「おやおや、どうやら僕の負けですね」
古泉がそう言いながら黒が多いオセロの盤を見た。
というかお前弱すぎだ。どうして何度も戦っても勝てないんだ?
お前には学習能力がないのかと思いながらオセロを元の場所に戻した。
もう二年生の二学期も終わりに近づいてきて普通の人は進路について本気で考え出す時期だが今俺がいるのは、言わずと知れたSOS団の部室だ。今ここにいるのは、無口に本を読んでいる長門にさっきまで俺とオセロをしていた小泉、隣にはそれを眺めていた朝比奈さん。
そして長門と同じように本を読んでいる我らが団長涼宮ハルヒだ。
ちなみに今ハルヒが読んでいるのは、「らき☆すた」というマンガである。
らき☆すたというのは、今、かなり人気なマンガで、アニメ化までされている。俺も読んでいるがなかなかおもしろいマンガだと思う。
パタン
長門が本を閉じた。終了の合図だ。
ハルヒはすぐ部室を出て行った。
しかし、らき☆すたの世界は羨ましいね。
俺の現実より日常的だからな。
そう呟くと古泉が、
「そうかもしれませんね。もしかしたらこのマンガの世界もどこかの並行世界では現実であるかもしれませんね。もしかしたらどこかの並行世界では僕たちのことがマンガや小説になっているかもしれませんね。」と言った。
そうだな。少なくともこんな神やら宇宙人やら未来人やら超能力者などがいるこの世界のほうがマンガやアニメでありそうだ。
だがいくらこの世界が非日常でもここが現実で、「らき☆すた」の世界が架空の存在なのだ。
仮に並行世界にこういうことがあったとしてもこんなところ行くなんてまだ月に宇宙旅行に行くことや巨大ロボットで戦争しない我々人類では夢のまた夢の話である。
まあ、この現実も夢のようなことだと言ったらそれまでだが。俺が荷物をまとめながら言うと、
「そうですね」と、古泉は相変わらずのスマイルで言った。
まぁ、この日常が現実なのはもう認めた(というか諦めた)からな。
もし今までのことが夢だったらフロイト先生も裸足で逃げ出すほどわけわからん夢になるぞ。
「では、また明日」と、古泉が言い帰って行った。
さて、俺も帰るか。
今、私たちがいるのは、近くのファミレスだ。
そこで私は、こなたにつかさ、みゆきと話していた。
一年の時からみんなとこういう風に話している。
今、私たちが話していることはいま、私たちがはまっている小説のことだ。
「やっぱりさ、彼はツンデレだと思うのよ。たとえば・・・」と、こなたが熱弁している。
今、私たちがはまっている小説は「涼宮ハルヒの憂鬱」というライトノベルだ。
この物語は涼宮ハルヒをという女の子をを中心に起こる非日常な事件をその周辺の人たちががんばって解決するという内容だ。
今、マンガやアニメ化されているすごく有名なマンガなんだけど、
「かがみんや、同じツンデレとしてどう思う?やはりなにか感じるものがあるか?」
「何度も言うけど私はツンデレじゃないわ!それに実際に会ったことのない空想上の人物のことなんてわからないわ!」
「いやいや。もしかしたらいるかもしれないヨ?どこかの並行世界に」
「ゲームのやりすぎよこなた。現実を見なさい!」
私はため息をついた。
「でも、もしあったらすごく楽しそうだよね~。SOS団」
「でしょでしょ!?つかさももそう思うよね!?」
つかさまで!?…まあたしかに私もそう思う。たしかにこのラノベに登場している彼にはなんか親近感を覚える。何故かは知らないけど・・・。たぶん実際にいたら相性が合う気がするけど現実に宇宙人や未来人、超能力者はいないわ。
もし本当にいたらこの世界はとんでもないことになってるるわ。
こなたはまた彼はフラグクラッシャーやらさまざまなことを話している。
他愛のない会話だけどこういう風にみんなと話していると平和な感じがする。
こうして時間は過ぎていった。
「そろそろ帰りませんか?」
みゆきがそういうと、
「そうだネ」とこなたも言った。
「明日から二年生か~」
「みんな同じクラスになるといいね~」
こなたがそう言いつかさが続いた。…しかし何故かしら?またみんなと同じクラスになれない気が…。まあ、そんなこと明日になんないとわからないわね。
「じゃあ、バイバイ」
「バイバ~イ」
私たちは別れて私はつかさと家に帰った。