第一話
~はじまりはじまり~
「キョン君朝だよ~!」ドゴッ…
妹の朝のダイビングで目が覚めた。毎朝のことだがもっとマシな起こし方がないか疑問に思う。
そして、俺にダイビングしなおかつキョンというまぬけなニックネームを広げた張本人である妹は、
「新年度早々遅刻したら笑われるよ~」と言ってきた。
確かに妹の言うことも一理ある。新年度早々遅刻したらまずいな…。
「じゃあ、早く降りてきてね~」と言って妹は部屋を出て行った。
さて、早く降りて朝食を済ませないと新年度早々遅刻して…
……
ここで完全に覚醒したのか頭の中でいくつかの疑問が浮かんだ。
なぜ、妹は新年度とか言ったんだ?
プロローグでは二学期も終わり…つまり十二月といった筈だ。
俺は携帯を確認した。
携帯には四月という月を表示していた。
そういや寒いはずの冬の朝がかなり暖かい…温暖化にも程があるくらい。
俺は窓の外を見た。
そこには俺が毎日見ている景色とは全く違う景色が見えた。
…よし夢だ。間違いなく夢だ。
と、思いもう一度寝ようと思ったが、シャミセンがその爪のある足で俺の足を踏み現実を告げた。
まぁ、また何か神がかったパワーが起こったんだったんだろう。ハルヒとかハルヒとかハルヒとかがな。
今回は二回目なので結構落ち着いていた。
まぁ、今回も何とかなるだろう。
そう思い、下に降り朝食を済ませ、制服に着替えた…
?何かおかしい。この制服は世間で言う学ランである。
我等の北高の制服はブレザーのはずだ。
俺は母に、なぜ学ランなのか聞いた。
すると母は、
「何言ってるの?北高は前年度で閉校して生徒は近隣の高校に編入されるでしょう。先月から知ってるでしょう?」
と言われた。
…
北高が閉校?知らねぇよそんなの。やっぱり夢なんじゃねえのか?
しかし、時は待ってくれず、時間はやばい状態だ。
一年の冬の時の忘れたい大変な三日間がよみがえる。
何があったのかは知らんが一大事であることは確かだ。
ハルヒがやったにしろ、長門がやったにしろ、今、俺がやるべきことは1つ。
SOS団の全員の状況を確認することだ。
俺はカバンと母が書いた高校への地図を持ち、玄関を出て走って行った。
朝、何か違和感を感じる朝だが、特に気にすることなく朝食を食べ支度をして、つかさとともに学校に向かった。
毎日変わらない学校への道…が、今日は違和感を感じた。
そう思うとつかさが、
「あれ?なんか見たことがない家があるよ」と言った。
「確かにそうね…。何か違うねぇ…」
「もしかして、建て替えしたのかなぁ?」
「普通一週間で建て替えなんてできないわ」
「でもいつもと違うよぉ」
確かによくまわりをみると、いつも見ている景色と微妙に違うわね。それも一軒だけならまだしも何軒もある。
うーん、どうして…ってもう時間ギリギリじゃないの!
「つかさ。時間がやばい。急ごう!」
そう思い私は急いで走った。
「お姉ちゃん。そんなに走ると転ぶよ~」
そうつかさが言った瞬間、
「キャア!」
思いっきりつまづいた。まずい!このままだと地面に衝突…
「うおっ!」
と思った瞬間他の人の声も聞こえた気がする。
「お姉ちゃん。大丈夫?」
「ええ…大丈夫だわ」
そう言いながら立ちあがった…あれ?なんであまり痛くないんだろう。
そう思った瞬間、今の状況に気づいた。
「イタタ…」って声が下で聞こえた。
どうやらその人がクッションになって助かったようだ。
って他の人も巻き込んでんじゃないの!
「すいません!大丈夫ですか!?」
私はその人に謝った。
「ああ。大丈夫だ。すまない。俺が気をつけなかったせいで」
「い、いえ!こちらのせいなんで!そちらこそ大丈夫ですか?」
「(何度も同じこと聞かれても…)ああ、大丈夫だ。ケガもないしな」
彼はそう言いながら立ちあがって、
「本当にすまない」と言って走って行った。
よく見たらあの人、私たちと同じ高校の制服だった
「あの人カッコよかったなぁ~…」
つかさが何か言った気がするが、よく聞こえなかった。
そう考えているうちに、
「やっほー」とこなたが来た
「こなちゃんおはよー」
「おはよう」
「おはようかがみにつかさ」
こうあいさつを交わした。登校中こなたが、
「そういえばさ、今日行く途中見たことがない家があったよ」
「あっ、こなちゃんも?わたしもあったよー」
「あれ?かがみん、なんで汚れているの?」
「それは…」
理由は省略するわ。え?誰に言ってるかって?知らないわ。
説明し終わるとこなたが、
「ほぉ~。かがみんフラグ立ったネ」
「はぁ?なに言ってるの?フラグなんて立つはずないでしょ!」
「いや、このシチュは間違いないよ。つかさ、顔はどうだった?」
「え?う~ん…かっこよかったよ。それにやさしそうだし」
そういえば顔を思い出してみる。顔は悪い方じゃないわね。どっちかと言うといい方だわ。
「よかったねかがみん。これは確定だよ」
「ゲームのやりすぎよこなた」
「あと、どこかで見たことがある気がするよ~」
「おや?つかさにもフラグ立った?」
「つかさに変なこと教えないで!」
そういう会話しながら歩いて行った。
そういえばあの顔私もどこかで見たことがある気がする。
まぁ同じ高校だからだと思うけど。
え?時間?私の確認ミスよ。
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俺は走って学校に向かった。
正直さっきの衝突はすごく痛かった。
というか右手の甲からブラッドが出てる。
しかし、さっきのツインテールの人やショートカットの人、どっかで見たことがある気がする。
だがとりあえずブラッドや二人の人のことはは後にしとく。
今はもっと解決するべき問題があるからな。
俺は走って学校を目指した。