードメモ
- ロジャー・ゼラズニイ「形づくるもの」(帝国よりも大きくゆるやかに)
- 「解放の呪文」は、アースシーと呼ばれる「第二の宇宙(セカンダリーユニバース)」への最初の接近と探検。三部作の最終巻「さいはての島へ」を予示している
- LSD(シュガー・ランプ)、シオドア・スタージョン、「ソリチュード」(グッド・トリップ)
- ゴードン・ラットレイ・テイラー「人間に未来はあるか」(九つのいのち)
- ジャン・ポール・サルトルは言った「よその国民はくたばれ」(記憶への旅)
- 「形づくるもの」の主人公チャールズ・レンダー→「レンダー症候群」(帝国よりも大きくゆるやかに)
- 生物学者ハーフェクス、医者ハイト・トミコ(主要登場人物/帝国よりも大きくゆるやかに)
- ユング「精神の本質について」…錬金術師の言葉「セミナテ・アウラム・イン・テラム・アルハム・フォリアタム」(地底の星)
- ヘンリー・ヴォーン(1621-1695)「ある夜わたしは永遠を見た/清らかで限りなく大きい光の輪を…」(視野)
- ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」、ジェイムズ「道徳哲学者と道徳哲学」(オメラスから歩み去る人々)
- オレゴン州セイレム<Salem(Oregon)>を逆さに読んで<Omelas>(オメラスから歩み去る人々)
- オドー主義者(「所有せざる人々」より):無政府主義(アナーキズム)(革命前夜)
- 「心の神話(サイコミス)」(解説)
- ロバート・スコールズ「西に善き魔女あり」(解説)
最終更新:2011年11月23日 22:46