はれ☆すた

スバル◆4J82o0Qvdw氏の作品
(まとめ未完)


古泉「さて……お察しの通りですがこの頃閉鎖空間が今までとは比べものにならない頻度で出現しています」

キョン「そんなものは察したくもなかったがな」

古泉「原因は何かは勿論貴方も理解しているでしょう?」

キョン「あぁ、だが、ハルヒが苛つくことなんてあったか?泉とかが来て寧ろ楽しそうに見えるんだが」

古泉「それが問題なんですよ、貴方には分かりませんか?」

キョン「分かりたくもないぞ」

古泉「簡単に言えば、貴方に好意を持っている女性がいるんです。その人を切っ掛けとして皆が貴方に好意を持っていることを認識し始めたんですよ」

キョン「……誰がだ?」

古泉「貴方の身の回りにいる女性の大半と言って良いでしょう」

キョン「ちょっと待て、いきなりそんな事を言われても困る」

古泉「そう悠長なことも言っていられません。閉鎖空間は規模、出現回数、共に増え続けています。何かしらの対策を打たないといけないんです」

キョン「一体どうしろって言うんだ?俺に何が出来るんだよ」

古泉「そうですね……貴方が涼宮さんとつきあって下さるのが順当なんですが……」

キョン「断る」

古泉「そう言うでしょうね。ですから、1ヶ月の時間を与えます。その間に涼宮さんでなくても構いません。誰かとつきあって下さい」

キョン「……色々突っ込みたいことがあるがそれは良い。だがな、もし俺がハルヒ以外の奴に告白したらどうなる?またハルヒがとんでもな力を使って世界を作り替えるんじゃないか?」

古泉「えぇ、いざとなったら長門さん達に頼んで涼宮さんの力を長門さんに移し替えれば大丈夫でしょう」

キョン「だからいきなりそんな事を言われてもだな」

古泉「話は伝えました。1ヶ月の猶予を与えたのですから、無駄に使わないことです」

 

……そう言うと古泉は部室から去っていった。

全く、いきなりそんな事を言われても混乱すると言うことに古泉はいつ気付くのだろうか?

俺はこれからのことに悩みながら部室を後にするのだった。

 

 


キョン「……と言う話を聞いたんだが本当なのか、長門?」

長門「確かに涼宮ハルヒは貴方に対して貴方達が言っている恋愛感情を有していると思われる」

キョン「長門が言うからには……間違いないんだろうな」

長門「ない」

キョン「じゃあ、泉や柊姉妹や高良さんもそうなのか?」

長門「涼宮ハルヒよりも明確ではない。だが、そうなる可能性を秘めている」

キョン「まるで何かの冗談みたいだな、そりゃ」

長門「……私も」

キョン「?」

長門「私もそうなるかもしれない」

 

長門の言葉を聞いて俺は愕然としたさ。

だってそうだろう?長門は最初に会ったときは感情なんてまるでない奴だって思ってたくらいだ。

まぁ、SOS団で活動をしていたら感情が少しずつ俺でも読み取れるようになったと思ったら……。

いきなり好きかもしれないと言われた俺のみにもなってくれ。

俺はそんな事をぼやきながら長門の家を後にした。

 

 


何だかんだで次の日、俺が古泉や長門に言われたことを脳内で反芻させながら学校へ行った。

要するに俺は1ヶ月以内に誰かに告白をしろと言うことで、周りの女子は大半が俺に好意を持っていると言うことらしいが……。

ハルヒ「キョン、遅いじゃない!」

キョン「そう言うな。俺だって朝ぐらいゆっくりとしたいんだ」

ハルヒ「ふん!まぁ良いわ。でもSOS団の活動の時はゆっくりなんてしてられないんだからね!」

キョン「分かったよ」

こんな会話をしていながら俺は長門の言っていたことを思い出した。

長門の言ったことが真実ならハルヒも俺のことを好き……なんだろう。信じたくはないが。

まぁ、俺もハルヒとSOS団で色々行動するのは嫌いでも迷惑でもないが……。

キョン「なぁ、ハルヒ」

ハルヒ「何よ、キョン」

キョン「明日、ポニーテールにしてきてくれないか?」

ハルヒ「はぁ?何で私がそんなことしなくちゃいけないのよ?」

キョン「俺の趣味みたいなもんだ」

ハルヒ「嫌よ、あの髪型にするのって結構面倒なんだから」

キョン「しょうがない、じゃあ柊(姉)か泉にでも頼んでみるか」

ハルヒ「な。何よ、そんなに見たいわけ?」

キョン「あぁ、ハルヒのポニーテール姿は以前見たっきりだからな。また見てみたいさ」

ハルヒ「……しょうがないわね」

そう言うとハルヒはすぐに髪型をポニーテールにしてしまった。

ハルヒ「こんなことはこれっきりなんだからね!他の奴らに見せるのがもったいないんだから!」

 

等と良いながら顔をそっぽに向けてしまったが。

心なしか顔が赤くなっていたのは気のせいだと信じたい。

……いや、言い訳ばかりするのは止めておこう。今はこの状況をどうするべきか、それを考えるべきだな。

 

さて、俺はどうやら1ヶ月の間に誰かに告白をしなければいけないという無理難題に立ち向かわなければいけないわけだが……。

一体誰とそんな関係を結ぶべきか、考えているときだった。

 

こなた「やぁ、キョンキョン。そんな難しい顔してどしたん?」

キョン「泉か……まぁ、色々俺にも悩みはあるさ」

こなた「キョンキョンに悩み?何だか気になりますなぁ」

キョン「それより泉。相談がある」

こなた「へ?キョンキョンが相談って?それって今言った悩みと関係有るの?」

キョン「それはどうでも良い。俺が相談したいのは恋の相談だ」

こなた「……!あはは、私、やることがあるんだったなぁ!」

キョン「あ、おい!」

 

泉はそう言うとさっさと教室から出て行ってしまった。

さて、泉までそんな反応をされると俺はまともに喋る女子がいなくなってしまうんだが……。

 

 

 


そんなこんなで俺は一日を無理難題を考え続けて過ごした。

当然昼食に何を食べたかなんて覚えてないしSOS団で何をしたのかも大して覚えてない。

俺はぼーっとしながら家にのろのろと歩いていた。

あきら「何ぼーっとして歩いてるのよ?」

キョン「なんだ、あきらか……」

あきら「なんだとは何よ!」

キョン「あぁ、わるいわるい」

あきら「全く……この頃らっきーちゃんねるにも来なくなったし……」

キョン「白石に任せればいいじゃないか」

あきら「あのね!あきらはあんたに来て欲しいのよ!」

キョン「恥ずかしいことを大声で叫ぶな」

あきら「……馬鹿!」

キョン「大声で馬鹿呼ばわりするな。……ったく、ところであきら」

あきら「何よ!?」

キョン「わるかったって。機嫌を直せよ」

あきら「ふんだ、そう簡単には機嫌なんて直さないわよ」

そう言えばもしかしたらあきらも俺に好意でも持っているのか……?

いや、あんまりうぬぼれるのも駄目だが……試してみるか?

 

 


キョン「分かった。お詫びと言ってはなんだがあきらの命令を一つ聞いてやる」

あきら「えっ!?本当!?」

キョン「ここで嘘はつかねえよ」

あきら「……じゃあ、今度買い物につきあってよ」

キョン「買い物?」

あきら「べ、別に私一人でも何とかなるけど……そう!荷物持ちよ!荷物持ちが必要なだけだから!」

キョン「はいはい、じゃあ今度の週末な」

あきら「絶対よ!」

そう言ってあきらと別れた。それにしても……何故俺が好かれるんだ?

俺より古泉の方が女子の人気は高いと思うんだが。俺はそんな事を考えながら家に帰った。

 

 


さて、俺はあきらと別れて家に着いたら、着信音が響いた。

俺の携帯のディスプレイには古泉と表示されている。忌々しいことだが、でなければ拙いようだ。

 

古泉「どうも、小神さんとデートの約束をしたそうですね」

キョン「小神……?あぁ、あきらか。ってちょっと待て、何故その事を知っている?」

古泉「機関の情報収集能力を侮ってはいけませんよ」

キョン「……(まさかこの古泉もどこぞの古泉の如く……)」

古泉「何やら考え事をしているようですが、時間がありません。貴方は小神さんを選ぶのですか?」

キョン「別にそんな訳じゃない、ただ買い物の約束をしただけだ」

古泉「全く……貴方のその鈍感さにも困ったものです」

キョン「何で俺が鈍感なんだ」

古泉「何でもありませんよ」

 

古泉はそう言って電話を切った。

さて、古泉の妄言はともかくとして、俺もあきらとの買い物について考えることになった。

まぁ、別にそこで騒動も起こることもないだろうから大丈夫だろう……俺はそう思っていた、思っていたさ。

 


 

さて、約束の日が来た。俺はあきらとの(半ば強引に約束させられた)買い物につきあう羽目になっていた。

そんな訳で俺はいつもSOS団で集まっている駅前に集まった。

 

あきら「遅いわよ」

キョン「お前が早すぎるんじゃないか?」

あきら「何よ、あたしは一時間前からずっと待ってたのよ?」

キョン「何でそんなに早いんだお前は」

あきら「もう、さっさと行くわよ!」

キョン「分かったよ」

 

ハルヒ「キョン……確か今日は家の用事でSOS団の活動が出来ないって言ってたのにどうしているのかしら……これは尋問が必要ね……!」

朝比奈「キョン君……」

長門「……」

古泉「全く……嘘はもう少し上手くついて欲しいものですね。フォローするのも大変なんですがね」

 

 

 

さて、そんなこんなで俺はあきらと買い物をしているわけだ。

ぶっちゃけ内容としては他愛のないものだったさ。

ハルヒや朝比奈さん、長門や古泉と一緒に街を回るのと差はなかった。

しかし、あきらとこんな風に街を回るのは初めてだったから、新鮮さはあったと思っている。

 

あきら「ねぇ、キョン!」

キョン「なんだ?」

あきら「これ、あたしに似合うと思わない?」

 

そう言って差し出したのはペンダントだった。

 

あきら「ほら、どう?あたしの可愛らしさが更に引き出せると思わないぃ?」

キョン「俺に言われても困るんだが」

あきら「だからぁ……あんたの感想を聞いてるのよ!」

キョン「あぁ、そう言うことか。確かに可愛いとは思うぞ」

あきら「……キョン。あんたが買ってよ」

キョン「え?」

あきら「あんたが買って」

キョン「……分かったよ」

 

 


俺はそう言ってそれを買った。まぁ、奢るのは有る意味俺のステータスになりつつあったしな。

しかし改めて考えると嫌なステータスだな。

 

あきら「で、これはあんたがつけるの!」

キョン「ちょっと待て、別に俺は」

あきら「良いの!」

 

そう言ったあきらの首には俺が買ったペンダントと同じものがあった。

 

キョン「……ペアルック……?」

あきら「わるい?///」

 

ハルヒ「ふ~ん、キョンったらSOS団の活動をサボって良くあんな事出来るわねぇ……」

朝比奈「あの人積極的なんですねぇ……」

長門「小神あきらは彼に好意を抱いている。彼がその好意に答えるのは時間の問題」

古泉「なるほど、僕としてはこのままの状況を維持して貰いたいのですがね……」

長門「……それは駄目」

古泉「どういう意味ですか?」

長門「私が困る」

 

???「やぁ、キョン。こんなところで奇遇じゃないか」

キョン「お前は……」

 

 


キョン「佐々木……どうしてお前がここにいるんだ」

佐々木「珍しい事じゃないだろう。僕とキョンは同じ街に住んでいるんだ。休日に同じところで出くわしたって珍しくない」

キョン「……」

 

何だかあからさまに怪しい気がするのは俺の気のせいではないな。

佐々木自身がわるい奴ではないのは俺だって知っているが、佐々木の取り巻きが俺の敵なのは十分承知しているんだ。

 

あきら「で、あんた誰ぇ?」

キョン「あぁ、佐々木は俺の」

佐々木「親友」

あきら「え?」

佐々木「とは言っても中学の、それも3年の時だけの話だけどね。でも僕は彼の性格はすぐに分かるし、その逆、彼も僕の性格は分かっているはずだ、そうだろう、キョン?」

キョン「そうか?お前の性格を全て分かるとは俺は思ってはないがな」

佐々木「そうかい?ならそう言うことにしておくよ」

 

そして佐々木はくっくと笑った。

 

佐々木「そう言えばキョン、僕は僕で二人きりで話したいことがあったんだ。でもデーとしているなら仕方がない。一次退散しよう。それじゃあ」

 

そう言って佐々木は去っていった。

全く、佐々木はこの頃俺を困らせるためだけに行動しているんじゃないか?と俺は思い始めたのだった。

 

 

キョン「全く……一体何しに来たんだよ、彼奴」

あきら「キョン」

キョン「……(まさかとは思うが、佐々木も俺のことを……)」

あきら「キョン?」

キョン「(いや、待て!彼奴は恋愛感情なんて一種の病気と思っている奴だぞ!?)」

あきら「あんた、あきらの話を聞いてるわけぇ?」

キョン「(佐々木め……後で何を考えているかきっちり話して貰わないとな……)」

あきら「ちょっと!いい加減にしなさいよ!」

キョン「うわ、いきなり大声を出してどうした?」

あきら「あんたがあきらの話を聞かないからでしょぉ!?」

キョン「分かった、わるかったよ……で、なんだ?」

あきら「その……」

キョン「?」

あきら「佐々木って人と、あんたはつきあってたりしたわけ?」

キョン「……」

 

 

ハルヒ「べ、別にあたしは気にはならないけど、団長として知っておく義務があるから、それだけよ!?」

朝比奈「キョン君って誰かとつきあってたりするんですかぁ~?」

長門「……そのような情報は該当しない……」

古泉「そうですか、なら安心ですね」

長門「……そう」

 

キョン「あぁ、彼奴はただの友達さ。彼奴は親友って言ってたけどな」

あきら「本当なわけぇ?」

キョン「嘘をつく必要なんてないだろ」

あきら「そう……良かった」

キョン「何か言ったか?」

あきら「べ、別に!?あ、あきらはもう帰るから!」

キョン「お、おい!?」

 

あきらはそう言って帰ってしまった。俺はしばしの間呆然とするしかなかった。

 

キョン「……やれやれ」

 

 

 

俺は取り敢えずあきらと別れて家にでも帰ろうとしたら、早速佐々木が現れた。

 

佐々木「どうやら僕が現れたことによってデートの邪魔をしてしまったようだね」

キョン「別にデートじゃないぜ」

佐々木「そうかい?ならばそう言うことにしておくよ」

キョン「それで、話ってなんだ?」

佐々木「そうだね、取り敢えず駅前の喫茶店で話そうか」

 

そんなこんなで駅前の喫茶店へ行くことになった。

 

佐々木「今思えば君とこうしてゆっくり話すのも久々なものだね」

キョン「佐々木。もしかしてそんな話をするためだけに呼び出したのか?」

佐々木「どうやら君は余裕がないようだね。本題に入る前の世間話をする気がないとは、君らしくない」

キョン「……」

佐々木「そう怒った顔をしないでくれたまえ。本題に入ろう」

 

そう言うと佐々木は少し間をおいてから言った。

 

佐々木「キョン。僕とつきあって貰えないか?」

 

 


キョン「……すまん。もう一回言ってくれ」

佐々木「なんだ。聞こえなかったのかい?だったらもう一度言うよ。僕とつきあってくれないか?」

キョン「待て、お前の言っていることがさっぱり理解出来んぞ」

佐々木「そんなに理解出来ないことかい?僕だって恋愛をしたい年頃なんだがね」

キョン「お前、前に恋愛は一種の精神病とかなんだか言ってなかったか?」

佐々木「そうだね、確かに僕は昔そう言った。だけどそれが真実かどうか、僕には証明するすべを持っていないのだよ」

キョン「どういう意味だ」

佐々木「つまりだね、キョン。恋愛を精神病と認めるには実際に恋愛をしなくてはならないと言うことだね」

キョン「……つまりはあれか、自分の持論を証明するべくつきあえってことか?」

佐々木「そう言うことになるね。僕はキョンなら不服はないんだが、君の方は不服かい?」

 

確かに佐々木は顔はわるくない。古泉でさえ絶賛するほどの奴だからな。

だが……。

 

キョン「佐々木、わるいがこの話はなかったことにしてくれないか」

佐々木「ふむ、君はどうやら僕では不服なようだね」

キョン「当たり前だ」

佐々木「どうしてだい、参考なまでに理由を聞かせてくれないか?」

キョン「……つきあう理由が気に食わないだけだ」

佐々木「ふむ、それではおかしいことになるね。もし僕が表面的に違う理由を言っていたらつきあっていたことになるんじゃないか?」

キョン「いや、それもないな」

 

俺はそれだけ言うと佐々木に背を向けて喫茶店を出た。

俺が佐々木の告白を断った理由は自分でも分からない。

ただ、自分のことを好きでいる人を差し置いて、好きでもないと公言している佐々木とつきあうのはどうかと思っただけだ。

そんな事を思いながら俺は家に帰るのだった……。

 


家に帰り、俺はこれからどうするべき考えていると、携帯電話が振動し始めた。

古泉からだった。取り敢えず電話に出た。

 

古泉「どうも、古泉です」

キョン「何の用だ」

古泉「いえ、貴方がこれからどうなさるのかを聞きたかっただけです」

キョン「何故そんな事を話さなければならん」

古泉「いえ。実は少し状況が変わってきましてね」

キョン「なんだって?」

古泉「実は貴方と小神さんとのデートを涼宮さん達が尾行していたんですよ、気付いていませんでしたか?」

 

彼奴、人の私生活を覗くとは何を考えてやがる。

 

古泉「しかもその場所には朝比奈さんと長門さんもいましたね、三人とも貴方と小神さんの様子を並々ならぬ様子で見ていましたよ」

 

長門や朝比奈さんまでいるとは……そんなに俺の私生活が気になるのか?

ってちょっと待て、何故古泉がそんな事を知っているんだ。と言うか知っているなら当然お前も尾行していることになる。

 


古泉「えぇ、僕もそれには参加していましたよ」

キョン「……今更お前が止めることには期待はしてないから良い。それより、ハルヒ達の様子はどうだったんだ?」

古泉「そうですね。小神さんとの様子を見て危機感を募らせたようです」

キョン「危機感だって?」

古泉「そうです、貴方が特定の女子とデートする姿など涼宮さんは想像すらしていませんでした。だから動揺しているんです」

キョン「……で、古泉は何が言いたいんだ?」

古泉「つまり。それによって更に閉鎖空間が広がりつつあります。時間の猶予は2週間が精一杯でしょう」

キョン「おい、確かお前は1ヶ月が限界って言ってなかったか?」

古泉「えぇ、涼宮さんの精神が三日前なら1ヶ月は大丈夫でした。しかし今は更に不安定な状態ですので、二週間が限度なんです」

キョン「……その間に誰かに告白しなくちゃいけないのか?」

古泉「そう言うことです。ごまかしなどではいけません。本当の気持ちで告白をして下さい」

キョン「……くそ、ハルヒの野郎、少しは落ち着けってんだ」

 

俺はそう言って古泉との電話を終えた。

全く、俺は一体誰に告白すれば良いんだ?

俺はそんな答えもでない答えを考え続けるのだった……。

 

 

翌日、俺は未だに結論のでない答えを考えながら学校へと向かっていた。

これがゲームとか漫画なら羨ましいなぁ、と思えるのに実際に我が身に降りかかるとこうも難しい状況になるのだ。

誰かに告白することによる人間関係の変化、誰だって嫌な感じにはなりたくはないだろうしな。

特に俺の選択によってハルヒによる世界の改変があるとなれば本当に悩むしかない。

と、そんな世界の命運を賭けて戦っている勇者のような気持ちで歩いていると見慣れた後ろ姿が見えた。

 

キョン「谷口か」

 

そうだ、谷口ならなにか面白い考えがあるかもしれない。

谷口は普段は馬鹿だがこういう女関係なら見る目が少しはあるだろう。

そう思い俺は谷口に声を掛けてみるのだった……。

 


 

キョン「よう、谷口」

谷口「おぉ、キョンか。今日も相変わらずだるいな」

キョン「あぁ、そうだな。ってそれよりも谷口。お前に質問があるんだが」

 

俺がそう切り出すと谷口はあからさまに嫌な顔をした。

 

谷口「質問?俺にか?涼宮のやっかいごとの意見でも仰ぐ気か?」

キョン「そう言う訳じゃない」

谷口「分かったよ、で、質問ってなんだ?」

キョン「お前がこの学校で一番つきあいたい女子って誰だ?」

谷口「あぁ?何でそんな事を聞くんだ?」

キョン「別に何でも良いだろ、で、誰が良いんだ?」

 

 


 

俺がそう聞くと谷口は考える素振りもせずに答えた。

 

谷口「朝比奈さんだな。あの人を見るだけで俺は至福の時を過ごせるんだからな。そんな人は早々いないぜ?」

キョン「……」

 

まぁ、予想はしていたさ。谷口は朝比奈さんにぞっこんだし、朝比奈さんを見ると至福の時を過ごせるのは同意だ。

俺の場合はそれに朝比奈さんによるお茶のサービスつきだからな。

 

谷口「ただ、俺が今一番注目している女子は他にいるぜ」

キョン「なんだって?」

 

俺がそう聞くと谷口はニヤニヤと笑い出した。

 

谷口「なんだ、キョン、気になるのか?」

キョン「あぁ、お前の女子を見る目は確かだろうからな」

谷口「ふむ、そこまで言うなら教えてやろうじゃねえか」

 

そう言うと谷口は少し声を潜めながら言った。

 

谷口「俺が今一番注目しているのは……」

キョン「しているのは……?」

 

 

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最終更新:2008年05月21日 08:06
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